IPO株の即金規制を利用して半年で116万円稼いだ具体的手法

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即金規制という言葉をご存知でしょうか?

新規上場(IPO)株が、特別買い気配(後述)で、初日に初値がつかなかった場合に、その翌日に初値形成を早める目的で、証券会社が実施する規制です。

即金規制の時、そのIPO株の株価は特徴的な動きをするのですが、その動きを利用すると、リスクを限定しながら確度の高い投資を行うことができます。今回は、その中で、即金規制投資の具体的な方法と、1ヶ月で50万円を稼いだ銘柄を使った実例をご紹介します。

この方法は、特に忙しいサラリーマンの方でも実践可能な手法なので、ぜひ参考にしてください。

それでは解説していきます。

1. 直近半年の即金規制投資の私の実績:1,168,900円

はじめに今回ご紹介する即金規制を利用した事例をご紹介します。

2017年の6月末までにIPOで即金規制になった銘柄は12個あります。下の表は、私が即金規制投資を行った銘柄を示しています。

●2017年1月~6月末までのIPOで即金規制になった銘柄と私の投資行動

銘柄名 私の行動
シャノン 即金規制のセカンダリーを行う
ユナイテッド&コレクティブ 見送り
ファイズ 即金規制のセカンダリーを行う
ほぼ日 即金規制のセカンダリーを行うが、その後、株数を増やして売却
力の源ホールディングス IPOを獲得していたためセカンダリーせず
インターネットインフィニティー 即金規制のセカンダリーを行う
ユーザーローカル 即金規制のセカンダリーを行う
テモナ 即金規制のセカンダリーを行う
旅工房 即金規制のセカンダリーを行う
アセンテック 見送り
ビーブレイクシステムズ 見送り
ディーエムソリューションズ IPOを獲得していたためセカンダリーせず

ご覧のように、6銘柄で即金規制投資を行いました。

それ以外の銘柄についてはIPOを獲得していたり、後から追加買いをしていたりするため、純粋に今回お伝えする即金規制の投資法ではなくなったりしています。

純粋に即金規制の売買を行った事例を詳しくお伝えすると、以下の通りです。

●2017年1月~6月までに行ったセカンダリーの事例

銘柄名  コード  買値  売値  枚数  実現益 
シャノン 3976 5,610円  6,020円  200株  82,000円 
ファイズ 9325 3,852円  4,000円  400株  59,200円 
インターネットインフィニティ 6545 4,685円  5,350円  300株  199,500円 
ユーザーローカル 3984 12,400円  13,100円  200株  140,000円 
テモナ 3985 7,235円  7,950円  1000株  143,000円 
旅工房 6548 3,612円 4,975円 400株  545,200円
            合計   1,168,900円 

 今回は、この投資法をお伝えします。

そこで、まずは即金規制とは何かということからお伝えしていきましょう。

2. 即金規制とは

即金規制(別名:「即日現金規制」「即日現金預託制度」)とは、正しくは「新規上場銘柄の売買に関する規制措置」と言います。

IPO株は上場当日に、売り注文よりも買い注文の方が圧倒的に多ければ「特別買い気配」と言われ、株価を切り上げていき、売株数と買株数が同数となったところで「初値」が決まります。

例えば、下図をご覧ください。

特別買い気配

図の右側の緑と青の数字のところにご注目ください。

これは1,350円の価格帯において、買い注文が767万株分、売り注文が206万株分あるということを示しています。これが特別買い気配で、この状態では、買いの方が圧倒的に多いので、まだ初値は決まりません。

買い株数と売り株数が一致するまで初値は決まらないのですが、上場初日は株価は最高でも公募価格の2.3倍までしか切り上げることができないという決まりがあります。そして、2.3倍以上の価格でも買いたい人の方が多ければ、上場初日は初値が決まらず、翌営業日に持ち越すという場合があります。

このような時、証券取引所が「即金規制」を実施します。この即金規制は、大引け後に発表され翌営業日の取引から適応されます。

2.1. 即金規制は上場日の翌営業日から適応される

つまり、時間軸としては以下のようになります。

上場初日 初値決まらず
上場二日目 即金規制で取引に制限
上場三日目 通常ルールに戻る

なお二日目に初値がつけば三日目からは通常取引に戻りますが、二日目も初値がつかなかった場合は三日目も即金規制が適用されます。

2.2. 即金規制がかかると取引は現金で即日徴収される

通常、購入したIPO株は、通常は、買い注文が約定した時は3営業日後に現金で入金決済します。

しかし、即金規制が実施されると、買い付け代金が現金で即日徴収されることになります。つまり、即金規制がかかると現金徴収のみになるので、証券口座に預けている額の分までしか取引できなくなり、信用買いもできなくなります。

売り注文を出していた側は、売注文が約定しても、3日後に入金があるまで現金は増えません。その分、新たな取引ができなくなってしまいます。

2.3. 即金規制時は指し値注文だけになる

即金規制の時は、発注の際に成り行き注文が利用できずに指値注文だけになります。そのため、証券会社によってはインターネットからの発注ができなくなり、電話注文に切り替わります。

なお即金規制が適用された銘柄でもネット取引ができる証券会社は下記の二つです。

私は、この投資手法の場合は、基本的に、こちらの証券会社でネット取引を行うので、実践する方は知っておくと便利かと思います。

3. 即金規制による株価への影響

それでは、即金規制がかかると株価にどのような影響があるのかを具体的に解説します。この投資手法の肝の部分なので、しっかりと理解を進めていきましょう。

3.1. 即金規制が行われると買い手が大きく減少する

それでは、証券取引所は、なぜこのような即金規制を行うのでしょうか?

上場初日に初値がつかなかったということは買い需要が多過ぎるということを意味します。その中で、即金規制を行うと、現金を持っている人しか、その株を買えなくなりますよね。つまり、即金規制によって強制的に買い需要の減少を図り、初値の形成を早めようという意図があるのです。

それ以外にも、発注方法も指値だけになってしまうため、二日目には買い手が大きく減少することになります。なお売り手の数は、そもそもIPO株の公募時の売り出し株すうによって限られているので変わりません。

買い手の数だけが減少することになり、それにより買い手と売り手の数が合致しやすくなり、初値形成のタイミングを早めることになります。

3.2. 即金規制が解除されると買い手が優勢になる傾向が強い

上述の通り、即金規制は二日目の買い注文には影響しますが、二日目に初値が決まった場合は、翌日から発注方法も含めて通常取引に戻りますので、買い手が増えていきます(ちなみに、過去10年間で初値が二日目も決まらなかったのは株式会社リプロセルの一社のみです)。

また、二日目のどのタイミングで初値が決まったとしても、その日は終日、即金規制のままで翌日の三日目から通常取引に戻ります。しかし、二日目は終日、現金取引となるため、その時点では、まだ積極的に買われないことが多いです。

しかし、翌日には通常取引に戻りますので、それを意識した買いが二日目の後半から入っていく場合があります。

つまり、二日目に下図のような動きをした時が狙い目ということですね。

株価の動き

私は、このようなパターンの時に、これまで何回も投資をしてきました。

次から、その実例をご紹介していきます。

4. 即金規制投資で一ヶ月で50万円の利益を得た事例

ここまでご説明したように、上場日に初値が決まらなかった場合、翌日の即金規制明け狙いで投資を行います。そこで、株式会社旅工房(6548 2017年4月18日 東証マザーズ上場)の事例をご紹介したいと思います。

同社は公募価格が1,370円で、上場初日は3,150円まで切り上げ初値がつきませんでした。下図は、上場直後の同社の5分足です。そして二日目に即金規制がかかり、3,750円で初値をつけました。

旅工房

4.1. 買い判断と売り判断

私は、この動きを見て同社の即金規制明けに備えて次のシナリオを考えていました。

  1. 二日目に特別売り気配で始まる場合
    この場合は初値がついたら株価より下の指値を入れる。
  2. 前場中に初値が決まる場合
    この場合、初値形成を見て打診買い(市場の反応をみるための小口の注文)をした後に更に買い付けるか検討する。
  3. 後場中に初値が決まる場合
    この場合、株価より下の指値を入れてみる。

結果としては2番のシナリオになりました。

そのため事前に検討していた通り、3,750円で打診買いをしました。その後、株価の低下に合わせて、3,600円、3,550円で指値注文を入れていき、結果的に平均3,612円で400株の買い付けを行いました。その後、同社は後場に入ってから値上がりして、4,140円で取引を終えました。

その後も、即金解除による買いが入ったため株価は上昇していきました。

旅工房 即金規制トレード2

私は、上図の通りの株価で売却をしていき、最終的に約50万円の利益をあげることができました。もちろん、全てがこれだけうまく行くわけではありませんが、10万円ほどの利益であれば、ざらに手に入れることができます。

今回はシナリオ2でしたが、1や3になった場合も三日目の基本的な値動きの仕方に変わりはありません。そこは検証と経験を積んでいってみてください。

4.2. IPOの24.6%で即金規制投資のチャンスがある

なお一年間で即金規制がかかるIPO株は、直近の5年間を見ると平均24.6%あります。

  上場数 即金規制数 割合
2013年 54 17 31.5%
2014年 77 19 24.7%
2015年 92 22 23.9%
2016年 83 15 18.1%
2017年 36 12 33.0%

※2017年は6月末時点での記録。

これだけの収益機会があるので、即金規制にしっかりと網を張っていれば大きな利益を得ることができます。

5. まとめ

いかがだったでしょうか?

通常IPO投資というと、これから上場する企業が、実際に上場する前に株式を購入(公募申込)して、上場後の値上がり益を得ることをイメージされると思います。

通常の方法は、確かに利益を得られる確率が非常に高いですが、そもそも公募申し込みの当選確率が高いとは言えず、収益機会が限られているということです。

ちなみにIPO株の当選確率を大幅に上げる方法もあり、それは『IPOの当選確率を大幅に上げる3つのテクニック』でご紹介しています。この方法で、私は、申し込んだIPO株の半分以上に当選しており、これだけでも年間500万円程度の利益を得ることができています。

しかし、それでもIPO株に当選できずに涙を飲む時もありますし、何よりも、投資家としても、一家の大黒柱としても、もっと稼げるようになりたいと思っていました。

今回ご紹介する即金規制投資は、『新規上場株の業績の上方修正投資で1年間で155万円稼いだ方法』のように、そんなIPO投資の収益機会を大きく増やすために、生み出した投資方法の一つです。

ぜひ、あなたの投資活動に役立てて頂ければ嬉しく思います。

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柳橋義昭

柳橋義昭

IPO投資を中心としたイベント投資で年間2000万程度のトレード利益を得ている株式投資家。証券会社でのIPOの業務の経験や、証券ディーラーの経験を活かして独自のIPO攻略法を構築。

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