デルタヘッジとは|相場がどちらに動いても利益を狙う戦略

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「デルタヘッジ」とは、オプショントレードの手法の一種です。

株やFXのトレードでは、価格の上昇や下落に応じて利益か損失のどちらかが発生します。しかし、オプションを使って、価格が上昇しても下落しても利益をあげられる方法があります。その一つがデルタヘッジです。

この記事を読むことで、下記のことを学ぶことができます。

  • デルタヘッジとはどのような手法か
  • デルタヘッジの実践手順
  • デルタヘッジのメリットとデメリット

デルタヘッジを学ぶことで、値上がり益を狙うのとは異なる観点から利益を得られるようになります。ぜひ、最後までお読みください。

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木原 克明

木原 克明

システム会社経営、外資系コンサルティング会社勤務を経て、現在はエンジュク株式会社のシステム担当として勤務。IPO投資やイベント投資などの日本株投資を実践するほか、米国株オプション投資を実践している。日本の個人投資家に米国株オプションの魅力を伝えるエバンジェリスト(自称)。好きな言葉は「感謝」。

1. デルタとは

デルタヘッジを学ぶ前提として、まず、「デルタ」を理解する必要があります。デルタとは、「原資産の値動きに対して、オプション価格(プレミアム)がどの程度変動するか」を示すものです。

そもそもオプションは、対象となる資産(原資産)を売り買いする権利のことです。そのため、オプション価格は原資産の値動きに影響を受けます。その影響を受ける度合いが、どの程度強いのかを表しているのがデルタです(オプションについては、「オプション取引とは」をご覧下さい)。

このデルタの数値は-1~+1の間で動き、パーセントで表すこともできます。ちなみに、パーセントの場合は-100%~+100%の数値となります。

まず覚えていただきたいのが、デルタ1(100%)とは、原資産が1動いたらオプション価格も1動くということです。

続いて、このデルタの数値の意味を、実際の取引ツールを使って説明いたします。

下の画像は、カブドットコム証券に口座開設をしたら見れる日経225のオプション価格表です。カブドットコム証券のツールは、デルタなどの指標が詳細に表示されるのでおすすめです。

なお、コールオプションのオプション価格表を使いますが、コールオプションについて理解を深めたい場合は、「コールオプションとは?」の記事をまずお読み下さい。

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この表を見ておわかりのように、デルタは権利行使価格付近、つまりアット・ザ・マネー付近では0.5に近くなります。そして、権利行使価格よりもアウト・オブ・ザ・マネーになるほど、0に近くなります。

ちなみに、アウト・オブ・ザ・マネーとは、コールオプションの場合、原資産の価格が権利行使価格に到達していない状態をいいます。この例では、権利行使価格が21,875円より大きいオプションのことをいいます。

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また、コールオプションの場合、権利行使価格よりもイン・ザ・マネーになるほど、デルタは1に近くなります。ちなみに、イン・ザ・マネーとは、コールオプションの場合、原資産の価格が権利行使価格を超えている状態をいいます。この例では、権利行使価格が21,875円より小さいオプションのことをいいます。

2. デルタヘッジの手順

デルタヘッジは、オプションと先物を組み合わせてポジションを作っていきます。ここでは、日経225ミニと日経225オプションを使って、デルタヘッジの具体的な手順をご説明します。ぜひイメージを掴んでいただければと思います。

2.1.日経225のコールオプションを買う

まず、日経平均先物の価格に近い日経225のコールオプションを1枚買います。このコールオプションのデルタは0.5でした。

2.2.日経225ミニを売る

続いて、日経先物ミニを5枚売ります。ちなみに、日経225ミニは、日経225先物の10分の1の単位で取引できる先物です。ここで日経225ミニを使うメリットは、通常の日経225(ラージ)より細かいデルタの調整ができる点にあります。

日経先物ミニの売りのデルタは1枚あたり-0.1なので、5枚売ると-0.5になります。この2つのポジションのデルタを合計すると、0になりますよね。このデルタが0の状態を、「デルタニュートラル」といいます。

2.3.デルタの調整を行う

価格が変わらなければデルタは0のままですが、 日経平均株価は日々価格が動きますので、デルタも当然動いてしまいます。例えば、当初の価格から日経平均株価が上昇し、コールオプションのデルタが0.6になったとします。

この場合、コールオプションのデルタ0.6と日経225ミニのデルタ-0.5の合計は0.1となり、デルタがプラスに傾いています。ここで、デルタを0(ニュートラル)に戻すためには、日経225ミニの売りを1枚追加すればよいことになります。

そうすることで、日経225ミニの売りは合計6枚となり、デルタは-0.6になります。コールオプションのデルタが0.6なので、デルタの合計は0ですよね。その後、 引き続き日経平均株価が上昇し、デルタが増加したら、同様に日経225ミニの売りを追加して、デルタが0に近付くように調整します。

次に、日経平均が下落してデルタが0.6から0.5に戻った場合はどうすればいいでしょうか?その場合は、先ほど追加売りした日経225ミニを1枚買い戻して決済すると、デルタは0に近付きます。

日経平均株価が上昇した時に日経225ミニを売り、下落した時に買い戻しているので、この取引は利益となります。これを繰り返すことで、利益を積み重ねていく方法がデルタヘッジです。

3. デルタヘッジの具体例

では、デルタヘッジの手順をご理解していただいたところで、実際の日経平均株価の数値を使ってもっと詳しく見ていきます。

まず、日経平均株価が21,765円の時に、権利行使価格が21,750円のコールオプションを1枚買ったとします。このオプションのデルタは0.5でした。

この時、同時に日経225ミニを21,765円で5枚売ります。日経225ミニを5枚売るとデルタは-0.5になります。コールオプションと日経225ミニの売りを合わせると、デルタは0になります。

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その後、日経平均株価が上昇し、21,900円になったとします。コールオプションのデルタは上昇し、0.6となりました。合計のデルタは0.1です。

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そこで、デルタを0に調整するために、日経225ミニの売りを21,900円で1枚追加します。

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その後、日経平均株価が下落し、21,765円に戻ったとします。そうすると、コールオプションのデルタも0.6から0.5になります。日経225ミニのデルタが-0.6ですので、合計するとデルタは-0.1となり、ズレてしまいます。

これを0にするためには、先ほど追加した日経225ミニを1枚買い戻す必要があります。21,900円で売った日経225ミニを21,765円で買い戻しますので、13,500円の利益となります。

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デルタヘッジでは、このような取引を繰り返して利益を積み重ねていきます。

なお、この取引で必要な資金量は、大体70万円くらいでした。内訳は、日経225ミニの売りが6枚で486,000円(1枚あたり81,000円)、コールオプションの買いで200,000円です。ただし、相場に応じて必要な金額は変動しますので、状況に応じて適切に資金管理を行って下さい。

4. デルタヘッジのメリットとデメリット

4.1.メリット

デルタヘッジのメリットは、原資産の価格が動けば、相場が上下のどちらに動いても理論上は利益が出る点です。相場の動きを予測する必要がないので、機械的に取引を行いたい方にはおすすめです。

4.2.デメリット

一方、デルタヘッジのデメリットは、価格が動かないと損失になる点です。原資産の価格が動かなくても、時間の経過によってコールオプションの価格は下がってしまいます。また、デルタが変わる度にポジション調整が必要になるので、相場を予測する必要がない反面、手間が掛かるのを嫌う人もいます。

まとめ

投資で難しいのは、相場の先行きを予測することです。しかし、デルタヘッジを使うと、相場の上げ下げに関係なく、動きさえあれば利益を出すことが可能です。必要なスキルは、ポジション調整の仕方だけです。

皆さまも、ぜひデルタヘッジに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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