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FXの損切りルールを決めて勝ち続ける戦略を作る方法

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FXで利益を上げるには、エントリーしてから利益確定をおこなうことです。これを繰り返せば、資産は増えていきます。
しかし、もっと重要なことがあります。それは、「損切り」です。利益を上げることと正反対の行動ですが、私は、トレードを行なううえで、損切りが一番重要だと考えています。なぜかというと、損切りをしていれば、大損することが無いからです。FXであってはならないこと、それは大損して資金を失うことです。逆をいうと、初心者が適切な損切りを覚えないと、大損するのは時間の問題といえます。

FXにおいて、利益を出すことよりも、損しないことがどれほど重要か、初心者の方はご存知ないかもしれません。

トレードでは、軽い気持ちで始めた方が、大損して退場するケースが後を絶ちません。その理由は、損切りを甘く考えているからです。むしろ、それは自然なことでもあります。なぜなら、儲けるためにFXを始めるのであって、損するためではありませんね。そのため、損失を出した姿を想定しないからです。あくまでも儲かっている姿を想像し、それがモチベーションとなるからです。

しかし、トレードで勝ち続けるには、リスクを受け入れ、リスクと上手に付き合うことが必要です。そのために、損切りは絶対に必要な行動です。もしあなたが、損切りの重要性について正しく理解し、その上で利益をだすことができれば、それこそ本物の勝ち組トレーダーといえるでしょう。

そこで、このページでは、損切りに関して知っておくべきことの全てを、お伝えさせていただきます。

 1.プロスペクト理論|初心者が損切りできずに負けていく心理
 2.長期的に勝つにはうまく負けることを覚えることから始まる
 3.基本的な損切りルールの決め方
 4.バルサラの破産確率表を確認して長期的に勝てる戦略を取れているかを確認する

損切りというとマイナスイメージな言葉ですが、上手な損切りができるようになると、トレードが楽しくなることも事実です。淡々とトレードこなして右肩上がりで資産が増加し、損を恐れてびくびくトレードすることが無くなります。

大損する潜在的な可能性を排除し、勝ち組トレーダーになるためには、上述の3つの項目は全て必要です。投資心理を理解しないと思考が身につかず、そうなると損切りのルールが決められないなど、どれも欠けてはならないのです。そのため、少し長くなりますが、是非最後までお読みください。

1.プロスペクト理論|初心者が損切りできずに負けていく心理

FXトレードでは、常に二択の選択を迫られています。エントリーするかしないか、決済するか、もう少し保有してみるか、ロット数を減らすか増やすかなど、多くの選択肢があります。この選択により、トレードでどれだけ利益を得られるか、もしくは損失をこうむるのか決まってきます。そして、トレードのような、1分先の価格も分からない不確実性の強い状況下で選択しなければならないと、ある心理状態が働きます。

それは、「利益」を得るときと、「損」をするときでは、その価値が異なって感じてしまうことです。
これが、FXで負ける原因です。

負けた経験が無い初心者の方は、負ける理由など考えることはないでしょう。しかし、大半の方が勝てないFXでは、心理状態が大きく関わっています。

最初に、この心理状態について説明させていただき、そのあとに損する2つの共通点を見ていきます。そうすることで、なぜ初心者が損しやすいのか、そして、投資心理の重要性がよりお分かりいただけると思います。あなた自身の投資心理をテストし、実際に相場で同じようなことをしていないか、思い出しながらお読みください。

1.1. プロスペクト理論は目先の利益を得て損失を回避したがる心理

人は、利益を得られる場面ではすぐに手に入れることを優先し、損をする場面では損を回避したいという心理が働きます。利益と損失で価値が異なるとは、このようなことです。そして、これを行動心理学で「プロスペクト理論」といいます。

たとえば、次の質問で、あなたはどちらに魅力を感じますか?

A:10万円が100%の確率で手に入る。
B:50%の確率で20万円が手に入るが、50%の確率で0円になる。

これは、「利益」に関する質問で、半数以上の方が前者のAを選びます。
これを、トレードに置き換えて、もう一度問いかけてみてください。

A:そのトレードで確実に10万円勝てる。
B:50%の確率で20万円勝てるが、50%の確率で利益が0円になる。

これもAを選ぶ方が多いです。
利益はすぐに確定したい、という投資心理が働くからです。

では、次は「損失」に対する質問です。
かりに、あなたが行なったトレードで、20万円の含み損をかかえていると想定してください。

C:100%の確率で含み損が10万円に減る。
D:50%の確率で含み損が0円になるが、50%の確率で含み損は20万円のまま。

この場合、後者のDを選ぶ方が多くなります。
なぜなら、損失は絶対に確定させたくない、という投資心理が働くからです。リスクをとって、損するリスクを回避したいという心理です。

ABおよびCDの選択は、どちらも価値としては同じです。
しかし、ABのような「利益」に対しては、「より確実な方」を選択するのに対し、CDのような「損失」に対しては、「リスクを冒してでも損失を回避したい」という心理状態になります。

トレードで問題になるのが、利益を得るときではなく、損失を回避しようとするときの心理です。損失を回避したい、つまり、損を確定させたくない気持ちや、損失を受け入れることを先延ばしにし、さらにリスクを冒してしまうことです。それが顕在化すると、大きな損を招きます。

このプロスペクト理論は、行動経済学で立証された理論です。あなた自身は大丈夫だと思っても、無意識に上述のような判断をするのが人間です。長期的に見て損する行動を取りやすい、ということを意識している必要があります。

では、具体的にどうすればいいのか、という心配がでてきますね。それは、「ルールを作ること」です。私の経験上、上述のような心理状態にならないよう、精神を操ることはできないです。ルールについては、詳しく後述します。その前に、損する共通点を見ていきます。

1.2. FXの負けパターンは1発大損と損切り貧乏

次に、初心者が最も陥りやすい2つの負けパターンを紹介します。

 ・勝率が良くても1回で大損するケース
 ・小さな負けをひたすら繰り返すケース

この2つの負け方は、性質が違いますので順番に説明させていただきます。ただし、どちらも、トレードで勝てない典型的な例です。絶対にやってはいけないトレードですので、思い当たる節が無いか確認してください。

1.2.1. 損切りしないとたった1回の負けで破産してしまう

最初は、損切りをしないがために、1回のトレードで大きな損失を出してしまう怖い負け方です。

これは、FXを始めて間もない頃、軽い気持ちでトレードした人がやってしまうことが多いです。損切りの重要性を理解していないため、含み損に耐えていればいつかプラスマイナスゼロあたりにはなるだろう、という甘い考えで保有してしまいます。

特に日本人に多いのが、ドル円やクロス円の円がらみの通貨ペアを買い、利益が出るまで売らずに保有し続けるトレードです。下がったら買うという逆張り投資法は、たとえ一時的に含み損になったとしても、待っていれば戻ることが多いです。これも、損切りをしない理由の一つにあるでしょう。

また、初心者の方はトレードルールが決まっていないため、根拠のないナンピンをしたり、イグジットのルールを変更します。たとえば、15分足で判断して買いエントリーしたにも関わらず、含み損になったとたん、1時間足ではまだ大丈夫、日足では下がっているうちに入らないなど、時間軸を変更し、損切りをしない理由を見つけてしまいます。

ほとんどの場合は戻ってきますが、中長期トレンドが下向きになると戻ってこなくなります。
下図を見てください。ドル円の週足チャートです。

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2012年12月から3年間は上昇トレンドでした。この期間は、どこで買いを入れても、たとえルールが無くても保有さえしていれば含み益になります。そして、2016年に入ってから相場は一変し、下降トレンドになりました。買っていればいつか戻ってくるという相場が3年間も続いていたため、このトレンド転換の大局を読み、売りポジションに転じる判断をすることは難しいでしょう。

逆張りで買い続けても、ポジションが膨らんで口座が耐えられなくなります。そして、このような相場で大損をしてしまうトレーダーが増加します。たった1回のトレードで資金を失い、退場してしまうのは本当にもったいないことです。

日常的に、次のような判断をしていないか、確認してください。

 ・戻るまで待つ
 ・根拠のないナンピンをする
 ・損切りしない理由を見つける

プロスペクト理論でいうと、損失を回避したいという行動といえます。損を出したくないという行動が、さらにリスクを取っていて、大損するのは時間の問題になりますので、注意が必要です。

1.2.2. 損切り貧乏は気付いたら資金が減っている負け方

2つ目の負けパターンは、「損切り貧乏」です。

損切りの重要性はある程度理解していて、上述したようにたった1回のトレードで大損することはありません。ポジションが逆行したら損切りはしっかり行ないます。しかし、損切りの回数が多く、逆に利益確定をする回数が少なくなります。そのため、勝率が悪く、右肩下がりで口座資金が減っていきます。

たとえば、買いポジションをもったとします。

価格が下落し、損切りはしっかり行ないます。しかし、価格がまた上昇してくると、損切りをしなければ良かったという悔しい気持ちになるのが人間です。そして、また買いポジションを持ってしまいます。再度下落し、また損切りを行なう、これを何度も繰り返します。いずれメンタルが崩れ、取り返そうと想定以上のロットを張ったりします。

また、このようなトレードをやる方は、損切り貧乏になるのが怖くなり、利益確定もすぐに行なうようになります。
プロスペクト理論でいうと、利益を確実に得ようとする行動です。リスクをとって損失を回避しようとはしないため、上述したような大損はありません。しかし、常に早期で利益確定するために大きく勝つことが無く、トレードをやればやる程、資金は目減りしていきます。

結果的に、損切りせずに耐えていれば、大きな利益が出ていたという後味の悪さだけが残ります。
これが、損切り貧乏です。

1.3. ルールを決めることで適切な損切りができるようになる

上述してきたように、プロスペクト理論は行動心理学で立証された、立派な理論です。そのため、FXのような不確実性の強い世界で、人が損をする行動をとってしてしまうのは、当然といえます。

では、FXで勝つことは難しいのでしょうか。

そんなことはありません。上述しました、損する典型的な例は、どちらも共通点があります。それは、きちんとした損切りのルールが無いことです。ルールが無いから、プロスペクト理論の罠にはまっていくわけですね。ルールを決めれば、適切な損切りができるようになりますので、安心してください。

具体的なルールについては、後述します。

しかし、投資において、人は損する行動をしやすいという認識は忘れないでください。自分だけはできる、頭がいいからプロスペクト理論など関係ない、という勘違いはしないようにしてくださいね。冷静さを失いやすい投資心理は、誰にでも当てはまります。

私は、2008年のリーマンショックのときに大損をしました。プロスペクト理論通りのトレードをしていて、下がったらナンピン買いという極めて危険なトレードをやっていました。退場は免れましたが、1回のトレードでほとんどの資金を失いました。それ以降、勝つ事よりも負けないこと、つまり、損切りだけはしっかりと行うようになりました。そして、勝てるようになったのも、これがきっかけです。

トレードでは、勝ち続けるための思考と、テクニックがプラスの期待値になったとき、はじめてトレード勝てるようになります。どちらかが伴っていないと勝てません。このあと、大事な思考をお伝えした後、ルールについて説明させていただいます。

2.長期的に勝つにはうまく負けることを覚えることから始まる

FXを始めたからには、夢のような利益を得たいですね。そのためには、一時的に勝つのではなく、勝ち続けないといけません。短期間で何億も稼いだにも関わらず、そのあと資金を失って退場しているトレーダーも少なからずいます。そんなに稼いだのに、なぜ退場するのだろうか、と不思議に感じる方もいるでしょう。どこかで損切りしていれば、たとえ1回負けたとしても大金は残るはずですからね。

しかし、短期間で何億も失うようなやり方は、損切りせずにトレンドに乗った結果、成功した例が多いでしょう。損切りのやり方を理解せずに大勝ちしてしまった、と言い換えることができます。うまく負ける、というと変な言い方ですが、適切な損切りを覚えることが、これから勝ち続けていくために重要です。短期的にまぐれで勝つのではなく、5年、10年、20年というように、長期的に安定して利益を出し続けるという考えをお持ちいただくと良いです。

2.1. 上手な負け方を知らないまま勝つとそのあと大損する

1億勝てば投資方法は変わるとか、突然損切りできるようになることは絶対にありません。どれだけ稼いだとしても、思考が変わらなければ今までと同じやり方しかできない、それがトレードです。損切りの重要性を心底理解し、数多くの損切りをこなした上で、利益を出すようにしてください。数多くの損切りを経験していないと、リスクが顕在化したときに失う物が大きすぎます。

5万や10万が安い授業料とは言いませんが、5,000万や1億を失って初めて損切りの重要性を理解しても、それでは遅すぎます。

このように、上手な負け方を知らないまま勝つと、大損するリスクがあります。

2.2. 安定した利益は上手く負けることから

勝つことはいつでもできます。ポジションを放置していても、確率的には2回に1回は勝てます。
しかし、今重要なことは、損切りを躊躇なくできるようになることです。これは、ある程度の実践が必要です。損切りは心理的にプラスに働くことはありません。そのため、損切りと向き合うことを先延ばしにしがちです。

今は、勝つことよりも負けないスキルを身に付ける意識をしてみてください。これは、必ずこの先のトレードで生きてくると自信を持ってお伝えすることができます。

上手く負けることができれば、安定した利益が出せるようになります。損切り自体は利益になりませんが、大きく負けないことが、結果として右肩上がりの口座残高を実現してくれるとお考えください。

2.3. リスクを避けようとせずリスクと上手に付き合うこと

トレードには、リスクはつきものです。損切りは、そのリスクを排除してくれる行動で、メリットと言い換えることができます。そこで、損切りすることのメリットを考えてみましょう。

 ・大損する可能性を排除できた
 ・最小限の損失で抑えた
 ・次のチャンスでトレードできる
 ・今以上の損が出ることが無い
 ・戻ってほしいと祈らずに済む
 ・冷静さを保てる

損切りは、メリットが多い気がしますが、いかがでしょうか。
相場は、次から次へとトレードチャンスがやってきます。限られたチャンスしか無いのではなく、永遠にトレード環境は存在します。この環境で、損失を最小限に抑え、次のチャンスを冷静に待つことができるだけでも、勝てるチャンスが無限大になりますね。

特に、「冷静さを保つ」ことはトレードでは本当に重要です。
想定と違う値動きをしたら、躊躇なく損切りし、次に備えましょう。

リスクを避けるのではなく、損切りを取り入れてリスクを最小限に留めてください。リスクを避けていると、損失に対する心構えが甘くなり、大損を招きます。

3.基本的な損切りルールの決め方

次に、具体的な損切りルールの決め方を見ていきます。

ルールを作ることは、絶対に必要です。勘や何となくのタイミングで適切な損切りを実行することは、不可能です。損切りのルールを決めないと、滅茶苦茶なトレードになりますので、必ず決めてから実践を行ないましょう。

利益確定のルールは、たとえ決めていなかったとしても、あまり問題ではありません。なぜなら、プロスペクト理論でみたように、気持ちよりも早く決済ボタンをクリックするからです。また、かりに含み益が無くなったとしても、資金はそのままですので、次のチャンスが待てます。しかし、含み損がふくらむと、心理的にも資金的にも最悪の状況になります。

これから私が実践している例を紹介しますので、タイミングや目安など、参考にしてください。損切りのやり方に正解は無く、トレード手法の数だけ存在します。重要なことは、あなた自身の明確なルールを決めることです。上述した損切りの重要性を意識しながら、実際のトレードで損切りする場面をイメージしてお読みください。イメージすることで、これは実践できそうだ、これは自分には無理だ、というようにあなたのトレードスタイルに合った損切りのルールが構築されていきます。

3.1. 損切りの基本はエントリー根拠が崩れたときに躊躇なく行なう

どんなトレードスタイルでも、共通していなければならない損切りのルールがあります。

それは、「エントリー根拠が崩れたら決済すること」です。どんなトレードスタイルでも、損切りのタイミングを決めるコツになります。これから手法を構築する上で、損切りの基本として覚えるのがおススメです。

たとえば、エントリー根拠にどのようなものがあるかというと、次の2つが代表的です。

 ・テクニカル分析
 ・ファンダメンタルズ分析

また、次のような根拠もあります。

 ・資金管理で決める

この3つの具体的な例、損切りのタイミングについては順番に説明いたします。

3.1.1. テクニカル分析は損切り目安を判断しやすいやり方

たとえば、テクニカル分析において、サポートラインを基に買いエントリーするとします。
しかし、そのサポートラインを下抜けた場合、エントリー根拠が崩れたことになります。サポートラインで反発し、そこから上昇していく想定をしていたからです。サポートラインを割ったということは、想定と違う値動きになったわけですね。買いポジションを持っている理由が否定されました。損切りをするタイミングは、このときです。上昇する根拠が否定され、買いポジションを持っている理由が無くなりましたね。

このように、テクニカル分析は損切りの目安が決めやすく、とてもおススメのやり方です。また、テクニカル分析で行う損切りは、トレードスタイルによって様々な方法があります。

次の3つのスタイルで、それぞれ紹介します。

 ・スキャルピング
 ・デイトレード
 ・スイングトレード

まず、スキャルピングです。
下図の1分足チャートを見てください。

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Aの箇所で下がると予測し、売りポジションを持ったとします。左下の図のような値動きを予測し、移動平均線より上抜けてこない、という判断をしました。損切りをするタイミングは、この根拠が崩れたときです。つまり、価格が移動平均線より上にきたとき、根拠が崩れたので損切りをします。

この場合、手法や利益確定のポイントなどは考慮しません。あくまでも、根拠が崩れときに損切りをする、という観点でお考えください。今回は移動平均線を使いました。これが違う根拠でも、それは問題ありません。たとえば、Aから下落していくならAより5pips以上は上昇しないだろう、という予測をすれば、損切り幅はマイナス5pipsや6pipsになります。

これは1分足ですが、スキャルピングのように短期売買だと根拠が崩れるまでの時間も短いです。

また、エントリーする根拠が明確だと、損切りも明確になることが分かります。損切りできない理由として、エントリー根拠があいまいで適当にポジションを持ってしまうことです。入り方が適当だと、どこで出たら良いのか分からなくなるのは明白ですね。

次に、デイトレードで損切り根拠を見ていきます。
下図は、1時間足チャートです。

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ローソク足が、ネックラインと移動平均線の間に挟まれた状態です。この後、ネックラインを下抜けると判断し、移動平均線より上にはこないと予測しました。そこで、Aで売りポジションを持ちます。損切りするタイミングは、エントリー根拠が崩れた時、つまり、ローソク足が移動平均線を上抜けたときですね。この予測が外れたら、迷わずに損切りします。

損切りするタイミングは、ヒゲをつけたらすぐ切るのか、それとも実体でローソク足が確定するまで待つのかなど、細かいトレードルールは考慮しません。覚えていただきたいことは、エントリーする前から、損切りのポイントを決めている、ということです。

続いて、スイングトレードです。

ポジションを長く持つ場合、保有中に判断が変わることがあります。スキャルピングやデイトレードのように短い時間軸で判断すると、損切りのタイミングもすぐ訪れるため、根拠が変わることはありません。しかし、数日~数週間ポジションを持っていると、その間にチャートの形が変わったり、テクニカル的な節目も動くため、根拠も変わります。

下図の日足チャートを見てください。

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チャネルラインを根拠に、Aから下がると予測し、売りポジションを持ちました。この時点で、損切りの根拠はチャネルラインを上抜けることです。そして、ポジションを持ってから、徐々に含み益になりました。含み益が出始めると、保有している時間が長くなり、チャートが新たに形成され出口の戦略も変わります。

4時間足で見てみます。

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Aは、日足も4時間足も同じポイントです。

Aで売りポジションを持ったあと下落し、ネックラインが形成されました。下落する根拠が否定されたら決済するので、たとえば、このネックラインを上抜けたら決済するのが一つの目安です。もし下落するなら、ネックラインより上にくることはあません。この場合は損切りではなく利益確定になりますが、下落する根拠が否定されたら売りポジションは決済する、という意味合いでお考えください。エントリー時は、チャネルラインだけでしたが、チャートが形成されるにつれ、ネックラインが追加されました。

スイングトレードのように日をまたいでポジションを持つと、その根拠も刻々と変化していくので対応が必要です。ローソク足は斜めに進んでいくので、節目となる価格帯も時間の経過に合わせて移動していきます。トレンドラインを考えるとわかりやすいです。ローソク足がトレンドラインに今日あたる場合と、明日あたる場合では価格が違いますね。そのため、根拠もそのときの相場に合わせる必要があります。

3.1.2. ファンダメンタルズで損切りする場合はテクニカルと併用できる

次は、ファンダメンタルズを基に損切りタイミングを決めるパターンです。

ファンダメンタルズといっても、その範囲が広いのでエントリー根拠はここでは考えません。損切りのタイミングは、テクニカル分析と同様に、根拠が崩れたら切る、ということです。

根拠が崩れるとは、ファンダメンタルズでもテクニカル的根拠でも可能です。
たとえばファンダメンタルズなら、何らかの強い要因でしばらく円安に向かうと判断した場合、その要因が薄くなりそれを否定する他の材料が出てきたら損切りしてもいいでしょう。この場合、ファンダメンタルズ分析でエントリーしてファンダメンタルズ分析で決済します。

また、他の材料が出てくる前に、ここを抜けたらいったん円安は否定される、というテクニカル的な節目を割ったら損切りしてもいいでしょう。この場合、ファンダメンタルズ分析でエントリーしてテクニカル分析で決済することになります。

どちらも、あなたが決めた根拠が崩れたら決済するという意味で同じです。ファンダメンタルズとテクニカルを組み合わせることで、様々な判断が可能になります。

3.1.3. 資金管理は資金を守れるがルールを見直すことも必要

上述の損切り例は、マーケットの値動きを基に損切りしています。

次は、資金管理で損切りのタイミングやルールを決めるパターンです。ファンダメンタルズやテクニカルは関係なく、あなたの口座資金や取引枚数しだいになります。

たとえば、口座資金に対して5%のマイナスが出たら損切りをする、というルールは聞いたことがあるかもしれません。5%でなくても、10%や20%など、数字はいくらでも設定できます。これは、資金を守るうえでとても有効な損切り方法といえます。1回のトレードで大損する可能性を排除でき、次のチャンスを待つことができますね。

しかし、資金管理で損切りする場合は注意点があります。

それは、エントリー根拠が崩れたから損切りするのではないということです。たとえば買いポジションをもっていたとします。テクニカル的にまだ上昇が否定された訳ではないのに、あなたの口座がマイナス5%に達したため、損切りになるケースです。マイナス5%に達したというのは、相場とは無関係であり、あなた自身の口座や枚数の問題ですね。資金を守ったことは事実ですが、エントリーした根拠と損切りした根拠が違ってしまう点は注意が必要です。

ほとんどの場合、損切りとは別の問題があるでしょう。口座資金に対して枚数が多いか、損切り幅が広すぎる、もしくはエントリーそのものが間違っているので、これらを解消すれば良いでしょう。

3.1.4. 自分に合うスタイルは消去法で探ってみる

これまで、3つの損切りパターンを見てきました。

トレードスタイルはあなたに合うものにし、損切りは根拠が崩れたら切る、ということを念頭に置いて実践くださいね。まだやり方や手法が決まっていない方は、利食いからスタイルを決めるのではなく、損切りの許容範囲を先に決めることがおススメです。

たとえば、含み損を翌日に持ち越すメンタルはあるか、1回のトレードで100pipsの損切り幅は我慢できるかなど、消去法的に選択していくと自ずとやり方も決まってきます。

ちなみに私は、リーマンショックで大損したあと、次のようにスタイルを構築しました。

 ・仕事から帰ってきた21時~25時に集中してできること。
 ・日中はチャートが見られないので、短期保有のトレード。
 ・ナンピンしないで大きく勝てるやり方。
 ・短期間で儲けるために枚数が張れること。
 ・事後的にチャート分析ができる再現性があるやり方。
 ・エントリー~イグジットまで根拠を説明できること。

このように、出来ることと出来ないことを明確にし、消去法的に考えていった結果、自然にスキャルピングに決まりました。今でこそ、長めに保有するデイトレードも組み合わせていますが、この時に最善なトレードスタイルでコツをつかむことができました。

3.2. 10連敗や20連敗を想定しておくとより安心できる

トレードに損切りはつきものですが、最悪の状況を考える方は意外と少ないです。負けた姿を想像することが無い以上、連敗することなど、全く考えない方が多いです。

しかし、どんなに勝率が良い手法でも、この先1,000回や10,000回とトレードを繰り返していくと、どこかで連敗します。たとえ10連敗や20連敗しても、全資金を失わないような損切りルールにしておくことがおススメです。せっかく何十か月と勝ち続けても、なんかの拍子で有り得ない連敗をしたとき、口座資金がほとんど無くなるような損切り設定はすぐにやめた方がいいでしょう。連敗は、気を抜いているときに発生するものです。また、有り得ないことが起きるのが相場であり、自分のトレードにも当てはまります。損切り貧乏のあと、1回で取り返そうとしてさらに大損するなど、信じられないようなことが起こっても、退場は避けなければなりません。

損切り幅やタイミングなど、リスキーな設定になっていないか、確認してください。利益確定だけに意識が向いていると、損切りの大切さを、うっかり忘れてしまいます。

4.バルサラの破産確率表を確認して長期的に勝てる戦略を取れているかを確認する

上述してきたように、損切りの重要さはお分かりいただけたと思います。ここまでは、ポジションを持っている渦中の話でした。そして、ここからは、損切りした後の話をさせていただきます。

損切りの役割は、実行したら終わりではありません。

もっと重要なことは、損切りしたあとに、「その負けトレードを分析すること」です。適当にトレードしてやみくもに損切りしていると、今あなたが行なっているトレード手法に期待値があるのかどうか、全く検証するすべがありません。

しかし、適切な損切りを行なっていると、その手法に期待値があるのかどうか、検証できます。トレードで最終的に勝つには、長期的に勝てる戦略が取れているかを常に見直します。そのためには、どうすれば勝てたのか、もしくはどうすればもっと損を減らせたのか、検証する必要があります。

トレードで退場せず、この先ずっと生き残るには、ここまで考えなければなりません。
そして、初心者の方は、この検証をする方がほとんどいません。行なう人がいないということは、もしあなたが行なえば、それは一歩秀でることになります。損切りをしてから、それを検証するまで、手を抜かずにしっかり行なってくださいね。

適切な損切りを行なうと、具体的に次の3つの分析が可能になります。
 ・勝率
 ・損益率(=リスクリワードレシオ=ペイオフレシオ)
 ・プロフィットファクター

また、これらの情報を活用し、あなたの破産確率を計算してみるのもおススメです。今行なっているトレードが、長期的にみて勝てるのか、もしくは破産する確率の方が高いのか、その計算方法も説明いたします。

4.1. 「勝率」「損益率」「プロフィットファクター」は悪いトレード癖がすぐ分かる

この3つは、あなたのトレード結果が数字で計算できるため、トレードの癖が分かります。
しかし、現実を突きつけられるため、自分のトレード履歴はあまり見たくないものです。さらに、計算などしたくないですね。トレードで安定して勝てるようになるには、自己分析も必要です。嫌なことは率先して取り組んでしまいましょう。

計算方法は次の通りです。

 《勝率》

勝ちトレード数 ÷ 総トレード数

 《損益率》

平均利益(pips)÷ 平均損失(pips)

損益率は、リスクリワード比率(リスクリワードレシオ)ともペイオフ比率(ペイオフレシオ)とも言います。
損益率=リスクリワード比率(リスクリワードレシオ)=ペイオフ比率(ペイオフレシオ)です。
利食い6pips、損切り3pipsに設定したトレードは、6÷3で損益率は「2」です。

損益率は、勝率と合わせて考える必要がありますので、詳しくは後述いたします。

 《プロフィットファクター(PF)》

総利益÷総損失

トータルでの損益計算です。
たとえば、今日100回トレードをして20万勝ったとします。内訳は、利食い50万、損切り30万で20万が残りました。プロフィットファクターは、50÷30で「1.66」です。1以上でなければなりません。

4.2.「バルサラの破産確率表」はあなたのトレードがどれだけ危険か分かる

勝率と損益率は、組み合わせて考えなければなりません。

たとえば、勝率が良くても損益率が悪ければ、トレードでは勝てません。5pipsの利益確定を何度も積み重ね、勝率90%のトレードを行なっても、そのあとに-200pipsの大損を出せば、トレードでは勝てません。損大利小のコツコツドカンですね。逆に、損益率が良くても勝率が20%と極端に悪いと勝てません。

このように、勝率と損益率はバランスで考える必要があります。この勝率なら、損益率はこれ以上ないと勝てない、というバランスがあります。そして、これを表にまとめたものがあり、「バルサラの破産確率」といいます。
下図を見てください。

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たとえば、赤丸の箇所を見てください。
勝率が50%で損益率が1だと、破産確率は50%になります。破産する確率が50%というと恐ろしいですね。

黒丸の箇所では、勝率が60%で損益率が2です。これだと、破産確率は0%になります。つまり、そのトレードを行なえば、トレードでは確実に勝ち続けられることを意味します。

では、望ましいのは破産確率で何パーセントでしょうか。
それは、0%です。無理だと思った方も多いでしょう。10%くらいなら大丈夫だろう、と思ってしまいますね。
しかし、10%を目指していると、20%や30%になってしまうブレ幅を見ないといけません。0%を目指すことで、ようやく10%未満の一桁台に抑えることができるとお考えください。

的確な損切りをしないと、すぐに破産確率が上昇します。
勝てないときは、勝率か損益率が必ず悪いはずですので、よく見直してくださいね。

上述しました、2つの負けパターンを思い出してください。
1発大損と損切り貧乏ですね。どちらも、勝率と損益率のバランスが悪く、なるべくして破産するトレードといえます。

では、私のトレード履歴で計算してみます。
次の履歴は、2016年6月24日、イギリスのEU離脱を問う国民投票の日です。離脱派が勝利し、たった1日でポンド円は2,500pips以上暴落、ドル円も700pips下落するなど、マーケットにおいて歴史的な日になりました。相場は大荒れでしたので、含み損益の変動が大きくならないよう長期保有はせず、数秒から数分間で売買を繰り返すスキャルピングのトレード履歴です。

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これらのトレードを計算すると、次の結果になります。

 ・勝率:67.6%(44勝21敗)
 ・損益率:3.2(勝ち平均pips÷負け平均pips) ※トレード毎に枚数が違うのでpipsでの計算です
 ・プロフィットファクター:5.03(総利益918,306÷総損失182,306)

バルサラの破産確率に当てはめると、青い丸の箇所付近になります。破産確率は0%ですので、このようなトレードを毎日行なっていれば、勝ち続けられることになりますね。

4.3. 履歴を分析するとさらにルールが守れるようになりトレードが楽しくなる

私のトレード履歴を見ていただきましたが、あなた自身のトレードの結果を数字で把握することは、本当に大事です。トレード結果は相場によって日々変動しますが、やり方が毎日劇的に変わる訳ではありませんね。そのため、多少のブレはあっても、トレードの癖がそのまま数字に表れます。あなたのトレード診断だと思って、現実と向き合うことが必要です。

かりに良い数字であれば、自信をもって続けられますし、逆に悪い数字なら、それを改善する対策を考える良い機会になりますね。どちらにしても、トレーダーとして前進できることになりますので、とてもおススメです。また、自己分析能力もアップしますので、結果的にルールを守るようになり、適切な損切りも自然に行なうようになります。こうなるとトレードそのものが楽しくなり、1年後や5年後の大勝ちしている姿を思い描きやすくなります。それがさらにモチベーションアップにつながり、全てが相乗効果で良くなります。

最初は、履歴を分析することに抵抗があるかもしれませんが、自身のトレードスキルを把握するには、とてもおススメです。

まとめ

損切りをすることは、ときとして苦痛を伴います。しかし、早めに損切りをしないと、それが大損を招き最悪の事態になるかもしれません。あなたが決めた損切りのタイミングがきたら、迷わずに実行してください。最初の損が最良の損、といわれるように、最初の損切りが最も少ない損失で済みます。適切な損切りができるようになると、あとはいかにして利益確定を増やすか、という勝つためのトレードに集中できるようになります。そして、分析もしっかり行なえば、今まであなたが感じたことのないような楽しさを見つけられます。今一度、ルールを見直し、適切な損切りを取り入れて、実践してみてください。うまく負けることで、長期的にはものすごい利益を上げられるようになるでしょう。

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ぶせな

FX専業トレーダー。FXに特化した投資歴は10年以上で、累計利益は1億円を超える。 リスクをおさえることに重点をおき、短期売買を繰り返すスキャルピングと長めに保有するデイトレードを得意とする。一時的な利益でなく、継続的に利益を上げ続ける独自の投資スタイル。

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