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FXスキャルピングで利益を出している人の考え方とトレード手法

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スキャルピングは、数秒から数分といった超短時間で取引を繰り返す売買方法です。一度コツをつかむと、短期間でものすごい利益を出せるというのが最大の魅力です。数万円から数十万円といった少額からスタートしても、ひとたび勝てるようになると、何十倍や何百倍という夢のような利益を出すことが可能です。

もちろん、その反面、すぐに資金を吐き出してしまうリスクがあります。当然、安易な取引を短期で繰り返せば、あなた自身を苦しめる結果になります。特に初心者の方は、スキャルピングの魅力に惑わされ、手持ちの資金を大きくしたいと思うあまり冷静さを失い、大損してしまう場合が多いです。

だからといってスキャルピングをするなと言っているわけではありません。私自身、スキャルピングトレードで億を超える資産を作ることができているからです。つまり、スキャルピングで利益をあげるには、正しい知識と、妥協せず集中して実践を繰り返すことが重要なのです。

そこで、このページでは、スキャルピングについて、次の5つを重点的に説明させていただきます。

 ・スキャルピングはどのようなトレードか
 ・絶対に覚えておくべきメリットとデメリット
 ・スキャルピングの14個の特徴
 ・利益を出すためにはテクニックではなく必要な知識を覚えること
 ・スキャルピングの具体的な4つの実例

この5つを心底理解していただいた上で、スキャルピングを実践すると、短期間で経験値を上げることができます。しかし、それには前提があります。それは、適切な知識をインプットしていることです。アウトプットするものが無い状態でトレードしても、分析や検証は絶対にできません。経験にならないどころか、勝てずに混乱することになります。

これから、スキャルピングに必要な知識を紹介いたしますので、今までのあなたの知識を整理する意味でも、このページを活用してください。私が実践しているスキャルピング手法も用いて紹介しています。ぜひ、最後までお読みください。

1.スキャルピングを実践する前にどのような売買手法か理解しよう

スキャルピングには「頭の皮を剥ぐ」という意味があります。ネイティブ・アメリカンが、薄い皮を何枚も剥ぐかのように、マーケットから利益を何度も取ることと重ね合わせています。1日に百回程度のトレードをこなすことはざらで、何百回も取引をするトレーダーもいます。

ただし、取引回数が多いからというだけで、勝てるわけではありません。重要なことは、1回毎のトレードでしっかり勝つことです。

では、スキャルピングがどのようなトレード方法か、具体的に見ていきます。
その後で、利益を出すために必要な知識や見方を紹介させていただき、メリットとデメリットを比較します。そして、総合的にどのように判断すべきか、考えていきます。万人に通用する手法はありませんので、あなた自身で心底納得し、実践していくイメージでお読みください。スキャルピングは、小手先のテクニックで勝てるほど甘くないので、これからお伝えすることは、当然に知っておくべきことだとお考えください。

1.1. スキャルピングは1分足などの短い時間軸でトレードする手法

スキャルピングでは、1分足チャートを活用するのが一般的です。しかし、詳しくは後述しますが、1分足だけ見ていればいいというわけではありません。長い時間軸と併用し、大局をつかんだうえで、細かい動きを1分足でとらえるイメージです。
下図を見てください。1時間足チャートです。

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ローソク足が11本ありますので11時間分のチャートです。
これだけではローソク足がランダムに並んでいて、どこでトレードしていいのかよく分かりません。では、長い陰線が出ている黄色い四角で囲った箇所を、より細かい時間軸の1分足で見てみましょう。

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これが同箇所を1分足チャートで見た場合の図です。3時間分なので1分足は180本あります。この180分のうちにチャートは上下を繰り返しながら形成されていることが分かります。もし、1時間足でトレードを行なうと、トレード回数は1回程度しかないでしょう。しかし、1分足で見ると、180本もありますので、1回ではなく数回もしくは数十回はトレードチャンスがありそうです。

このように、スキャルピングは1分足チャートなどの短い時間を使うことで、多くのトレードを行うことを前提とした手法です。これだけでは分かりづらいと思うので、次に、スキャルピングを行なっている人が、何を見て、どのように判断しているのかを紹介します。

1.2. スキャルピングの実例

それでは、一つスキャルピングの実例を紹介させて頂きます。途中で難しい用語なども出てきますが、解説も加えていますのでご安心ください。また、非常に多くの知識が必要なように思えてしまいますが、言葉が聞きなれないためそう感じるだけで、一度理解してしまえばとても簡単になっていきます。

大変なのは最初だけですので、それも踏まえてご覧ください。

繰り返しになりますが、スキャルピングではいきなり1分足を見るわけではなく、それよりも長い時間軸で相場の状況を把握することから始めます。以下の図をご覧ください。先ほどと同じものですが、サポートラインを引きました。

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黄色の水平ラインがサポートラインです。サポートラインを引くと、相場はこの5時間ほど、陽線と陰線が交互に出ていてレンジ相場になっていることが分かります。そして、黄色の四角で囲った箇所で、安値を下にブレイクしています。スキャルピングでは、ブレイク前後でトレードチャンスが増えます。

※時間軸の使い方やローソク足の見方のついては、「FXのローソク足の正しい見方と本当の使い方」で詳しく説明していますので、参考にしてください。

次に、このブレイクしたポイントを、1分足に切り替えてみましょう。
今回は、直近安値のサポートラインを下にブレイクしています。

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Aの水平ラインは、1時間足チャートで引いたサポートラインです。1分足だとAで下にブレイクした後の値動きもよく分かります。Bの水平ラインは、Aでブレイクした後のサポートラインですが、その後、ここをさらにブレイクして、レジスタンスラインに転換しています。サポートラインは下にブレイクするとレジスタンスラインに役割転換しますので、矢印の箇所で売りポジションを持つ戦略が可能です。

このように、ここではAとBの2本のラインを基準にして相場が動いていることが分かりますね。

 

※サポートラインの役割は、「サポートライン/レジスタンスラインの勝てる人の使い方」で詳しく説明していますので、読んでない方はお読みください。

レジスタンスラインBに何度かあたってから反落しているポイントがあります。このようなポイントで、数pipsの利益を数分おきに積み重ねます。これは、スキャルピングのトレード手法の単なる一例ですが、このように、短い時間軸の上昇と下降で何度もトレードして利益にするやり方がスキャルピングです。

2.スキャルピングで勝つ大前提はメリットとデメリットを正しく理解すること

具体例で見たように、スキャルピングは、細かいトレードが繰り返し行える手法だとお分かりいただけたと思います。次に、スキャルピングのメリットとデメリットをお伝えします。ここで大切なのは、メリットよりデメリットをよく把握した上で実践を行なうことです。

メリットはたとえ知らなかったとしても利益を享受できないだけで済みます。しかし、デメリットを知らないままスキャルピングを続けると、取り返しのつかない大損をする可能性があります。つまり、メリットを知らないことより、デメリットを知らないことの方が極めて危険なのです。そのままでは、たとえ一時的に勝てたとしても、それは、まぐれであってスキルではありません。大損するのは時間の問題といえます。

今後、スキャルピングで成功したいと考えているなら、いろいろなやり方を試行錯誤するはずです。そのときに、メリットとデメリットをどのように取り入れるかが、もの凄く重要になってきます。1回だけのトレードでは、そのメリットとデメリットがどのように影響してくるのか分からず、頭に入ってこないです。500回や1,000回のトレードを繰り返し行なっていることを想定しながら、お読みください。

前置きが長くなりましたが、スキャルピングのメリットからお伝えします。

2.1. 最大のメリットはコツをつかむと爆発的に資金が増えること

スキャルピングで勝てるようになると、短期間でもの凄い利益を上げることが可能になります。なんといっても、これは魅力的ですね。

よく、50万円からスタートして1年で5,000万や、3年で1億など、信じられないような実績を出したということを耳にしたことがあるでしょう。安易に考えて頂きたくはないのですが、こういったことも可能です。短期間で会社員では不可能だと言えるほどの利益を得ることができます。

このような夢のような結果を実現するには、たとえ勝てない時期があろうと、メンタルを保つ努力が必要です。スキャルピングでは、いつも通りに完璧に戦略通りのトレードができているのに損失が混むというメンタル的に辛いタイミングが時には訪れます。

そのようなとき、なんのためにスキャルピングを始めたのか、よく思い返してください。そして、高いモチベーションを保ってください。トレードを行なうからには、大きな利益を得たいと思います。スキャルピングは、その売買回数の多さに比例して稼ぐことができます。

あなたは、短期間で爆発的に資金を増やすためにスキャルピングをやるのです。そのために必要な知識、技術、そして一番大事なメンタルを常に保つことが必要だということを常に肝に命じていてください。

2.2. 最大のデメリットはスプレッドの影響が大きいこと

一方、スキャルピングのデメリットは、スプレッドの影響が非常に大きいことです。

スプレッドとは、売値と買値の価格差のことで注文するための手数料だとお考えください。エントリーした瞬間に、この価格差分だけポジションがマイナスからスタートします。スプレッドは、取引毎に必ず発生しますので、短期間で回数をこなすスキャルピングにとっては莫大なコストになります。

例えば、ドル円のスプレッドが0.3pipsだとします。

エントリーすると、マイナス0.3pipsからスタートしますので、10回取引すれば、3pipsです。短期間で100回の取引を行なえば30pipsは確実にマイナスになります。1,000回の取引では、なんと300pipsもかかります。1回の取引でマイナス300pipsの損失を被ったと考えると恐ろしいですが、スキャルピングで1,000回の取引を行なうことと、同じマイナスになります。このように考えると、スプレッド分のマイナスがトレード毎にかさむことは、莫大な費用になります。

1,000回のトレードは多いように感じるかもしれませんが、スキャルピングにおいて1,000回は少ないです。この先、本気でスキャルピングで成功したいなら、実践を繰り返さなければなりません。1,000回もトレードせずに、勝てないという判断をするのでは早すぎます。軽く1,000回をこなす位の考えで取り組んでください。

3.スキャルピングで勝つために把握しておくべき14個の特徴

次に、メリットを最大限生かし、デメリットの影響を最小限におさえるために把握すべきことをお伝えします。
それぞれ、次のようにまとめました。

 ・メリットを最大限に生かす7つの特徴
 ・デメリットを最小限におさえる7つの特徴

スキャルピングにおいて、リスクとリターンは表裏一体です。都合よく解釈したり、マイナス要素を恐れすぎたりしないようにしてください。同じスキャルピングでも、人によって合うやり方は違います。長期的に莫大な利益を得るには、あなた自身で実践しながら、自分のやり方を構築していく必要があります。そのことを考えながら、一つ一つ把握していきましょう。

3.1. メリットを最大限にするために押さえておくべき7の特徴

スキャルピングのメリットは、コツをつかむと短期間で圧倒的な利益が得られることです。それを可能にするのが、スキャルピングの7つの特徴です。他のトレード手法にはない、スキャルピングだけの良い面といえます。これを存分に享受できるよう、よく理解してください。

 ・資金をリスクにさらす時間が極めて短い
 ・資金効率の圧倒的な良さ
 ・精神的負担が少ない
 ・急激な相場変動に影響されない
 ・テクニカル分析がしやすい
 ・好きな時間にできる
 ・リスクコントロールが自由自在
 ・短期間で経験値が上がる

順番に説明いたします。

3.1.1. 資金をリスクにさらす時間が極めて短い

トレードで利益を上げるには、当然ですがポジションを持つ必要があります。
しかし、ポジションを持った瞬間に資金を市場にさらし、損するリスクを取ったことにもなります。買いでも売りでも、ポジションを保有している間は損益が変動します。プラスになればいい事ですが、マイナスになる可能性もあります。ポジションを保有しているからこそマイナスが出るのであり、保有時間が長ければ長いほど損益の変動が激しくなります。逆に、保有時間が短いほど損益変動のブレが無くなります。すぐに決済することで、大損する可能性を排除できます。

 

リスクとリターンは、保有時間に関係なく同じだと思われるかもしれませんが、投資心理上、保有時間が長くなるほど、人は損する行動をとりやすくなります。これはプロスペクト理論で立証されています。その点、ポジションの保有時間が数秒から数分だけなので、リスクにさらす時間も極めて短くなります。

※プロスペクト理論については、FXの損切りルールを決めて勝ち続ける戦略を作る方法」で説明しています。投資心理について詳しく述べていますので、参考にしてください。

3.1.2 資金効率が圧倒的に良い

1回のトレード時間が短いので、1日に数十回から数百回のトレードが可能です。少ない資金でも何度も何度も注文を出すことで、合計すると大きな資金を運用しているのと同じです。また、FXは、個人口座だと最大25倍というレバレッジをかけることができます。ここまで高レバレッジの投資商品は他になく、少額からスタートして大きく勝てる仕組みが整っているといえます。

さらに、スキャルピングで何度も売買を回転させることで、この仕組みを存分に生かせる環境であることは間違いありません。

3.1.3. 精神的負担が少ない

ポジションを持ってから含み損になると、とても嫌な気持ちになり、精神的に耐えられないという方も多いでしょう。金額が大きくなればなる程、自分が想定している以上に精神的なダメージは大きいものです。

しかし、プロスペクト理論でみたように、含み益の状態でも利益を確定したい気持ちに駆られてしまうのが人間です。負けても勝っても、ポジションを持っている状態が精神的に負担になりかねません。ポジション保有時間が短ければ、このような負担も比例して少なくなります。

短期売買なら、ここぞというときにエントリーしてすぐに決済する、これを繰り返し行なう良いリズムが作りやすくなります。

 

3.1.4. 急激な相場変動に影響されない

わずか数秒から数分の取引なので、突然の大暴落や大暴騰が起こっても、ポジションを持っている可能性が極めて低いです。また、ファンダメンタルズを起因とした急激な相場変動は、きまって突然やってきて事後的に理由が分かるものです。

たとえ、世界的な金融危機のような大暴落時でも、たった1回のトレードで大きな含み損をかかえるということがありません。危険だと思えばトレードしなければいいですし、マーケットの変化に対し、臨機応変に対応できます。1回の取引が迅速であるため、何事もスピーディに判断できます。

3.1.5. テクニカル分析が機能しやすく分析しやすい

相場が動く要因は、ファンダメンタルズとテクニカルの両面あります。

ファンダメンタルズは、中長期的なトレンドを形成する傾向が強いです。一方で、短期的なトレンドは、テクニカル的な値動きをすることが多くなります。そのため、短期売買に徹することで、テクニカル分析に特化できます。テクニカル分析をある程度覚え、実践を積み重ねると、期待値の高いポイントだけを選んでトレードすることができます。これを淡々と繰り返すと、短期間で大きな利益を狙うことができます。

3.1.6. 好きな時間に取引できる

為替市場は平日24時間オープンしているため、自分の予定に合わせ、好きな時間にトレードすることができます。

日中仕事がある会社員の方でも、夜間にトレードできることは、大きな魅力です。帰宅してから3時間に絞ったり、午前中だけトレードしたり、いつでも可能なのが魅力的です。株式市場は9時から15時までの取引時間に制限がありますが、FXは時間限定されていないので、取引時間の短いスキャルピングなら24時間常に参加できる環境です。

私がFXを始めた理由の一つが、会社から帰宅した21時頃からスキャルピングに集中できたことです。そもそもマーケットが動いているときに参入できなければ、トレードできないですね。21時以降はアメリカでは午前中になり、為替市場が盛んに動く時間帯で、スキャルピングのチャンスには事欠くことがありません。

3.1.7. 結果がすぐに分かるので検証と実践を行ないやすい

スキャルピングは、トレード結果がすぐに分かります。そのため、トレード手法に期待値があるかどうか、短い期間で検証することができます。かりに、500回のトレード結果をもとに、手法を検証するとします。これを1年かけて行なうのと、1ヶ月で行なうのとでは、その後の成長に大きな差ができます。

スキャルピングが短期間で大きく稼げる理由の一つに、分析すべき履歴を短期間で積み上げられることにあるでしょう。駄目なら次のやり方を検証でき、良いものはもっと伸ばすという判断を短期間で行なえます。ある期間、集中的にスキャルピングを行なうと、もの凄いスピードで上達できる可能性を秘めています。

上述した特徴を総合的に判断してみます。

たとえば、ポジションを持ったまま本業の仕事をするという精神的負担もなく、好きな時間にトレードできます。また、優位性を見つけたテクニカル分析を専門にし、自信のあるポイントだけに絞って、淡々と行なうことができます。エントリーからイグジットまで短いため、取引回数も多く、相場変動に臨機応変に対応できます。モチベーションさえあれば、どんな生活スタイルでも短期間で稼げるチャンスが存分にあるといえますね。

3.2. デメリット最小限に抑えるために知っておくべき7つの特徴

スキャルピングにメリットがあれば、デメリットもあります。リスクの可能性がある特徴を7つにまとめましたので、きちんと理解しておきましょう。リスクは、事前に把握しておくことで回避することができます。正しく理解して向き合えば、結果的にはメリットを最大限に享受することにつながります。

 ・スプレッドの影響が大きい
 ・スリッページの問題がある
 ・業者取引環境が損益に大きく関わる
 ・1回の利益が少ない
 ・損大利小になりやすい
 ・無駄なトレードが多くなる
 ・メンタル維持が必要

順番に見ていきます。

3.2.1. 取引ごとにスプレッド分がマイナスになる

これは、上述しました最大限のデメリットになります。本当に重要ですので、再度お伝えさせていただきます。

確率的に50%のトレードを繰り返しても、スプレッドの分だけ確実にマイナスになります。期待値の高い手法のみ繰り返すことで、トータルでプラスになるということを理解してください。適当にトレードしても、絶対に勝てないどころか、資金が減っていくスピードも早いということを意味します。

3.2.2. スリッページは約定価格がずれること

スリッページとは、注文した価格と約定した価格に差が生じることです。注文してマウスをクリックしたときの価格と、FX業者がその注文を処理してポジションを持つまでの、1秒もかからないほんのわずかな時間差で生じる価格差とお考えください。スリッページのことを「すべり」とも言います。

スリッページは、人間が気付かないわずかな差で発生します。明らかに不利になる(マイナスになる)ような、あからさまなスリッページはほとんど無いでしょう。しかし、スリッページがプラスに働くことは無いと考えた方がいいです。クリックした注文価格より、有利な価格で約定することは期待してはいけません。為替のレートは常時変動しているため、0.01pipsなどの気付かない範囲で発生しています。これは、FX業者のシステム上の処理が関わっており、回数を重ねると大きな影響があります。

3.2.3. 業者取引環境で損益が同じにならない

為替レートは業者毎に微妙に違うことや、上述したスプレッドやスリッページも業者間で様々な設定です。約定のスピードも業者毎に大きく異なります。仮にA業者とB業者で全く同じタイミングでトレードを行なったとしても、同じ損益になることはありません。どの業者で損益が良くなるとか、良し悪しの問題ではなく、業者毎に提供レートとシステムが違うという意味合いです。

しかし、たとえ業者間の差が僅差であり、トレードでは気にならない程度だといっても、回数を重ねるスキャルピングは影響が大きいです。

この問題を解消するには、実際に様々な業者でリアルトレードするしか分かりません。デモ口座では分からないので、資金を入れて試すことが重要です。また、短期売買を繰り返すと、システムに負荷がかかるという名目で、スキャルピングを好まない業者が存在することも事実です。このような業者は、スプレッドが広かったり約定スピードが遅かったりするので、試してみることがおススメです。

リアルトレードすると、初心者の方でもすぐに業者間の違いは分かりますので、この点はご安心してください。まずやってみることが大事です。

3.2.4. 1回の利益が少ない

スキャルピングは、薄い利益をコツコツと積み重ねるトレードです。

そのため、デイトレードやスイングトレードのように、1回の勝ちトレードで、それまでの負けを取り返すことはできません。地道に利益を出していくトレード手法であることを理解しなければなりません。少し大きな負けトレードがあると、コツコツやっていることが無駄に感じてしまうことがあります。薄利を積み重ねるとはいえ、小さな利益など焼け石に水のように思うと、本来のトレードができなくなります。

1回の利益が少ないことを、どのように受け取るかにもよります。たとえば、負けも少ないからコツコツやれば長期的に見て右肩上がりの資産を築けると考えることができます。逆に、負けも少ないけど利益も少ないためあまり儲からない、というマイナスな捉え方もできます。

3.2.5. 損大利小になりやすい

プロスペクト理論にあったように、人は、利益を早く確定させ、損は先延ばしにする心理が働きます。これが、少しでもトレードに影響すると、取引回数が多いため、最初は小さなものでも後々に大きな差になります。自分では気付いてなくても、トレードで勝てない理由が、損大利小であるのはよくあることです。

初心者が損する損大利小パターンは、2つあります。それは、損切り貧乏とコツコツドカンです。取引回数が多いスキャルピングでは、上述してきたことに加え、プロスペクト理論の心理が働くため、常に意識している必要があります。期待値のあるやり方で、これを意識していれば問題ないでしょう。知らないままトレードしていると、危険だという意味合いでお考えください。

3.2.6. 無駄なトレードが多くなる

トレードでは、勝ちと負けは交互でやってきます。かりに連敗すると、また取り返したいと思い、普段ならエントリーしないポイントでトレードしてしまうことがあります。逆に、連勝する日や、勝ちが何日も続くと、自分はもう勝てると勘違いしてしまうことがあります。このとき、何をやっても勝てるだろうと、安易な気持ちでエントリーすることが多くなります。

どちらにしても、トレード戦略がないままエントリーすることになるので、勝てる見込みはありません。高い確率で負け、場合によっては大損になることもあるでしょう。すぐに決済すればいいだろう、という短期売買のメリットだけを都合よく考え、手数が増えて、期待値の低い無駄なトレードが多くなりやすいです。

エントリー根拠が薄いと、必然的にイグジットもどこで行なうのか、気分次第になりがちです。このようなときは、損切りをためらい、大損しやすいので、注意が必要です。

3.2.7. メンタル維持が必要

取引回数が多い分、利益を積み上げるスピードも速くなります。逆に、一度調子が崩れると、軌道がずれてしまうスピードも早いといえます。勝てていたものが勝てなくなり、メンタルにも悪い影響があります。少しでも焦ったり冷静さを失ったままトレードすると、間違ったトレードを何度も繰り返してしまうため、資金がショートするスピードも早いです。

メンタルが崩れるという姿はイメージしにくいかもしれませんが、そのような可能性があると想定しておくだけでも違います。スキャルピングは、取引回数に応じてメンタルの浮き沈みも激しいものだとお考えください。初心者は、メンタルを立て直すという経験がないため、初めてメンタルが崩れる状況に遭遇したとき、すぐに判断を下さずに時間をかけて立て直してください。初心者が退場してしまうケースは、まさに初めてメンタルを崩したときが多いです。

.スキャルピングで勝つ秘訣はテクニックではなく知識をつけて実践すること

スキャルピングで勝つには、勝てる手法やテクニックが大事だと考える方が多いです。取引回数の多さで、資金を加速度的に増やしていくことだけに注目し、何らかのテクニックがあると思うかもしれません。しかし、スキャルピングだからといって、必要なテクニックはありません。

まず必要なことは、正しい相場の知識を早く身に付けるということです。
このことについて、詳しく説明いたします。

なお、どんな知識が必要かは、後述する「スキャルピングの4つの実例」で紹介しています。

4.1. 正しい知識をつける

通貨ペアの価格は、24時間ランダムに動いています。しかし、その中でも、規則性があります。

たとえば、レンジ相場からブレイクし、トレンド相場へ展開していく流れなど、同じようなパターンで動いています。また、節目となる価格帯で相場が止まったり、押し目や戻りをつけることなど、相場には決まった仕組みがあります。

スキャルピングで勝つには、最初にこのような知識を徹底的に知ることです。そうすることで、トレード戦略をしっかりと組み立てることができ、期待値の高いトレードが何度もできるようになります。その1回のトレードは、短期でも長期でも、同じ1回です。保有時間が短いからといって、根拠が薄いエントリーをしてはいけません。

正しい知識を身に付けたら、次は、上述したスキャルピング特有のメリットとデメリットを考えることが必要です。身に付けた知識を、どのようにトレードに活用できるか、熟考しましょう。これで、ようやくスキャルピングを実践できる準備ができたといえます。

このように、スキャルピングでは、テクニックや勝てる手法を手に入れるのではなく、あなた自身の知識レベルを上げることに意識を向けてください。どんなに良いやり方を知ったとしても、あなたの知識が抜けていると、使いこなせないどころか、自分の無知を棚に上げるようになります。最低限、学ぶべきことは、最初に覚えてくださいね。

逆をいうと、正しい知識を取り入れ、メリットなどを理解し、その上でスキャルピングを日々実践すれば、勝てるようになるということです。

4.2. 知識は集中して覚えると上達が早い

FXは、覚えることが多いと感じるかもしれません。
しかし、一度覚えてしまうと、これだけか、と感じるようになります。おススメは、短期間に集中して覚えることです。集中的に取り入れると、ある知識が新鮮なまま、次の知識を取りかかることができます。そのため、相乗効果で効率よく頭に入ってきます。FXのように、様々な知識を総合的に判断する必要がある投資では、相乗効果が大きな効果を生みます。

たとえば、トレンドラインについて学んだ知識が新鮮なまま、サポートラインを学ぶとします。そうすると、トレンドラインとサポートラインを組み合わせて実際の相場をイメージできるため、総合的に判断する癖がつきます。知識が3つ、4つと増えてくると、さらにイメージがわいてくるため、トレードで試したくなるでしょう。

逆に、今月はトレンドライン、来月はサポートライン、などのように期間を空けると、半年前に勉強したトレンドラインのことなど、もう忘れてしまっています。そうすると、チャートを見ていても総合的に判断するということができず、一度このような癖を付けてしまうと、考えを変えるのは相当な労力が必要になります。

このように、スキャルピングに必要な知識を、短期間で学ぶくらいのモチベーションを持つと良いでしょう。

知識があるからといって、スキャルピングで勝てるわけではありません。しかし、最低限の相場の仕組みを知らなければ、勝てる土俵にすら上がれないことは確かです。

.スキャルピングの4つの実例

スキャルピングの実例を紹介いたします。
上述しましたように、トレードは適切な知識があれば勝てます。知識を覚えて、何度も実践することで、同じようなパターンの繰り返しだとご認識いただけると思います。それに加え、そのときの相場環境を総合的に判断するイメージでお読みください。

なお、テクニカルは実例を見ながら紹介します。

5.1. 移動平均線とネックラインとトレンドラインを組み合わせたトレード

3本の移動平均線とネックラインを組み合わせたトレードです。
移動平均線は3本を利用していますが、4本や5本など、いろいろと試してみると良いでしょう。エントリーするタイミングや見方として捉えてください。

下図は、ドル円の1分足です。

3本の移動平均線の設定は次の通りです。

 黄色:25EMA
 青色:75EMA
 赤色:200EMA

なお、このあと説明する移動平均線も全てこの設定です。

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ローソク足が200EMAより上に位置する場合、買い戦略とします。逆に、200EMAより下に位置する場合は、売り戦略とします。なぜこのような目線が可能になるかというと、200EMAの上下で相場の流れが分かるからです。

この移動平均線の詳しい見方については、「FX移動平均線の見方と正確な相場分析と勝てるトレード手法」で説明していますので、こちらを見てください。

移動平均線で売りと買いの目線を決め、次に、エントリーポイントをネックラインとトレンドラインで決めていきます。
下図が、ラインを引いた状態です。

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水平ラインがネックラインです。
ネックラインとは、価格の支持帯や抵抗帯になるポイントで、相場が動いたり止まったりするポイントです。つまり、売りなら売りで目線を決め、ネックラインに当たったときに、売り注文を出します。ネックラインを引くことで、エントリーポイントを絞ることができます。

斜めに引いたラインが、トレンドラインです。
トレンドラインも、正確な1本を引くと、何度かそのラインで価格がはじかれます。ネックラインとトレンドラインが交差するポイントでは、より強い根拠になります。このようなポイントは、期待値が相当高くなりますので、逃したくないポイントですね。

矢印のポイントでエントリーすることができます。ラインの反発を狙った逆張りと、ブレイクを狙った順張りがあります。逆張りといっても、買いなら買いで、押し目を買う戦略になるので相場全体の流れでは順張りといえます。ただ、エントリーポイントだけを見ると、反発と反落をねらうので逆張りです。

なお、詳しいネックラインの説明は、「ヘッドアンドショルダーで相場が変わるポイントを正確に判断する方法」を見てください。

また、トレンドラインの正確な引き方と使い方は、「FXトレンドラインで相場の動きを見極める4つのステップ」で紹介しています。

このあとの実例も含め、利食い損切り幅は、数pips(5pips以内)です。数字で何pipsと決めているわけではなく、利益が出たら薄利で利益確定する、逆行したらすぐに損切りするイメージです。

5.2. 三角持ち合いの逆張りとブレイク時の順張り

レンジ相場でよく見られるパターンである、三角持ち合いです。
下図は、ドル円1分足です。

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三角持ち合いは、形成されている途中で気付くものです。最初から、今から三角持ち合いができるなどとは分かりません。相場は、トレンドとレンジの繰り返しですので、それまでの経緯をしっかりと見ていると認識しやすくなります。

レンジと三角持ち合いの詳しい見方は、「FXレンジ(三角持ち合い)でトレードポイントを正確に見極める方法」で覚えてください。

高値切り下げ、および安値切り上げを確認できれば、三角持ち合いのラインが引けます。持ち合いは、先端付近まで何度も上下に反転することが多いため、ラインにあたって逆張りを狙うことができます。上図の丸印のポイントです。

また、反転が多いほど、そのあとのブレイクも値幅を出してきます。ブレイクしたときは順張りで狙う戦略が取れます。矢印の箇所です。ブレイク時の順張りは一気に値幅が出るため、反転を狙った逆張りと比べ、保有時間は同じ程度でも利幅を稼ぐことができます。特に、ボラティリティが高い時期は、数十秒で20pipsや30pipsなどの利益が取れます。

5.3. 通貨ペアの特徴をサポートライン/レジスタンスラインと組み合わせる

ドルストレートとクロス円の仕組みを利用し、ラインを組み合わせたトレードです。
ドル円とポンド円に、似たような強い節目があり、それをブレイクするタイミングが全く同じ場合パターンです。

通貨ペアの特徴を理解しておく必要があるため、「FX通貨ペアを適切に選ぶための具体的な7つのルール」で確認してください。

下図は、ドル円15分足です。

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Aの箇所で、サポートラインを下にブレイクしています。
同じ時間帯のポンド円も見てみます。

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ドル円のAと同じ時間が、ポンド円のBになります。どちらも、同時にサポートラインを下抜けていますね。

ドル円はドルストレート、ポンド円はクロス円です。
ドルストレートとクロス円は、その値動きが連動していますが、全く同じになることは稀です。また、上図のように、サポートラインが引けて何度か反発し、そのあと同時にサポートラインをブレイクすることはもっと数が減ります。この、ドルストレートとクロス円の強い節目をブレイクするタイミングが同じ場合、強いブレイクになる確率が急激に上がります。そのため、順張りのポイントを取ることができれば、凄い利幅を稼げます。

三角持ち合いで述べましたが、このようにブレイクの度合いが高いと、数十秒で普段の何倍の利益が取れます。

スキャルピングの場合、確実に利益を確定します。そのため、ブレイクがダマシで、そのまま含み益が無くなって損切りになってしまった、ということがありません。普段は数pipsでも、大きく取れるポイントでその何倍も取れると、資金が右肩上がりで増えていきますね。

5.4. ローソク足の動きそのものを読んで何度も売買する

これまでは、インジケータやチャートパターンを活用したスキャルピングの例でした。
次は、ローソク足だけで判断するトレード例です。下図は、ドル円1分足です。

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矢印の箇所のローソク足の長さを見てください。それまでのローソク足と比べ、長い陰線になっています。
このとき、売りが急増し、下げ始めていた相場に拍車がかかっています。このあとは、どれ位のペースで安値を更新していくか、見極めなければなりません。そこで、次の安値を更新した、Aがポイントです。暴落することもなく、すぐに反発していますね。Aが強い売りを示唆したにも関わらず、下落が加速しません。安値更新の勢いは無いことが分かります。

これを把握した上で、その次のBの安値更新を見ていきます。Aと同じように、安値更新してすぐに反発することが予測できますので、安値更新してヒゲが出現したら、反発する確率が高いため、買いエントリーできます。Cも同様で、安値更新してヒゲが出たら、買いエントリーできます。

相場の波は継続する、という仕組みも理解していれば、より活用できるでしょう。

5.5. 安定して勝つコツは勝率ではなく損益率を重要視すること

トレード例で見たように、スキャルピングのやり方は一つではなく、無限にあります。テクニカル的な知識を身に付け、それを組み合わせることで、勝ちパターンも増えていきます。このような期待値の高いテクニカル的な根拠があれば、スキャルピングでは勝てます。

また、スキャルピングを行なう上で注意していただきたいことは、勝率にこだわらないことです。

価格は上か下かの確率50%の世界だから、勝率を60%や70%と高くしていけば勝てるのではないか、とお考えの方もいるでしょう。しかし、勝率は重要ではありません。実は、勝率を上げることは、少しトレードに慣れてくると簡単にできてしまいます。

たとえば、100回トレードして99勝1敗だとします。勝率は99%ですので、計算上は文句ありませんね。しかし、利益確定は1pips、損切りは200pipsなどのコツコツドカンだと、この1敗で99回の利益を吹き飛ばした上、口座資金を失ってしまうこともあります。こうなると、もはや勝率など関係無くなってしまいます。

また、勝率を上げようとすると、損益率(リスクリワード比率)が悪くなります。

おススメは、勝率ではなく、損益率を良くすることです。つまり、「損大利小」ではなく「損小利大」のスキャルピングを行なうことです。上述の例のように、勝率が良くても損益率が悪いと勝てませんね。しかし、損益率が良ければ、勝率は悪くても勝てます。もちろん、バランスは必要ですので、どちらを重要視してスキャルピングを行なうか、という観点でお考えください。スキャルピングでは、損大利小になりやすいので、これを強く意識することがおススメです。

なお、勝率と損益率の分析方法は「FXの損切りルールを決めて勝ち続ける戦略を作る方法」で詳しく説明していますので、確認してください。

まとめ

スキャルピングは、コツをつかめばあとは淡々と繰り返し行えるトレード手法です。売買回数の多さから、短期間で大きな利益を積み上げることができます。一度、メリットとデメリットを、あなたの生活スタイルにどのように取り入れられるかを考え、その上で上述したことを参考にして実践してください。少し負けても焦らず、エントリー~イグジットまで、明確な根拠を持つようにしてくださいね。集中的に取り組むことで、気付いたら勝てるようになっているはずです。

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ぶせな

FX専業トレーダー。FXに特化した投資歴は10年以上で、累計利益は1億円を超える。 リスクをおさえることに重点をおき、短期売買を繰り返すスキャルピングと長めに保有するデイトレードを得意とする。一時的な利益でなく、継続的に利益を上げ続ける独自の投資スタイル。

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