
株式投資と聞くと、多くの方は日本株を思い浮かべるのではないでしょうか。例えば、株式投資を始める際に、ソニーやホンダなど、日本の有名企業への投資を検討する方が多いです。
確かに日本にも多くの優良企業がありますが、世界に目を向けると、もっとたくさんの魅力的な企業があります。例えば、アップルやアマゾン、フェイスブックなど、世界中で使われている製品やサービスを提供している企業がいくつもあります。
そんな外国株ですが、ひと昔前は日本人が買うのには大きなハードルがありました。しかし、最近では日本の証券会社でも外国株を気軽に低コストで売買できるようになっています。
この記事では、これから外国株を始めたい方のために、外国株の売買の方法をわかりやく解説します。

木原 克明

最新記事 by 木原 克明 (全て見る)
- デルタヘッジとは|相場がどちらに動いても利益を狙う戦略 - 2018年4月20日
- FXオプションとは|リスクをおさえて利益を上げる方法 - 2018年4月5日
- 初心者のための外国株の買い方 - 2018年3月22日
目次
1.外国株を取り扱っている証券会社
外国株を取り扱っている国内の主な証券会社には、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、SMBC日興証券、岩井コスモ証券、内藤証券などがあります。
これ以外にも、店頭で外国株を扱っている証券会社もありますが、口座を持っているだけで手数料がかかったり、手数料が割高だったりするので、先ほど挙げた証券会社のネット口座で取引するのがおすすめです。
それぞれ、取り扱っている国、銘柄数、手数料などに特色がありますが、今回は取り扱っている国や銘柄数が多く、手数料も安いSBI証券を例として説明します。
2.外国株を買うための手順
外国株を買うための手順は
- 円を外貨に両替する
- 注文する
の2ステップです。順番に見ていきましょう。
2.1.円を外貨に両替する
円を外貨に両替するためには
- 為替取引
- FXαで外貨取引を行って現引きする
- 住信SBIネット銀行の外貨普通預金をSBI証券に入金する
という3つの方法があります。
それぞれ、両替のためのコスト、両替できる通貨単位が異なりますので、いくらの資金を両替したいかを考えて選びましょう。
どれを使うかの基準ですが、10,000通貨単位で両替したい場合は、最も手数料が安い「1.FXαで外貨取引を行い現引きする方法」を使うとコストを節約できます。
もっと細かい単位で両替をしたい場合は、次にコストが安い「3.住信SBIネット銀行の外貨普通預金をSBI証券に入金する」を利用すると良いでしょう。
1つ1つわかりやすく解説していきます。
2.1.1.為替取引
最も簡単に通貨の両替ができるのが、為替取引です。為替取引は、SBI証券のサイトで上部メニューの「為替取引」をクリックします。
すると、取引画面に移りますので、取引通貨と買付/売却の区分を選択します。
下の画面の例は、米国ドルを買い付ける取引です。 入力が完了したら、「注文入力画面へ」ボタンを押します。
次に、注文入力画面で買付数量を入力します。下の画面の例では、3,000ドルを買い付けています。入力が完了したら、取引パスワードを入力して「注文確認画面へ」ボタンを押します。
そして、注文内容を確認して問題なければ「注文発注」ボタンを押して注文を確定します。
最後に、為替取引にかかるコストについてお伝えします。
為替取引の場合、スプレッド(為替の売りと買いのレートの差)が25銭です。取引は10ドル以上からで、0.01ドル単位で可能です。ちなみに、10,000通貨単位を両替した場合には2,500円かかります。
なお、外貨への両替の際のスプレッドの詳細については、『FXのスプレッドについて初心者に特に重要な3つの知識』の記事をご参照下さい。
2.1.2.FXαで外貨取引を行って現引きする
次は、SBI証券内のサービス「FXα」を利用する方法です。FXαで外貨取引を行って現引きする方法だと、スプレッドは0.5銭です。この場合、10,000通貨単位を両替した場合のコストは50円で済みます。
この方法を使えば、低コストで外貨に両替することができます。ただし、この方法は米ドル/円でしか行うことができず、10,000通貨単位でないとできません。
2.1.3.住信SBIネット銀行の外貨普通預金をSBI証券に入金する
小口で外貨に換えたい場合は、住信SBIネット銀行の外貨普通預金をSBI証券に入金する方法がおすすめです。住信SBIネット銀行はSBI証券と同じグループの会社なので、外貨のまま証券口座に入金することができるのです。
この方法を使った場合、米ドルであれば、為替コストが4銭なので、10,000通貨単位を両替した場合のコストは400円で済みます。ただし、ユーロなど他の通貨の場合、13銭から25銭の為替コストがかかります。
2.2.外国株を注文する
いよいよ外国株の注文ですが、SBI証券では「外貨建商品取引サイト」で行います。
注文方法は、日本株の注文方法とそれほど違いません。ティッカーシンボルを入力して、買付か売却かを選択します。
なお、ティッカーシンボルというのは、日本の銘柄コードと同じようなもので、銘柄名をアルファベットで表したものです。桁数は1文字のものもあれば、4文字のものもあります(日本株の銘柄コードについては、『銘柄コードとは』をご参照下さい)。
ティッカーシンボルには、次のようなものがあります。
- アマゾン → AMZN
- フェイスブック→FB
- アップル→AAPL
- グーグル→GOOGL
- ネットフリックス→NFLX
次に、株数を入力します。アメリカの場合、1株単位で取引ができるので、1株以上の任意の株数を入力します。
続いて、注文方法を入力します。買いたい値段が決まっている場合は「指値」を選んで金額を入力します。ちなみに、金額は米ドルで入力する必要があります。
また、「値段はいくらでもいいので、すぐに買いたい」という場合は「成行」を選択します。成行を選択すると、市場に出ている売り注文価格ですぐに売買が成立します。
その他、「期間」「預り区分」「決済方法」を入力し、『「外国株式取引に関する説明書」の内容を理解し同意する」』にチェックを入れます。そして、取引パスワードを入力して「注文確認画面へ」を押します。
最後に、注文内容に誤りがなければ、「注文発注」を押して、発注します。
以上が、外国株の取引方法の基本的な流れです。
3.外国株の投資対象
外国株と一言でいっても、様々な種類があります。米国株、中国株、ロシア株など、国ごとに上場している銘柄は異なりますし、個別株やETFなど数多くの選択肢があります。
アップルやアマゾンなど、個別株にも魅力的な銘柄が多くありますが、外国の企業なので日本語での情報は十分とはいえず、投資対象の企業に何かあった場合の対応が遅くなりがちです。
しかし、ETFを使えば世界全体の株式市場に投資したり、アメリカの新興市場に投資したりと、分散投資をすることができます。
なお、ETFの具体的な銘柄については、『年利38%で資産を運用している私が初心者におすすめするETF9選』で詳しく解説していますので、ぜひご参照下さい。
4.外国株投資を行う場合の注意点
外国株は、投資対象の企業の株価の変動によるリスクだけでなく、為替の変動が損益に影響を与えるというリスクもあります。この為替の変動によるリスクは日本株にはないリスクですので、注意が必要です。
例えば、1ドル100円の時に100万円分の外国株を買ったとします。ドルで換算すると10,000ドル分の株になります。これが株価が変わらないままで、1ドルが90円になったとすると、ドル換算では10,000ドルのままなのに、円換算で90万円分の評価額になってしまいます。
これが、為替変動リスクです。もちろん、逆に1ドル110円になると円換算の評価額は上がるので、必ずしもマイナスの影響だけではありませんが、こういった要因も考慮して投資をする必要があります。
まとめ
日本に住んでいると、「株式投資=日本株投資」と思いがちです。しかし、世界に目を向けると、日本株は全体の中の一部にすぎないということが分かります。
投資の幅を広げるためにも、まずはETFから外国株の売買に挑戦して、慣れてきたらグーグルやフェイスブック、アマゾンなどの企業にも手を広げてみてはいかがでしょうか。