IPO投資に不可欠な6つの情報と調べ方

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IPO投資は、公募価格で株を手に入れることができれば高い確率で値上がりするため、投資の初心者でも成果をあげることが可能な投資法として考える方が多いです。

もしかしたら、あなたもどこかでIPO投資のことを聞いて、どのように情報を取れば良いのか分からずに、このサイトに行き着いたのかもしれません。ここでは、IPO株関連の投資で年間2,000万円以上稼いでいる経験を元に、私が重視しているIPO情報と、それぞれの情報を得る方法をご紹介します。

なお、私の手法は『会社員の私がIPO株投資で年2,000万円稼いでいる方法』で解説していますので、あわせてご確認頂ければと思います。

1. JPXから得るべき情報

JPXからは以下の3つの情報を得ます。

  • 新規上場銘柄
  • 会社概要(事業内容・仮払い決定日・引受参加者)
  • 各証券会社への割当数

これらはいずれも、IPO銘柄の当選確率をあげるために必要不可欠な情報です。それぞれ分かりやすく解説していきます。

1.1. 新規上場銘柄の確認

証券取引所から新規上場の承認が降りたIPO銘柄は、平日の15時半から16時頃に「新規上場会社情報」に掲載されます。

s_新規上場会社情報

ご覧のように、このページからは、

  • 上場日
  • 企業名
  • 証券コード
  • 上場市場
  • 公募売出数
  • 主幹事証券
  • IPOスケジュール

などIPO投資にとって非常に重要な情報を得ることができます。必ずチェックする癖をつけておきましょう。なお、公募売出数に書かれている「OA100」などの数字が書かれていますね。これはオーバー・アロットメントの略で、IPO株の募集・売出う予定株数を超える需要があった場合、主幹事証券が大株主などから一時的に株式を借り、当初の売出予定株数を超過して、募集・売出しと同じ条件で追加的に投資家に販売することを意味します。

これはIPO株の当選確率に影響するものではありませんが、IPOセカンダリー投資においては重要な情報です。詳しくは『私がIPO投資で年間2,000万円稼いでいる方法』をご覧ください。

1.2. 会社概要(事業内容・仮払い決定日・引受参加者)の確認

さて、会社概要のPDFアイコンをクリックすると、文字通り、その会社の情報をPDFで閲覧することができます。以下は、トランザス社の会社概要です。

トランザス社

私は、この中で、

  • 事業内容:
    企業のHPで必ず沿革と事業を確認します。例えば、ここ数年の業績が横ばいで、創業から何十年も経っている場合は、「成長性は低いかもしれない」「IPO時は人気化しないかもしれない」という見方ができます。一方で、既存の上場企業にないビジネスモデルだったり、ストック型ビジネスの場合は、IPO銘柄として魅力的な可能性があると判断します。その段階で、初めて公募申し込みを検討しています。
  • 仮払い決定日:
    この日にIPOの申込日の目安となる仮条件が決定します。そして、その後にブックビルディングが行われます。トランザス社の場合は、2017年7月24日から28日までブックビルディングが実施されています。
  • 引受参加者:
    同社の場合、主幹事証券はいちよし証券です。公募売出数が740,000株で、主幹事には、そのうち80-90%程度(592,000 – 666,000株)が割り当てられると考えられます。

などは必ず確認します。そして、

  • その銘柄に投資をするべきか
  • 申込するとしたら当選確率を上げるためにどう動くべきか

を考えます。

1.3. 各証券会社への割当数の確認

 同社のIPO株の各証券会社への割当数は以下の通りでした。

証券会社名 割当数 裁量(店頭)配分 抽選(ネット)配分
いちよし証券 555,000株 499,500株 55,500株
みずほ証券 74,000株 66,600株 7,400株
SBI証券 37,000株  - 37,000株
マネックス証券 22,200株 22,000株
エース証券 22,200株 22,200株
水戸証券 14,800株 14,800株
極東証券 14,800株 14,800株

引受証券会社は7社ありますが、その内3店は店頭申し込みだけですので、抽選配分の申し込みはできません。こうした情報の中から、IPO株の当選確率を上げるために、基本的には割当数が多いところで申し込みをしていきます。

また例えば、この中でSBI証券やマネックス証券の口座を持っていない場合は、上場承認からブックビルディングまでの期間で証券口座を開設するなどの準備を進めることができますね。なお、IPO投資で必須の口座については『IPO投資にオススメの証券口座まとめ~2017年版~』でご紹介していますのでご確認ください。

2. ENDINETから得るべき情報

EDINETからは、

  • 想定価格
  • 吸収額
  • 時価総額

の3つを調べます。これらの情報は、その銘柄が公募割れしないかどうかを判断するための重要な指標となります。具体的に説明させていただきます。

2.1. 想定価格の確認

EDINETは、有価証券報告書等の開示書類をウェブ上で閲覧することができるシステムです。IPO投資においては、有価証券報告書、大量保有報告書を確認することになります。

edinet1

早速、トランザス社の想定価格を調べてみましょう。トップメニューの「書類検索」をクリックすると検索画面になりますので、「トランザス」と入力して検索します。

edinet2

書類種別のチェックは、自分が欲しいものに入れましょう。検索ボタンを押すと検索結果が出てきます。

検索結果

 表示された「有価証券届出書(新規公開時)」を見てみましょう。

有価証券届出書

左メニューの「5. 新規発行による手取り金の使途」をクリックすると上図の画面になります。ここでは、新規発行による手取り金の額を確認できるのですが、(注)1. のところに「有価証券届出書提出時における想定発行価格(1,300円)を基礎として」という文言があります。

この1,300円が想定価格です。

想定価格が1,300円ということは同社のIPO株を買い付けるには100株当たり、約13万円必要であることが分かります。仮条件の際に、多少上下に触れる可能性はありますが、大きく逸脱することは滅多にありません。

2.2. 吸収額の確認

次に同社が上場する際に、どれぐらいのボリュームになるのかを分析します。それが市場における吸収額です。同社の場合は想定価格1,300円に対して、公募売り出し数740,000株+OA(オーバーアロットメント)100,000株なので、吸収額は1,300円×840,000株=1,092,000,000円になります。

同社は東証マザーズに上場するのですが、新興市場である同市場では吸収額が小さければ小さいほど人気化する傾向があります。大きくなると「新興市場で、その分の株数を吸収できるのか?」という見方をされてしまうのです。私は、経験上、吸収額は、東証マザーズで30億円以上、JASDAQで20億円以上になると公募割れになる可能性が高いと判断しています。

同社は吸収額10.9億円なので、申し込みをしても良いIPO銘柄といえます。

2.3. 時価総額の確認

最後に時価総額を確認します。

同社の発行済株数は2,988,000株です。想定価格1,300円×2,988,000株=時価総額38.8億円になることが分かります。こちらも私の経験上、時価総額は、東証マザーズで200億円、JASDAQで100億円以上になると公募割れになる可能性が高いと判断します。同社は、この水準を下回るので、なおさら申し込みをしても良いIPO銘柄だと判断できます。

ここで2015年以降で公募割れしたIPO銘柄の吸収額・時価総額と初値の関係性をみてみましょう。

銘柄名 市場 吸収額 時価総額 パフォーマンス
シンシア マザーズ 10.5億円 43.8億円 -7.1
アイモバイル マザーズ 84億円 292億円 -6.8
ベイカレント・コンサルティング マザーズ 283億円 324億円 -6.5
ウィルプラスHD JASDAQ 11.3億円 44.7億円 -8
アイドママーケティング マザーズ 26.4億円 97.3億円 -14.6
フェニックスバイオ マザーズ 11.3億円 67.8億円 -2.1
アカツキ マザーズ 73.2億円 260億円 -8
フィット マザーズ 22.7億円 80.7億円 -7.9
グリーンペプタイド マザーズ 88.5億円 194億円 -8
メタップス マザーズ 99億円 406億円 -7.9
Gunosy マザーズ 103億円 332億円 0
サンバイオ マザーズ 149億円 872億円 -14.5
RSTechnologies マザーズ 34.7億円 152億円 -23.6

オレンジは私の基準を超えた銘柄で、青は私の基準の上限に近い銘柄です。

こうした銘柄は人気化しない場合がほとんどなので、当選はしやすいですが、上場後、高い確率で損失が出てしまいますので注意しましょう。

以下に吸収額と時価総額の基準を再度掲載しておきますので、覚えておくと良いでしょう。

  東証マザーズ JASDAQ
吸収額 30億円 20億円
時価総額 200億円 100億円

3. まとめ

今回は、IPO投資において事前にチェックすべき情報をお伝えしました。これらの情報だけで、高い確度で、そのIPO銘柄の初値売却で儲かるかどうかを調べることができます。地味な作業ではありますが、成果をあげるために決して欠かすことのできないものなので、是非、参考になさってください。

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柳橋義昭

柳橋義昭

IPO投資を中心としたイベント投資で年間2000万程度のトレード利益を得ている株式投資家。証券会社でのIPOの業務の経験や、証券ディーラーの経験を活かして独自のIPO攻略法を構築。

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