IPOの初値予想するために大事な7つのポイント

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IPO(新規公開株)は初値で売却すると大きな利益が得られる可能性があるので、投資家に人気のある投資手法の一つです。でも、なかには初値が公募価格を下回ってしまい損をしてしまうケースがあります。そこで、今回は「儲かるIPOを見極める方法」として、私がIPOの初値予想をする際に必ず確認しているポイントを全てお伝えします。

このポイントを抑えておけば、儲かるIPOを見極められるようになるでしょう。

1.  IPOの初値予想に大切な7つのポイント

IPOを見極めるためにはいくつかのポイントがあります。それは下記のポイントです。

  • 上場する市場
  • 事業内容
  • 業績
  • 公募売出し数の比率
  • 吸収額
  • 時価総額
  • ベンチャーキャピタルの有無

以上、7つのポイントになりますが、この項目が全てクリアしているIPOであれば、初値は公募価格を大きく上回って決まる可能性が高いですし、上場日に人気化して初値が決まらないほど買い注文が集まる可能性もあります。

一つずつご紹介していきますので、IPOで稼ぎたいのであれば是非、抑えて下さい。

1.1. 上場する市場

株式市場には東証一部、東証二部、東証マザーズ、ジャスダックといった市場があります。新興企業向けの株式市場であるマザーズやジャスダックには今後の成長が期待される企業が新規上場しますので、マザーズやジャスダックに上場するIPOは初値が公募価格を大きく上回る傾向があります。

一方、東証一部や東証二部といった市場は上場企業の設立後の年数や利益額を重視していますので、熟成されている企業が多く、新規上場時は人気化しない傾向があります。

◎2017年のIPO
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(2017年1月1日~2017年10月18日までの58社)

東証一部や東証二部のIPOと比較して、マザーズやジャスダックのIPOは勝率も高い結果が出ています。そのため、上場する市場に注目することは大切です。

1.2. 事業内容

IPOは成長性の高い企業が人気化する傾向がありますので、事業内容によっては人気化する場合と人気化しない場合があります。また、上場前から企業名が多くの投資家に認知されている場合や上場企業に同業他社がいない新奇性があるかどうかもチェックすると良いでしょう。

◎2017年のIPOの騰落率上位

・ビーブレイクシステムズ 公募価格1,670円 初値7,700円 +603,000円・ユーザーローカル 公募価格2,940円 初値12,500円 +956,000円
(事業内容:ビッグデータの解析・人工知能による情報提供サービス)

(事業内容:クラウドERP(MA-EYES)の開発および販売を行うパッケージ事業と、顧客が構築するシステムの受託開発やIT人材の派遣を行うシステムインテグレーション事業)

・テモナ 公募価格2,550円 初値8,050円 +550,000円
(事業内容:リピートに特化したEC事業者支援サービス(定期通販システム「たまごリピート」、Web接客システム「ヒキアゲール」等)の提供)

※利益金額は100株を初値で売却した場合になります。
※2017年1月1日~2017年10月18日までの58社の中の利益3社です。

1.3. 業績

一般的に株式投資は企業の成長性に投資するものですので、業績が赤字の企業であったり、前期から減収減益である場合は投資の対象とはなりません。これはIPOにもいえます。

新規上場までに証券会社や監査法人の指導を受けて、新規上場しますので業績は当然、成長していなければなりませんが、バイオベンチャーや新しいテクノロジーのIPOは業績が赤字のケースがありますので注意が必要です。

また、減収減益の場合は「成長をしていない」とみなされますので、IPOの業績は確認するようにしましょう。

◎2017年のIPO(公募割れをしたIPO)

・西本Wismettacホールディングス 公募価格4,750円 初値 4,460円
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同社は東証一部に新規上場しましたが、業績は増収減益のため、上場市場も嫌気されて、上場時は公募割れをしました。

・LIXILビバ 公募価格2,050円 初値 1,947円
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同社も東証一部に新規上場しましたが、業績は増収減益のため、上場市場も嫌気されて、上場時は公募割れをしています。

1.4. 公募売出し数の比率

IPOで売り出される株式には公募と売出しの株があります。

公募株:IPOのために企業が新たに発行した株式のことをいいます。

売出し株:創業者などの大株主が保有している株の一部を売却するためにIPOの際に売り出す株数のことをいいます。

これから上場する企業ですので、本来は上場のために新株を発行して公募株だけになりますが、一部の大株主が上場の際に利益を確定したいために所有している株式を売出し株として売却するケースがあります。

一般的には上場時に大株主の益出しとして利用される印象が大きいため、売出し比率が大きいIPOは上場時に人気化しないケースがあります。

◎売出し比率が100%だったIPO

・スシローグローバルホールディングス 公募価格3,600円 初値 3,430円
(公募売出し比率 公募株数 0株・売出し株数 19,123,100株)

・ウェーブロックホールディングス 公募価格750円 初値 721円
(公募売出し比率 公募株数 0株・売出し株数 5,266,500株)

売出し株数が100%の銘柄は公募割れしています。

◎公募株比率が100%だったIPO

・シャノン 公募価格1,500円 初値 6,310円
(公募売出し比率 公募株数 150,000株・売出し株数 0株)

・ソレイジア・ファーマ 公募価格185円 初値 234円
(公募売出し比率 公募株数 19,437,500株・売出し株数 0株)

・オロ 公募価格2,070円 初値 4,750円
(公募売出し比率 公募株数 1,000,000株・売出し株数 0株)

・ユニフォームネクスト 公募価格2,800円 初値 6,640円
(公募売出し比率 公募株数 200,000株・売出し株数 0株)

・クロスフォー 公募価格730円 初値 1,051円
(公募売出し比率 公募株数 1,500,000株・売出し株数 0株)

・PKSHATechnology 公募価格2,400円 初値 5,480円
(公募売出し比率 公募株数 2,074,000株・売出し株数 0株)

公募株だけで構成されているIPOは初値が公募価格を大きく上回る結果となっていますので、公募株と売出し株数の割合に注意しましょう。

1.5. 吸収額

IPOが上場する際に注目すべき値は吸収額の大きさになります。この吸収額は下記のように算出されます。

公募価格×公募売出し数=吸収額

(例)公募価格1,500円×公募売出し数50万株=吸収額7億5000万円

東証一部や東証二部のIPOは上場する市場が大きいので影響はそれほどありませんが、マザーズやジャスダックのような新興市場は市場が小さいので吸収額が大きい場合は上場時に影響を受けるケースがあります。

2017年10月18日 前場の売買代金
東証一部 1,071,103 百万円
東証二部 26,884 百万円
マザーズ 52,766 百万円
ジャスダック44,999 百万円       

吸収額は小さければ小さいほど上場時の影響が軽減されますので、マザーズであれば30億円以下、ジャスダックであれば20億円以下の吸収額であれば、初値が公募価格を下回ることはないでしょう。

1.6. 時価総額

吸収額の他にIPO全体の規模を示す時価総額も上場時には注目されます。この時価総額については下記のとおり算出されます。

公募価格×発行済株式数=時価総額

(例)公募価格1,500円×発行済株式数600万株=時価総額90億円

東証一部や二部の会社は市場が大きいので時価総額が大きくても問題はありませんがマザーズやジャスダックの新興市場は、売買代金が小さい市場なので時価総額が大きい場合は影響を受ける傾向があります。マザーズであれば200億円以下、ジャスダックであれば100億円以下の時価総額であれば、初値が公募価格を下回ることはないです。

1.7. ベンチャーキャピタルの有無

新規上場する企業には事前に出資している株主がいます。この株主には経営者や取引先の会社などが含まれますが、なかにはベンチャーキャピタルという機関が株主の場合があります。

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業などの未上場企業に対して出資を行う機関のことです。未上場時に出資を行い、上場後に株式を売却もしくは事業を売却することで出資額の差額を利益を得ることを目的としています。

会社の経営陣や取引先が大株主の場合は、早期に売却してくる可能性が低いですがベンチャーキャピタルは利益を得ることを優先しますので、上場後に売却している可能性が高いため注意が必要です。

下記は2017年9月に上場したマネーフォワードの大株主です。
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大株主の株数は1422万株ですが、ベンチャーキャピタルの持ち分だけで400万株程度あります。同社が上場した後はベンチャーキャピタルの売却が行われる可能性がありますので注意が必要です。

下記は2017年10月に上場した大阪油化工業の大株主です。
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同社の場合は大株主が会社の経営者や従業員で構成されていますので、上場時に大株主がすぐに売却する心配はありません。このように大株主に売却をしてくる株主がいるかどうかはIPOには大切なことなので必ず確認しましょう。

2.  儲かるIPOの見極め方

今回、IPOの初値を予想するために大切な7つのポイントをご紹介しましたが、このポイントが全て問題ないIPOは上場時に初値が付かないほど人気になる可能性があります。

下記のようにチェックリストを作成することをお勧めします。
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(例)西本Wismettacホールディングスの場合
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同社は東証一部のIPOなので、上場時は人気化しない可能性がありますが、チェック欄に該当するケースが多いため、公募割れが懸念されます。結果的には公募価格4,750円に対して、初値は4,465円でした。

7つ全てが該当してしまうIPOは人気化しない可能性(公募割れ)する可能性がありますので、注意しましょう。 

まとめ

今回はIPOの初値予想についてお伝えしました。今回のポイントを参考にして頂くことで儲かるIPOを見出すことができるようになりますので、是非、役立てて下さい。

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柳橋義昭

柳橋義昭

IPO投資を中心としたイベント投資で年間2000万程度のトレード利益を得ている株式投資家。証券会社でのIPOの業務の経験や、証券ディーラーの経験を活かして独自のIPO攻略法を構築。

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