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自社株買い発表で「買い」は間違い?自社株買いの基本と実例解説

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株価が上昇する要因には実に様々なものがありますが、そのなかで自社株買いと呼ばれる企業自身が行う利益向上対策があります。

近年、JPX400の誕生とともに新たに株主資本利益率の向上のために自社株買いを始める企業も増えるなど、その動向には注目が集まっています。

実際、自社株買いを発表した企業の株式には投資家の買いが集まり、株価が上昇することがあります。ただそれを完全に鵜呑みに してしまい自社株買いをする企業を手当たり次第買い付けてしまうと思わぬ高値をつかまされたり、その後まったく株価は上昇することなく小動きを繰り返したりすることもあります。

そうならないためにも、まずは基礎知識の確認と実例をいくつか見ることで自社株買いを理解していきましょう。

自社株買いとは何か

自社株買いとは企業が自己資金を使って自社の株式を買い付けることをいいます。

最近では株主還元(株主に利益を還元すること)の意味合いも込めて、自社株買いをする企業は多くなっています。

自社株買いをするということは、企業がすでに市場に発行された株式を買い付け消却(市場にもう出ないようにする)するということです。これによって企業が生み出す利益に変更はないのに、発行済み株式数が減るので1株あたりの利益が増える事になります。

簡単に説明すると、ある企業の発行済み株式数が10000株だったとします。ある年の純利益が100万円だったとすると、1 株あたりの利益は100万を10000株で割り、100円ということになります。しかし、企業が自社株買いをして10000株のうち2000株を買い取ると、1株あたりの利益は100万を8000で割ることになるので、1株あたりの利益は125円となり、1株あたりの利益が25円(20%)利益が増すことになるのです。

この1株利益の上昇は、ROE(株主資本利益率)の上昇にも影響します。この指標はJPX400への組み入れに際して使用されることから、特に注目されている指標です。この指標の向上を目的に自社株買いを実施することを決める企業もあるほどです。

ROEに関しては下記の記事にてまとめていますので目を通しておくことをお勧めします。

参考記事)優秀な企業を見抜くためのROEの解説

自社株買いに絡んだ株価の動き3つの事例

自社株買いを実際に行った、またはこれから積極的に行おうとしている企業の動きを見てみることにしましょう。

ウチヤマホールディングス 自社株買い

ウチヤマホールディングスは11月19日の場中に自社株買いを発表しました。買い付け割合は発行済み総数に対して、10.72%と規模の大きなものであったため、インパクトが大きく株価も一時60円以上の上昇を見せました(下記株価チャート)

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(引用元:ヤフーファイナンス)

取得期間は11/20から翌年2016年の5月31日までで。需給改善期待から株式も一気に買われたものと考えられます。ただし規模の大きな自社株買いであれば必ずしも株価が上がるのかと言うとそうでもないようです。

中野冷機 自社株買い

さて中野冷機と言う企業の自社株買い発表後の株価の動きですが、11月24日に自社株買いを発表し、買い付け分は発行済み株式総数の18.03%とウチヤマホールディングスよりも大きな規模でしたが、翌日25日の株価の動きを見てみると小安く始まっています。上記のウチヤマホールディングスが10%以上上昇したことにくらべると大きな違いあることが分かります。

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(引用元:ヤフーファイナンス)

このように自社株買いによりその後株価が一気に上がるというわけではないことを知っておきましょう。

ユニオンツール 還元性向の上昇

2015年11月18日付日経新聞の記事にユニオンツールが自社株買いと配当を合わせて純利益額の100%以上を株主還元に充てると報じたことが伝わりました。

配当性向の向上と同時に自社株買いも株価を上昇させる要因であるため、同社の株は18日に大きく値上がりして20%近く上昇をして寄り付きました(下記チャート)

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(引用元:ヤフーファイナンス)

結果的に、ユニオンツールが自社で発表した事実ではないと公表したものの自社株買い枠の拡大に対する投資家の期待が現れた好例でした。

このように自社株買いの実施ではありませんが、今後の自社株買いをにおわすような企業の姿勢が投資家の買いを誘うという面もあります。

自社株買い銘柄を取り扱う際の注意点を確認しよう

自社株買いにより1株あたりの利益が高まることになると、その後株価は上昇する可能性が高くなります。

自社株買い発表により 翌日に株価は窓を開けて大幅に上昇することが多いですが、これは自社株買いによる利益の高まりによりこれまでの株価が割安だと判断されるため、自社株買いの前と後で株価の調整が行われるからです。

ただ、この調整は時に割安なまま放置されたり、もとの株価まで売られてしまいその後鳴かず飛ばずの状態で株価が低迷することもあるのが事実です。

そこでここでは自社株買いに関して注意したい点を見ていきます。

1 自社株買いが行われる企業の開示情報には目を通す

自社株買いを発表した企業の開示情報を確認しましょう。

まず自社株買いを行う目的をチェックしましょう。下記画像は実際のウチヤマホールディングスの自社株買いの企業開示を抜粋したものです。

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自己株式の取得を行う理由は株主還元の強化と資本効率の向上、これは1株利益を上げるための対策です。株価の上昇に結び付く内容ですね。中にはストックオプションのための取得など、株主還元目的ではなく自社の社員のための自社株買いもありますので注意したい所です。

ほかにも、取得方法をチェックする必要があります。市場で買い付けするのか、TOSTNETを利用して場外で取得するのかの違いがあります。ちなみにさきほどの中野冷機はTOSTNETでの取得でした。

最後に取得期間のチェックです。自社株買い発表後に1日で終わるものもあれば、数か月かけて自社株買いを行う企業もあります。

気を付けたいのは、自社株買いは必ず行われるものではないということです。自社株買い発表で上がったとしても結局買われないのであれば、その後株価は下落していくことが多いです(株主還元の真逆の行為だと言えます)

以上、自社株買いが出たら開示情報をチェックして銘柄ごとの特性を掴んでいくと良いでしょう。

2 業績はしっかりとチェックすること

自社株買いで株価を一時的に上げることができても、業績が悪いと株価は結局上がる前の水準まで戻ってきてしまうことがあります。

たとえ自社株買いにより株主還元の意識は高まったとしても、業績の好調さを伴わない利益の上昇では自社株買い後の投資家の買いは続かないのです。先ほどのウチヤマホールディングスの例で言えば、自社株買いをする2週間ほど前に業績の下方修正をしています。株価が10%以上自社株買いで上がったとしても業績が本調子に戻ることがなければ結局は株価上昇も続くことなく終わってしまうかもしれません。

業績好調な企業が更に株主還元を高めるため、自社株買いを行う。そういうケースでなら積極的に買い銘柄の候補に入れて行っても良いでしょう。

参考)自社株買いで銘柄選定するための参考のサイト

カブ探は企業の業績や自社株買いの開示情報を見るのに便利なサイトです。Market impactは自社株買いのあった企業を時系列に掲載しています。取得規模がどれくらいなのか、取得期間はいつからいつまでかも記載されています(過去にさかのぼって自社株買いの情報を確認することもできます)

まとめ

JPX400指数の誕生とともにROEの数値が注目されるようになり、最近ではROE向上のために自社株買いが行われるようになっています。あくまで株価上昇の要因は企業業績の良好さであることは間違いありませんが、自社株買いも投資家目線での企業経営をしているとして一つの買い材料として見ることができます。自社株買いと言うイベントはこれからもどんどん行われるはずですので、これかも注視していくとよいでしょう。

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