公募割れをするIPOに共通する4つの特徴

新規公開株(以下、IPO)の中には、株式公開時に初値が公募価格を下回ってしまうものがあります。これを「公募割れ」と言います。IPO投資は、上場時の売却益を狙うものなので、当然、公募割れをしてしまうと利益を得ることはできません。

公募割れをしてしまうIPOに投資をすることなく、儲かるIPO銘柄に投資をする必要があります。そこで、今回は、公募割れするIPOの4つの特徴をお伝えします。

なお、IPO投資の方法は、『株の初心者がIPO投資で100万円を稼ぐための具体的な方法』で細部まで解説していますので、ぜひご覧ください。

さて、下記は公募割れしたIPOの事例です。

銘柄 市場 仮条件 公募価格 初値 上場時の吸収額 上場時の時価総額
マクロミル 東証一部 1,900-2,100 1,900 1,867 510億円 721億円
スシロー 東証一部 3,600-3,900 3,600 3,430 724億円 941億円
ウェーブロック 東証二部 720-750 750 721 43億円 80億円
LIXILビバ 東証一部 1,950-2,200 2,050 1,947 426億円 870億円

この四社に共通する項目を見ていきましょう。

1.上場市場が東証一部又は東証二部

東証一部や東証二部に上場する企業は創業から一定の期間が過ぎており、成熟しているという評価をされます。

IPO(新規公開株)は、新規上場する企業の「成長性」に投資するものです。しかし、すでに成熟した企業は、業績が横ばいの場合が多く、安定はしていますが、成長性という面では一歩劣って見られることが多いです。さらに、上場時の時価総額を見ると数百億円の企業が多いため、資金が集まりにくい面もあります。

また、東証マザーズやJASDAQといった新興市場でも、公募割れする確率が高いケースがあります。それは、吸収額と時価総額が下図以上の金額になってしまっている場合です。

  東証マザーズ JASDAQ
吸収額 30億円 20億円
時価総額 200億円 100億円

なお吸収額は、その市場において、総額何円ぐらいの取引額になるのかを示すものです。言い換えると、そのIPOのボリュームを表します。ボリュームが大き過ぎると値が崩れてしまう場合が多いです。時価総額も大き過ぎると市場での感受性が低くなり、値が崩れてしまう原因となります。

2.新株発行より売り出しの方が多い

通常IPOする企業は、公募売り出しといって、企業が新しい株を発行して、それを多くの投資家に販売することで資金調達をします。

この時の売り出し価格を「公募価格」と言います。IPOする企業や、それに関わる証券会社は、資金調達に失敗が内容に、公募価格を、その企業の本来の価値より安い水準で設定します。そのため、通常、上場時は公募価格より高い価格がつきます。これが公募株によるIPOです。

しかし、公募株ではなく「売り出し株」によってIPOを行う企業もあります。これは、創業者などの既存株主が、自分の持っている株を、IPO株として売り出すという場合です。既存株主は、これによって大きな資金を得ることを目的としています。

つまり、売り出し株は、上場時に利益を確定しようとする「売り」が入るので、高値を付けにくくなります。そのため、人気化しないケースが少なくありません。

実際に今回の四社の公募株数と売り出し株数を見てみると以下の通りです。

  公募株数 売り出し株数
マクロミル 487,800株 25,017,200株
スシロー 0 19,123,100株
ウェーブロック 0 5,266,500株
LIXILビバ 4,720,000株 14,903,800株

これでは、人気化せずに、公募割れするのも当たり前のように見えますね。

3.再上場の案件

再上場とは、その名の通り、何らかの事情で一度上場廃止となった企業が、数年後に再び上場することをいいます。

上場廃止を経験しているということは、何らかの不祥事があったり、経営が悪化したりしたという場合が大半なので、よほどでない限り、投資家は悪い見方をします。一度上場してうまくいかなかった企業が、二回目の上場では、事業によほどの真新しさや明らかな成長性が見えない限り、うまくいくと思ってもらえまんよね。

実際、上記の四社は、いずれも上場廃止を経験している企業です。

4.公募価格が仮条件の上限で決まらない

IPOする企業や主幹事証券会社は、公募価格を決める前には、ブックビルディングの間の仮条件を参考にして投資家から希望価格を募ります。そして、その結果をふまえて公募価格が決定されます。人気があるIPO銘柄の場合は、その企業の株を手に入れたいと考えている人が多いということなので、公募価格は仮条件の上限で決定します。

一方、人気がない企業は仮条件の中値や下限で決定する場合が多いです。

実際、公募価格が仮条件の上限で決まらなかった企業は、2016年に4社、2017年に3社ありますが、いずれも公募割れしています。

5.まとめ

いかがでしょう。

上記の項目を注意して頂くだけで、公募割れするIPOが見抜く力が養えます。このノウハウだけでも儲かるIPOが見えるようになります。

今回は公募割れしないIPOの見分け方をお伝えしました。この方法を用いることで私は公募割れのIPOに申込むはしていません。むしろ、こういう公募割れのIPOはセカンダリーに切り替えて注目します。今回お伝えした内容をこれからのIPOに是非役立てて下さい。

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執筆者
柳橋義昭

柳橋義昭

兼業投資家。 証券会社在籍時に営業、ディーラー、ネット株部門の立ち上げを行い、 2008年からエンジュク株式会社に従事。 証券会社でIPOの業務の経験を活かし、2008年に独自の投資手法を確立。 その後は毎年、IPOの獲得とセカンダリー投資にて利益を積み上げる。 また、これまで述べ20,000人の投資家に自身の投資手法を伝授。 著書に、『いつでも、何度でも稼げる! IPOセカンダリー株投資』(すばる舎)がある。 証券外務員資格一種保有。

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