【失敗から学ぶ①】アパートの土地活用で失敗したオーナーの声と7つのポイント~一括見積もりの罠~

いま、日本では空前の賃貸アパートやマンション建築ブームです。

一方で多くのオーナーが悪い業者に騙されたり、建築トラブルで泣き寝入りしている現状があります。そこで「業者に騙された」というたくさんのオーナーの声を通して、アパートの土地活用で成功するために抑えておくべき知識を纏めました。

はじめに:私の体験「なぜ建築までの流れを伝えたいのか?」

いよいよ賃貸アパートを建てる!

夢の賃貸オーナー生活がはじまる!

とはいえ、はじめての新築ということもあり、建物を建てることに不安を抱えている人も多いはずです。

実際に賃貸アパートを建築した経験を持つオーナーの声として、

・業者は大丈夫なのか?
・建築ミスが起こったらどうしよう?
・相見積もりってどうやるの?

といったように、オーナーには様々な不安がつきものです。

実はいまも目の前で起こっているのです!

失敗から学んだケース①
実際にあった話として、建築の契約を進めていく過程で、アパート業者から一方的に説明を受けて、契約書への捺印や、誓約書に同意をしたオーナーさんがおりました。契約締結から数か月後、想定外のトラブルや補修工事で数千万円が追加で必要となり『追加工事の代金を払わなければ工事を止める』と工事会社から言われ、泣く泣くお金を支払わざるを得なかったというのです。

このケースを見ての通り、オーナーは非常に知識不足であり、立場も弱い状況です。

とはいえ、オーナーは「事業主」ですから法律で守られることにも限りがあり、すぐに業者に対して契約解除や損害賠償をすることもできません。

この問題やトラブルの背景には、業者だけでなく、オーナーも学ばなければならない点がたくさんあります。

そこで、私が皆さんにまずお伝えしたいのが、                     「絶対に抑えておきたい一般的な建築までの流れ」 です。                まずはアパートやマンションの「建築までの流れ」を一緒に理解していきましょう。

1.【失敗から学んだ!1部】建築前に気を付けておくこと

まずはじめに、建築をする前に気をつけておくべきことをご紹介します。

建築をするときには、

・アパート会社(企画、営業、メーカー)
・工事会社(設計会社、施工会社)
・金融機関

という3者が登場します。

そこで彼らと対等に話を進めていくうえで、オーナーの失敗の声を合わせて、        気を付けるべき点をご紹介します。

1.1 工事会社の契約書が薄い

工事会社からもらった契約書がペラペラの状態!

「おかしいなと思っていたのだけど、やっぱりトラブルになってしまった」         というオーナーの失敗の声がとても多いのです。

そこで建築をするうえで確認をしておくべき契約書について説明をします。

まずはこの2つの契約書はもらいましたか?

(1) 設計監理委託契約書(設計会社と契約)
  →ちゃんと設計図があり、設計図通りに建物が作られたか?

(2) 建築工事請負契約書(施工会社と契約)
  →見積書の通りの金額で工事が行われたか?

この契約書がないと、後でトラブルとなることが多いです。

さらに、この契約書があったとしても、内容が不明瞭のままアパートが建ち、何十年と経った時に基本資料が欠落・紛失している等で問題となることも多いのです。

端的に契約内容を説明すると、

(1)設計監理委託契約書とは?
一級建築士が建物を設計して、その設計図の通りに工事ができているのかを確認することを、監理(かんり)といいます。施工会社との請負契約がしっかりと行われているかをチェックする大切な契約です。
(2)工事請負契約書とは?
工事会社である請負人(受託者)が建設工事を完成させること約束し、建築注文者(委託者)が、その建設工事の施工の対価として、報酬を支払うことを約束する契約です。建設工事は建設業法第2条第1項・別表第一に規定する29種類の建設工事は、この契約書がなければ業法違反で捕まります。

ですから、この2つの契約書をしっかりと確認しましょう。
→詳しい内容や質問についてはリンクを追記します。

1.2 見積もりに「一式」が多い

見積もりに「一式(いっしき)」と書かれた項目を見たことはありませんか?

このように数量が分からない「一式」だけの表記の見積もりは注意してください。

必ず、どの工事でどのくらいの費用がかかっているのかが詳細に書かれている「実施見積もり」を確認してください。※特に信用を謡って詳細の費用を隠す工事業者がまだまだおります。

1.3 建築士が工事会社と一緒で不安

アパート業者が紹介する、設計士と施工会社が同一の工事会社の場合は十分注意をしましょう。

昔からよく言われていることのひとつに、「談合(だんごう)」があります。

建設工事の談合では、営業マン、設計士、施工会社が一緒になって裏で会議をおこない、施主であるオーナーが見ていないところで手抜き工事をしたり、発注の見返りとして金銭の授受を行ったりすることです。

そこで、私は新築工事には「一級建築士」をしっかりと雇うことをお勧めします。一級建築士の仕事は、設計をすることはもちろん大切な仕事ですが、その設計通りに監理(かんり)が行われているかということがさらに重要な仕事だからです。

たとえば野球に例えると監督とコーチがしっかりと選手を導いているかどうかということです。

この監理が行われないということは、

・設計図通りに工事をしない
・建築偽装が行われる(梁や柱を抜いても立証できない)
・設計時に選定された材料よりも安いもので仕上げる

などの可能性があり、これらはオーナーにとって大きなリスクとなります。

ですから、たとえアパート業者から設計施工が同時に行える会社を紹介されて「安い」と言われても、自分が信頼できる一級建築士に工事の監理を依頼することをお勧めします。

1.4 工事の際に契約書をどうチェックすればよい?

工事の際に契約書はどうやってチェックすればよいのか?

その質問に対する回答として、「建設業法で定められた基準があるので、そこまで契約書を深く読まなくてもよい」です。その代わりに2つの書類を必ず確認して欲しいのです。

建築をする際の契約書には、一般的に2つの書類が添付されています。

ひとつは①実施設計図(じっしせっけいしょ)です。

実施設計図とは?
基本設計に基づいて、施工業者に工事の内容や方法を指示するためにつくられる設計図書のことです。 材料の太さから質まで、厳密に書き込まれており、実際の工事ではこの図面をもとに施工します。
<設計の流れ>
設計契約 → 基本設計(デザイン起こし) → 内訳詳細の変更 → 実施設計図

もう一つは②実施見積書(じっしみつもりしょ)です。

実施見積書とは?
概算見積書に基づいて、内訳明細書付きの実施見積書をつくります。
<見積の流れ>
想定見積完成 → 3社以上工事相見積もり → 1社工事会社選定 → 実施設計図完成 → 実施設計に基づいて見積 → 実施見積書

この2つが工事請負契約書に添付されていないとどんなことが起こるのかといいますと、

・追加工事が発生する(元々何に対する追加なのかを立証できない)
・建物が建った後で図面を作成する(見積当初よりも安く仕上げる)

などのリスクがあります。

ですから、建築をする際には、工事請負契約書とともに実施設計図実施見積書をしっかりと確認しましょう。

1.5 工程表を出さない

工程表とは、工事がいつまでに、何を行うのかを表したスケジュールです。

建築工事前に工程表を出さない工事会社には注意してください。

一般的に、建築工事は万が一のことを考えて期間を長めに設定します。とはいえ、不慮のトラブルや、中途の設計変更などで工事が長引いてしまうことはよくあることです。

工事会社の中には、竣工が遅延した際の賠償や損害を恐れて工程表を出さないこともあります。

ですから、必ず建築工事前に工程表を入手しましょう。

1.6 構造計算書がない

構造計算書(こうぞうけいさんしょ)は、実施設計のときに一緒に作ります。

構造計算とは?
構造計算では、建築構造物が積載のほか、地震・台風・積雪などの天災に際して荷重に耐えるのに必要な鉄筋・鉄骨の量などが満たされているかを基準に従って計算します。建物の柱の太さや、梁の量、土台の強さなどによって数値が変わるため、工事を行うなかで梁が数センチでもずれていたり、柱の位置が変わっている場合は再計算をする必要があります。

構造計算の詳しい流れについてはこちらをご覧ください。

1.7 工事会社(営業マン)の返事が遅い

営業マンの返事が遅い!

もちろん、大きなお金が動く契約を前にオーナーとしても気が短くなり、必要以上に営業マンに質問したくなることもあるでしょう。

オーナーと営業マンの相性・信頼係数は一番大切なポイントです。

実は連絡に気付いているのにメールを返信しない、連絡しても3日以上連絡がない、といった不信感がその後のトラブルに繋がることが多いのです。

相性が合わない・信頼できないならば担当者を変えるか、工事会社を変えましょう。     なぜならば、どんなに工事会社がよくても「誤解」があっては物事が進まないからです。   厳しいことをいえば、私たちオーナーも勉強不足の状態なので、焦らず時間をおいてもう一度考え直す機会となります。

業者に騙された!シリーズ

【業者に騙された!1部】建築前に気を付けておくこと(※当記事)
【業者に騙された!2部】収支想定時に気を付けておくこと(※近日公開予定)
【業者に騙された!3部】建築中に気を付けておくこと(※6月21日頃公開予定)
【業者に騙された!4部】建築後に気を付けておくこと(※6月28日頃公開予定)

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執筆者
横山篤司

横山篤司

一般社団法人不動産オーナー経営学院の代表理事/学長。宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 これまで日本で10,000人以上のオーナーと話し、事例や成功体験を研究。創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。ニューヨークでの大学院留学、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産投資を学び、家業再生に活かしたことで事業再生、借金を数年で完済することに成功。現在はビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。 中小企業庁主催「事業承継セミナー2017」モデル企業登壇/不動産オーナー後継者の会/JFMA「不動産MBA」研究員/週刊ビル経営「建替え経営学」連載/全国賃貸住宅新聞/住宅新報/月刊不動産流通(宅建協会)ほか。

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