- FXで勝てなくて苦しい方
- 先が見えずマイナス思考になっている方
- モヤモヤしている方
このような方は、たくさんいると思います。
私は、今でこそFXで勝てるようになりましたが、FXを始めた最初の4~5年間は勝てない時期が続きました。その時期の辛さや不安感は、今でも昨日のことのように思い出せます。
みなさんも、FXで勝てないと、
「このままFXをやっていて本当に稼げるようになるのか?」
「自分にFXは向いてないのではないか?」
など、様々な不安があるはずです。そこで、この記事では、私の経験を基に、5つのアドバイスをお伝えします。ぜひ、前向きな気持ちになるヒントにしていただければと思います。
執筆者
ぶせな
FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。
はじめに
最初に、どんなトレーダーでも、停滞期は必ずあることを知っておきましょう。
なぜなら、どうやったら勝てるようになるのだろうかという悩みは、常に続くからです。稼げるようになった後も、停滞期はあります。実際に私も、思うように勝てなくなる時期が今でもあります。
そのような時は、自暴自棄にならずに、今までの知識を洗い直したり、より細かい検証を繰り返すことで気付きが得られ、一気に成績が飛躍し、停滞期を抜け出しました。
稼ぎ続けるということは、常に停滞と飛躍の繰り返しです。
つまり、FXで勝てない時に本当に必要になってくることは、手法やテクニックではなく、次の2つの”姿勢”に集約されます。
- 考え方:壁は誰にでもあり、成功している人も壁を超えてきたという理解
- 向き合い方:思うように結果が出ない時期は、逃げずに向き合う
この2つの姿勢は、特に初心者の方は知っておく必要があります。
次の章からは、FXで勝てるようになるための考え方と、向き合い方を解説していきます。
1.一回一回のトレードに根拠を持とう
FXでは、長期的に大きく成功するために運は必要ありません。唯一の道は、知識と実践と検証を一つ一つ真剣に行なって、本物の実力を付けることです。
人間は、どうしても本能的に楽を求めてしまったり、欲で判断を曇らせたりしてしまいます(このことを、行動心理学の用語で、「プロスペクト理論」といいます)。
ただし、人間の本能に任せて、運任せの根拠のないトレードをしていると、最終的には大損して退場することになります。実際、FXを始めたばかりの頃の私が、1,000万円の大損をして失敗した原因もそうでした。
エントリーからイグジットまで全て、どのように判断して、投資行動を取るべきなのかには、明確な根拠が必要です。「ツイッターで勝っている人が上がると言ったから」「自分の感覚で下がり過ぎだから」というような根拠では、トレードの根拠の”質”が低過ぎます。
チャート分析で複数のテクニカル的な根拠が重なった時のみトレードするなど、常に根拠を探す必要があります。
一回一回のトレードで、誰にでも説明できて納得してもらえるぐらいの根拠を持てるように訓練しましょう。そうすれば、一貫性のあるトレードを続けることができ、その結果、資産が増えていきます。
ポイント!
トレード根拠をしっかり持つことが、一貫性のあるトレードを可能にします。
2.停滞期こそインプットとアウトプットを繰り返そう
FXに限らず、投資は、知識をインプットすれば、それだけで勝てるようにはなりません。このことを知らないと、学んだ知識を実践して思うように勝てないと、手法のせいにしたり、情報のせいにしてしまいがちです。
もし、あなたが、このようなことを繰り返していたら、非常にもったいないです。
ここで、下の図をご覧下さい。

学習曲線
これは、人のスキルの伸び方を表した「学習曲線」です。
FXを始めて、知識をインプットしている時期をA(成長期)とします。そして、そこで学んだ知識を使って何度か取引をすると、トレードの楽しさがわかってきたり、感覚が掴めたりします。中には、この時点である程度の利益を出せる方もいるでしょう。
ただし、その後のBでは、誰もが伸び悩みます(停滞期)。知識をインプットして、トレードでアウトプットしているのに、思うように結果が出ない時期です。
ほとんどの初心者は、このBの停滞期でトレードを諦めてしまいます。結果が出ない時期は、誰にとっても辛いものです。スランプとは言わないまでも、何をやっても結果が出ませんからね。
しかし、停滞期にどのような行動をするかで、トレーダーの力量が決まります。
もし、自分が今、学習曲線の停滞期にいることがわからず、結果が出ないと、「自分にはFXは向いていない」と自暴自棄になってしまうことでしょう。
しかし、スキルアップには停滞期がつきものだということを知っていると、「今は停滞期かもしれないからもう少し頑張ろう!」と考えられるようになります。
力のあるトレーダーほど、停滞期には結果が出ないことを認識していて、ひたすらトレードの検証と実践を繰り返します。そして、ほんのちょっとしたきっかけで急に壁を超えて、Cの地点で飛躍的に結果が出ます(壁突破)。
ただし、Cに辿り着くためは、Bの停滞期で耐えて、とにかく多くのトレード経験を積むことが必要です。
ちなみに、たとえ年間100万円とか年間1,000万円を勝てるようになったとしても、このサイクルは常に続きます。
しかし、Bの停滞期での過ごし方や耐え方をしっかりと身につけておけば、専業トレーダーになっても、停滞期を乗り越えて大きな資産を築くことができるはずです。
ポイント!
「成長期→停滞期→壁突破」のインプットとアウトプットを繰り返すことが大切です。
3.初心に戻って知識を身につけて自信を回復させよう
先ほどのBの停滞期では、「正しい知識を身につけて自信を積み上げる」ことが必要です。
トレードで勝てない時期が続くと、自信を失い、「自分には成功は無理かな」とネガティブに考え始め、自暴自棄になったり、気付かないうちに精神に大きなストレスがかかってしまいます。そして、未来が見えず、私生活でも些細なことでマイナス思考になったりします。
実際に私がそうだったように、マイナス思考に陥った時は、トレードしたい気持ちがあっても、何をしたらいいかわからなくなります。その場合は、ほんの少しでも良いので、一つずつ正しい知識を吸収(インプット)して、自信をつけることを最優先にして下さい。
例えば、書籍を読んだり、インターネットで情報収集するなど、何でも構いません。トレードをするより、はるかに気軽にできます。大きな精神的ストレスがかかって、自暴自棄になっていたり、焦っている時にトレードで勝てと言われても、私でも難しいです。
不思議なもので、知識がつくと、それだけで少しずつ自信が回復していきます。自信がつくと、以前と同じことを勉強したとしても、今まで見えていなかったものが見えるようになり、試したいことのアイデアがどんどん湧いてくるようになります。
何年も勉強してきて、すでに多くの知識がある方は、いまさらインプットすることに抵抗があるかもしれません。
しかし、そのような方こそ、現実を受け止めて、「今勝てていないのは、何かしらの知識が抜けているからだ」と考えて、新しい知識を身につけるチャンスにしましょう。自分はまだまだ未熟者と思っている謙虚の人が勝ち続けるのです。
初心に戻って、一つ一つじっくりと、何一つ飛ばさずに、丁寧にインプットしましょう。
ちなみに、私は、自信を失った時は本屋に行って、メンタル系のFX書籍を買うことが多いです。
ポイント!
自信がなくなってきたら、初心に戻って知識をインプットしましょう。
4.短期で稼ぐのではなく長期的に考えよう
FXを始めた頃の私は、「1日でも早く稼ぎたい!」と、とにかく焦っていました。
しかし、焦っていると、気持ちが空回りして、勉強しても何も頭に入ってきませんでした。実際、トレードして、結果と原因を検証しても、精神がフワフワして、集中できませんでした。
このように、過度に緊張していたり、焦っている状態だと、普段はありえないようなミスをしたり、仕事やスポーツでもパフォーマンスが大きく下がってしまいます。そうなると、周りも見えなくなります。
トレードの場合、勝てないと、焦りがさらに大きくなって、大きな損失につながりかねません。
そのような時に一番大切なことは、焦りから解放されることです。そして、焦らないための秘訣は、たったの数ヶ月といった短期的スパンで儲けようと思わず、長期的に考えることです。
トレード人生は、長期戦です。
明日、来月、1年後に人生を変えようとするのではなく、3年、5年、10年という長い単位で目標設定して、ゆったり構えましょう。
これからずっとFXをやっていくのですから、10年後にトレードで大きく勝っていると想像すれば、焦らずに、一日一日少しずつ上達すれば良いと思えるようになります。
短期で勝とうとするから、小手先のテクニックに頼って、FXの基礎を疎かにして、結局は大損をしてしまいます。
「FXは短期で儲かるもの」と考えているなら、絶対に考え直す必要があります。
私は、FXを始めて15年以上になりますが、勝てるようになるまでには、4年かかりました。最初の4年間は焦ってばかりで、すぐに何千万円の利益という結果を求めていました。その結果、全財産を失ってしまいました。
しかし、1つの目標だった「利益1億円」にはさらに5年かかりましたが、自分が思っていたよりも意外と早かったです。
逆説的ですが、FXは、長期的にじっくり勝とうとすればするほど、上手くいくようになります。そして、思っていたよりもはるかに早く目標額に到達します。
逆に、短期的に勝とうと思えば思うほど負ける上、成功も遅くなります。
つまり、それだけメンタルがトレード結果に左右する、ということです。覚えておきましょう。
ポイント!
トレードは長期戦なので、ゆったり構えて地に足の着いた気持ちで取り組みましょう。短期で大儲けしようとすると、焦るだけです。
5.FXで実現したいことを思い出して努力を継続しよう
長期的にトレードするなら、FXで何を実現したいのかを思い出しましょう。
そもそも、あなたがFXを始めようと思った理由は何ですか?
目的、目標、夢を改めて自分自身に問いかけてみましょう。「お金持ちになりたい」というのは誰もが同じだと思います(私も、お金が一番でした)。
しかし、そこからもう一歩踏み込んで、FXで成功したらどのような生活がしたいか、1日の理想的な過ごし方を、何パターンもイメージしてみて下さい。
この時、心がワクワクするようなイメージが出てきたら、それがあなたの夢や目標になります。
その目標は、決して手が届かないものではありません。なぜなら、FXは、本当にすごい世界だからです。真剣に向き合って、ひとたび勝てるようになると、あとは、ロット(取引通貨量)次第で、収益は無限大になります。
1人の人間や1つのチームしかナンバーワンになれないスポーツの世界や、役職が限られているビジネスの世界では、成功するためには運も必要です。
しかし、FXは、誰もが成功できる可能性を秘めた世界です。
ただし、安定的に稼ぎ続ける本物のスキルを身につけるためには、継続した努力が必要です。FXで叶えたいことを改めて思い出して、努力を継続させましょう。FXは、あなたの夢を実現する手段にもなりえます。
ポイント!
FXで稼いで実現したいことを、改めて考え直しましょう。きっとワクワクするはずです。
まとめ
FXで勝てない時は、手法を探すのではなく、「適切な考え方」と「向き合い方」ができているかを確認することが大切です。そして、トレードはメンタルの影響が大きいものだと認識し、モチベーションがアップするまで、一度立ち止まることも必要です。
冷静になるまで見つめ直し、夢を確認し、それに向かって諦めずにコツコツと進みましょう。