FXのボリンジャーバンドの実践的な使い方

ボリンジャーバンドは、株式やFXのチャートにおいて、移動平均線の上下をバンド(帯)で覆い、 移動平均線との乖離を測るテクニカル指標です。

1980年頃に米国人投資家のジョン・ボリンジャー氏が考案したインジケータで、 過去の相場の振れ幅(ボラティリティ)を統計学で測定し、 移動平均線と標準偏差から構成されていることに特徴があります。

ボリンジャーバンドは、とても有名なインジケータなので、今あなたがボリンジャーバンドを使っていなくても、今後のテクニカル分析のヒントになるはずです。

この記事を読むと、

  • ボリンジャーバンドの基本的な使い方
  • ダマシを回避してトレードの確度を高める方法
  • 順張りと逆張りの実践的な使い分け方

などの実践的な内容がわかります。私の経験から言えることを余すことなく書いたので、少し長いですが、最後までお読みいただければと思います。

なお、FXのチャートを使って説明しますが、株式投資にも使えるので、どちらのトレーダーも、参考にしていただければと思います。

執筆者
ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。

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1.ボリンジャーバンドの基本

最初に大事なことをお伝えすると、ボリンジャーバンドで最も利益を上げる使い方は、次の一言で表せます。 

「トレンド発生時に使うことを基本にする」

ボリンジャーバンドには様々な設定ができますが、トレードで勝てる土俵をトレンド相場に設定することで、相場のあらゆる局面で応用できるようになります。例えば、レンジ相場で逆張りを狙う局面や、レンジからのブレイクを狙う局面でも最大限活用できます。

つまり、ボリンジャーバンドは、順張りでも逆張りでも活用できるということです。

1.1.構成は移動平均線と標準偏差

シンプルにいうと、ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で成り立っています。

移動平均線とは、ある一定期間の終値の平均値を線にしたテクニカル指標(インジケータ)のことで、また、標準偏差は、ざっくり言うと、移動平均線からのバラつきの度合いのことをいいます(詳細は後述)。

ボリンジャーバンドは、難しく考えず、まずこの「移動平均線」と「標準偏差」の2つにどのような意味があるか理解すれば大丈夫です。

1.2.表示方法(MT4の場合)

言葉だと伝わりにくいと思うので、早速、ボリンジャーバンドをチャートに表示させてみましょう。ちなみに、この先使用するチャートは、FX専用のMT4(メタトレーダー4)です。

ボリンジャーバンドは、メジャーなインジケータなので、MT4でなくても、あなたが使っているチャートソフトにも必ず装備されているはずです。ボリンジャーバンドが使えるなら、どこのFX会社や証券会社のチャートでも構いません。

ただし、テクニカルツールの使い勝手が劣っているチャートの場合、パラメータ(数値)の設定が自由にできないものが稀にあります。そうなると、決められた設定しかできず、インジケータを使いこなすための検証ができないので、ご注意下さい。

それでは、MT4でボリンジャーバンドを設定する方法を解説していきます。

次のチャートは、ドル円の日足で、すでに移動平均線(期間20)を表示しています。

ボリンジャーバンドの表示方法

設定は、上の画像のように、「ナビゲーターウィンドウ→インディケータ→ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)」から行います。左の赤い四角で囲んだ部分から、

①ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)を選択
②ドラッグしてチャート上に落とす(ドラッグ&ドロップ)
③パラメータ設定画面が出てくるので任意に入力

ここでは、例として次のパラメータ設定で行います。

  • 期間:20
  • 表示移動:0
  • 偏差:1
  • 適用価格:Close
  • スタイル:White(バンドの色。お好きな色を選択して下さい。)

上述したように、ボリンジャーバンドの構成要素は、移動平均線と標準偏差の2つでしたね。

この2つを、先ほどのパラメータ設定画面で調整します。具体的には、移動平均線は「期間」で、標準偏差は「偏差」で設定します。ちなみに、偏差は、標準偏差のことだとお考え下さい。

期間は、移動平均線の採用期間です。移動平均線の期間を20にしていますので、ボリンジャーバンドも、それに合わせて20にします。

そして、偏差は、移動平均線からどれくらい乖離させてバンドを表示させるか、ということです。最初は、1にします。

数値を入力後、OKを押すと、次のようにボリンジャーバンドが表示されます。

ボリンジャーバンドが表示

このように、移動平均線を囲んで上下に帯状の線が表示されます。これを、名前の通りバンドと言います。

どのインジケータにも当てはまることですが、パラメータの設定次第でチャートへの表示のされ方が大きく変わります。つまり、使い方が分かれることになります。

しかし、まずは、この設定がボリンジャーバンドを使いこなすツボになるとご理解下さい。といっても、ボリンジャーバンドは、ほとんどのトレーダーが同じような設定で使っているので、最初は、一般的な設定で充分です。

ちなみに、ボリンジャーバンドは、1つのバンドではなく、2つ、3つと表示させるのが一般的です。その設定方法は簡単で、再度インジケータリストのボリンジャーバンドをドラッグしてチャートに落とし、パラメータ設定画面の偏差の数字に2を入力するだけです。

これを繰り返し、今後は偏差の数字に3を入力します。すると、次のようなチャートになります。

ボリンジャーバンド標準偏差3まで

ご覧のように、移動平均線を中心に、上下に3つのバンドがありますね。

このバンド(標準偏差)を、「シグマ」といいます。そして、移動平均線より上のバンドがプラスのシグマ、下のバンドがマイナスのシグマといいます。

このボリンジャーバンドのイメージを図で表すと、次のようになります。

ボリンジャーバンドのイメージ

ちなみに、移動平均線より上側のバンドを「アッパーバンド」ともいい、移動平均線に対してシグマのN倍(今回は1倍、2倍、3倍)を加算したバンドのことをいいます。

また、移動平均線より下側のバンドを「ロワーバンド」ともいい、今度は、移動平均線に対してシグマのN倍(今回は1倍、2倍、3倍)を減算したバンドのことをいいます。

ポイント!

バンドのことをシグマといい、1・2・3の3つのシグマを使うのが一般的。

1.3.ボリンジャーバンドの中心は移動平均線

ボリンジャーバンドを表示していると、バンドばかりに意識が向いて、上下のシグマを見てしまいがちです。そうすると、相場への視野が狭くなり、適切な戦略を立てることができません。

では、広い視野を持つためはどうすればいいかというと、ボリンジャーバンドの中心にあるのは移動平均線ということを常に意識します。

レンジ相場の時は、ボリンジャーバンドは、移動平均線から大きく離れることはありません。反対に、トレンドが発生すると、ボリンジャーバンドは移動平均線から大きく乖離します。一言でいうと、この移動平均線からの乖離具合を測るのが、ボリンジャーバンドの役割です。

移動平均線を基準として、ローソク足が移動平均線からどれだけ乖離と収束を繰り返したかの結果が、ボリンジャーバンドなのです。

ここで大切なのは、「どのような経緯で現在のボリンジャーバンドが形成されて現値に至っているかをきちんと把握すること」です。

移動平均線から乖離してローソク足がバンドに当たるわけですから、ボリンジャーバンドが成り立つのは、やはり移動平均線があるからです。これを無視してバンドばかり見ていると、あなたのトレードはバンドに支配されることになります。

「バンドに支配される」とは、ボリンジャーバンドが機能すれば勝ち、機能しない時は負ける、ということです。こうなってしまったら、もはやトレードスキルではありません。

ボリンジャーバンドが上手く機能している時に勝てるようになった、と勘違いしてしまいます。そうではなく、まず移動平均線で相場全体の流れを観察し、その上で、バンドで乖離具合を見るというイメージを持つことが大切です。

もしかしたら、移動平均線とボリンジャーバンドは別のインジケータなので、あまり関係ないと思う方もいるかもしれません。

しかし、ボリンジャーバンドは移動平均線がベースとなって成立しているので、移動平均線について詳しくなれば、自ずとボリンジャーバンドも上手な使い方ができるようになります。

そもそも、移動平均線を理解していなければ、ボリンジャーバンドも浅い理解で終わってしまいます。これでは、ボリンジャーバンドを試したけど勝てない、使えないテクニカル指標だという判断を下してしまうのは当然です。

ボリンジャーバンドのせいにするのではなく、あなたがボリンジャーバンドを使いこなすレベルではなかったということです。

相場の世界で、この先ずっと勝ち続けるためには、ボリンジャーバンドの構成要素くらいは知っておいた方が良いでしょう。

なぜなら、ボリンジャーバンドをただ表示させるのではなく、どうやってそのテクニカル指標が描かれるのかを知っていれば、相場が変わった時にボリンジャーバンドの手法を改善したり、トレードポイントを変更するなど、すぐに応用を効かせられるからです。

1.4.標準偏差は移動平均線からのずれの度合い

次に、これまで何度が登場している「標準偏差」について説明します。

途中、「シグマ(σ)」という言葉が出てきますが、正直、計算方法を知らなくてもボリンジャーバンドは充分活用できるので、ご安心下さい。数式から売買の戦略を立てることはありません。

まず最初に、標準偏差は、統計学で使う用語です。簡単にいうと、標準偏差は、あるデータの「ばらつきの大きさ」を表わす指標です。もっと別の言い方をすると、各データから平均値を引いた値で、標準となる場所(移動平均線)からの「ずれ」の度合いのことです。

ボリンジャーバンドは、一定期間のシグマ(標準偏差)を算出し、移動平均線からシグマの1倍、2倍、3倍などを加算、減算したものを、チャート上に±1シグマ、±2シグマ、±3シグマとして表示するインジケータでしたよね。

文章で理解しようとすると少し難しく感じるかもしれませんが、要は、ボリンジャーバンドは、移動平均線からの距離だとお考え下さい。その距離を、シグマという特有の記号で書いているだけです。移動平均線から、±1、±2シグマ、±3シグマ離れているというイメージで充分です。

先ほど見ていただいたチャートでは、ボリンジャーバンドの期間を20にしました。日足なので、過去20日間の値動きの平均からどれだけ乖離しているかどうか、ということです。

ボリンジャーバンドの3シグマまで

20日間の値動きが大きければバンド幅が広がり、値動きが小さければバンド幅は小さくなります。ちなみに、ここでいう「バンド幅」とは、同じシグマのプラスからマイナスまでの幅のことです。

例えば、+1シグマから-1シグマが1つのバンド幅になります。この幅がセットになり、+2シグマから-2シグマ、+3シグマから-3シグマが、それぞれのバンド幅になります。

面白いのは、+1シグマが上方向に拡大すると、-1シグマは下方向へ拡大することです。

これは、プラスのシグマが移動平均線から乖離する時は、マイナスのシグマも移動平均線から乖離するという意味です。逆に、+1シグマが下へ向かって移動平均線に収束する時、-1シグマは上に向かって収束します。

プラスとマイナスで時間差はありますが、移動平均線を中心に、シグマはこのように拡大と収束を繰り返します。

次のチャートで確認してみましょう。

バンド幅は移動平均線を挟んで拡大と収束を繰り返す

ご覧のように、シグマのプラスとマイナスは、常に逆の方向で拡大と収束をしています。ぴったり同じではなく、多少の時間差はありますが、+1シグマが拡大しているのに-1シグマが収束していることはありません。

1.5.ローソク足はバンド内に99.7%の確率で収まる

ボリンジャーバンドでよく注目されるのは、価格がバンド幅に収まる確率です。トレンド発生やちょっとした揺り戻し(行き過ぎからの戻し)を含め、ボリンジャーバンド内に収まる確率は、次のようになります。

ボリンジャーバンド バンド内で収まる確率
±1シグマ 68.2%
±2シグマ 95.4%
±3シグマ 99.7 %

±1シグマの範囲内で収まる確率が68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%です。数字を見ると、バンド内で収まる確率が非常に高いですね。

特に、価格が±3シグマを逸脱することは、ほぼないといっていいでしょう。シグマに到達したら逆張りトレードをしていれば、勝てるような気がしますね。

数字上の確率があまりにも高いため、日本ではボリンジャーバンドは逆張りこそ有効だと言われていました。しかし、最近では、個人投資家のスキルも格段に上がり、逆張りだけでなく、順張りも含め、様々な使われ方をしています。

思い出してみると、私がFXを始めた15年ほど前は、「ボリンジャーバンド=逆張り」という説明しかなかったように感じます。おそらく、ボリンジャーバンドについて書いている人が、逆張りで勝てると説明するほうが楽だったのでしょう。

今でこそ、ボリンジャーバンドは逆張り一辺倒ではなくなりましたが、一筋縄ではいきません。その理由を読み解くためには、次の章で解説するバンドの3つの特徴が重要になってくるので、ここまでの内容を頭の中で整理して、しっかり付いてきて下さいね。

2.ボリンジャーバンドの3つの状態

ボリンジャーバンドは、バンド幅の動き方によって、次の3つの状態があります。

《ボリンジャーバンドの3つの状態》

  1. スクイーズ
  2. エクスパンション
  3. バンドウォーク

チャートを開いてボリンジャーバンドのテクニカル分析をする時は、上記の「スクイーズ」「エクスパンション」「バンドウォーク」の3つの状態を見極めることが基本になります。逆に、この3つの状態の見極めだけなので、売買の戦略は立てやすいです。

とても重要なので、一つずつ丁寧に解説していきます。

2.1.スクイーズはレンジ相場

スクイーズとは、バンド幅が収束している状態のことです。次のチャートの黄色い四角で囲んだ箇所が、スクイーズです。

スクイーズ

スクイーズの状態になるのは、レンジ相場のもみ合いの時です。相場は、トレンドとレンジを繰り返します。そして、レンジは、一定の値幅をキープしながら何度も上下動して形成されます。

ちなみに、レンジの幅は、その時の相場によって異なります。厳密に計算しなくても、チャートをパッと見た時に、バンドが収束しているかどうかで判断すれば充分です。

さて、このスクイーズのポイントは、移動平均線が水平になっている点です。移動平均線が水平ということは、バンド幅も水平ということです。上のチャートも、移動平均線とバンドが、ほぼ水平になっていますよね。

繰り返しになりますが、ボリンジャーバンドの中心は、移動平均線です。移動平均線が水平ということは、方向感がなく、レンジ相場だということです。そのため、バンドがスクイーズするのです。

ここで覚えてほしいのが、レンジの後には必ずトレンドが発生することです。

ボリンジャーバンドがスクイーズしている時は、このあと上下どちらかにブレイクする可能性が高いので、このことを頭に入れてチャートを観察すると、トレンド発生の準備ができます。

2.2.エクスパンションはバンド幅が拡大すること

エクスパンションとは、バンド幅が拡大する状態のことです。次のチャートの黄色い四角で囲んだ箇所が、エクスパンションです。

エクスパンション

先ほど説明した、レンジ相場のスクイーズの状態からトレンドが出た時の状態のことを、エクスパンションといいます。

バンド幅が拡大しているエクスパンションの時、移動平均線もトレンド方向へ傾いていますね。

このように、移動平均線とボリンジャーバンドは、常に同じ方向へ動くことが特徴です。

2.3.バンドウォークはトレンド相場

バンドウォークとは、バンド幅に沿って価格がじりじりと推移している状態のことです。次のチャートの黄色い四角で囲んだ箇所が、バンドウォークです。

バンドウォーク
ご覧のように、下降トレンドが発生すると、ローソク足は高値と安値を切り下げながら進んでいきます。

この時、バンドが拡大する角度と、ローソク足が高値と安値を切り下げる速度が同じようになっていることをご確認下さい。

例えば、-1シグマと-2シグマの間でローソク足が、じりじりと下げていく時などです。-2シグマと-3シグマの間でローソク足を切り下げていったり、-2シグマのラインを挟んで陰線を作っていくなど、パターンは色々あります。

チャートを絵として見ると、ローソク足がシグマに執拗にくっついて、じりじりと下に引っ張っているイメージでしょうか。上昇トレンドの時は、その逆になります。

見ている時間軸にもよりますが、バンドウォークしているローソク足は、数本で終わることはなく、何十本も連続していることがおわかりいただけると思います。このように見ると、トレンドは、一度発生すると、しばらく続くものだということが再認識できます。

3.手法によるボリンジャーバンドの使い分け方

ボリンジャーバンドの3つの状態がわかったところで、この章では、ボリンジャーバンドの使い方をご紹介します。

あなたの目的は、インジケータを活用して的確なトレードをすることですね。先ほどお伝えしたスクイーズ、エクスパンション、バンドウォークの3つの特徴をよく理解して、ボリンジャーバンドを最大限活かしましょう。そうすれば、自ずと勝てるようになります。

まず知っていただきたいのは、ボリンジャーバンドの使い方には、逆張りと順張りの2つあるということです。そして、どういうバンドの状態の時にどちらの手法が有効かを整理すると、おおよそ次のようになります。

《ボリンジャーバンドの使い方の基本》

  • スクイーズ→逆張り
  • エクスパンション、バンドウォーク→順張り

ボリンジャーバンドは、この使い方が基本です。ただ、必ずこの通りになるとは限らず、機能するための条件が揃った時に限り、確度が高くなります。その条件は相場ごとに違いますので、ある程度の経験が必要になります。

応用については後述しますので、まずは次からお伝えする、逆張りと順張りの2つの基本的な手法をしっかり理解しましょう。

3.1.逆張り

最初に、ボリンジャーバンドを逆張りで使う例を見ていきます。

ポイント①:バンドをサポートとレジスタンスに使う

ボリンジャーバンドの逆張りが有効なのは、レンジ相場です。

バンド幅が収束(スクイーズ)し、価格が一定の値幅をキープして上限と下限を往復する局面です。この状態は、トレンド発生前後の小休止の時に見られます。

次のチャートの、黄色の四角で囲んだ部分にご注目下さい。

バンドをサポートとレジスタンスにする

移動平均線が水平で、かつ、バンドが収束していますよね。

このようなレンジ幅を見つけることができれば、トレンドが発生するまで、何度も逆張りして利益を上げることができます。上限に到達したら売り、下限に到達したら買いです。

ちなみに、黄色い矢印のポイントは、±2シグマを超えた時に逆張りできるポイントです。上限のシグマがレジスタンスライン、下限のシグマがサポートラインになり、反転しているのがおわかりいただけると思います。

相場に合わせて、±1シグマを使うのも良いでしょう。その場合はエントリーサインは増えますが、逆行する回数も増えてしまいます。逆に、±3シグマを突き抜けた時に絞れば、エントリー回数は減りますが、勝率は格段に上がります。

大切なことは、常に±2シグマを使う、という固定した使い方ではなく、どのシグマでレンジ幅を形成しているのか、相場ごとに見極めるようにすることです。

ポイント②:移動平均線が水平でバンドが収束していることが条件

なお、移動平均線とバンドの状態は、必ずセットで見るようにしましょう。レンジ相場では、移動平均線が水平で、ボリンジャーバンドのバンド幅は収束している状態です。

なぜなら、移動平均線を無視してバンド幅の収束だけ見る、もしくは、バンド幅を無視して移動平均線が水平かどうかだけを見ても、レンジ相場を利用したトレードの勝率は相当落ちるからです。

レンジだと思ったらすぐにトレンドが出たり、レンジ幅の上限と下限が間違っているなど、ダマシが急増して混乱してしまうでしょう。

特に、バンド幅は常に拡大と収束を繰り返しているので、収束するたびにレンジと思い込んで逆張りでエントリーすると負け続けることになるので、注意が必要です。

話を整理すると、レンジ相場を利用したトレードは、

  1. 移動平均線が水平
  2. バンド幅も収束している

という2つの条件が揃った時に有効です。そうすると、レンジ幅が継続する時間も長くなり、期待値の高いエントリーが何度もできるので、そのレンジ相場で連勝するチャンスになります。

そもそも、逆張りは、価格が移動平均線から乖離したら戻るという習性を活用しています。バンド内に収まる確率を思い出して下さい。

±1シグマが68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%でしたよね。この確率と、トレードの勝率は必ずしも一致しませんが、レンジ相場を見極めることができれば、期待値はとても高くなるでしょう。

3.2.順張り

次に、ボリンジャーバンドを順張りで使う例を見ていきます。

ポイント①:バンドウォークでトレンドフォローする

ボリンジャーバンドの順張りが有効なのは、トレンド相場です。

価格がレンジ相場からブレイクすると、シグマの上限(もしくは下限)へ到達すると同時に、バンド幅が拡大(エクスパンション)します。そして、反転せずにそのままバンドウォークして進んでいきます。

次のチャートをご覧下さい。これは、先ほどの逆張りの手法を説明した時と同じチャートです。

バンドウォークでトレンドフォローする

黄色の四角で囲んだ部分がレンジ相場でしたね。レンジ相場は、大きなトレンドが発生する前兆で、パワーを溜めている状態といえます。レンジ相場をひとたびブレイクすると、溜まっていたパワーが放出されて、トレンドが発生します。

そして、白い丸の箇所が、ブレイク後のバンドウォークです。

バンドウォークは、トレンドが発生した時に現れるボリンジャーバンドの典型的な形です。そして、トレンドが発生した時は、ボリンジャーバンドは、トレンドフォローの売買シグナルとして活用できます。

ちなみに、先ほどのチャートは、下にブレイクしてバンドウォークしているので、売りから入るのが有効です。

《順張りで使うアドバイス》
冒頭で紹介した、ボリンジャーバンドの考案者であるジョン・ボリンジャー氏も、ボリンジャーバンドを順張りで使うことを推奨しています。特に、レンジからブレイクしてバンドウォークする場合は、順張りのシグナルとして判断することを強調しています。

ポイント②:ブレイクアウトを伴った時に絞る

バンドウォークは、時間軸によって異なりますが、頻繁に現れるパターンです。しかし、ボリンジャーバンドだけをトレードの判断の材料にして、バンドウォークするたびに順張りでエントリーしていると、ダマシにかかる回数も多くなるので注意が必です。

トレンドが発生したと思って順張りしたら、もっと長い時間軸で見たら実はレンジ内で、一時的にシグマに到達しただけかもしれません。その場合は、エントリーしてもすぐに元のレンジ幅に戻ってしまいます。

そこで重要になってくるのが、バンドだけで判断するのではなく、ボリンジャーバンドで順張りエントリーする際は、ブレイクを伴った時に絞ることです。このほうが、値動きにダマされる確率がグンと減ります。

また、この時、レンジの期間が長いほど、ブレイク後のトレンドが強くなることも知っておくと良いでしょう。

《注意!》
レンジ相場の時にバンド幅が収束して、上限と下限の値幅が極端に狭くなる場合は、ブレイクアウトの判断が難しいので、注意が必要です。

この後の値動きのセオリーとしては、ちょっと値動きが出ただけで±2シグマや±3シグマに到達してバンドウォークすることになり、これがブレイクを伴っているとは限りません。

3.3.使い分け方

3章では、ボリンジャーバンドの逆張りと順張りの2つの手法を紹介しました。逆張りと順張りでは、ポジションの取り方が真逆になることに、お気付きいただけましたか?整理すると、

  • 逆張り:シグマに到達したら、反転を予測してエントリー
  • 順張り:シグマに到達したら、トレンド発生を予測してその方向にエントリー

このように、同じチャート設定でも、使い方によってポジションが逆になります。あるトレーダーにとっては売りポイントでも、他のトレーダーにとっては絶好の買いポイントになりえます。

重要なことは、“ボリンジャーバンドをどの相場で使うのか”ということになります。

このことは、ボリンジャーバンドに限らず、全てのインジケータに共通して言えます。そのインジケータの強みを発揮できる相場とできない相場があるので、それを見極めることが、あなたのスキルということなります。

どういうことかというと、インジケータは、売買タイミングの参考にはなりますが、相場の行方をいつも教えてくれるわけではありません。

ボリンジャーバンドが使いやすいからといって、チャート分析も予測も全て委ねてしまうと、ボリンジャーバンドの強みが発揮できない相場では連敗することさえあります。

そのため、ボリンジャーバンドをどこまで信用してどう活用するかは、あなた次第だということを忘れないで下さい。

ボリンジャーバンドに手綱を委ねてしまうと、ボリンジャーバンドに完全に振り回されてしまうことになります。そうならないように、自分にしかできないボリンジャーバンドの使い方を見つけましょう。

相場の主人公は、ボリンジャーバンドではなく、あなたです。

4.ボリンジャーバンドを使って利益を出すポイント

3章で解説した逆張りと順張りは、ボリンジャーバンドの基本的な使い方です。実際のトレードで利益を出すためには、応用する必要があります。そのために、この章でお伝えする細かい部分まで知識として知っておきましょう。

具体的には、「バンドが機能する相場で実際にどうトレードするのか」を、実例を使ってご紹介します。ここまでインプットできて、初めてボリンジャーバンドを理解したと言えますので、しっかりマスターして下さい。

4.1.トレードスタイルにパラメータを合わせる

ボリンジャーバンドのパラメータは、数値を入力するだけで自由に設定が変更できます。移動平均線の期間、使うシグマ(±1、±2、±3・・・)などによって、売買シグナルの数とタイミングは大きく変わります。

さらに、通貨ペアや時間軸、トレードする時間帯によって、シグナルの確度も変わってきます。

そのため、万人に適したパラメータは存在しません。大切なことは、あなたのトレードスタイルにパラメータを合わせることです。

まず、どんなトレードがしたいのか思い浮かべて下さい。

その上で検証し、適切なパラメータを見つけていきましょう。決して、誰でも利益が出るような設定をすぐに探そうとしてはいけません。適切な設定は、これから時間をかけて、自分で見つけていくつもりで使い始めて下さい。

なお、主なトレードスタイルには、次の3つがあります。参考にして下さい。

《主なトレードスタイル》

4.2.トレンド相場で使える設定にする

ボリンジャーバンドを使って利益を出すコツは、トレンド相場で使える設定にすることです。

なぜなら、レンジ相場よりトレンド相場のほうが利益の出し方が豊富だからです。もし、ボリンジャーバンドを、レンジ相場で機能するルールを作ってしまうと、トレード戦略が極端に少なくなってしまう上、利益も伸びません。

ただし、レンジ相場で使ってはならない、ということではありませんので、勘違いしないで下さい。ボリンジャーバンドを使うのを、レンジ相場に限定してしまうのは危険だということです。

実は、ボリンジャーバンドは、トレンド相場で使えるようになると、レンジ相場でも活用できるのです。そのため、ボリンジャーバンドはトレンド相場で使ったほうがいい、ということです。

また、トレンド相場に合わせたほうが、自分で作ったボリンジャーバンドを使ったトレードルールを検証をする時も、アイディアが多く浮かび、結果的に、勝てる戦略が多くなります(実例は後述しますが、トレンド発生時に順張りと逆張りを組み合わせるというイメージ)。

4.3.複数の時間軸を組み合わせて確度の高い戦略を目指す

確度の高いトレードをするためには、1つの時間足(時間軸)だけでなく、上位足と下位足と組み合わせることがポイントです。

例えば、いつも5分足だけしか見ていないと、数十時間分のチャートしか表示されません。そのため、4時間足や日足などの長い時間軸で上昇トレンドラインの最中だったとしても、5分足では分かりません。

1つの時間軸しか見ていないと、日足でとても重要な価格帯に差し掛かっていたとしても、5分足から得られる情報だけでトレードすることになってしまいます。正直、これでは勝てません。

勝てるようになるためには、最低でも2つの時間軸のチャートを組み合わせることが重要です。

その際、時間軸は、日足と4時間足、1時間足と5分足など、スタイルによって変えて下さい。どの時間軸の組み合わせでも、1つではなく2つにするだけでも、トレード判断の基準は大幅に増えます(2つではなく3つ、4つと増やすことで、テクニカル分析の確度が高くなります)。

例として、ユーロ円の日足と1時間足を見比べてみましょう。まずは、日足チャートです。

日足チャート

日足

黄色の四角で囲んだ箇所をご覧下さい。

ここは、レンジ相場になっていますね。それまではバンド幅が拡大していましたが、黄色の四角の箇所でバンドが収束し、移動平均線も水平になっています。

そして、ローソク足は、±2シグマ付近で行ったり来たりしていて、レンジ幅を形成しています。

しかし、黄色の四角の最初のほうでは、このようなレンジ相場になることはわかりません。

ただし、白い四角のAに差し掛かった時には、すでにレンジ相場を形成しているとわかりますね。レンジ相場が継続するなら、白い四角のAの左下の-2シグマ付近でリバウンドし、これからレンジ幅の上限を目指していくと予測できます。

また、ボリンジャーバンドの中心の赤い移動平均線を見ると、少しずつ上向きになっています。

移動平均線が上向きということは、買い圧力が強くなってきているサインです。つまり、これからレンジ幅の上限を目指す可能性が、より高くなってきました。

しかし、これらの条件だけでは、本当に上昇するのか、まだ不安ですね。ましてや、実際に「いつ」「どこで」エントリーしていいか、日足だけでは決められません。

そこで今度は、白い四角のAの箇所を1時間足で見てみましょう。

1時間足チャート

1時間足

左の黄色い丸のAでは、ローソク足は黄色いラインで反発してサポートラインになりました。

その後、サポートラインを下抜けて、しばらくしてBまで戻りました。

このBでは、今までサポートラインとして機能していた黄色いラインはレジスタンスラインに役割転換(ロールリバーサル)して、Bで跳ね返されました(反落)。

そして、AB間の黄色い水平ラインを伸ばすと、次に同じ価格帯に来た時(ここではC)、同じようにレジスタンスラインになるではないか?と予測できます。Cで反落するか、Cを上にブレイクするかの二択になりますね。

これが、ボリンジャーバンドを表示させているだけだったら、価格がCに来た時にどちらにいくか全く予測できません。なぜなら、レジスタンスラインに差し掛かっているという認識が持てないからです。

では、もう一度、最初の日足チャートを見てみましょう。

日足チャート2

日足

Aの白の四角で囲んだ箇所では、レンジ下限から上限へ目指す確率が高いポイントに差し掛かっていました。ということは、1時間足でも上昇する確率が高いと考えられます。ここが肝です。

また、1時間足チャートのCに到達するまでに、上昇トレンドラインが引けました。さらに、ABCのレジスタンスラインと合わせると、Cは、三角もち合いの先端に差し掛かっていることが読み取れます。

1時間足チャート

1時間足

これらの条件を組み合わせると、Cで上にブレイクするのは自然な流れだと思いませんか?

そこで、Cでブレイクしてバンドウォークという波に乗り、買いポジションをホールドする戦略が有効になります。このCは、バンドウォークが発生する条件としては、絶好のポイントです。

以上のように、ボリンジャーバンドを使い、日足と1時間足という2つの時間軸を組み合わせることで、確度の高い戦略が可能になります。

日足だけ見ていても、どこでエントリーしてどこでイグジットしていいかわかりませんでしたよね。1つの時間軸のチャートだけでは分からないことが、2つの時間軸のチャートを組み合わせることで、わかるようになるのです。

なお、利益確定のポイントはDが理想ですが、違うテクニカル分析が必要になりますので、ここでは、エントリーポイントの考え方をしっかりご理解下さい。

アドバイス!

ラインの役割転換については、『サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ』をご覧下さい。

4.4.上位足と下位足を組み合わせて順張りと逆張りを応用する

次に、トレンド発生時に、順張りと逆張りを組み合わせるパターンを見ていきましょう。

繰り返しになりますが、ボリンジャーバンドは、トレンド発生時に活用することで期待値が高い戦略が立てられます。

普通、バンド幅の上限に到達したら売ることは、逆張りになりますよね。

しかし、もっと長い時間軸のチャートが下降トレンドなら、その売りポジションは逆張りではなくなり、下降トレンドに沿った順張りになります。

例えば、15分足では逆張りでも、1時間足だと順張りになる場面もあるということです。つまり、「一概に逆張りはやらない」と決めないほうが良いということです。むしろ、1時間足では順張りになるので、良いトレードになります。

ちなみに、この場合は、トレンド発生時の「押し目買い」や「戻り売り」という戦略が有効になります。これにより、期待値の高いトレードが可能になります。

言葉だけではわかりにくいと思うので、実際の事例を、チャートを使って説明します。

今回は、1時間足と15分足です。最初に、1時間足をご覧下さい(通貨ペアはユーロドル)。

1時間足

チャートの左側では、上昇トレンドが続いていました。

そして、黄色い四角のAの手前で下降トレンドに転換しています。Aでは、ローソク足が高値を切り下げて、緩やかな下降トレンドが続いています。

次に、黄色い四角のBでは下落が加速し、高値と安値の切り下げがより強まっています。Bでは、レンジ幅がAよりも一段下にきています。

もしかしたら、AやBは、レンジ幅に見えるかもしれません。確かに、ここだけ見ると、持ち合いのように見えますね。しかし、全体で見ると、緩やかな下降トレンドであることがわかります。

下降トレンドであることをより確かにするために、バンドを見る前に、移動平均線をチェックしましょう。この場合、ボリンジャーバンドの中心の赤い移動平均線を見ても、AからBにかけて、ずっと下向きに推移していることがわかりました。

つまり、相場全体の流れは、やはり下向きであることがわかります。

トレンドは、急激に下落することもあれば、緩やかに下落する場合もあります。特に、緩やかなトレンドの時の下落を見落とさないように注意しましょう。

また、ボリンジャーバンドは、ローソク足の高値と安値が一定のリズムで切り下げたり切り上げている時も、レンジ幅のようにバンド幅も収束します。

急落した時はバンド幅が一気に拡大しますが、緩やかな下降トレンドになった時はバンド幅が収束します。この時、バンド幅が収束しているからといって、レンジ相場になったわけではないので、ご注意下さい。

特に、2つの黄色い四角のAやBの真ん中のように、ボリンジャーバンドが拡大から収束に向かう時、下降トレンドが継続中であっても、下限のバンド幅(マイナスのシグマ)はちょっとの間だけ上向きになります。

このように、移動平均線は下向きなのに、バンド幅が収束する状態こともあります。覚えておきましょう。

それでは、話を戻します。

改めて先ほどの1時間足を見ると、この相場の流れは、下降トレンドと分かりますね。

1時間足2

仮に、Bのどこかで売りでエントリーすれば、下降トレンドの最中にトレンドに沿って売りをすることになるので、順張りになります。

さて、今度は、白い四角のCに注目してみましょう。

バンド幅が収束し、移動平均線がレジスタンスになり、移動平均線と-3シグマの間で高値と安値を切り下げながら、緩やかな下降トレンドが継続している場面です。

Cに到達するまでに、下降トレンドだという認識はできていますね。この認識が重要です。

では、Cの場面を、今度は15分足で見てみましょう。ちなみに、先ほどの1時間のCと、下の15分足Cは同じ箇所です。

整理するために、並べて見比べてみましょう。

1時間足3

1時間足

15分足2

15分足

下の15分足を見ると、+2シグマと-3シグマ間が下落のバンド幅となり、移動平均線を挟んで行ったり来たりしているのがおわかりいただけると思います。

また、黄色い四角のCに到達するまでにも、+2シグマを超えると、そのローソク足は上ヒゲになって下落に転じています(黄色い丸)。バンド幅も、多少の拡大と収束はありますが、一定のバンド幅キープし、その幅でローソク足が上下動しながら下降トレンドが継続していますね。

そこで、15分足の黄色い四角のCで+2シグマに到達したら売りで仕掛けると、期待値の高いトレードになることが予測できます。この場合、15分足だけで見ると逆張りに見えますが、上の1時間足では下降トレンドの最中です。

整理すると、

  • 1時間足(上のチャート):順張り(下降トレンドに沿って売り)
  • 15分足(下のチャート):逆張り(+2シグマに達したら売り)

ということです。

15分足のCだけ見て売りエントリーしても、期待値の高いトレードとは言えないでしょう。しかし、1時間足の下降トレンドを認識することによって、15分足のCでピンポイントの「戻り売り」が自信を持ってでき、期待値が高いトレードが可能になるのです。

これが、上昇トレンドの場合は、逆になります。

例えば、1時間足などの上位足で上昇トレンドを把握し、15分足などの下位足で「押し目買いエントリー」のポイントを探すのです。すると、1時間足では順張りでも、15分足では逆張りになります。

このように、ボリンジャーバンドを使った「戻り売り」や「押し目買い」の戦略も立てられるようになると、あなたのトレードスキルは格段に上達します。

《ここまでのまとめ》

ボリンジャーバンドは、単純に、レンジ幅で逆張りしたり、ブレイクしてバンドウォークでトレンドフォローするのも使い方の一つです。これに加えて、上位足と下位足を組み合わせ、順張りと逆張りを応用することで、さらに確度の高いトレードが可能になります。

4.5.短い時間軸だとバンドが拡大と収束を繰り返すので注意

1分足のような短い時間軸でボリンジャーバンドを使う場合、バンド幅は拡大(エクスパンション)と収束(スクイーズ)を繰り返します。そのため、薄利を狙ったスキャルピングでボリンジャーバンドを活用する時は、バンドの振れ幅に振り回されないようにしなければなりません。

実際に、次のユーロドルの1分足チャートで見てみましょう。

ユーロドルの1分足チャート

ご覧のように、1分足だと、少し長いローソク足が出たり、何本か連続で陽線か陰線が出ると、黄色い丸で囲んだ箇所のように、バンド幅が余計に拡大しているのがわかると思います。

そして、1分で1つという速いスピード感でローソク足が形成されるので、ボリンジャーバンドの幅もそれに応じて拡大と収束を繰り返します。

つまり、1分足だと、エクスパンションとスクイーズは1日を通して頻繁に発生するので、順張り、逆張りどちらにしても、ボリンジャーバンドだけでトレードの判断をすると、売買シグナルが頻繁に発生することになります。しかし、その反面、ダマシの数も相当多くなります。

正直、たった数分の値動きだけでは、トレンドが発生したのかどうかを判断することは難しいです。バンドウォークし始めたのを確認して順張りをしたら、次の足ですぐに反転するなど、ちょっとしたブレで損切りをすることになってしまいます。

このように、1分足のボリンジャーバンドだけでは、値動きが読みきれない部分が多くなってきます。そのため、1分足でスキャルピングをする場合は、振り回されないように注意が必要です。

しかし、1分足のような短い時間軸ではボリンジャーバンドは全く使えないわけではありません。

先ほどお伝えしたように、上位足と1分足の条件が揃った時だけを売買シグナルにするなどの工夫をすれば、トレードの確度は上がります。また、ボリンジャーバンドと他のテクニカル指標を組み合わせて判断することも有効です。要は、使い方次第ということです。

4.6.バンド内に収まる確率とトレードの勝率は異なる

1章でお伝えしましたが、ローソク足がボリンジャーバンド内で収まる確率は、次の表のように非常に高いです。

ボリンジャーバンド バンド内で収まる確率
±1シグマ 68.2%
±2シグマ 95.4%
±3シグマ 99.7 %

ご覧のように、±1シグマの範囲内で収まる確率が68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%です。

これだけ高確率なので、逆張りで使えば勝てると日本ではよく言われます。しかし、実際にトレードすると、ここまでの勝率を上げることは不可能です。

その大きな理由の一つとして、「値動きに伴い、バンドが拡大と収束をするから」という点が挙げられます。

どういうことかというと、上昇トレンドが発生すれば、移動平均線が上向きになって、ボリンジャーバンドも拡大しますね。そして、ローソク足が高値を切り上げる時というのは、バンドも逃げるように拡大していきます。

特に、ローソク足が±3シグマから突き出ている箇所は、ほぼありません。

このように、ボリンジャーバンドは、トレンドが出ても、ローソク足と同じ方向に逃げるように一緒に拡大するのです。しかも、バンドのほうが逃げ足は非常に早く、価格が上昇すれば、バンドも急角度になります。

以上のような理由で、急騰や急落でもしない限り、ローソク足は、バンド内で収まる確率が非常に高くなるのです。ちなみに、トレンドが終了すれば、今度は、バンドがローソク足を追いかけるように収束していきます。

しかし、ここで厄介なのが、バンド内に収まる99.7%の±3シグマに到達して、チャンスだと思って逆張りをしても、バンドウォークしてしまったら、含み損を抱える可能性があるということです。

なぜなら、バンドも拡大すると、価格は±3シグマ内に収まってしまうからです。残り0.3%のイレギュラーなことが起きたのはありません。

このように、「バンドに収まる確率」と「トレードの勝率」は全く違います。

±2シグマに到達して逆張りしたら95.4%、±3シグマに到達して逆張りしたら99.7 %の確率で勝てるということではありません。勘違いしないようにしましょう。

4.7.相場が急変した時は±3シグマを突き抜けるので注意

狭いレンジ相場でバンド幅が極端に収束している状態で相場が急変し、ブレイクを伴った急騰や急落が起こると、バンドの拡大よりローソク足の動きのほうが早いため、±3シグマを突き抜けてしまいます。

このように、相場が急変すると、バンドが直角に近いエクスパンション(拡大)になるため、もはやボリンジャーバンドが機能する場面ではなくなります。

「だったら、±4シグマ、±5シグマを追加すればいいのではないか?」と思う方もいるかもしれませんが、これは、ボリンジャーバンドを機能させるために強引に数値を最適化しているだけになり、意味がありません。

そのため、バンドがが拡大(エクスパンション)と収束(スクイーズ)する局面では、機能するかしないかをしっかり見極める必要があります。

その際は、ボリンジャーバンドは、過去の限られた期間(20や25など)のローソク足をデータからバンドを表示しているだけであって、未来もそうなると示唆するものではないと認識することが大切です。

そして、上位足や他のテクニカル指標と組み合わせて検証するなどの工夫と経験が必要です。

4.8.ボリンジャーバンドに頼りすぎないこと

ボリンジャーバンドは、チャート全体に表示されて目に入りやすいためか、エクスパンション(拡大)やスクイーズ(収束)に頼りがちになってしまう傾向があります。そうなると、本来、ローソク足から読み取るべき情報やチャートパターンを見落としがちになってしまいます。

どういうことか、下のドル円の15分足チャートを使って説明します。まずは、ご覧下さい。

11-1

パッっと見た瞬間、ローソク足の動きそのものよりも、エクスパンションやスクイーズなどの、バンド幅に目が向かってしまいませんか?

それでは、今度は、上と同じ場面で、ボリンジャーバンドを非表示にしてローソク足だけにしたチャートを見てみましょう。

12-1

ボリンジャーバンドがあった時とない時と見比べて、いかがでしょうか?

このように、チャートの情報を絞ると、どのような経緯でローソク足が形成されて現在のチャートになったのか、そのプロセスがわかりやすくなります。

「ラインをたくさん引いたり、ボリンジャーバンドを表示すると、逆にごちゃごちゃして難しくなって嫌だ」と思う人もいるかもしれません。

しかし、自分でラインを色々と引いてみると、現在のチャートを形成するプロセスがわかったり、チャートパターンを見つけられると、トレード戦略が立てやすくなります。

そのため、ボリンジャーバンドという1つのインジケータに頼り過ぎて、本来やるべきことを忘れないようにしましょう。基本的なテクニカル分析ができるからこそ、ボリンジャーバンドなどの他のテクニカル指標を組み合わせて活用できるのです。

(参考)ボリンジャーバンドとエンベロープの違い

最後に、ボリンジャーバンドに似たインジケータのエンベロープについて、両者の違いについて解説します。

①エンベロープはバンドの幅が常に同じ

まず、今まで見てきたボリンジャーバンドを表示したチャートを見てみましょう。

ボリンジャーバンド

そして、これと同じ局面で、今度はエンベロープを表示させてみましょう。

エンベロープ

いかがでしょう?とても似ていますね。

このように、エンベロープは、ボリンジャーバンドと同様に、移動平均線の上下に一定の乖離幅を持たせてラインで表示したテクニカル指標です。相場によっては、チャートを一瞬見ただけでは、両者の違いがわかりにくいですよね。

両者の違いは、バンドの幅を決める算出方法で、これにより、次のような違いがあります。

  • ボリンジャーバンド:バンドが伸縮する
  • エンベロープ:バンドが伸縮しない(エクスパンションとスクイーズがない)

エンベロープは、バンドが伸縮しないので、トレンドとレンジどちらの相場でも、移動平均線からの乖離幅は常に同じになります。

②私のエンベロープの活用法

ボリンジャーバンドに限らず、どんなインジケータの使い方には正解はありません。ボリンジャーバンドとエンベロープのように、どんなに似ていても、使い方次第でトレード方法は大きく異なります。

ちなみに、私は、1分足のエンベロープを使って、スキャルピングをしています。なぜボリンジャーバンドではないというと、記事の中でお伝えしたように、1分足のボリンジャーバンドだと、バンド幅に振り回されるからです。

かといって、エンベロープのほうが優れているということではありません。私が兼業トレーダーだった頃に、ボリンジャーバンドと併せてエンベロープの検証をしていたら、エンベロープでのやり方を偶然見つけたのです。

そのため、私がスキャルピングの手法を構築し、億を超える利益を上げられたのは、ボリンジャーバンドのお陰だとも言えます。ボリンジャーバンドを最大限応用するプロセスで、エンベロープに辿り着いたのです。

もし、ボリンジャーバンドが有効だと判断していたら、おそらく今でも継続して使っていたことでしょう。要は、そのインジケータのメリットとデメリットをよく理解して、特徴を活かして利益に変えているのです。

このように、諦めずに検証していると、ちょっとしたキッカケで手法が構築できたり、突然のヒラメキがあります。

ただし、何も知識がなければ、アイディアすら浮かびません。そうらないように、まず基礎を固めましょう。そして、ボリンジャーバンドに関しては、この記事で余すことなくお伝えしてきたので、何度も読み返してご活用いただければと思います。

まとめ

あなたがトレードで勝つために必要なことは、自分に合ったインジケータを見つけることです。どんなインジケータと相性がいいかは、実際に使ってみて検証するしかありません。十分な時間を割いて構築したやり方こそ、あなただけの勝ち続ける手法になるはずです。

ボリンジャーバンドは、その土台となる魅力的なインジケータの一つに過ぎません。そのため、最初から完全にマスターしようとするのではなく、何か他のテクニカル指標と組み合わせる際に思い出せるように、特徴や使い方の例を知っておくことをおすすめします。

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