億トレーダーが教える!ボリンジャーバンドのFXでの実践的な使い方

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きっとあなたは、ボリンジャーバンドについてなんとなく知っているけれど、トレードで実際にどう使ったらいいかを知りたいと思い、このページに来られたのはないでしょうか。

この記事をお読みいただくことで、次のことが鮮明になります。

  • サインのダマシを回避してトレードの確度を高める方法
  • ボリンジャーバンドの逆張りと順張りの実践的な使い分け方

私は、FXを始めた頃、ボリンジャーバンドの検証からヒントを得て現在の手法を構築し、9年間で1億5千万円の利益をあげています。ここでは、私が経験から学んだボリンジャーバンドの実践的な使い方を全てお伝えさせていただきます。

内容は、FXでの使い方がメインになっていますが、株式投資にも十分応用することができます。また、チャートを確認して納得しながら読み進めていただければ、たとえボリンジャーバンドを使わなくても、今後のテクニカル分析のヒントになりますので、ぜひ最後までお読み下さい。

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ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。2009年に本格的にFXをスタートし、累計利益は、3年目で5000万円、5年目で1億円、8年目の2017年には1億5千万円を超える。一時的な利益でなく、継続的に利益を上げ続けるために、リスクを抑えることに重点を置き、短期売買を繰り返す「スキャルピング」と長めに保有する「デイトレード」の両方の手法を得意とする。

目次

はじめに:ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドは、「移動平均線」と「標準偏差」で構成されたテクニカル指標です。移動平均線の上下をバンドで覆い、移動平均線との乖離を測ることができます。

1980年頃にアメリカの投資研究科であるジョン・ボリンジャー氏が考案し、シンプルで使いやすいく、日本のテクニカル指標では代表的なインジケータになりました。価格がバンドに到達し、乖離が拡大した時に逆張りでエントリーする使い方で紹介されることが多いですが、実は順張りでも使えます。

最初に大事なことをお伝えすると、ボリンジャーバンドで最も利益を上げる使い方は、次の一言で表せます。 

「トレンド発生時に機能する設定にしておくこと」

トレードで勝てる土俵をトレンド相場に設定することで、ボリンジャーバンドをあらゆる相場で応用できるようになります。たとえば、レンジ相場で逆張りを狙う局面や、レンジからのブレイクを狙う局面でも最大限活用できます。

1.ボリンジャーバンドの構成は移動平均線と標準偏差

ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で成り立っています。標準偏差という言葉は後ほど説明しますが、ボリンジャーバンドの構成は複雑ではなく、たった2つなのでシンプルですね。難しく考えず、まずこの2つにどのような意味があるか理解すれば問題ありません。

最初に、ボリンジャーバンドをチャートに表示させてみます。

なお、この先使用するチャートは、全てFX専用のMT4(メタトレーダー4)です(MT4については、『FXチャートのおすすめ|MT4でテクニカル分析を最大限に活かす方法』を参考にして下さい)。

ボリンジャーバンドはメジャーなインジケータですので、あなたが使っているチャートにも必ず装備されているはずです。MT4でなくても、ボリンジャーバンドが使えるならどこのFX会社のチャートでも構いません。

ただし、テクニカルツールの使い勝手が劣っているチャートの場合、パラメータ(数値)の設定が自由にできないものが稀にあります。そうなると、決められた設定しかできず、インジケータを使いこなすための検証ができませんのでご注意下さい。

それでは、MT4でボリンジャーバンドを設定する方法を、実際の画面を使いながらわかりやすく解説していきます。

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設定は、上の画像のように、ナビゲーターウィンドウ→インディケータ→ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)から行います。左の赤い四角で囲んだ部分からボリンジャーバンド(Bollinger Bands)を選択して、ドラッグしてチャート上に落とすと(ドラッグ&ドロップ)、パラメータ設定画面が出てきます。

ここでは、例として次の設定で行います。

  • 期間:20
  • 表示移動:0
  • 偏差:1
  • 適用価格:Close
  • スタイル:White(バンドの色です。お好きな色を選択して下さい。)

なお、上のチャートはドル円の日足で、すでに移動平均線(期間20)を表示してあります。20日移動平均線ということです。

上述したように、ボリンジャーバンドの構成要素は移動平均線と標準偏差の2つでした。この2つを、先ほどのパラメータ設定画面で調整します。具体的には、移動平均線は「期間」で、標準偏差は「偏差」で設定します。偏差は、標準偏差のことだとお考え下さい。

期間は、移動平均線の採用期間です。移動平均線の期間は20にしていますので、ボリンジャーバンドも合わせて20にします。偏差は、移動平均線からどれくらい乖離させてバンドを表示させるか、ということです。最初は、1にします。

数値を入力後、OKを押すと、ボリンジャーバンドが表示されます。

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このように、移動平均線を囲んで上下に帯状の線が表示されます。これを、名前の通りバンドと言います。

どのインジケータにも当てはまることですが、パラメータの設定次第でチャートへの表示方法が大きく変わります。つまり、使い方が分かれることになります。まず、この設定がボリンジャーバンドを使いこなすツボになるとご理解下さい。

といっても、ボリンジャーバンドはほとんどのトレーダーが同じような設定で使っています。最初は、一般的な設定で充分でしょう。ちなみに、ボリンジャーバンドは、1つのバンドではなく、2つ、3つと表示させるのが一般的です。

その設定方法は簡単で、再度インジケータリストのボリンジャーバンドをドラッグしてチャートに落とし、パラメータ設定画面の偏差の数字に2を入力するだけです。これを繰り返し、今後は偏差の数字に3を入力します。そうすると、下のチャートのようになります。

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移動平均線を中心に、上下に3つのバンドがありますね。ちなみに、このバンド(標準偏差)を「シグマ」と言います。そして、移動平均線より上のバンドがプラスのシグマ、下のバンドがマイナスのシグマです。

ボリンジャーバンドのイメージを図で表すと、次のようになります。

Bollinger Bands

移動平均線より上側のバンドを「アッパーバンド」、下側のバンドを「ロワーバンド」と言います。移動平均線に対し、シグマのN倍(今回は1倍、2倍、3倍)を加算したものがアッパーバンド、減算したものがロワーバンドになります。

なお、ここから先をお読みいただく際、ボリンジャーバンドのイメージがわかなければ、このチャートを都度見返して下さいね。

1.1. ボリンジャーバンドの中心は移動平均線

ボリンジャーバンドの中心に、移動平均線がありますね。レンジ相場の時、価格は上下動を繰り返しますが、移動平均線から大きく離れることはありません。そして、トレンドが発生すると移動平均線から乖離します。この乖離具合を測るのが、ボリンジャーバンドの役割です。

ここで注意しておきたいことは、ボリンジャーバンドに中心にあるのは、常に移動平均線だということです。ボリンジャーバンドをチャートに表示していると、バンドばかりに意識が向いて、上下のシグマを見てしまいがちです。

たとえば、「バンドが広がってきた」「ローソク足が+1シグマにぶつかりそう」など、バンドと現在値ばかり気にしてしまうことです。このように、今しか見ていないと、相場への視野が狭くなり、適切な戦略を立てることができません。

大切なことは、どのような経緯で現在のボリンジャーバンドが形成されて現値に至っているか、きちんと把握することです。ボリンジャーバンドは、移動平均線を基準として、ローソク足が移動平均線からどれだけ乖離と収束を繰り返したかの結果です。

移動平均線から乖離してローソク足がバンドに当たるわけですから、ボリンジャーバンドが成り立つのはやはり移動平均線があるからです。

これを無視してバンドばかり見ていると、あなたのトレードはボリンジャーバンドに支配されることになります。どういうことかと言うと、ボリンジャーバンドが機能すれば勝ち、機能しない時は負ける、ということです。こうなってしまったら、もはやトレードスキルではありません。

ボリンジャーバンドが上手く機能している時に、勝てるようになった、と勘違いしてしまいます。そうではなく、まず移動平均線で相場全体の流れを観察し、その上で、バンドで乖離具合を見るというイメージを持つことが大切です。

ここで、移動平均線についても、しっかり理解おきましょう。

移動平均線とボリンジャーバンドは別のインジケータだし、移動平均線なんて関係ないとお考えなら、あなたの成長はそこで止まってしまいます。

ボリンジャーバンドは移動平均線がベースとなって成立しているので、移動平均線について詳しくなれば、自ずとボリンジャーバンドも上手な使い方ができるようになります。

ほとんどの初心者は、ボリンジャーバンドの使い方ばかり知りたがる傾向にあります。しかし、そもそも移動平均線を理解していなければ、ボリンジャーバンドも浅い理解で終わってしまうのではないでしょうか。

これでは、ボリンジャーバンドを試したけど勝てない、使えないテクニカル指標だという判断を下してしまうのは当然です。ボリンジャーバンドのせいにするのではなく、あなたがボリンジャーバンドを使いこなすレベルではない、ということを認識する必要があります。

移動平均線については、次の2つの記事をぜひ参考にして理解を深めて下さい。

移動平均線を知らなければ絶対にボリンジャーバンドでは勝てない、ということではありません。相場の世界でこの先ずっと勝ち続けるためには、ボリンジャーバンドの構成要素くらいは知っておいた方が良いということです。

ただ表示させるのではなく、どうやってそのテクニカル指標が描かれるのかを知っていれば、相場が変わった時にボリンジャーバンドの手法を改善したり、トレードポイントを変更するなど、すぐに応用を効かせることができます。

1.2. 標準偏差を理解することがカギ

ここでは、これまで何度が登場している「標準偏差」についてわかりやすく説明します。途中、「シグマ(σ)」という言葉が出てきますが、正直、計算方法を知らなくてもボリンジャーバンドは充分活用できます。数式から売買の戦略を立てることはありませんので、ご安心下さい。

まず、標準偏差は統計学で使う用語です。簡単に言うと、標準偏差とは、あるデータの「ばらつきの大きさ」を表わす指標です。言い換えると、各データから平均値を引いた値で、標準となる場所(ここでは移動平均線)からの、「ずれ」の度合いです。

ボリンジャーバンドは、一定期間のシグマ(標準偏差)を算出し、移動平均線からシグマの1倍、2倍、3倍などを加算、減算したものを、チャート上に±1シグマ、±2シグマ、±3シグマとして表示します。

文章で理解しようとすると少し難しく感じるかもしれませんが、要は、移動平均線からの距離だとお考え下さい。その距離を、シグマという特有の記号で書いているだけです。移動平均線から、±1、±2シグマ、±3シグマ離れているというイメージで充分でしょう。

先ほど見ていただいたチャートでは、ボリンジャーバンドの期間を20にしました。日足なので、過去20日間の値動きの平均からどれだけ乖離しているかどうか、ということです。

20日間の値動きが大きければバンド幅が広がり、値動きが小さければバンド幅は小さくなります。ここで言う「バンド幅」とは、同じシグマのプラスからマイナスまでの幅です。

たとえば、+1シグマから-1シグマが一つのバンド幅になります。この幅がセットになり、+2シグマから-2シグマ、+3シグマから-3シグマがそれぞれのバンド幅です。

面白いのは、+1シグマが上方向に拡大すると、-1シグマも下方向へ拡大します。プラスのシグマが移動平均線から乖離する時は、マイナスのシグマも移動平均線から乖離するという意味です。逆に、+1シグマが下へ向かって移動平均線に収束する時、-1シグマは上に向かって収束します。

プラスとマイナスで多少の時間差はありますが、移動平均線を中心に、拡大と収束を繰り返します。

次のチャートをご覧下さい。

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ご覧のように、ボリンジャーバンドのプラスとマイナスは、常に逆の方向で拡大と収束をしています。ぴったり同じではなく、多少の時間差はありますが、+1シグマが拡大しているのに-1シグマが収束しているということは絶対にありません。

なお、ボリンジャーバンドの拡大をエクスパンション、収束をスクイーズと言います。詳しくは、後ほど改めて説明させていただきます。

1.3. 99.7%の確率でローソク足はバンド内に収まる

ボリンジャーバンドの使い方でよく注目されることは、価格がバンド幅に収まる確率です。トレンド発生やちょっとした揺り戻し(行き過ぎからの戻し)を含め、ボリンジャーバンド内に収まる確率は、次のようになります。

ボリンジャーバンド バンド内で収まる確率
±1シグマ 68.2%
±2シグマ 95.4%
±3シグマ 99.7 %

±1シグマの範囲内で収まる確率が68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%です。数字を見ると、バンド内で収まる確率が非常に高いと感じますね。

特に、価格が±3シグマを逸脱することは、ほぼ無いといっていいでしょう。シグマに到達したら逆張りをしていれば、勝てるような気がしますね(逆張りについては、『8年で1.5億円稼いだ私が教えるFX初心者が稼ぐために押さえておきたい全てのこと』の中で解説しています)。

数字上の確率があまりにも高いため、日本ではボリンジャーバンドは逆張りこそ有効だと言われていました。しかし、最近では個人投資家のスキルも格段に上がり、逆張りだけでなく、順張りも含め、様々な使われ方をしています。

私がFXを始めた15年ほど前は、「ボリンジャーバンド=逆張り」という説明しかなかったように感じます。おそらく、ボリンジャーバンドについて書いている人が、逆張りだと勝てると説明するほうが楽だったのでしょう。

今ではボリンジャーバンドは逆張り一辺倒ではなくなりましたが、もちろん一筋縄ではいきません。その理由を含め、次に説明するバンドの3つの特徴が重要になってきます。

2.バンドの3つの特徴をおさえる

ボリンジャーバンドは、バンド幅の動き方によって、次の3つの状態があります。

  • スクイーズ
  • エクスパンション
  • バンドウォーク

チャートを開いてボリンジャーバンドのテクニカル分析をする時、この3つの状態を見極めることが基本になります。逆に、この3つの状態の見極めだけなので、売買の戦略は立てやすいです。決して、勝ちやすいということではありません。シンプルなので活用しやすいという意味です。

とても重要ですので、1つずつ見ていきましょう。

2.1. スクイーズはバンド幅が収束した状態

スクイーズとは、下のチャートの黄色い四角で囲んだ箇所のように、バンド幅が収束している状態のことです。

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相場は、トレンドとレンジを繰り返します。ボリンジャーバンドがスクイーズの状態になるのは、レンジ相場の時のもみ合いだとお考え下さい。レンジは、一定の値幅をキープしながら何度も上下動して形成されます。

ちなみに、相場によってこのレンジ幅は異なります。+2シグマから-2シグマの値幅が20pipsの時もあれば、40pipsの時もあります(pipsについては、「FXの単位pips(ピップス)とは」を参考にして下さい)。

pipsだけでスクイーズの算出はできないので、意識して計算しなくてもいいでしょう。なぜなら、スクイーズかどうかは、チャートをパッと見た時に収束している箇所だと判断できるからです。

スクイーズのポイントは、移動平均線が水平になっている点です。移動平均線が水平ということは、バンド幅も水平ということです。上のチャートも、移動平均線とバンドが、誤差はあるにしても水平になっていますよね。

繰り返しになりますが、ボリンジャーバンドの中心は、移動平均線でした。

移動平均線が水平ということは、方向感が無くレンジ相場だということです。そのため、バンドがスクイーズします。

ここで覚えていただきたいのは、レンジの後には必ずトレンドが発生することです。スクイーズしている時は、このあと上下どちらかにブレイクしますので、これを頭に入れてチャートを観察すると、トレンド発生の準備ができます。

2.2. エクスパンションはバンド幅が拡大すること

エクスパンションとは、バンド幅が拡大する状態のことです。

下のチャートをご覧下さい。

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エクスパンションは、先ほど説明したレンジ相場のスクイーズの状態からトレンドが出た時の状態をいいます。

バンド幅が拡大しているエクスパンションの時は、移動平均線もトレンド方向へ傾いていますね。移動平均線とボリンジャーバンドは、常に同じ方向へ動くことが特徴です。

2.3. バンドウォークはトレンドの典型的な形

バンドウォークとは、バンド幅に沿って価格がじりじりと推移している状態のことです。

下のチャートをご覧下さい。

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ご覧のように、下降トレンドが発生すると、ローソク足は高値と安値を切り下げながら進んでいきます。この時、バンドが拡大する角度と、ローソク足が高値と安値を切り下げる速度が同じようになります。

たとえば、-1シグマと-2シグマの間でローソク足が切り下がっていきます。-2シグマと-3シグマの間でローソク足を切り下げていったり、-2シグマのラインを挟んで陰線を作っていくなど、パターンは色々あります。

チャートを絵として見ると、ローソク足がシグマに執拗にくっついて、じりじりと下に引っ張っているイメージでしょうか。トレンドは、一度発生すると、このようにしばらく続くものだということが再認識できます。

バンドウォークしているローソク足は、数本で終わることはなく、何十本も連続していることがおわかりいただけると思います。力強いトレンドが一番安定して発生している状態です。まさに、トレンドの典型といえる形だと言えます。

3.ボリンジャーバンドの逆張りと順張りの2つの手法

ボリンジャーバンドの使い方は、逆張りと順張りの2つあります。

あなたの目的は、インジケータを活用して的確なトレードを行うことですね。先ほどお伝えしたスクイーズ、エクスパンション、バンドウォークの3つの特徴をよく理解して、ボリンジャーバンドを最大限活かしましょう。そうすれば、自ずと勝てるようになります。

ここではまず、バンドがどういう状態の時に逆張りと順張りが有効なのかをお伝えします。

使い方の場面は、おおよそ次の時になります。

  • 逆張り→スクイーズ
  • 順張り→エクスパンション、バンドウォーク

ボリンジャーバンドはこの見方が基本になりますが、必ずこの通りになるとは限らず、機能するための条件が揃った時に確度が高くなります。その条件は相場ごとに違いますので、ある程度の経験が必要になります。

応用については後述しますので、まずは次からお伝えする逆張りと順張りの2つの基本的な手法をしっかり理解して下さいね。

3.1. 一定のレンジ幅が形成されたら逆張りする

最初に、ボリンジャーバンドを逆張りで使う例を見ていきます。

3.1.1. バンドをサポートとレジスタンスにする

逆張りが有効なのは、レンジ相場です。

バンド幅が収束(スクイーズ)し、価格が一定の値幅をキープして上限と下限を往復する局面です。トレンド発生後、もしくはトレンド発生前の小休止の時に見られます。

下のチャートの、黄色の四角で囲んだ部分に注目して下さい。

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移動平均線が水平で、かつ、バンドが収束していますよね。このようなレンジ幅を見つけることができれば、トレンドが発生するまで、何度も逆張りして利益を上げることができます。上限に到達したら売り、下限に到達したら買いです。

ちなみに、矢印のポイントは、±2シグマを超えた時に逆張りできるポイントです。上限のシグマがレジスタンスライン、下限のシグマがサポートラインになり、反転しているのがおわかりいただけると思います。

相場に合わせて、±1シグマを使うのも良いでしょう。その場合はエントリーサインは増えますが、逆行する回数も増えてしまいます。逆に、±3シグマを突き抜けた時に絞れば、エントリー回数は減りますが、勝率は格段に上がります。

大切なのは、常に±2シグマを使う、という固定した使い方ではなく、どのシグマでレンジ幅を形成しているのか、相場ごとに見極めるようにすることです。

3.1.2. 条件は移動平均線が水平になっている時

なお、移動平均線とバンドの状態は、必ずセットで見るようにしましょう。レンジ相場では、移動平均線が水平で、ボリンジャーバンドのバンド幅は収束している状態です。

移動平均線を無視してバンド幅の収束だけ見る、もしくは、バンド幅を無視して移動平均線が水平かどうかだけ見ても、レンジ相場を利用したトレードの勝率は相当落ちます。具体的には、レンジだと思ったらすぐにトレンドが出たり、レンジ幅の上限と下限が間違っているなど、ダマシが急増して混乱してしまうでしょう。

特に、バンド幅は常に拡大と収束を繰り返しているので、収束する度にレンジと思い込んで逆張りでエントリーすると負け続けますので、注意が必要です。

話を整理すると、レンジ相場を利用したトレードは、移動平均線が水平で、バンド幅は収束している、という2つの条件が揃った時にすると良いでしょう。そうすると、レンジ幅が継続する時間も長くなり、期待値の高いエントリーが何度もできるので、そのレンジ相場で連勝するチャンスになります。

そもそも逆張りは、価格が移動平均線から乖離したら戻るという習性を活用しています。バンド内に収まる確率を思い出して下さい。±1シグマが68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%でした。

この確率と、トレードの勝率は必ずしも一致しませんが、レンジ相場を見極めることができれば、期待値はとても高くなるでしょう。少なくとも、勝てる土俵でトレードできることは確かです。

3.2. ブレイクアウトを狙って損小利大になるのが順張り

次に、ボリンジャーバンドを順張りで使う例を見ていきます。

3.2.1. バンドウォークでトレンドフォローする

順張りが有効なのは、トレンド相場です。

価格がレンジ相場からブレイクすると、シグマの上限(もしくは下限)へ到達すると同時に、バンド幅が拡大(エクスパンション)します。そして、反転せずにそのままバンドウォークして進んでいきます。

次のチャートをご覧下さい。これは、先ほどの逆張りの手法を説明した時と同じチャートです。

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黄色の四角で囲んだ部分がレンジ相場でしたね。レンジ相場は、大きなトレンドが発生する前兆で、パワーを溜めている状態といえます。ひと度ブレイクすると、溜まっていたパワーが放出されてトレンドが発生します。

そして、白い丸の箇所が、ブレイク後のバンドウォークです。

バンドウォークは、トレンドが発生した時に現れるボリンジャーバンドの典型的な形です。このような場面では、トレンドフォローの売買シグナルとして活用できます。具体的には、上限に到達したら買い、下限に到達したら売るという判断をします。

ちなみに、このチャートでは下にブレイクしてバンドウォークしているので、売りポジションです。

余談になりますが、冒頭でご紹介したボリンジャーバンドの考案者であるジョン・ボリンジャー氏自身も、順張りで使うことを推奨しています。特に、レンジからブレイクしてバンドウォークする場合は、順張りのシグナルとして判断することを強調しています。

3.2.2. 順張りのシグナルはブレイクアウトを伴った時に絞る

バンドウォークは、時間軸によって異なりますが、頻繁に現れるパターンです。しかし、ボリンジャーバンドだけをトレード判断の材料にして、バンドウォークする度に順張りでエントリーしていると、ダマシにかかる回数も多くなるので注意が必要です。

トレンドが発生したと思って順張りしたら、もっと長い時間軸で見たら実はレンジ内で、一時的にシグマに到達しただけかもしれません。その場合は、エントリーしてもすぐに元のレンジ幅に戻ってしまいます。

大切なことは、ボリンジャーバンドで順張りエントリーする際は、ブレイクアウトを伴った時に絞ることです。これだけでも、確度は相当上がります。

レンジの期間が長いほど、ブレイクアウト後のトレンドも強くなります。もちろん、トレード回数は減ってしまいますが、あなたの目的はトレード回数を増やすことではなく、利益を上げることですよね。

では、どうやってブレイクアウトを判断すればいいのでしょうか?

その見極め方法は簡単です。なぜなら、相場はレンジとトレンドの2種類しかありませんので、毎日チャートを見続けていれば、どこでブレイクアウトしたか分かるようになるからです(詳しくは、『レンジ相場の2つのルールと3つのブレイクパターン』をお読み下さい)。

この際に注意していただきたいのが、レンジ相場の時にバンド幅が収束して、上限と下限の値幅が極端に狭くなる場合です。この後の値動きのセオリーは、ちょっと値動きが出ただけで±2シグマや±3シグマに到達してバンドウォークすることになるのですが、いつまでもバンドウォークが機能しているとは言えません。

このような値動きにダマされないためにも、やはりバンドだけで判断するのではなく、ブレイクを伴うかどうかに注目することをおすすめします。

3.2.3. 正反対の使い方になるからこそあなたのスキルが必要

ここまで、ボリンジャーバンドの逆張りと順張りの2つの手法を紹介しました。逆張りと順張りでは、ポジションの取り方が真逆になることに、お気付きいただけましたか?

シグマに到達したら、反転を予測してエントリーするのが逆張りです。一方、シグマに到達したら、トレンド発生を予測してその方向にエントリーするのが順張りです。同じチャート設定でも、使い方によってポジションが逆になります。

あるトレーダーにとっては売りポイントでも、他のトレーダーにとっては絶好の買いポイントになりえます。

重要なことは、ボリンジャーバンドをどの相場で使うのか、ということになります。これは、ボリンジャーバンドに限らず、全てのインジケータに共通して言えます。

そのインジケータの強みを発揮できる相場とできない相場がありますので、それを見極めるのが、あなたのスキルということなります。インジケータは、売買タイミングの参考にはなりますが、相場の行方をいつも教えてくれるわけではありません。

ボリンジャーバンドが使いやすいからといって、チャート分析も予測も全て委ねてしまうと、ボリンジャーバンドの強みが発揮できない相場では連敗することさえあります。したがって、ボリンジャーバンドをどこまで信用してどう活用するかは、あなた次第だということを忘れないで下さい。

ボリンジャーバンドに手綱を委ねてしまうと、それに完全に振り回されてしまうことになります。これでは、あなたの役割はありませんね。自分にしかできないボリンジャーバンドの使い方を、ぜひ見つけて下さい。

相場の主人公は、ボリンジャーバンドではなく、あなたです。

4.実践的な使い方を学んで応用する方法を知る

上述した逆張りと順張りは、ボリンジャーバンドの基本的な使い方です。実際のトレードで利益を出すためには、基本を応用する必要があります。そのために、これからお伝えする細かい部分まで知識として知っておきましょう。

具体的には、バンドが機能する相場で実際にどうトレードするのかを、実例を使ってご紹介します。ここまでインプットできて、初めてボリンジャーバンドを理解したと言えますので、しっかりマスターして下さい。

4.1. 検証を重ねて自分で適切な設定を見つける

ボリンジャーバンドのパラメータは、数値を入力するだけで自由に設定できます。移動平均線の期間、使うシグマ(±1、±2、±3・・・)などによって、売買シグナルの数とタイミングは大きく変わります。さらに、通貨ペアや時間軸、トレードする時間帯によって、シグナルの確度も変わってきます。

そのため、万人に適したパラメータは存在しません。大切なことは、あなたのトレードスタイルに合わせることです。

まず、どんなトレードがしたいのか思い浮かべて下さい。その上で検証し、適切なパラメータを見つけていきましょう。決して、誰でも利益が出るような設定をすぐに探そうとしてはいけません。適切な設定は、これから時間をかけて、自分で見つけていくつもりで使い始めて下さい。

繰り返しになりますが、そのインジケータの強みを発揮できる相場とできない相場があります。一度試してダメだとしても、それはたまたま活用できない相場だっただけかもしれません。これを短期間ですぐに判断することはできないので、やはりパラメータの数値を変えてみたりして試行錯誤する必要があります。

なお、主なトレードスタイルには、次の3つがあります。どういうトレードか簡単に記述しておきますが、詳しくはそれぞれのリンク先の記事をお読みいただければと思います。

4.2. 利益を出すためにはトレンド相場で使える設定にする

ボリンジャーバンドを使って利益を出すコツは、トレンド相場で使える設定にすることです。理由は、レンジ相場よりトレンド相場のほうが利益の出し方が豊富だからです。

トレンド相場で使うというと、トレンドに付いていくトレンドフォローの順張りをイメージされるかもしれません。しかし、ボリンジャーバンドが使えるのは順張りだけではありません。トレンド発生時の反転を狙って逆張りで使うことも可能です。

ボリンジャーバンドを、トレンド相場ではなく、レンジ相場で特に機能するルールを作ってしまうと、トレード戦略が極端に少なくなってしまい、利益も伸びません。売買が急増して、トレンドが発生した時こそトレードで利益を上げるチャンスです。

レンジ相場で使ってはならない、ということではありませんので、勘違いしないで下さい。ボリンジャーバンドを使うのは、レンジ相場に限定する、というのが危険だということです。トレンド相場で使えるようになると、レンジ相場でも活用できますので、ボリンジャーバンドはトレンド相場で使うべし、ということです。

順張りと逆張り、そしてトレードスタイル問わず、ボリンジャーバンドで利益を上げるのはトレンド相場にし、初めからそのような検証をすると良いでしょう。そうすると、検証していてもアイデアが多く浮かび、結果的に勝てる戦略が多くなります。実例は後述しますが、トレンド発生時に、順張りと逆張りを組み合わせるというイメージです。

4.3. 2つの時間軸を組み合わせるとトレードポイントが明確になる

確度の高いトレードをするためには、一つの時間足(時間軸)だけでなく、上位足と下位足と組み合わせることがポイントです。

たとえば、いつも1時間足だけしか見ていないと、過去数十時間のチャートしか表示されません。そのため、数か月単位の流れを全て把握することは不可能です。つまり、1時間足よりも長い時間軸(4時間足、日足など)で、上昇トレンドラインの最中だったとしても、1時間足だけでは分かりません。

日足でとても重要な価格帯に差し掛かっていたとしても、1時間足から得られる情報だけでトレードすることになります。これでは勝てませんね。

こうならないためにも、最低でも2つの時間軸のチャートを組み合わせると良いです。

たとえば、日足と4時間足、1時間足と5分足など、スタイルによって変えて下さい。どの時間軸の組み合わせでも、1つではなく2つにするだけでも、トレード判断の基準は大幅に増えます。

もちろん、2つではなく3つ、4つの時間軸のチャートを使うことで、テクニカル分析の確度が高くなることは言うまでもありません。最低でも2つ以上の、長短の視点を持つように下さい。

例として、ユーロ円の日足と1時間足を、組み合わせて見てみましょう。

まず、日足です。

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黄色の四角で囲んだ箇所をご覧下さい。

ここは、レンジ相場ですね。それまではバンド幅が拡大していましたが、四角の箇所でバンドが収束し、移動平均線も水平です。ローソク足は、±2シグマ付近で行ったり来たりしていて、レンジ幅を形成しているのがおわかりいただけると思います。

ただし、黄色の四角の最初の方では、このようなレンジ相場になることは分かりません。しかし、Aのポイントに差し掛かった時には、すでにレンジ相場を形成していると分かりますね。

レンジ相場が継続するなら、Aの左下の-2シグマ付近でリバウンドし、これからレンジ幅の上限を目指していくと予測できます。

ここで、ボリンジャーバンドの中心の赤い移動平均線を見ると、少しずつ上向きになっていますね。これは、買い圧力が強くなってきているサインです。つまり、これからレンジ幅の上限を目指す可能性が、より高くなってきました。

ただ、これだけでは本当に上昇するのか、不安ですね。実際に「いつ」「どこで」エントリーしていいか、日足だけでは決められません。そこで、日足の流れを把握した上で、Aの箇所を今度は1時間足で見てみましょう。

順番に説明しますので、上の日足チャートの白で囲んだAの部分と、下の1時間足チャートをよく照らし合わせて下さい。

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1時間足チャートのBで反落した時、以前のAがレジスタンスラインになっていると分かります。Aのサポートラインを下抜けると、今後はレジスタンスラインに役割転換(ロールリバーサル)してBで反落してしまいました(ラインの役割転換の詳細は、『サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜く正しい使い方』をお読み下さい)。

AB間の水平ラインを伸ばし、次に同じ価格帯に来た時(ここではC)、同じようにレジスタンスラインになると予測できます。Cを上にブレイクするか、反落するか、という選択になりますね。

これが、ボリンジャーバンドを表示させているだけだったら、価格がCに来た時にどちらにいくか全く予測できないと思います。なぜなら、レジスタンスラインに差し掛かっているという認識が持てないからです。

では、上の日足チャートを思い出して下さい。Aの白の四角で囲んだ箇所では、レンジ下限から上限へ目指す確率が高いと先ほど説明しました。ということは、1時間足でも上昇する確率が高いと考えられます。

また、1時間足チャートのCに到達するまでに、上昇トレンドラインが引けます。ABCのレジスタンスラインと合わせると、三角持ち合い(三角保ち合い)であることも分かります。つまり、Cは三角持ち合いの先端に差し掛かっていることが読み取れます。

高値切り上げの三角持ち合いで、さらに先端付近ですので、上にブレイクする可能性が高いと考えられます(三角持ち合いについては、「三角持ち合いとは」をお読み下さい)。

これらの条件を組み合わせると、Cで上にブレイクするのは自然な流れです。そこで、Cでブレイクしてバンドウォークという波に乗り、買いポジションをホールドする戦略が取れますね。バンドウォークが発生する条件としては、絶好のポイントになるでしょう。

このように、ボリンジャーバンドを使い、日足と1時間足という2つの時間軸を組み合わせることで、確度の高い戦略が可能になります。日足だけ見ていても、どこでエントリーしてどこでイグジットしていいか分かりませんね。

1つの時間軸のチャートだけでは分からないことが、2つの時間軸のチャートを組み合わせることで、分かるようになるのです。

なお、利益確定のイグジットポイントは違うテクニカル分析が必要になりますので、ここではエントリーポイントの考え方をしっかりご理解下さい。

4.4. 順張りと逆張りを組み合わせる理想的な使い方

次に、トレンド発生時に、順張りと逆張りを組み合わせるパターンを見ていきましょう。

繰り返しになりますが、ボリンジャーバンドは、トレンド発生時に活用することで期待値が高い戦略が立てられます。

普通、バンド幅の上限に到達したら売ることは、逆張りになりますよね。しかし、もっと長い時間軸のチャートが下降トレンドなら、その売りポジションは逆張りではなくて、下降トレンドに沿っているので順張りになります。

このことを意識的に行なうことで、期待値の高いトレードが可能になります。

限られた時間軸において、狭いレンジ幅での逆張り、ブレイクアウトを狙った順張りだけでは、トレードアイデアの引き出しは少ないです。ここでは、トレンド発生時に、押し目や戻りでエントリーする視点を持つことの大切さを学んでいただければと思います。

では、実際の事例を使って説明していきます。今回は、1時間足と15分足を使います。

最初に、1時間足をご覧下さい。ちなみに、通貨ペアはユーロドルです。

8-2

チャートの左側では、上昇トレンドが続いていました。そして、Aの手前で下降トレンドに転換しています。Aでは、ローソク足が高値を切り下げ、緩やかな下降トレンドが続いています。

Bでは下落が加速し、高値と安値の切り下げがより強まっていますね。Bでは、レンジ幅がAよりも一段下にきています。赤の移動平均線を見ても、AからBにかけて、ずっと下向きに推移しています。

もしかしたら、AやBは、レンジ幅に見えるかもしれません。確かに、ここだけ見ると持ち合いのように見えますね。しかし、全体で見ると緩やかな下降トレンドであることが分かります。

上述したように、ボリンジャーバンドの中心は移動平均線です。バンドより前に、移動平均線をチェックしましょう。そうすると、この相場では移動平均線が下向き、つまり、相場の流れは下向きであることが分かります。

トレンドは、急激に下落することもあれば、緩やかに下落する場合もあります。特に、緩やかなトレンドの時の下落を見落とさないように注意しましょう。

また、ボリンジャーバンドは、ローソク足の高値と安値が一定のリズムで切り下げたり切り上げている時も、レンジ幅のようにバンド幅も収束します。

急落した時はバンド幅が一気に拡大しますが、緩やかな下降トレンドになった時はバンド幅が収束します。バンド幅が収束しているからといって、レンジ相場になったわけではありませんので、注意して下さい。

特に、Aの真ん中やBの真ん中のように、ボリンジャーバンドが拡大から収束に向かう時、下降トレンドが継続中であっても、下限のバンド幅(マイナスのシグマ)はちょっとの間だけ上向きになります。移動平均線は下向きなのに、バンド幅が収束するためにマイナスのシグマは一時的に上向きになっています。

それでは、話を戻します。

この相場の流れは、下降トレンドと分かりますね。仮に、Bのどこかで売りでエントリーすれば、順張りになります。下降トレンドの最中にトレンドに沿って売りをするからです。

今回は、Cに注目してみます。

バンド幅が収束し、移動平均線がレジスタンスになり、移動平均線と-3シグマの間で高値と安値を切り下げながら、緩やかな下降トレンドが継続している場面です。Cに到達するまでに、下降トレンドだという認識はできていますね。この認識が重要です。

では、Cの場面を、今度は15分足で見てみましょう。上の日足チャートのCと、下の15分足チャートのCが同じ箇所です。

9-2

少し細かい話になりますが、+2シグマと-3シグマ間が下落のバンド幅となり、移動平均線を挟んで行ったり来たりしているのがおわかりいただけると思います。

下の15分足チャートのCの四角に到達するまでにも、+2シグマを超えると、そのローソク足は上ヒゲになって下落に転じています。バンド幅も、多少の拡大と収束はありますが、一定のバンド幅キープし、その幅でローソク足が上下動しながら下降トレンドが継続していますね。

そこで、15分足チャートのCの四角の中で+2シグマに到達したら、売りで仕掛けると期待値の高いトレードになることが予測できます。下の15分足チャートだけで見ると逆張りに見えますが、上の1時間足チャートでは下降トレンドの最中です。つまり、15分足では逆張り、1時間足では順張りということです。

下の15分足のCだけ見て売りエントリーしても、期待値の高いトレードとは言えないでしょう。しかし、上の1時間足の下降トレンドを認識した上で、15分足のCで「戻り売り」をピンポイントで見つけているので、期待値が高くなります。

上昇トレンドの場合は、これが逆になります。上位足(たとえば1時間足)で上昇トレンドを把握し、下位足(たとえば15分足)で「買いエントリー」のポイントを探します。1時間足では順張りでも、15分足では逆張りになりますね。

このように、ボリンジャーバンドを使った「戻り売り」「押し目買い」のトレードはおすすめです。

単純に、レンジ幅で逆張りしたり、ブレイクしてバンドウォークでトレンドフォローするのも使い方の一つです。これに加えて、上位足と下位足を組み合わせ、順張りと逆張りを応用することで、さらに確度の高いトレードが可能になります。

このような戦略も立てられるようになると、あなたのトレードスキルは格段に上達します。

4.5. 1分足では頻繁に現れるエクスパンションとスクイーズに注意する

1分足のように、短い時間軸でボリンジャーバンドを使う場合、バンド幅は拡大(エクスパンション)と収束(スクイーズ)を頻繁に繰り返します。薄利を狙ったスキャルピングでこれを活用する時は、バンドの振れ幅に振り回されないようにする必要があります。

次のチャートは、ユーロドルの1分足です。

10-2

少し長いローソク足が出たり、何本か連続で陽線か陰線が出ると、黄色い丸で囲んだ箇所のようにバンド幅が拡大しているのがおわかりいただけると思います。1分で1つのローソク足が形成されますので、早いスピード感と、売買シグナルが頻繁に現れるのが特徴です。

これは、1日を通してずっと発生しているとお考え下さい。順張り、逆張りどちらにしても、1分足のボリンジャーバンドだけを見て売買シグナルにすると、シグナルの回数が多い反面、ダマシの回数も相当多くなります。

たった数分の値動きだけでは、トレンドが発生したのかどうかを判断することは難しいです。バンドウォークし始めたので順張りをしたら、次の足で反転するなど、ちょっとしたブレで損切りすることになります。

バンド幅の動きに一貫性があれば良いですが、1分足では読みきれない値動きが多いのも事実です。したがって、1分足でスキャルピングをする場合は、振り回されないように注意しましょう。

しかし、1分足のような短い時間軸では勝てない、使えないということではありません。

ポイントは、先ほどからお伝えしているように、上位足と1分足の条件が揃った時だけを売買シグナルにすることです。そうすれば、確度は上がります。また、全く別のテクニカル分析を組み合わせてもいいでしょうし、使い方次第になります。

4.6. バンドの確率とトレードの勝率は一致しない

最初にお伝えしましたが、ローソク足がボリンジャーバンド内で収まる確率は非常に高いです。±1シグマの範囲内で収まる確率が68.2%、±2シグマが95.4%、±3シグマが99.7%でしたね。

これだけ高確率なので、逆張りで使えば勝てると日本ではよく言われます。しかし、正直な話、実際にトレードすると、ここまでの勝率を上げることは不可能です。その大きな理由の一つとして、次の点が挙げられます。

「値動きに伴い、バンドが拡大と収束をするから」

上昇トレンドが発生すれば、移動平均線が上向きになってボリンジャーバンドも拡大しますね。この時、ローソク足が高値を切り上げる時、バンドが逃げるように拡大していきます。この記事で見てきたチャートを改めて見てもお分かりいただけると思います。

特に、±3シグマから突き出ている箇所は、ほぼありません。ローソク足のヒゲが±3シグマから突き抜けたとしても、ローソク足実体の終値では、±3シグマ内に収まることがほとんどです。

このような値動きをする理由は、トレンドが出ても、ローソク足の動きとともに、ローソク足と同じ方向に逃げるようにバンドも一緒に拡大するからです。しかも、バンドの逃げ足は非常に早く、価格が上昇すれば、バンドも急角度になります。急騰や急落でもしない限り、バンド内で収まる確率が高くなるのは、このためです。

また、トレンドが終了すれば、今度はバンドがローソク足を追いかけるように収束していきます。

仮に、±3に到達して逆張りをしても、もしローソク足がバンドウォークしてしまったら、ポジションは逆行して含み損を抱えることになります。しかし、ここで厄介なのが、±3シグマ内でバンドウォークしている限りは、価格はバンド内に収まっている計算になります。

このように、「バンドに収まる確率」と「トレードの勝率」は全く違いますので、勘違いしないようにしましょう。

4.7. 相場が急変した時は機能しない

次に、狭いレンジ相場でバンド幅が極端に収束したあと、ブレイクを伴った急騰や急落があった場面を考えてみましょう。

この場合、シグマが拡大してローソク足の方向に逃げるよりも、ローソク足の動きの方が早いため、±3シグマをすぐに突き抜けてしまします。バンドが、直角に近いエクスパンション(拡大)になるため、もはや機能する場面ではありません。

かといって、±4シグマ、±5シグマといった、普段使わないような数値を追加して使えばいいというわけではありません。もししてしまったら、ボリンジャーバンドを機能させようとして、強引に数値を最適化しているだけで意味がありません。

拡大(エクスパンション)と収束(スクイーズ)については、すでに説明しました。値動きに伴ってバンドが拡大と収束するのは当たり前のことですが、機能する場面とそうでない時をしっかり見極めるようにしましょう。

見極めるためには、ボリンジャーバンドは、20や25といった「限られた期間」に限定していることを忘れてはいけません。過去の20本や25本のローソク足のデータを算出し、その推移をバンドで表示しているだけで、未来もそうなると示唆しているものではありません。

ボリンジャーバンドを適切に使いこなすポイントは、上述したような上位足や他のテクニカルを組み合わせて使うことです。そのためには、検証と経験が必要であることは言うまでもありません。

4.8. ボリンジャーバンドに頼りすぎないこと

ボリンジャーバンドは、ローソク足と移動平均線を挟んで上下に表示されるため、目に入りやすいです。そのためか、チャートからの情報をわかりやすいエクスパンション(拡大)やスクイーズ(収束)に頼りがちになります。

そうなると、本来ローソク足から読み取るべき情報やチャートパターンを見落としがちになります。

下のチャートは、ドル円の15分足です。

11-1

パッっと見て、ローソク足の動きそのものよりも、エクスパンションやスクイーズなどの、バンド幅に目が向かってしまいませんか?

次のチャートは、上と同じ場面で、ボリンジャーバンドを削除してローソク足だけにしたものです。上のボリンジャーバンドを表示したチャートと見比べてみて下さい。

12-1

いかがでしょうか?

ローソク足表示だけにすると、どのような経緯でローソク足が形成されて現在のチャートが形成されたのか、そのプロセスが分かりやすくなります。このように、チャートが与えてくれる情報を把握しやすくなります。

ライン1本引くにしても、ボリンジャーバンドを表示していると、チャートがごちゃごちゃしてしまうため、難しくなってしまう可能性もあります。

為替は、一方向に一本調子で動くことはなく、N波動を描きながらチャートを形成します。

ローソク足の高値、安値が見やすくなるだけで、サポートラインやレジスタンスライン、チャネルライン、三角持ち合い、ダブルトップなどのチャートパターンが現れるのです(N波動の説明を含む、継続して利益を上げるために必要なチャートパターンについては、『相場の波を徹底的に理解するためのエリオット波動理論の全て』をぜひお読み下さい)。

ラインを引いたり、チャートパターンを見つけることは、トレード戦略を立てる上で基本的なことです。ボリンジャーバンドという1つのインジケータに頼り過ぎて、本来やるべきことを忘れないようにしましょう。

基本的なテクニカル分析ができるからこそ、ボリンジャーバンドなどの他のテクニカル指標を組み合わせて活用できるものです。

5.ボリンジャーバンドに似たエンベロープについて

ボリンジャーバンドと同類のインジケータに、エンベロープがあります(詳しくは、『エンベロープのFXでの実戦的な使い方』をお読み下さい)。

エンベロープは、ボリンジャーバンドと同様に、移動平均線の上下に一定の乖離幅を持たせてラインで表示したものです。拡大と収束の算出方法が違うだけで、相場によっては、チャートを一目見ただけでは両者の違いが分からないほど似ている箇所もあります。

5.1. エンベロープはエクスパンションとスクイーズがない

ボリンジャーバンドとエンベロープの一番の違いは、次の点です。

  • ボリンジャーバンド:バンドが伸縮する
  • エンベロープ:バンドが伸縮しない(エクスパンションとスクイーズが無い)

エンベロープは、トレンドとレンジどちらの相場でも、移動平均線からの乖離幅が常に同じなのが特徴です。

実際に、先ほどのドル円の15分足チャートで見比べてみましょう。上がボリンジャーバンドで、下がエンベロープです。

11-1

13-1

いかがでしょうか?とても似ていますよね。

下のエンベロープのチャートにも、真ん中の赤い移動平均線の上下に3本のラインがあることがおわかりいただけると思います。このエンベロープのラインは、移動平均線が上向きになると、同じ乖離幅をキープしたまま同様に上向きになります。

そのため、移動平均線とエンベロープは常に同じ角度になり、バンドが伸縮しない点が、ボリンジャーバンドとの違いです。

今回は上下に3本ずつ表示していますが、ボリンジャーバンドと同様に、本数は任意に設定できます。ちなみに、エンベロープを設定する時、MT4では、ボリンジャーバンドの一つ下にあります。

ボリンジャーバンドは知っていても、エンベロープは知らないという方は多いと思いますので、下の画像を参考にして、この機会にぜひ頭の中に入れておいて下さい。

14-2

 

5.2.似ているインジケータでも使い方は千差万別

ボリンジャーバンドに限らず、どんなインジケータで、使い方に正解はありません。ボリンジャーバンドとエンベロープのように、どんなに似ていても、使い方次第でトレード方法は大きく異なります。

私は、エンベロープを、完全にスキャルピングで利用しています。

ボリンジャーバンドでは、「1分足はバンド幅に振り回されないように注意」ということを繰り返し述べてきましたが、私はエンベロープでは1分足でスキャルピングしています。そのインジケータのメリットとデメリットをよく理解して、特徴を活かして利益に変えているのです。

ボリンジャーバンドよりも、エンベロープの方が優れているというわけではありません。偶然に、エンベロープでやり方を見つけただけです。私が兼業トレーダーだった頃、ボリンジャーバンドと併せてエンベロープの検証をしていた時に、たまたまエンベロープの使い方にヒラメキがあったのです。

その時に、もし、ボリンジャーバンドが有効だと判断していたら、おそらく今でも継続して使っていたことでしょう。ボリンジャーバンドに似たインジケータがあったので、後からエンベロープを知ることになりました。

したがって、私がスキャルピングの手法を構築し、億を超える利益を上げられたのは、ボリンジャーバンドのお陰だとも言えます。ボリンジャーバンドを最大限応用するプロセスで、エンベロープに辿り着いたのです。

このように、諦めずに検証していると、ちょっとしたきっかけで手法が構築できたり、突然のヒラメキがあります。ただし、何もしなければアイディアは浮かびません。そうなるためには、まず基礎を固める必要がありますので、この記事で説明してきたことをしっかりインプットして下さい。

私のように、ボリンジャーバンドを使いこなしているうちに、他のインジケータに辿り着くこともあります。どちらにしても、トレードで勝てるようになればいいですね。間違いなく言えることは、この記事でお伝えしたボリンジャーバンドの知識があったが故にできたことです。

まとめ

あなたがトレードで勝つために必要なことは、絶対にボリンジャーバンドを使うことではなく、自身に合ったインジケータを見つけることです。ボリンジャーバンドは、その土台となる魅力的なインジケータといえるでしょう。この記事を繰り返しお読みいただき、使い方の例や特徴を参考にしていただければ幸いです。

トレードスタイルや手掛ける通貨ペア、取り組める時間帯は、人によって異なります。どんなインジケータと相性がいいかは、実際に使ってみて検証することで見つけることができます。十分な時間を割いて構築したやり方こそ、あなただけの勝ち続ける手法になるはずです。

ぜひ、ボリンジャーバンドをチャートに表示して、スタートしてみて下さい。

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