ヘッドアンドショルダーの正しい見方とトレード戦略

ヘッドアンドショルダーは、数あるチャートパターンの中で、最も強力な形です。

なぜなら、エントリーすべきポイントも利益確定すべきポイントも明確で、ヘッドアンドショルダーを見つけたら、大きく利益を伸ばすチャンスになるからです。

そのようなチャンスをつかむには、”ネックライン”の使い方が肝になります。

そこで、この記事では、ヘッドアンドショルダーを見つけた時に私が実践しているトレード戦略をお伝えします。数あるトレード戦略の中でも、最も利益が出やすいチャートパターンの一つなので、ぜひ覚えて活用して下さい。

執筆者
ぶせな

ぶせな

専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを始めて8年で1億5千万円を突破。 自身のブログ『FX億トレーダーぶせな「スキャルピング」「デイトレード」』では、定期的にトレードの損益を公開中。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』(日本実業出版社)がある。

1.ヘッドアンドショルダーとは

ヘッドアンドショルダーは、数あるチャートパターンの中でも非常に重要なもので、「トレンドが終わる時」に形成されるものです。

大切なことなので、繰り返します。

「ヘッドアンドショルダーは、トレンドが終わる時に形成されるチャートパターン」

これは、絶対に忘れないようにして下さい。この大前提を忘れると、ヘッドアンドショルダーを有効に活用できません。

もちろん、トレンドが終わる時に必ずヘッドアンドショルダーが現れるわけではありません。しかし、これが現れた時は、非常に有効なトレードシグナルになります。

また、ヘッドアンドショルダーは、トレンドが出ている時でなければ見られないということも覚えておいて下さい。これを押さえておけば、レンジ相場でヘッドアンドショルダーを闇雲に探して時間を無駄にすることがなくなります。

それでは、この大前提を理解した上で、ヘッドアンドショルダーがどのような形なのかを具体的に見ていきましょう。

1.1.ヘッドアンドショルダートップ(三尊)

ヘッドアンドショルダー(トップ)は、次のような形状のチャートパターンです。

まずは、基本の形を覚えましょう。

ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーの基本的な形

ヘッドアンドショルダーは、上のように、頭(ヘッド)と肩(ショルダー)で構成されています。

見た目が人間の上半身に似ていることから、このように名付けられました。また、日本では、仏像が三尊並んでいるように見えるため、「三尊(さんぞん)」とも呼ばれます。

ヘッドアンドショルダーは、実際のチャートで、次のチャートのように現れます。

①

山なりのヘッドアンドショルダー(トップ)は、このように、上昇トレンドが終わる時に見られるパターンです。ここが重要なので、頭に叩き込んで下さいね。

1.2.ヘッドアンドショルダーボトム(逆三尊)

また、ヘッドアンドショルダーの形を逆さにしたものが、ヘッドアンドショルダーボトムで、「逆三尊(ぎゃくさんぞん)」とも呼ばれます。

ヘッドアンドショルダーボトムは、次のような形状のチャートパターンです。

ヘッドアンドショルダボトム

ヘッドアンドショルダーボトムの基本的な形

谷型のヘッドアンドショルダーボトムは、このように、下降トレンドが終わる時に見られるパターンです。合わせて覚えましょう。

1.3.ネックライン

改めて、先ほどの2つのヘッドアンドショルダーのチャートのイメージ図をご覧下さい。どちらも、ネックラインというラインが引かれています。

ネック(首)ラインは、ヘッド(頭)とショルダー(肩)の間の”ネック(首)”のように見えることから、そう言われています。ヘッドアンドショルダーとネックラインは、必ずペアで覚えて下さい。

なぜなら、ネックラインは、それ自体が、サポートラインやレジスタンスラインとして機能するからです。

下のチャートをご覧下さい。

プロセス

Fで、相場がサポートラインを下抜けることで、このネックラインが完成します。つまり、ネックラインそのものが、ヘッドアンドショルダーが完成するための最後の抵抗帯(サポートライン)となっているということです。

だからこそ、ネックラインが、サポートラインにもなり、レジスタンスラインにもなるのです。

なお、サポートラインとレジスタンスラインは、売買が急増して相場が変わるポイントで、チャート分析の要と言えるくらい重要なので、必ず押さえておきましょう(参考:サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ)。

 ダブルトップ/ダブルボトム・トリプルトップ/トリプルボトム
ネックラインが重要なチャートパターンとして、他に、ダブルトップ/ダブルボトム・トリプルトップ/トリプルボトムがあります。『ダブルトップ/ダブルボトム・トリプルトップ/トリプルボトムとは』で解説しているので、合わせて覚えておきましょう。

2.ヘッドアンドショルダーの確度が高いトレード手法

それでは、早速ここから、ヘッドアンドショルダーを活用したトレード手法を解説します。

ヘッドアンドショルダーは、数あるチャートパターンの中でも、ゆっくり時間をかけて形成されるものです。ゆっくり形成されるということは、それだけ多くのトレーダーが意識しており、これ単体で活用するだけでも十分な利益を得られるほど固いパターンになっています。

そのため、この項でお伝えする内容を実践するだけでもトレード成績は向上するはずなので、ぜひマスターして下さい。なお、解説は全て、山なりのヘッドアンドショルダーで行います。上下を反対にすると、ヘッドアンドショルダーボトムにも当てはまるので、応用して下さいね。

2.1.ヘッドアンドショルダーの確認後がエントリーポイント

ヘッドアンドショルダーで利益を出すポイントは、次のチャートの「G」です。これは大前提となるルールなので、必ず覚えておいて下さい。詳しく説明します。

プロセス

ヘッドアンドショルダーは、Fのポイントでネックラインを下抜けした時に完成します。トレードチャンスは、その完成の後のGのポイントです。

Fで下抜けたネックラインは、その後、サポートラインからレジスタンスラインに役割を転換します。ヘッドアンドショルダーは、長い時間をかけて形成されるため、相場を左右する力がとても強いチャートパターンです。

そのため、Fのポイントを下抜けることによって、サポートラインからレジスタンスラインに役割を転換したネックラインは、非常に強力な抵抗帯として機能します。つまり、Gのポイントで上抜けせずに反落する可能性が非常に高いということです。

そのため、Gで反発することを確認して売りポジションを持つと、高確率で利益が得られます。

間違っても、Fのポイントを下抜けてヘッドアンドショルダーが完成することを予想してエントリーしてはいけません。Fがヘッドアンドショルダーが完成するかどうかを左右するポイントで、結局、Fで反発してヘッドアンドショルダーにならないことも多々あります。

Fを下抜けてこそ、ようやく相場において、非常に信頼度の高いチャートパターンであるヘッドアンドショルダーが出来上がるのです。トレードを行うべきタイミングは、このような確度の高いチャートパターンを確認した後です。

それでは、Gで売りエントリーしたら、どこで利益確定をどこでするか、次で説明します。

2.2.ヘッドとネックラインの二倍の値幅が利益確定の目安

ネックラインを下抜けると、下のチャートのように、ヘッドとネックラインの値幅の2倍が出るのが一般的です。

④

このようなチャートで、売りポジションでエントリーするポイントは、Cです。そして、利益確定の目安は、ネックラインを真ん中として、上下に同じ値幅だけ出ているDです。

実際のチャートで見てみましょう。

①

青い線が、ヘッドアンドショルダーです。そして、Aがヘッドで、Bの黄色い線がネックラインです。ヘッドアンドショルダーが完成した後、相場は再度ネックラインまで戻しましたが、跳ね返されて反落して下降トレンドにスイッチが入っています。そして、利益確定は、ABと同じ値幅の分だけ下落したCで行います。

さて、ここまでのネックラインは全て水平でしたが、必ずしも水平とは限りません。当然、ネックラインが斜めになる場合もあります。斜めのネックラインは、水平の時と比べると、値幅が多少狭くなります

しかし、斜めのネックラインのヘッドアンドショルダーも有効なチャートパターンであり、トレードチャンスであることは変わりません。

実際のチャートで確認してみましょう。

⑧

ABを斜めに結んだ線がネックラインで、Cを下抜けたら、ヘッドアンドショルダーの完成です。

ただし、ネックラインが斜めになるヘッドアンドショルダーは、水平の時よりも分かりにくくて見落としやすいので、注意が必要です

いかがでしょうか?

ヘッドアンドショルダーは、チャートパターンを見つけられれば、実践は難しくありません。

なお、繰り返しになりますが、ヘッドアンドショルダーボトムも、形が逆さまになっただけで、ヘッドアンドショルダー(トップ)と同様の見方をします。

イメージチャートで確認しておきましょう。

⑤

ネックラインが水平ではなく、あえて斜めにしていますが、このような時は、右側のBを基準にします。そして、ネックラインを上抜けたらヘッドアンドショルダーボトムの完成で、AB間の値幅と同じだけ上昇した、Cが利益確定の目安になります。

3.ヘッドアンドショルダーの勝率を高める使い方

ヘッドアンドショルダーは、単体でも十分な威力のあるチャートパターンです。

しかし、ヘッドアンドショルダーと他のテクニカル分析を組み合わせると、さらにその確実性を高めることができます。

 トレンドラインとチャネルラインに関して
ここでは、ヘッドアンドショルダーと、トレンドライン/チャネルラインを組み合わせて相場を判断する方法をお伝えします。先に『トレンドラインとは|引き方と役割と具体的な使い方』『チャネルラインでトレンドの値幅を知り利益を伸ばすための知識と方法』をお読みいただくと、今後の理解が深まります。

それでは早速、次のチャートをご覧下さい。

ヘッド&ショルダーズと他の根拠

まず、高値が2つあるので、下降トレンドラインを引くことができます。そのトレンドラインを、傾きはそのままに下にスライドさせると、アウトライン(=チャネルライン)も引くことができました。

アウトラインが支持線として機能しているAのポイントは、ヘッドアンドショルダーボトムのヘッドになっています。その後、相場は、ネックラインを上抜けてから反落し、Bで支持されて、上昇のスイッチが入っているのが分かります。

実は、この時のBのポイントは、下降トレンドラインも支持線として機能しています。つまり、Bで上昇トレンドにスイッチが入るサインが、

  1. ネックライン
  2. 下降トレンドライン

の2つ重なっているのです。このような場合は、Bで買いポジションを持つことができれば、確度の高いトレードができます。そして、AB間の値幅の2倍の水準まで待って利益確定をします。

実際の相場では、このヘッドアンドショルダーボトムに加えて、他の上昇する根拠やサインを組み合わせて、交差するポイントでトレードする習慣を付けると良いです。

もし、このような上昇する根拠が強いポイントに絞って冷静にトレードができるようになると、それは常勝トレーダーに急速に近づくことになります。

まとめ

ヘッドアンドショルダーを見つけられたら、それだけで、あなたは他のトレーダーよりも優位に立つことができます。そして、他のエントリー根拠と交差するポイントまで待つことで、その売買チャンスをものにすることができる確率がアップします。

ヘッドアンドショルダーは、形成されるまでに時間がかかる分、発見すると飛びつきたくなってしまいます。しかし、この形が現れた時に本当に取るべき行動は、エントリーポイントまで待つことです。このような「待ち」ができるようになると、勝てるトレーダーにグッと近づきます。

ぜひ、ヘッドアンドショルダーに注目して、チャート分析をしてみて下さい。

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