フィボナッチとは|相場の反転を見抜く使い方を徹底解説

フィボナッチとは、フィボナッチ比率に基づいて、価格の「支持帯」と「抵抗帯」を予測するテクニカル分析ツールの一つです。

FXでも株式でも、相場は、トレンドが発生しても一直線に進み続けることはなく、必ず上下動しながら、上昇トレンド中の「押し目」と、下降トレンド中の「戻し」を形成します。

そして、フィボナッチを使うことで、押し目や戻しがどこで発生するのかが、予測しやすくなります。

ちなみに、フィボナッチ比率は、世界的に有名な”フィボナッチ数列”から計算され、自然界や歴史的建造物・芸術作品にも存在しています。

チャートは、投資家の集団心理で形成されているため、このような自然の摂理が働くと考えられるのです。それゆえ、フィボナッチは、多くの投資家が注目しているテクニカルツールです。

実際、私もフィボナッチは頻繁に使っており、押し目や戻しポイントを判断する習慣が自然と身に付くようになりました。

もしあなたが、フィボナッチがなぜ機能するのかを含め、上手な使い方を覚えれば、今よりも確度の高いトレードができるようになります。特に、投資家心理を読んで的確なトレード戦略を立てられるようになると、億トレーダーに近づくことができます。

この記事では、フィボナッチの引き方や基本的な役割を説明し、その後、どのような使い方で利益を出すのか、トレード戦略まで具体的に解説しています。

ぜひ参考にしていただき、勝ち組トレーダーを目指して下さい。

1.フィボナッチとは

テクニカル分析で使うフィボナッチは、フィボナッチ比率という数式の考え方がベースになっています。

最初に、このフィボナッチ比率の基になっている、フィボナッチ数列について説明します。フィボナッチ数列を理解した上で実際のチャートを見ると、なぜそうなるのか、より理解が深まります。その後に、フィボナッチの引き方と役割を順番に解説していきます。

それでは、始めましょう。

1.1.フィボナッチ比率はフィボナッチ数列から計算されている

フィボナッチとは、人の名前で、12世紀~13世紀の中世時代に有名だったイタリアの数学者レオナルド=フィボナッチに由来しています。

次の数字の並びをご覧下さい。

「 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233,377・・・」

このように、永遠と繰り返されるこの数列を、フィボナッチ数列といいます。この数列には特徴があり、ある数字と次に続く数字を見てみると、面白い関係にあります。

例えば、次の2つの法則です。

まず1つ目は、連続する2つの数字の合計が、次の数字になります。

1 + 2 = 3
3 + 5 = 8
5 + 8 = 13

これが、永遠と続いているのです。

そして、2つ目の法則は、限りなく次のような数字になります。

  • その数字を1つ後の数字で割ると、0.618になる。
  • その数字を2つ後の数字で割ると、0.382になる。
  • その数字を3つ後の数字で割ると、0.236になる。

この法則をそれぞれ計算すると、次のようになります。

  • 144 ÷ 233 = 0.618
  • 8 ÷ 21 = 0.382
  • 55 ÷ 233 =0.236

これは、どの数字を取っても同じようになります。そして、0.236、0.382、0.618という倍率を、「フィボナッチ比率」もしくは「黄金比率」といいます。

1.2.フィボナッチ比率は人間の心地良い心理状態を表したもの

このフィボナッチ比率は、木の枝分かれ・ひまわりの種の配列など、自然界にも見られます。また、ピラミッドやモナリザなど、多くの歴史的建造物・芸術作品にも使われています。

フィボナッチ

フィボナッチは、歴史的建造物・芸術作品にも使われていると言われている

簡単に言うと、大多数の人が見て、美しいと感じるものですね。理由として、人間が心理的に「心地が良い」とされる数字で成り立っているからと言われています。

これを、投資の世界に当てはめると、次にように考えることができます。

値動きは、世界中の投資家の思惑が入り混じっています。そして、集団心理を織り込んだチャートを、一種の芸術作品と考えると、自然の摂理やフィボナッチ比率が働きやすいといえます。

「心理的」もしくは「テクニカル的」に支持帯や抵抗帯になっているだけで、決して、フィボナッチ比率の見えない力が働いているわけではありません。

しかし、押し目や戻りポイントを推測する、ポジションを持つ、手仕舞いするなど、トレードで利益を上げるための売買根拠を求めているのは、他でもない人間です。そこに、フィボナッチ比率が働くのは、ごく自然なことであるといえます。

1.3.トレンドが発生した時こそフィボナッチ比率が働きやすい

上述した考えに基づいて値動きを予想するのが、フィボナッチを使った分析方法です。

これだけ聞いても信じられないかもしれませんが、大多数の投資家が注目するポイントでは、みんなが同じような心理状態になるため、フィボナッチ比率がとても機能しやすくなるのです。

その注目するポイントとは、「トレンドが発生した時」です。詳しくは順番に後述しますが、トレンドが発生するということは、みんなが注目して売買注文が急増するので、投資家心理が反映するのも自然な流れです。

1.4.フィボナッチ・リトレースメントがおすすめ

フィボナッチ比率は、1つのツールだけというわけではなく、様々な使い方があります。

例えば、次のようなツール(インジケータ)です。

  • フィボナッチ・ファン
  • フィボナッチ・エクスパンション
  • フィボナッチ・チャネル
  • フィボナッチ・アーク
  • フィボナッチ・グリッド
  • フィボナッチ・タイムゾーン
  • フィボナッチ・リトレースメント

この中でも、絶対に覚えておきたいのが、最後の「フィボナッチ・リトレースメント」です。

なぜかというと、最も投資家に利用されている代表的なツールだからです。そのため、フィボナッチ・リトレースメントのサポートやレジスタンスになるポイントは、より多くの投資家が見ているので売買注文が急増し、節目となることが多いのです。

つまり、このポイントを押さえれば、トレード戦略が立てやすくなることを意味します。

フィボナッチ・リトレースメントを詳しく解説する前に、他のツールがそれぞれどのようなものか、簡単に紹介しておきます。(私の経験上、フィボナッチ・リトレースメント以外はそれほど重要ではないので、下のボックスは読み飛ばしていただいて構いません。)

・フィボナッチ・ファン
ある価格からトレンドラインを引き、そのラインを割った後、次に反転するポイントをフィボナッチ数列で予想するラインです。同じ起点から、角度の違うトレンドラインを数本引くイメージです。斜めに引くラインですので、時間が経過と共にラインに当たる価格帯も変わっていきます。

・フィボナッチ・エクスパンション
トレンドの初動から反転し、トレンドが再開した時に、どこまで到達するかをフィボナッチ比率で予想するものです。トレンドは「Nの字」で動く習性があるので、最終的に到達する価格帯を図ることができます。

・フィボナッチ・チャネル
チャネルラインをブレイクした時、価格がどこまで到達するかをフィボナッチ数列で計算します。トレンドの推進波は、チャネルラインを一時的に抜ける傾向があり、予測に役立てることができます。

・フィボナッチ・アーク
時間的要素を取り入れたもので、「円弧(えんこ)」を用います。高値と安値を形成した時間に対して、この先どのあたりが時間的に支持帯・抵抗帯なるかを予測します。

・フィボナッチ・グリッド
価格的要素と時間的要素を組み合わせたもので、フィボナッチ比率をグリッド状に表示します。価格的要素が横線、時間的要素が縦線で、それぞれの線が支持帯と抵抗帯になります。

・フィボナッチ・タイムゾーン
相場が動いたり止まったりするポイントを、時間軸で計算するもの。前回の上昇トレンドはこれくらい続いたので、次はこのあたりで再度トレンドが発生する、という時間的な可能性をフィボナッチ数列で計算します。

そして、次の章から詳しく説明するのが、「フィボナッチ・リトレースメント」です。

簡単に説明すると、フィボナッチ・リトレースメントは、高値と安値の値幅にフィボナッチ比率を掛け合わせ、どこがサポートやレジスタンスになるか導き出すものです。

相場は一方向へ進む事はなく、必ず「押し目」や「戻り」を作る習性があるため、予めフィボナッチ・リトレースメントを引くことで、反転する可能性がある価格帯を予測します。ちなみに、リトレースメントとは、「引き返す」「後戻りする」という意味です。

なお、「フィボナッチ・リトレースメント」と書くと長いため、この後は全て「フィボナッチ」と表記します。「フィボナッチ=フィボナッチ・リトレースメント」と読み替えていただければと思います。

2.フィボナッチの引き方と役割

少し前置きが長くなりましたが、いよいよここから、トレードの実践で使うフィボナッチの引き方とその役割について説明していきます。

フィボナッチは、人間の心地よい心理状態を表したもの、という点を頭に入れながら読み進めると、より理解を深めていただけると思います。

2.1.フィボナッチを引き方をマスターしよう

フィボナッチは、トレンドが発生した時に機能しやすいという特徴があります。

そのため、フィボナッチは、トレンドが発生する前ではなく、トレンドが発生した後に引きます。まずは、これを確実に覚えて下さい。

実際のチャートを使って、上昇トレンドの場合のフィボナッチの引き方を見てみましょう。

まず最初に、そのトレンドの安値と高値を見つけます。次のチャートのAが安値、Bが高値です。

押し目

そして、AからBを結ぶと、フィボナッチ比率が表示されます。ここでは、AからBの値幅に対して、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%の価格帯に水平ラインが引けました。

このように、フィボナッチは、あるトレンドの高値と安値を結ぶように引きます。とてもシンプルですね。このシンプルな点も、多くの投資家に利用されるきっかけの一つです。

「23.6%38.2%50.0%61.8%76.4%」の比率に注目する

マーケットでは、トレンドが発生した後、「半値押し」「3分の1戻し」という言葉がよく使われます。それと同じ考えで、フィボナッチでは、「23.6%」「38.2%」「50.0%」「61.8%」「76.4%」の比率がとても重要視されます。

フィボナッチを使う投資家は、上の5つの比率を特に意識するため、価格がこれらの比率に近づくと、実際にサポートやレジスタンスになることが多くなります

トレードの世界で使うフィボナッチ比率は、この5つが重要なので、必ず覚えましょう。逆を言うと、この5つ以外の比率は必要ありません。

なお、フィボナッチは、ほとんどのFX会社のチャートに標準装備されています(参考:「初心者にもおすすめ!FX口座10社の長所・短所を徹底比較」)。

その上、先ほどのチャートのように、安値から高値を結んでラインを引くと、5つの比率も自然に表示されるようになっているものがほとんどなので、自分で計算して引く心配はありません

1つの例だと、まだあまりイメージができていないと思うので、別の場面で見てみましょう。

50%

Aからトレンドが開始し、Bが高値となって反落しているので、AB間を結ぶと、フィボナッチが引けます。Cでは、支持帯になっていて、反発していますね。Cのフィボナッチ比率50.0%なので、ABの値幅のちょうど半分下落した価格帯で、反発したことが分かります。

次に、同じチャートで、下降トレンドに対してフィボナッチを引いてみましょう。下降トレンドの場合は、高値から安値を結ぶように引きます。下のチャートをご覧下さい。

下降トレンド1

AB間を結ぶと、フィボナッチ比率が表示されますが、上昇トレンドの場合と数字の順番が逆になります。つまり、Cは、AB間の下落幅に対して、38.2%戻したということです。

この38.2%の戻し幅でピッタリと反発が止められ、下降トレンドが再開していますね。偶然だと思う人もいるかもしれませんが、トレンドが発生した後は、フィボナッチが機能することは多々あるのです。

フィボナッチは同じトレンドで何度も意識される

フィボナッチは、ある比率が支持帯や抵抗帯として一度機能すると、トレンドが継続する限り、その比率が何度も機能するようになります。

先ほどと同じチャートを使って説明します。

下降トレンド2

Aの高値は同じですが、Bの安値が変わっていることにご注目下さい。

下降トレンドなので、安値を何度も更新しています。そのため、起点であるAの高値は同じですが、安値圏の終点B(ローソク足の安値)は、変動していくことになります。

そして、AとBを結ぶと、今回も同じ38.2%反発したところで跳ね返されていることが分かります。ただし、今回のほうがAB間の値幅は大きくなっているので、38.2%までの値幅も必然的に大きくなっています。

このように、最初に機能したフィボナッチ比率は、そのトレンドで何度も意識されます。

先ほども述べましたが、フィボナッチが偶然機能することはありません。これが人間の投資心理というもので、これからも人の心理は変わらないといえます。つまり、過去と同様に、これからもフィボナッチは機能することを意味します。

2.2.ヒゲか実体か正確に引こうとしない

フィボナッチを引く時に、起点をローソク足の

  • ヒゲ
  • 実体

のどちらに合わせるのか、最初は迷うと思います(ローソク足については、『ローソク足の正しい見方|チャートをより深く見よう!』を参考にして下さい)。

結論からいうと、ヒゲか実体かは、どちらが正しいという正解はありません。そして、あなたが迷うということは、他の投資家も迷っているはずです。

そのため、最初から正確なフィボナッチを引こうと考えず、とりあえず引いてみることがコツです。他の投資家は、ヒゲも実体も両方引いるので、どちらも反応すると考えると良いでしょう。

例えば、安値の起点をヒゲにし、高値を実体に合わせ、ヒゲ→実体でフィボナッチを引いたとします。しかし、23.6%で反応がない時、フィボナッチが全く機能していないと決めつけて、チャート上から削除するのではなく、ヒゲ→ヒゲ、実体→ヒゲなど、色々と引き直してみて下さい。

その際のコツは、フィボナッチを引く順番のルールを自分で決めることです。

前日はヒゲ→実体を結んで引いたけど、今日は実体→実体にしてみるなど、行き当たりばったりに毎回引くのでは、本当にフィボナッチが機能するかどうか自信が持てませんよね。

そこで、必ずヒゲを起点とする、などのルールを作ることをおすすめします。なぜなら、毎回ルールを統一していると、あなたが引いたフィボナッチが機能するのか、それとも違っているのかの判断がしやすいからです。

ちなみに、私の場合は、ローソク足のヒゲ→ヒゲを最初に結ぶようにしています。

ヒゲどうしを結ぶことで、最安値と最高値の最大値幅を基準として、この値幅からどれだけ押したのか、戻したのかを判断するというルーティーンができます。

ただし、ヒゲ→ヒゲが毎回機能するわけではありません。長い下ヒゲや上ヒゲが出ると、実体の場合に比べて値幅は大きく異なるので、ヒゲ→ヒゲを引いてからヒゲ→実体などを試すようにしています。

このように、自分なりの引き方の基準を設けることにより、混乱せずに次々に考え直すことができます。ルールを決めずに、フィボナッチを引く度に時間を浪費しているのでは、いずれ引くことが億劫になり、分析も正確性を欠いてくるようになってしまいます。

そのため、あなた自身で、フィボナッチを引く順番を決めてしまいましょう。

2.3.突き抜けてしまうことも想定しておく

多くの投資家がフィボナッチを見ているというと、毎回いずれかのフィボナッチ比率で反転するものだと考えるかもしれません。

しかし、一つのテクニカルツールだけがいつも機能することはありません。そのため、想定していたフィボナッチ比率で反転せず、突き抜けることもあります。

あなたが、フィボナッチ23.6%で絶対に反転する!と思い込んで相場を見てしまうと、そうならなかった時に自信を喪失してしまいますよね。相場環境を上手く把握できないと、トレードにも悪影響を与え、良くない結果にもなりかねません。

そうならないように、フィボナッチで必ずピタリと反転するとは限らず、突き抜けてしまうことも想定しておくことが重要です。

今までと同じ、次のチャートをご覧下さい。

23.6%下抜け

AB間を結んでフィボナッチを引きましたが、23.6%下押ししたところでは反発せずに下抜けていますよね。もし、23.6%のラインにタッチした時に何も考えずに買いポジションを持つと、すぐに含み損になっていますね。

このように、フィボナッチはどんな相場でも機能するわけではありませんので、ご注意下さい。

2.4.トレンド相場で「押し目」と「戻り」を図る

ここまでの話を整理すると、フィボナッチは、トレンドが発生した時の高値と安値の値幅に対して、どれくらいの割合逆行したか(押し/戻しが発生したか)を分析する方法です。

そして、フィボナッチを使う場面をトレンド発生時に絞ることで、効果的に利用できるようになります。使うタイミングが分からないと、フィボナッチで戦略を立てることは難しくなります。

ではここで、次の新しいチャートをご覧下さい。これは、ドル/円の日足です。

ドル円日足23.6

ABで強いトレンドが発生し、Cが押し目になりました。そして、23.6%下押した箇所で下落が止まり、反発してトレンドが再開しています。このように、多くの投資家がフィボナッチで同じ価格を意識しているからこそ、買い注文が集中し、実際にその通りの値動きになるわけです。

その後は、Bの高値をブレイクしていますね。最終的に、エリオット波動に基づき、アルファベットの「N」の字を描いて価格が推移しました(参考:相場の波を徹底的に理解するためのエリオット波動理論の全て)。

トレンド発生時にフィボナッチで反発すると、相場はNの字で進むので、直近の高値を上抜ける確率が高まります。つまり、フィボナッチを活用することで、押し目を予測するだけでなく、その後の高値ブレイクまでを含めた売買戦略を立てられるようになるのです。

なぜこうなるのかは、おそらく、冒頭で説明したように、フィボナッチが心理的に「心地の良い」数字であることも理由なのかもしれませんね。ただし、多くの投資家がフィボナッチを見ているといっても、全ての投資家というわけではありません。

フィボナッチ・リトレースメントをたとえ知らなくても、今は一時的な下落で押し目を作るはずだから、いずれ上昇トレンドが再開するだろう、と考えている投資家もいるでしょう。

そして、そろそろ上昇し始めるだろう、と考えた始めた時、その価格帯が「心地の良い」フィボナッチ比率になっているとも想定できます。つまり、人間の心理的に、そろそろ相場が上昇するのではないか、と思い始める価格帯がフィボナッチに合いやすい、ということです。

3.フィボナッチの実践的な使い方

さて、ここまでは、フィボナッチとはどのようなものか、基本的な事項を紹介してきました。これから、実際に利益を上げるための使い方と、確度の高い売買戦略を解説していきます。

難しいと思うかもしれませんが、分かりやすく説明するので、付いてきて下さいね。

3.1.強いトレンドは23.6%38.2%を意識する

再度、先ほどと同じ次のチャートをご覧下さい。

ドル円日足23.6

押し目となったフィボナッチは、23.6%でしたね。この後に高値を更新し、チャートの形はNの字になりました。

このように、相場はNの字で動くことは述べましたが、レンドが強いと、23.6%と38.2%が押し目になってさらにトレンドが継続することが多くなるので、覚えておきましょう。

そうなる理由は、一時的に下落しても、早い段階で再度買い注文が入り始めるので、買いそびれたくないトレーダーが多いからだと考えられます。つまり、もっと下げるだろうと待っているうちに上昇してしまうと悔しいので、早い段階から押し目買いが入るのです。

多くのトレーダーが同じ上昇トレンド目線だと、50.0%まで下落せずに、浅い押し目の23.6%か38.2%で反発して、ぐんぐん伸びていく確率が高いのです。

3.2.長い時間軸のローソク足ほど信頼性が増す

結論から言うと、フィボナッチは、長い時間軸のローソク足ほど信頼性が増して機能しやすくなります。

例えば、極端に言えば、1分足より日足のフィボナッチのほうが多くのトレーダーが見ているので、1分足のトレンドから計算したフィボナッチより、日足のトレンドからが計算したフィボナッチのほうが意識されやすくなります。

なぜなら、長い期間のほうが、より多くのトレーダーの目にチャートがさらされ、同じフィボナッチ分析をするからです。1分足の場合は、100本分のローソク足だと、1時間40分(100分)の間でトレンドを判断しなくてはいけません。

しかし、日足の場合は、100本分のローソク足だと、3カ月以上の期間があるので、同じトレンドを見ているトレーダーの数は多くなり、フィボナッチを引いて押し目や戻りを待っている人数も多くなることは、容易に想像できますね。

改めて、先ほどと同じ、次のドル円の日足チャートをご覧下さい。

ドル円日足23.6

もし、このチャートが1分足だとしたら、1分足のトレンドを見てるトレーダーは少ない上、フィボナッチが意識されることは少ないです。しかし、日足だと、何ヶ月もかけてトレンドを形成するので、一時的な反落があった時に、より多くの投資家がこのN字を意識することになります。

もう分かりましたね。

1分足だと、トレンドが発生しても1時間後には過去の相場となっているので、時間の経過がとても早いです。そして、トレンドが発生する回数が日足に比べて多く、どこの地点を結んでトレンドを判断すればよいか迷い、正確なフィボナッチ分析ができません。

また、フィボナッチは、日足のように時間軸が長くなるほど、2章でお伝えした「同じトレンドで何度も意識される」という特徴も信頼度が増します。

これを確認するために、もう一度同じチャートをご覧下さい。Aの起点は同じですが、終点のB点は、先ほどの青い丸の箇所よりさらに高値を更新した、白い丸の箇所に移っています。

ドル円日足23.6②

このABに対して23.6%下押しした箇所が、(新しい)Cです。このように、同じトレンドでも、フィボナッチが再び機能していることが分かりますね。

ここまでの話を整理すると、フィボナッチは、起点が同じトレンドなら、高値を更新するたびに最高値から下押す比率を計算でき、何度も意識されます。そして、これは、長いローソク足の時間軸ほど機能しやすくなります。

では、同じチャートで、高値を更新するたびにフィボナッチ比率を計算したら、最終的にどうなっていたかを見てみましょう。

ドル円日足38.2

Aの起点はそのままにして、どんどん高値を更新したので、終点をBまで伸ばしました。そして、38.2%下押ししたCで反発しています。23.6%で反発し続けることはないにしても、同じトレンドでは、やはりフィボナッチが何度も機能していることが分かります。

3.3.他のテクニカル分析と組み合わせて確度を高める

フィボナッチは、他のテクニカル分析(特にライン)を組み合わせることで、より確度が高いトレードができるようになります。そのため、フィボナッチ以外に色々とラインを引いてみて、テクニカル的な根拠を見つけることが重要になります。

そして、フィボナッチによる分析とその他のテクニカル分析から導き出したエントリータイミングが重なったら、1つの根拠より自信を持って売買することも可能になります。

先ほど、同じトレンドでフィボナッチを何度も引き直すことができるとお伝えしましたが、これは、トレンドが継続していて、高値(安値)を更新していることを意味します。つまり、目立った高値(安値)がいくつもでき、トレンドラインチャネルラインも引けるようになります。

先ほどと同じチャートを使って説明してみます。

ドル円日足38.2②

このチャートでは、ABCDの高値更新の波が分かりやすく、チャネルラインを引くことができます。そして、支持帯であるEを下抜けた後、トレンドラインがFで抵抗帯になっています。

お分かりいただけましたか?

このように、フィボナッチ単体ではなく、チャネルラインやトレンドラインなどの他のテクニカル的な根拠も組み合わせて分析すると、相場の流れが把握しやすくなり、より確度が高いトレード戦略へ結びつくことになります。

3.4.比率50.0%と61.8%で反転したら高確率でトレンド転換

フィボナッチは、トレンドが強いと、「23.6%」や「38.2%」が、押し目や戻りになりやすいと上述しました。

例えば、下落トレンドから反発し、50.0%の半値まで反転する(=安値から高値までの中間地点)と、その反発はいったん終了する可能性が高いです。61.8%だと、より確率が高まります。

言葉だけでは分かりにくいと思うので、チャートを使って説明します。

ドル円4時間足トレンド出ない時

下落トレンドが終了し、安値から50.0%反発した時点のトレーダーの心理を考えてみると、次の2つが考えられます。

  • ここからまだ(一時的な反発の上昇)トレンドは継続する
  • 半分まで反転したのだから、トレンド転換し、再度下落するのではないか

しかし、安値から50.0%も反発すると、そのままトレンドが継続して一気に高値を上にブレイクすると考えるより、一時的に反落すると考えるほうが自然になります。

もう一度、同じチャートをご覧下さい。

ドル円4時間足トレンド出ない時

Aで反落しましたが、すぐに上抜け、Bで再度反落して下降トレンド再開で安値更新を目指しました。ただし、安値更新はならず、その後、陽線(黄緑色)1本でCの50.0%地点を上抜けました。しかし、Dの61.8%あたりではさすがに勢いは衰え、また反落しています。

このように、さすがに61.8%まで反発すると、トレンド転換しやすくなります。ただし、絶対に50.0%や61.8%でトレンド転換するとは限らないので、どちらに進み始みそうか分からない場合は、様子見をするのが賢明です。

3.5.指標発表後でトレンドが明確なら1分足も有効

フィボナッチは、1分足などの短い時間軸のローソク足よりも、4時間足や日足などの長い時間軸のほうが意識されやすいことは上述しました。その理由は、より多くのトレーダーがそのトレンドを見て、同じようなタイミングで売買して機能しやすいからでしたよね。

“多くのトレーダーに見られる”という観点から考えると、経済指標や要人発言のように、時間が決まっていて、かつ大きな値動きが出る大注目のイベントがある時は、多くのトレーダーがその時間帯のトレードに参加します。

また、指標発表や発言の時間は予め決まっているので、例えば、日本時間の21時30分などのような時間帯は、世界中のFXトレーダーが息を飲んで待ち構えています(参考:FXのファンダメンタル分析とは|初心者が必ずチェックすべき6つの情報)。

そして、指標発表後に実際に大きく値が動くと、トレーダーが一斉にポジションを持ちます。この時、多くの投資家が、同じチャートを見て判断を下していると考えらます。そのため。大きなイベントの直後は、たとえ1分足でも、フィボナッチが強く意識されることがよくあります。

次の、ポンド/ドルの1分足チャートで確認してみましょう。

ポンドドル1分足23.6

Aで指標発表があり、それまでもみ合いだった相場(レンジ相場)が、上昇トレンドに転換しました。上げる力が強く、明確な上昇トレンドです。しかし、Bで一時的に下落し、フィボナッチで計算したCの23.6%が押し目となりました。

このように、たとえ1分足のような短いローソク足でも、多くのトレーダーが注目するタイミングで、(上昇)トレンドが明確だと、反落しても早めに買い注文が入るため、押し目が浅くなる傾向があります。

以上のような理由で、指標発表後や要人発言後は、フィボナッチの23.6%や38.2%の押し目や戻りが意識されやすいので、覚えておきましょう。その際は、1分足を使ったスキャルピングもトレードチャンスになり、おすすめです。

3.6.サポートラインやレジスタンスラインにもなる

フィボナッチ比率のいずれかのポイントで価格が反転すると、その価格帯がサポートラインやレジスタンスラインになることがあります。そのため、再びローソク足がそのラインに接近すると、反発や反落しやすくなります。

次のチャートをご覧下さい。

1分足

高値Aと安値Bからフィボナッチを計算すると、C(23.6%)とD(8.2%)のラインが引けます。そして、Cで反落しましたが、その後、上抜けました。この時、抵抗帯(レジスタンス)となっていたCの価格帯が、今度は支持帯(サポート)に転換していることは分かりますか?

上のチャートの3つの矢印に注目していただきたいのですが、レジスタンスラインからサポートラインに役割が転換すると、Dで反落しても、Cのライン以下には下落しておらず、全て反発していますよね。

このように、フィボナッチは、サポート/レジスタンスラインとしても機能することがあります。

なお、サポートラインがレジスタンスラインに役割転換する意味がよく分からない場合は、次の記事をお読みいただくと、解消します。

≫ サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ

3.7.ラインと交差するポイントはより強い抵抗/支持帯になる

ここまでの話を整理してみます。

トレンドが発生した時にフィボナッチを引くと、押し目や戻りを図ることができます。そして、「3.3.他のテクニカル分析と組み合わせて確度を高める方法」でお伝えしてきたように、他のテクニカル分析を組み合わせると、さらに確度の高い予測が可能となります。

この項では、2つのテクニカル的な根拠である、フィボナッチとラインが交差するポイントでは、より強い抵抗帯や支持帯になるということをお伝えします。

次のチャートをご覧下さい。

トレンドラインと組み合わせる①Aの高値とBの安値を結び、フィボナッチでCの38.2%が計算できました。そして、Cが戻しのポイントとなり、Cから反落して下降トレンドが再開しました。Cで反落するという根拠は、今のところ、フィボナッチの38.2%のみですね。

正直、1つだけの根拠では、本当にCで反落するのか自信が持てません。そこで、他に根拠がないか、色々とラインを引いて探してみます。

すると、次のチャートのように、下降トレンドラインと水平ラインが引け、フィボナッチのCと交差していることに気付きます。

トレンドラインと組み合わせる②

つまり、Cでは、次の3つの(下落する)根拠が重なったことになります。

  1. フィボナッチ38.2%にあたっている
  2. 下降トレンドラインにあたっている
  3. 水平ライン(今回はレジスタンスライン)にあたっている

このように、3つも根拠が重なれば、その後の下落を高確率で予測でき、自信を持って売りでエントリーできます。根拠の数は、多ければ多いほど、確率は高くなります。

私の経験上、実際のトレードでは、フィボナッチの23.6%や38.2%が押し目や戻りポイントになるのか、それとも50.0%まで反転してトレンド転換するかは、単体で判断しようとすると精度は低くなります。

その対策として、フィボナッチ単体の判断に迷った時は、他のテクニカル的な根拠と交差するポイントを探すことをおすすめします。

3.8.前日の安値と高値を目安にフィボナッチを引いてみる

繰り返しになりますが、フィボナッチは、トレンドが一度発生すると、上下動を繰り返しながら、何日も高値や安値を更新し継続します。例えば、上昇トレンドが発生して1日が終わると、その翌日は、上昇するにしても、高い確率で押し目を作ります。

ここでは、上記の特性を利用したトレード戦略をご紹介します。

それは、トレンドが発生したら、その日の安値から高値の値幅に対してフィボナッチを引き、翌日にどの比率が押し目になるのか準備して、より的確なトレードを行う戦略です。

次の15分チャートを使って説明します。ABCの黄色い四角が、それぞれ1日分のチャートです。

日足分析①

1日の中で、どのようなトレンドが発生したのかに焦点を当てて見てみましょう。

まず、Aにご注目下さい。前半でこの日の最高値を更新しましたが、後半は下落し、上昇→下落→上昇という流れで、トレンドは発生していません。

続いて、Bをご覧下さい。1日の初めがほぼ安値となり、1日かけて上昇しています。おまけに、後半にかけては高値付近で推移しているので、上昇トレンドが継続したまま1日が終了したと読み取れます。

次に、Bの値動きを頭に入れて、Cをご覧下さい。

Cだけ見ると、前半が高くて後半のほうが安く、下げ基調に見えます。しかし、前日のBで上昇トレンドが発生していることが分かっていましたので、Cのどこかで、Bの上昇に対して押し目になる可能性があることが想定できます。

そこで、Bの安値から高値を結んでフィボナッチを引いてみます。翌日のCがどうなったのかも含めて、次のチャートをご覧下さい。

日足分析②

Aが2日目の安値で、Bは3日目につけた高値なので、この2点を結んだラインに対してフィボナッチを引きます。この際、厳密に1日の中で安値と高値を結ぶ必要はありません。なぜなら、平日の為替相場は連続性があり、1日を表した黄色い四角は、こちらの都合で引いたものだからです。

もちろん、これは結果論ですので、最初は2日目の安値と高値を結んでフィボナッチを引き、高値を更新したら、日をまたいで新たにフィボナッチを引き直す形になります。すると、Cのフィボナッチ50.0%でピタリと止まり、上昇トレンドが再開していることが分かります。

もし、前日や前々日からトレンドが継続していれば、あなたがトレードする日にたとえ下落しても、フィボナッチを使うことで、一時的な押し目として下げているだけなのか、下落トレンドに転換するのかを判断するヒントになります。

フィボナッチを使えば押し目だと判断できたのに、ローソク足の下落だけを見て買いを控えると、その後さらに上昇していくトレンドに乗ることができません。

そうならないように、フィボナッチを使う時は、1日を区切って見るのではなく、大局を見て、毎日の連続性からチャート分析をすることが重要です。その際、前日の高値と安値も目安になりますが、絶対ではないことを忘れてはいけません。

トレンドが出ているかどうか敏感に気付けるかどうかがカギを握りますので、普段からフィボナッチを引く習慣を付くことをおすすめします。

まとめ

フィボナッチを理解することは、投資家の集団心理を読むことと言っても過言ではありません。それは、ひとたびフィボナッチの使い方のコツをつかむと、確度の高いトレードが継続できるようになることを意味します。

チャートは、投資家心理が作り上げたもので、自然の摂理が働いているといえます。そのため、自然界や芸術作品にも使われているこのフィボナッチ比率で、価格が反発したり、反落することは、ごく自然なことなのです。したがって、フィボナッチは、この先も機能し続けるでしょう。

相場で勝つためには、トレンドが出ているかどうかに敏感に気付けるかどうかがカギを握りますので、普段からフィボナッチを引く習慣を付くことをおすすめします。

特に、初心者の方は、トレンドが発生したら、とにかく何度もフィボナッチを引いてみて、価格がどのように進むのかを観察していると、必ずパターンが分かってきて、トレードに自信が持てるようになります。

フィボナッチをあなたのトレードに取り入れて、テクニカル分析の幅を広げてご活用いただければと思います。

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執筆者
ぶせな

ぶせな

専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを始めて10年で1億6,500万円の利益を突破。 自身のブログ『FX億トレーダーぶせなブログ』では、定期的にトレードの損益を公開中。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』。

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