MT5とは、メタクオーツ社がリリースしているFX専用のチャートツールで、MetaTrader5(メタトレーダー5)と言います。
MT5のメリットは、インジケータの数や使い勝手において、他のプラットフォーム(土台)よりも格段に優れている点です。そのため、FXで利益を上げるなら、一度は試してみる価値があります。
そこで、この記事では、MT5のインジケータ(テクニカル指標)について、次の3つを中心に解説します。
- MT5のインジケータとは?
- インジケータの使い方
- インジケータの種類と私のおすすめ
MT4は知っているけど、MT5は使ったことがない方も、ぜひ参考にして下さい。
執筆者
ぶせな
FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。
1.MT5のインジケータの基本
インジケータとは、チャート分析をするためのテクニカルツールのことで、移動平均線やボリンジャーバンドなどがあります。そして、MT5の一番の特徴は、インジケータの数が豊富な点にあります。
早速、実際のMT5のインジケータを見てみましょう。

画面の左に、インジケータの一覧があり、赤い枠内の全てがインジケータです。
画面に収まりきらないほど、インジケータが装備されていることに驚きますね。実は、MT5には、100種類近くのインジケータが標準装備されています。
1.1.インジケータで売買タイミングが図れる
それでは、約100個のインジケータで、何ができるのでしょうか?
FXで利益を上げるには、トレードルールを作る必要があります。そのルールを作る上で、これらのインジケータが非常に役に立ちます。
これらのインジケータを使ってテクニカル分析することで、「これから相場が上にいくのか、それとも下へいくのか」が予測できるようになります。
そして、予測に大切なのが、「いつから上昇、もしくは下落するのか」です。インジケータを使えば、そのタイミングを計ることも可能です。
つまり、インジケータは、トレードルールを構築するために必要なツールということです。MT5のインジケータに限ったことではありませんが、インジケータを使いこなすことで、トレードで大きな利益を上げることが可能になります。
1.2.インジケータは全て無料で使える
MT5のインジケータは、MT5のプラットフォームをダウンロードすると使えるようになります。その際、デモ口座(チャートのみの口座)、リアル口座(チャートに加えて発注ができる口座)のどちらでも構いません。ダウンロードさえすれば、約100種類のインジケータが使えます。
なお、MT5は、口座開設すれば、全てのインジケータが無料で使えます。ただし、MT5がダウンロードできる業者は国内にはなく、海外の業者に限るので、注意が必要です。
2.MT5のインジケータの使い方
それでは、実際にMT5のインジケータを使ってみましょう。
MT5でインジケータを使う方法は、次の2種類あります。
- 標準装備のインジケータを使う
- 外部からインストールして使う
順番に説明していきますね。
2.1.標準装備のものを使う方法
標準装備されているインジケータを使うには、チャートを開いてから設定します。
設定する手順は、次の通りです。
まず、MT5を立ち上げたら任意でチャートが開きますので、それぞれのチャートの右上のバツ印をクリックして全て消します。

チャートが全て消えたら、①表示をクリックし、②気配値表示を選択します。

すると、左側に「気配値表示」が出てきます。これは、通貨ペアのことです。この状態で、チャートを開きたい通貨ペア上で右クリックをし、「チャートウィンドウ」を選択すると、チャートが出ます。

ただし、最初はローソク足ではなく、バーチャートになっています。そのため、上のメニューから①ローソク足にし、チャート上で右クリックして、②グリッドを無しにしましょう。

なお、ローソク足の種類やグリッドの有無は、あくまでも好みです。好きな設定で構いません。
次に、いよいよインジケータを選択します。インジケータが左側に出ていない場合は、下図①②の手順で、ナビゲーターを表示して下さいね。

インジケータが表示されたら、使いたいインジケータをダブルクリックして下さい。すると、チャート上に、そのインジケータが表示されます。
2.2.外部からインストールして使う方法
MT5のインジケータは約100種類と豊富なので、トレードで利益をあげるにはこれで充分です。しかし、MT5に、自分で作った「カスタムインジケータ」が使える点に特徴があります。そして、もし使いたい場合は、インジケータのソフトウェアをセッティングする必要があります。
ここでは、『MT5でFX』というサイトから、インジケータをダウンロードしてセッティングする手順を解説します。ちなみに、このサイトには様々なインジケータが用意されているので、時間がある時に覗いてみて下さいね。
それでは、MT5のインジケータのダウンロード方法を見ていきましょう。
ダウンロードしたファイルをPCの任意の場所(デスクトップなど)に保存したら、次の順番でMT5にインストールします。
①左上のファイルを選択
②データフォルダを開く
③MQL5を選択

③でMQL5をクリックすると、「Indicators」というフォルダがあるので、ダウンロードしたインジケータをこの中に保存します。
次に、MT5を一度消し、再起動させます。ここが肝心です。
これで、MT5のインジケータをMT5に取り込むことができました。ナビゲータのインジケータ一覧に、ダウンロードしたインジケータがあることをご確認下さい。
なお、MT5のインジケータのダウンロード方法は、MT4と同じです。詳しくは、『(MT4の)インジケータを外部からダウンロードする方法』でも解説しているので、もし先ほどの説明で分からなければ、参考にして下さい。
2.3.インジケータのアンインストール方法
使わなくなったインジケータをアンインストールしたい時は、「Indicators」のフォルダ内にあるソフトを削除します。手順は、次の通りです。
チャート左上の「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL5」→「Indicators」
この「Indicators」の中のソフトを削除し、一度、MT5を消してから再起動すると、インジケータがアンインストールされます。
3.MT5のインジケータの種類と私のおすすめ
インジケータに使い方が分かったところで、実際に使ってみましょう。しかし、どのインジケータを使ったらいいか最初は分かりませんよね。そこで、インジケータにはどんな種類があり、初心者にとってどれがおすすめなのかをお伝えします。
まず、MT5に装備されているインジケータの種類は、4つあります。
- トレンド系
- オシレータ系
- ボリューム系
- ビルウィリアムス系

一般的に、インジケータには「トレンド系」と「オシレータ系」に大別されます。実際、この2つを理解して使い分けれれば、テクニカル分析をするには充分なので、ご安心下さい。
なお、MT4を含め、国内のFX会社は、このトレンド系とオシレータ系の2つのインジケータだけを装備している業者がほとんどです。しかし、MT5は4つに分けており、それだけインジケータが充実しているということが分かります。
一つ一つ解説していきます。
3.1.トレンド系
トレンド系のインジケータは、価格が上昇するとインジケータも上昇し、価格が下落するとインジケータも下落していきます。トレンドと同じ方向へ動くため、一目で相場の流れを把握することができます。視覚的に捉えることができるので、便利です。
なお、私がトレンド系でおすすめするインジケータは、次の4つです。
私は、スキャルピングとデイトレードを得意としており、順張りと逆張りの両方します。そして、どちらの手法でも、トレンドの向きを重要視しています。そのため、おすすめのインジケータは、結果的にトレンド系が多くなります。
なお、実際のトレードでは、4種類(トレンド系、オシレータ系、ボリューム系、ビルウィリアムス系)をチャートに表示するのは、複雑すぎて現実的ではありません。1つ、もしくは2つが現実的です。
まずは、私の真似からでも構いませんので、まずは使ってみて、色々と試していく中で、自分に合ったインジケータを決めると良いでしょう。
3.2.オシレータ系
オシレータ系のインジケータは、買われ過ぎor売られ過ぎを視覚的に捉えるものです。0~100といった決められた水準で上下動するため、相場の強さが把握できます。
私のおすすめのオシレータ系のインジケータは、次の2つです。
オシレータ系は、チャートの下部に表示させるものが多く、見にくくならないので、トレンド系のインジケータと組み合わせやすいのも特徴です。
3.3.ボリューム系
ボリューム系は、売買高を表すインジケータです。売買が活発だと、それだけ相場参加者が多いことを意味します。売買が多くてトレンドが発生すれば、そのトレンドは継続する信頼度が高くなります。
ただし、売買が活発であるからといって、トレンドが発生するわけではないので、注意が必要です。トレンド発生後の、高値圏や安値圏でも売買は活発になりやすいです。この場合、逆にトレンドが転換することを示唆します。
詳しくは、『トレンドラインの役割と正しい引き方を初心者にもわかりやすく解説』を参考にして下さい。
3.4.ビルウィリアムス系
ビルウィリアムス系は、ビルウィリアムスというトレーダーが作成したインジケータです。
相場はフラクタル構造(雪の結晶のような形)であることや、投資心理の重要さを取り入れたものです。ちょっと難しいので、興味がある方は、『「フラクタル構造」とは?FXで複数時間足チャートを使いこなす方法』を参考にして下さい。
まとめ
MT5は、インジケータの種類が豊富で、テクニカル分析に最適なプラットフォームです。難しい操作もなく、慣れてしまえば、その便利さに驚くでしょう。
使いこなすコツは、メジャーなトレンド系とオシレータ系のインジケータから使うことです。
他の人が使っていないインジケータで勝ちたくなる気持ちもありますが、まずはメジャーなインジケータから初めましょう。なぜなら、メジャーということは、シンプルで見やすい、機能しやすいなど、それなりに理由があってメリットのほうが多いからです。ぜひ、お試し下さい。