駐車場経営の初期費用の項目と相場目安の一覧とまとめ

駐車場経営(コインパーキング)に必要な初期費用はいくらぐらいなのでしょうか。ここでは、その項目と目安となる相場価格を紹介します。そして、私が実際に経営している駐車場を例に、その駐車場では、初期費用がいくらかかったかを解説します。

先に答えを言っておくと、初期費用の項目や相場はあるにはありますが、それをどれぐらい負担するのかは、駐車場会社との話し合いで決めていきます。ここでは、そうした点についても踏み込んで解説していきます。

執筆者
横山篤司

横山篤司

不動産オーナー経営学院代表理事兼学長。 宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。父の代で相続争い、不動産売却が続き、10年前より残された数名の従業員と共に築40年を超えたビルや空き家の再生に取り組む。ニューヨーク留学帰国後、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産経営を学び、家業再生に活かしたことで本社建替え、借金も数年で完済することに成功。現在は東京・名古屋でビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

1. 駐車場経営にかかる初期費用の項目と相場一覧

駐車場経営(コインパーキング)をはじめる時に必要な初期費用は、大きく分けて3つあります。

  • 土地整備費
  • 看板設置費
  • 機器・工作設置費

細かい費目の一覧と相場の目安は以下の表の通りです。

先にお伝えしておきますと、これらの費用は、全て土地オーナーが負担するわけではありません。土地整備費と、機器・工作設置費は、駐車場会社と話し合いながら、どちらがどれだけ負担するかを決めていきます。看板設置費については、基本的に駐車場会社が負担します(駐車場を自主運営する場合は別)。そのため、初期費用に関しては、駐車場会社としっかり交渉することが重要、ということを押さえておきましょう。

土地整備費一覧
費目 費用 概要
残置物撤去費 実費 残置物がある、基礎杭が埋まっている、雑草が生えている場合
整地費用 1500円/㎡ ~ 掘削、砂利敷、転圧。防草シート込み。(深さ10cm)
舗装費用    
 a. 未舗装 2万円 ~ 駐車マスを区画するのみ(主に月極め)
 b. コンクリート舗装 5000円/㎡ ~ 初期費用が高く、耐久性20年程度で要補修(深さ10cm)
 c. アスファルト舗装 3000円/㎡ ~ 初期費用が安く、耐久性10年程度で要補修(深さ5cm)
ライン引き 5000円/台  
車止めブロック 6000円/一箇所 一箇所当たり2つ
側溝敷設(排水) 実費 必要であれば。
重機運搬費用 5万円 ~ /回  
看板設置費一覧
費目 費用 概要
料金案内看板代 10万円 大きさ、高さによります。
約定看板代 2万円  
満室表示機 20万円 電源引き込み工事含む
電飾看板 必要数に応じて  

※駐車場会社によって大きく異なる場合もあります。見込み売上と初期費用のバランスを考えて交渉していきましょう。

機器・工作設置費の一覧
費目 費用 概要
監視カメラ 1台万円~ 月5000円程度でリースもあり。
フェンス 2万円/m ~ 土台ブロック込、高さ60cm。
場内照明 1基3万円程度  
料金精算機 1台65万円 詳しくは見積で。
精算用雨除けテント 9万円  
フラップ板 13万円/台  

※これらの設置工事費用は高く見積もられる場合も多いため、見積もり比較と交渉が重要です。

2. 私のコインパーキングでかかった実際の初期費用

ここからは、実際の事例を見て、駐車場経営には、どれぐらいの初期費用がかかるのか、もっと詳しく理解していきましょう。私が経営している駐車場の一つに、次の画像のものがあります。

一つの駐車場の中に、9台のコインパーキングスペースと、5台の月極めスペースがある、というものです。もちろん、駐車場の広さによって規模感は異なるので、目安としてご覧ください。

結論から言うと、この駐車場にかかった初期費用は400 ~ 450万円でした。なお、この駐車場は、マーケット調査や収支計算を行なった結果、「共同運営方式」で運営しています。費用負担は、どの方式を選ぶかで、オーナーと駐車場会社間の配分が異なります。

一般的には、借り上げ方式で駐車場経営を始められる方が多いと思います。いずれにせよ、運営方式を決めるには、駐車場会社と打ち合わせを重ね、それぞれの方式で、収支がどうなるかのリサーチを徹底することが重要です。詳しくは「駐車場経営で成功するためのノウハウまとめ」をご覧ください。

さて、この駐車場でかかった初期費用の内訳は次の通りです。

  • 土地整備費用:合計約150万円
  • 看板費用:合計約100万円
  • 設備費用:合計約200万円

それぞれ見ていきましょう。

2.1. 土地整備費用の内訳

費目 費用 備考
舗装 135万円 アスファルト舗装
ライン引き 4.5万円 5,000円/台 × 9カ所
車止めブロック 10.5万円 6,000円/1個(1箇所2つ)
フェンス 設置済み オーナー負担
合計 150万円  

〈アスファルト舗装を行い、ライン引いたうえで車止めブロックを置いていく様子〉

駐車場の土地については、以下の3つの選択肢があります。

  • 未舗装のまま
  • アスファルト舗装
  • コンクリート舗装

月極駐車場であれば、未舗装のままでも大丈夫な場合も少なくありません。しかし、コインパーキングは、私は必ずアスファルト舗装以上にしています。この費用に関しては、駐車場会社からは「アスファルト舗装まではオーナー負担が通例」という話をされると思います。

2.2. 看板費用の内訳

費目 費用 備考
料金案内板と誘導看板 50万円 3ヶ所
約定看板代 5万円 1ヶ所
満室表示器 20万円 1ヶ所+電気工事
看板照明 25万円 3個×2ヶ所+電気工事
合計 約100万円  

〈料金案内板と誘導看板を設置している様子〉

看板は、主に3種類あります。

  • 料金案内版
  • 誘導看板
  • 満室表示器

これらを、どこにいくつ、どのようなサイズで設置するかによって、料金はもちろん異なります。

今回は、最終的に、その方が利益を高められると判断して、駐車場との契約方式として「共同運営方式」を選択しました。そのため、これらの費用は全て私が負担しました。しかし、借り上げ方式の場合は、看板設置費等は、駐車場会社に負担してもらうことをおすすめします。

2.3. 機器・設備費用の内訳

費目 費用 備考
監視カメラと照明 10万円 2台 + 設置工事
場内照明 15万円 3ヶ所 + 電気工事
料金精算機 65万円 1台
精算用雨よけテント 屋内にあるためなし オーナー負担
フラップ板 120万円 1つ13万円 × 9台
合計 約200万円  


〈監視カメラと照明およびフラップ板と料金精算機〉

駐車場の設備機器は、駐車場会社によって初期費用が大きく異なることがあります。

収支計算を行った上で、初期投資と収入のバランスから判断しなければ、たとえ駐車場会社が借上げ賃料を高く設定してくれたとしても、投資したお金の回収が進まないということもありえます。ここでは駐車場を運営するうえで一番気を付けていきたいところですし、正直な話、経験も重要になってきます。

3. まとめ:あなたも駐車場会社も儲かることが重要

駐車場経営(コインパーキング)を行う上で、一概に、「初期費用はこれだけかかる」と言えるものではありません。駐車場会社とのやりとりによって、大きく異なってきます。

大切なのは、次の順序を守った上で、どこまでかけられるかを逆算することです。

  • 売上予測はいくらか?
  • その売上予測から見て最適な初期投資額はいくらか?
  • 売上から経費を引いた利益はいくらになるか?

経費については、「駐車場経営にかかる経費一覧」と「駐車場経営にかかる税金一覧」を参考にしてください。ここから、駐車場経営から目指す収入を得るには、どれぐらいの売上と、どれぐらいの経費で考えれば良いかを明確にしておきましょう。

そして、駐車場会社との交渉においては、重要なのは、オーナーであるあなたも、駐車場会社も満足のいく売り上げがあがる水準を、話し合いの中から探していくことです。駐車場会社にとってもメリットがあり、あなたにとってもメリットがある方向であれば、費用負担話にタブーはありません。

話し合いの中で、気になる点があれば、しっかりと突っ込んで聞いて、様々な条件を、いちいち一緒に検討して、こちらからも色々な角度から提案して、双方に最適な水準を見つけていきましょう。

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