駐車場経営で収入を最大化するための知識と方法まとめ

このページに来られたあなたは、次のような想像をしたことがあると思います。

  • 駐車場経営で収入が得られたら…。
  • 駐車場で修繕のことも気にせずに、楽しく安心して生活ができたら…。

確かに、空き地や遊休地は駐車場にすることで、十分な収入を得られる可能性があります。また、既に駐車場を経営していて今の収入をさらに増やしたい、土地を売りたくない、など様々な理由があると思います。

理由がなんであれ、駐車場経営というと、みなさんは、ある程度賃料相場があって、計算に見合いさえすれば、簡単に収入にすることができると考えているかもしれません。実際、大雑把な相場を出している素人さんも存在します。

しかし、駐車場の賃料相場はありそうで「ない」というのが現実です。なぜなら、それらは駐車場タイプの選択や、駐車場利用者との契約条件の選択、他、外部条件などで、大きく変わるからです。

私は10年前、不動産の投資銀行に勤めておりました。そこでは全国で何百件という不動産を管理する投資運用部に所属しており、日々、様々な不動産に関する市場調査や運用を行っていました。

その仕事のなかでは、全国の駐車場もたくさん運用を行っておりました。

今では3つの駐車場を運営していますが、これまでの多くの経験を活かして運用をすることで、聞いたらびっくりする方もいるぐらいの収入を得ることができます。ただし、駐車場経営の基本を知ることで、誰でも収入を増やすコツをつかむことができます。

そこで、ここでは、その基本であり、同時にもっとも重要な、駐車場経営における収入アップのための知識と方法を解説します。

執筆者
横山篤司

横山篤司

不動産オーナー経営学院代表理事兼学長。 宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。父の代で相続争い、不動産売却が続き、10年前より残された数名の従業員と共に築40年を超えたビルや空き家の再生に取り組む。ニューヨーク留学帰国後、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産経営を学び、家業再生に活かしたことで本社建替え、借金も数年で完済することに成功。現在は東京・名古屋でビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

1. 駐車場収入を増やす鍵は稼働率

駐車場から収入を得るためには、まず、「月極駐車場」か「時間貸し駐車場」のどちらかの運営方法を選択します。両方を組み合わせることもできます。例えば、以下は、左側のオレンジ枠で囲われた部分が月極め駐車場で、それ以外は時間貸し駐車場で経営しています。

ここでみなさんに質問です。月極駐車場と時間貸し駐車場のどちらの方が収入が高いと思いますか?

時間貸し駐車場(コインパーキング)と答える人の方が多いかもしれません。しかし、そうとは限りません。なぜならば、駐車場経営は「稼働率」が決め手だからです。

例えば、私が郊外の駐車場でよく使っていたテクニックに「専用駐車場」があります。これは、昼間は近隣の商業店舗へ専用駐車場として貸して定期収入を得て、夜間は夜間最大料金を設けて住民向けに開放するといった二毛作の経営方法です。

これなら、表通りから駐車場が目立たなくても、店舗のための専用駐車場という切り口でお客さんを呼び込むことができますし、夜間にも収入源を確保することができます。つまり、時間帯によって駐車場の運営方法を変えることで稼働率が高くなるのです。そして、稼働率が高くなれば駐車場収入も高くなります。

これは私が駐車場会社と共に戦略を立てているからこそ分かることです。駐車場の収入は待っていても増えることはありません。そこで、駐車場の収入を増やすための戦略について具体的に解説していきます。

1.1. 稼働率とは

稼動率には2種類の計算方法があります。

  • 時間単位での稼働率:1日に駐車されていた時間÷24時間
  • 売上単位での稼働率:実際の売上高÷すべてが常時埋まった場合の売上高

最終的に稼働率と収入割合の組み合わせを考える場合は、駐車場会社からの「月報」を基にして、どの時間帯にどんな方法で貸すかという戦略を立てることが重要です。

たとえば駐車場の利用者の多い時間帯は、「時間貸し駐車場」として貸し、利用者が少ない時間帯は、「時間貸し+最大料金を設ける」、あるいは「月極駐車場+契約駐車場(後述します)」などで稼働率を底上げすることができます。このような戦略を立てるためには、稼働率の計算方法を知っておくことが基本となりますので必ず覚えておいてください。

1.2. 時間単位の稼働率

時間単位の稼働率 = 1日に駐車されていた時間 ÷ 24時間

この計算方法では、現在の駐車場貸しの設定条件で、1日1台当たりに駐車されていた時間が何時間であるかを計ります。この計算式で、全ての駐車スペースの稼働率を平均したものが、駐車場全体の時間単位稼働率になります。

時間単位の稼働率が高いということは、それだけ駐車場に車が駐車されている時間が長いということなので、特に時間貸し駐車場の経営状況を評価するには必須だと言えます。

ここで、注意しておきたい主なポイントは次の通りです。

  1. 1日の中で利用者が集中し満車状態になる時間帯はそれ以上稼働率が上がらない。
  2. 駐車場の料金設定が高いなど、設定条件が間違っていると稼働率が下がる。
  3. 駐車場を利用する人のターゲットが間違っていると稼働率が下がる。

例えば、満車状態が続いているなら、駐車料金の値上げや、レイアウトを変更して駐車できる台数を増やせいないかと考えることができます。逆に、駐車場の料金設定が高過ぎると稼働率が下がるので値下げを考えることができます。もちろん、当初想定していたターゲットが間違えていると稼働率は低くなります。

1.3. 売上単位の稼働率

売上単位の稼動率 = 実際の売上高 ÷ すべてが常時埋まった場合の売上高

この計算方法では、現在の駐車場貸しの設定条件で、実際の1日の売上高が、すべての駐車場が埋まった場合の売上高に対してどの程度達成しているかを計ります。

売上単位稼働率が高いということは、その駐車場で得られる最大売上に近付いているということなので、それだけ売上効率が良いということです。

ここで注意したい主なポイントは次の3つです。

  1. 最大料金を設けると売上の上限値が下がる。
  2. 駐車場貸しの料金設定を上げると最大の売上高も上がる。
  3. 駐車場を利用する人のターゲットが間違っていると稼働率が下がる。

売上単位稼働率の計算式の分母は、現在の設定条件ですべてが常時埋まった場合の売上高なので、最大料金を設けたり、設定料金を変更すると変動します。時間単位稼働率と同様、ターゲットを間違えると売上単位稼働率は低くなってしまいます。

それでは、ここから実際に駐車場収入を増やすために知っておくべきことを解説していきます。とはいっても全く難しいことはありません。結局、稼働率を上げるには、

  • 適切な駐車場タイプを選択する
  • 駐車場利用者との適切な契約方式を選択する

の2点に尽きます。これ以外にも、目立つように看板を設置したり、駐車場のレイアウトを考えたりなどはありますが、それは駐車場会社もノウハウを持っていますし、この2点と比較すると影響は小さいです。そのため、駐車場収入を増やすには、この2点に絞って考えれば良いです。

それでは見ていきましょう。

2. 駐車場タイプの特徴を選択する

駐車場タイプには、月極と時間貸しがあり、特徴をまとめるとこのようになります。

  初期投資 利回り 収入リスク 運営費 回転率
月極駐車場 低いと良い
時間貸駐車場 高いと良い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2.1. 月極駐車場の特徴

月極駐車場は、月単位で駐車場を貸すことです。住居用の車庫や商業用の専用駐車場が主な運営方法です。

初期投資が低いですが、収入はさらに低いため、利回りは低くなります。ただし、収入が入らない無収入期間の日数が少ないため収入リスクもそれほどではありません。運営費もさほど必要ないため、管理も楽ですし、時間貸し駐車場の利用者が少ない地域では、一度月極駐車場にしてしまえば収入は少なくても安定した運営ができます。また、月極駐車場は収入が少ないとはいえ、場所によっては、時間貸し駐車場の収入を上回る場合もあります。

月極めにするにせよ時間貸しにするにせよ、駐車場会社に見積もり依頼をするとマーケット調査を行って、どちらの方が良いのか、提案をしてきますので、複数社に見積もりを出して比較することが重要です。

駐車場経営で成功するために必ず抑えておくべきノウハウまとめ』でも解説している通り、駐車場経営は、この見積もりのときに成否がほぼ決まります。ぜひ目を通してみてください。

2.2. 時間貸し駐車場の特徴

時間貸し駐車場は、時間単位で駐車場を貸すことです。コインパーキングが主な運営方法です。

初期投資は高いですが、収入は戦略次第でかなり高くなるため、利回りは高くなります。ただし、収入が入らない無収入期間が発生するなど収入リスクは高く、積極的に運用したい人に向いています。運営費は運営方式次第でかかります。集客施設が近くにある、一定のお客さんが見込める駅に近い等であれば、さらなる収入が見込めます。

以上が、月極と時間貸しの違いです。最初に、自分の土地に適したタイプを選ぶのが何よりも重要です。

その上で、冒頭の画像のように、稼働率をあげるために、「月極駐車場 + 時間貸し駐車場」というように組み合わせることもあります。しかし、最初から売上や収入を最大化するベストな答えを見つけることは困難です。毎月の月報などの判断材料と照らし合わせながら、駐車場会社と共に戦略を立てているからこそ分かることもありますので、待ちの姿勢ではなく、積極的に収入の改善に通り組んでいきましょう。

3. 駐車場利用者との契約条件を選択する

駐車場の運営タイプを決めたら、次は駐車場利用者と契約をする条件について考えていきましょう。

契約では、主に、

  • 駐車場所の指定はあるか
  • 時間帯はいつか
  • 利用方法に条件や制限はあるか

等を決めていきます。ここの決め方も、駐車場収入に非常に大きく影響するので、しっかり考えて決めていきましょう。

3.1. 月極駐車場の契約条件

月極駐車場は、駐車場利用者に月単位、曜日単位、昼夜単位など様々な時間帯を選択してもらう契約方法です。

[月極駐車場の契約方法]

  1. 場所指定を選択
     ・月単位で場所指定型
     ・月単位で場所未指定型
  2. 時間帯を選択(場所未指定型の場合)
     ・全日定期
     ・全日昼間定期
     ・平日定期
     ・平日夜間定期
     ・マンスリー

解説しますね。

まずは主に2つのパターンが考えられます。

1つは、駐車場の場所を指定して、一人に貸すパターンです。こちらは分かりやすいですね。

もう1つは、駐車場の場所を指定せずに、複数人に貸すパターンです。これは、たとえば、事務所や商業のテナントがお客さん向けに「専用駐車場」を設ける場合です。駅前などの商業密集地では駐車場を借りることが困難なため、ひとつのタワーパーキングに複数の契約者が同時に借りることがあります。大手家電量販店や飲食店などでは日常的に行われている契約方法です。以下の画像のようなものですね。

なぜこのような契約方法があるかというと、多くのお客さんが集まる集客施設では、駐車場付置義務(ちゅうしゃじょうふちぎむ)という建築基準法の制度があるからです。これは、一日ウン百人の集客が見込まれる事務所や店舗には、最低〇台の駐車場を確保しなければならないという法律のひとつです。

また、タワーパーキングのような車庫にそれぞれ契約者番号がない、いわゆる場所未指定の駐車場は、複数の契約者と同時に月極契約をすることができるため、最大稼働率が100%を超えることもあるというのが特徴です。

3.2. 時間貸し駐車場の契約条件

時間貸し駐車場は、時間単位で駐車場を貸します。駐車場利用者との契約については、24時間以内に利用できるものに限る方法です。

[時間貸し駐車場の契約方法]

  1. 場所指定のみ
  2. 時間帯を選択
    ・〇分〇〇円(時間単位)
    ・平日最大〇〇円(最大料金あり)
    ・夜間最大〇〇円(最大料金あり

時間貸し駐車場は、24時間以内に駐車場として利用者に貸す契約方法です。24時間を超えると最大料金の適用に加えて、新たに駐車料金が課金されます。

これだけでも、どれだけ選択肢が多く、これらがどれだけ収入に影響するかが分かると思います。

突き詰めていくと、たとえば駐車場の利用者の多い時間帯は、「時間貸し駐車場」として貸し、利用者が少ない時間帯は、「時間貸し+最大料金を設ける」、あるいは「月極駐車場+契約駐車場(後述します)」など、様々な契約条件を組み合わせて稼働率を底上げしていくことになります。

また、盲点となっていた契約条件を導入することで、駐車場収入が大きく増えるということも多々ありますので、駐車場会社とよく話し合ったり、経験のある専門家に相談したりして、もっとも良い契約条件を模索して行きましょう。

4. まとめ

私は、駐車場経営のみならず土地活用について、10年前、不動産の投資銀行に勤めていたときに、多くのことを学びました。

投資銀行では、全国で何百件という不動産を管理していました。中には、地方にある駐車場が付随する物件やロードサイド立地の不動産もたくさんありました。

その経験からいいますと、駐車場経営は、駐車場会社に任せておけば安心というわけではありません。駐車場会社と一緒になって、定期的に、賃料や条件の見直しを行うことで、はじめて収入を上げることができるからです。

また、今では個人の地主さんとも定期的な打ち合わせを行い、賃料収入の見直しや、新たな不動産の土地活用を行っています。そこで気づいたことは、小さな街の変化や、周辺の開発などによって、賃料の相場は大きく変わることがあるということです。

そうしたさらに詳しいことをお伝えするために、次回は、参考に、私自身が経営する駐車場の実践的な「コインパーキングの投資」ノウハウも紹介します。

ぜひみなさんも駐車場の収入について徹底的に攻略してみてください。

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