駐車場経営における利回り(収入と費用)の計算方法まとめ

駐車場経営を考える上で気になるのは利回りでしょう。

利回りを計算するには、駐車場経営から得られる売上や、費用の詳細を把握する必要があります。そこで、まずは、それらの計算方法について解説したいと思います。

そして、利回りを計算する上で、知っておきたい「稼働率」という考え方にも触れます。稼働率は、利回りの計算だけでなく、駐車場経営を改善して、利回りを向上させるためにも有効な指標ですので、ぜひ押さえておきましょう。

また、最後に、「平均利回り」というものに対して持って頂きたい考え方も解説します。シンプルですが重要なものばかりなので、ぜひ、しっかりとご覧いただければと思います。

執筆者
横山篤司

横山篤司

不動産オーナー経営学院代表理事兼学長。 宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。父の代で相続争い、不動産売却が続き、10年前より残された数名の従業員と共に築40年を超えたビルや空き家の再生に取り組む。ニューヨーク留学帰国後、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産経営を学び、家業再生に活かしたことで本社建替え、借金も数年で完済することに成功。現在は東京・名古屋でビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

1. 駐車場経営における利回りとは

利回りには2種類あります。

  • 表面利回り
  • 実質利回り

それぞれ見ていきましょう。

1.1. 表面利回りとは

表面利回りとは、単純に、年間収入を初期費用で割ったものです。

表面利回りの計算式
表面利回り(%) = 年間収入 ÷ 初期費用 × 100

実質利回りよりも簡単に計算できますが、現実の利回りよりも高い値になってしまいますので、表面利回りを収支計算に適用することはできません。主に、物件のラフな比較の時に使います。

なお、駐車場経営における初期費用は、主に次の通りです。

  • 土地整備費
  • 看板設置費
  • 機器・工作設置費

詳細は、「駐車場経営の初期費用の項目と相場目安の一覧とまとめ」でご確認ください。また、もし、土地購入から駐車場経営を始める場合は、土地購入費用も初期費用に含める必要があります。「駐車場経営を土地購入から始める時の土地の探し方や購入の注意点」も参考にして頂ければと思います。

1.2. 実質利回りとは

実質利回りは、計算の中に、費用を含めたものです。

実質利回りの計算式
実質利回り(%) = (年間収入 – ランニングコスト) ÷ 初期費用 × 100

こちらの方が、現実により近い数字になります。なお、駐車場経営におけるランニングコストは、主に、

  • 運営費用
  • 税金

があります。「駐車場経営を始める前に把握しておくべき経費の一覧と目安まとめ」と「駐車場経営のための税金の一覧まとめと賢い攻略方法」で確認しておきましょう。

注意!

投資不動産関連サイトを見ると、必ず利回りが表示されていますが、駐車場経営において、そうした数字を素直に信じてしまうのは良くありません。なぜなら、ほとんどの場合、それらの利回りは駐車場が常に満車だった場合を仮定して計算されているからです。

しかし、普通に考えて、月極駐車場にしろ、コインパーキングにしろ、常に満車なんてことはありません。そこで、駐車場経営の収入予測をする時は、この計算に「稼働率」を組み込む方法があります。

2. 稼働率とは

稼動率には2種類の計算方法があります。

  • 時間単位稼働率:1日に駐車されていた時間÷24時間
  • 売上単位稼働率:実際の売上高÷すべてが常時埋まった場合の売上高

それぞれ見ていきましょう。

なお稼働率は、駐車場経営の収入を最大化する時にも重要です。それは、「駐車場経営で収入を最大化するための知識と方法まとめ」で解説しています。

2.1. 時間単位稼働率とは

これは、想定する駐車場の設定条件で、1日あたりに平均して何時間、駐車されていたかを示すものです。

時間単位稼働率の計算式
時間単位稼働率(%) = 1日に駐車されていた時間 ÷ 24時間 × 100

時間単位の稼働率が高いということは、それだけ駐車場に車が駐車されている時間が長いということです。これは特に時間貸し駐車場(コインパーキング)の経営数値を計算するには必須だと言えます。

2.2. 売上単位稼働率とは

これは、想定する駐車場の設定条件で、実際の一日の売上高が、全ての駐車場が埋まっていた場合の売上高と比べて、どの程度かを計るものです。

売上単位稼働率の計算式
売上単位稼働率(%) = 1日当たりの実際の売上高 ÷ 全て常時埋まった場合の売上高× 100

分母が現在の設定条件ですべてが常時埋まった場合の売上高なので、最大料金を設けたり、設定料金を変更すると変動します。月極駐車場の経営数値を計算するには、この売上単位稼働率を使えば良いでしょう。

3. 利回りの計算に稼働率を組み込む

ある程度正確な利回りを計算するには、その計算式の中に稼働率を組み込む必要があります。次のように計算しましょう。

3.1. 時間貸し駐車場の利回り計算

時間貸し駐車場の利回りの計算式
実質利回り(%) = (満車時の年間収入 × 時間単位稼働率 – ランニングコスト) ÷ 初期費用 × 100

3.2. 月極め駐車場の利回り計算

月極め駐車場の利回りの計算式
実質利回り(%) = (満車時の年間収入 × 売上単位稼働率 – ランニングコスト) ÷ 初期費用 × 100

4. まとめ:駐車場経営の平均利回りは?

駐車場経営を考えている新人の土地オーナーさんと話すと、よく、「駐車場経営の平均利回りはどれぐらいなのですか?」というような質問を頂きます。

平均を聞きたくなってしまうのは人情ですが、私がお伝えしたいのは、駐車場経営において、積極的に利回りを上げていこうという努力をされている方が少ないということです。利回りは経営努力で大きく改善していくことができます。

例えば、以下の画像は、私が実際に経営している駐車場の一つです。

この駐車場の売り上げの推移は次の通りです。

  • 2014年:2,344,600円(月平均19.5万円)
  • 2015年:3,006,900円(月平均25万円)
  • 2016年:2,800,000円(月平均23万円)
  • 2017年:3,779,200円(月平均31.5万円)
  • 2018年:1,177,600円(月平均37万円)《3月まで》

これに加えて、月極駐車場5台で10万円/月と、駐車券3万円/月の売上もあります。この駐車場の経営は2014年から始めたのですが、最初は利回りが低く、どうしようかと頭を悩ませていました。そこから、専門家や業者とも相談しながら、利回りを改善していき、現在では、年間利回りに換算すると70%に迫るまでになっています(最初3年間は約38%)。

これについては、『コインパーキングに必要な初期投資と期待できる利回りの実例解説』で解説しています。

平均値はあくまでも平均値です。その数値の中には、全く何もしていないか、危機感は持っていても行動に移せていない駐車場オーナーが大勢います。上を見れば、利回りを改善するために、常に経営努力をしている少数のオーナーがいます。平均利回りよりは、その上の人たちに近づくように行動することが重要だと私は考えます。

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