駐車場経営で成功するために必ず抑えておくべきノウハウまとめ

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私は、現在3社の駐車場会社と契約して駐車場経営をしています。その経験から言えることは、駐車場経営は、たとえば駅から近ければ賃料が高いとか、満車になる、というような単純なものではないということです。

駐車場は、まず、

  • どんな立地にあるか
  • どの道路に面しているか
  • どんな周辺施設があるか

という「立地条件」によって成否が分かれます。そして、立地条件に加えて、

  • どの駐車場会社と共に運営するか
  • どのような契約形式で運営するか

によっても収入が大きく変わります。

駐車場経営をうまく行うためのノウハウは、つまるところ、最初にどれだけこうしたことを下調べしているか、そして、その中でもっとも良い契約条件を掴み取るために駐車場会社選びをどれだけ綿密に行うか、ということに集約されます。

私自身、最初は業界の先輩からノウハウを教わり、最初の契約時に駐車場会社と念入りに打ち合わせを行った上で契約をしました。それがなければ、今のようにうまく経営できていなかったでしょう。

そこで、この経験から、駐車場経営のノウハウをお伝えしていきます。

1. 駐車場経営の成否は見積もりで決まる

駐車場経営は、駐車場会社に見積もりを依頼することから始まります。

駐車場会社は、見積もりを作成するために、

  • 近隣の駐車料金相場
  • 視認性
  • 周辺施設の貸し駐車場の需要

等のマーケット調査を行います。その調査範囲は、対象地から最低半径300m~最長1km以上に渡って広範囲に調べる場合もあります。

実は、駐車場経営が成功するか失敗するか、成功するにしてもどれだけ多くの利益を得られるかのほとんどは、この見積もりのときに決まります。つまり、駐車場経営の成功ノウハウは見積もりに集約されていると言っても過言ではありません。

そこで、より有利な条件で見積依頼をするときに必ず確認するべきことや、営業マンと相談するべきことを、これから出し惜しみなくお伝えして行きます。

ただし駐車場経営は、調査を行う営業マンのノウハウや経験がとても重要で、道路ひとつ挟んだだけで収入が倍になることもあるというような世界です。だからこそ、多くの営業マンの話を聞き、腕利きの人を選び分けていくことが必要です。正直な話、素人では分からないこともたくさんあると思います。そうした時は、ぜひ専門家にご相談ください。

2. 駐車場タイプと駐車場会社の選択

駐車場の経営をはじめるにあたって、駐車場を「自分で運用する」、あるいは「駐車場会社に任せる」といったさまざまな選択肢があります。これらは、すべて、駐車場会社から見積もりをもらってからのやり取りや交渉の中で決めていくことになります。

結論からお伝えすると、駐車場経営で成功するために、注意深く選択すべきことは7つあります。ひとつずつ見ていきたいと思います。

2.1. 月極駐車場か時間貸し駐車場を選択する

見積もりを取る際は、「月極駐車場」あるいは「時間貸し駐車場」のどちらがよいかを相談しましょう。次のような違いがあります。

  • 月極駐車場:月単位で駐車場を貸すことです。近隣に会社の営業所や工場などがあれば一定数の利用者を見込むことができます。
  • 時間貸し駐車場(コインパーキング):時間単位で駐車場を貸すことです。近隣に駅や店舗などがあれば一定数の利用者を見込むことができます。

ポイントは、近隣にどういった施設や建物があるかによって決めるという事です。わたしたちが実際に経験したケースでは、月極駐車場からコインパーキングに変更したところ、売上が倍以上に変わったこともあります。

綿密に調査して、しっかりと場所にあったタイプを選択することが重要です。

2.2. 駐車場会社を選択する

駐車場経営からしっかりと収入を得るためには、どの駐車場会社と契約をするかが大切です。

駐車場収入は「駐車場台数 × 料金設定 × 稼働率」で決まります。

大手駐車場会社の方は強気な料金設定をすることがあったり、地元の駐車場会社の方が稼働率が高いことがあったりなどさまざまです。そのため、近隣駐車場を徹底的に調査して、もっとも高い駐車場収入が得られる組み合わせを、妥協せず追求しましょう。

ただし、駐車場収入の総額だけで判断するのは早計です。オーナー(あなた)と駐車場会社の間でどのように費用負担を配分するのかや、中途解約等の条件面で大手駐車場会社の方がよい場合もあります。そこで、以下の3つを必ず見て比較しましょう。

  • 初期投資の額と月々の管理料
  • 賃料および賃貸借条件
  • 契約条件(中途解約や違約金、契約終了時の条件など)

2.3. 初期投資の額と月々の管理料を選択する

駐車場会社と駐車場を始める上での初期投資および保守・管理を委託するときは、主に次の4つの方式から選択します。

「借上げ方式」とは、駐車場会社が土地を借上げて、駐車場運営を委託することです。これを選ぶ方がもっとも多いです。「販売方式」とは、オーナーが駐車場機器を購入して運営をし、駐車場会社に管理・保守を委託することです。「保守委託方式」とは、機器を駐車場会社が持ち込みしてオーナーが運営し、駐車場会社に管理・保守を委託することです。「共同運営方式」とは、オーナーが駐車場機器を購入し、費用負担と売上分配の割合を、駐車場会社と相談の上で決めていくことです。

それぞれ、比較すると次のようになります。

方式 初期投資 毎月の収入 リスク 運営難易度
借り上げ    
販売    
保守委託    
共同運営    

どの方式がよいかは、オーナーの初期投資予算や、駐車場運営への参加度合いによって変わります。複数の見積もりを検討して、それぞれ○が付いていないところで、より良い条件を引き出すために交渉していく視点が必要です。

2.4. 賃料及び賃貸借条件を選択する

駐車場会社に見積もりを依頼すると、先方が相場を調べてきます。そして、次のように駐車台数や、月額賃料を提案してきます。

駐車台数  〇〇台
月額賃料〇〇〇〇円(税別)1台あたり〇〇〇円(税別)
(ただし、オープン日より3カ月間は月額〇〇〇〇円(税別)でお願いします。
※見積有効期限 見積提出から1カ月

賃貸条件は、たとえば借上げ方式であれば月額いくらをオーナーに支払うという提案を受けます。

ただし、「一定期間の間は月額賃料の半額を支払う」、あるいは「工事期間中はフリーレントとする」等の条件がついていることが一般的です。

正直な話、これらの条件は、交渉によってかなり代わります。駐車場経営がはじめての方で、まだ知識やノウハウがない場合は、かなり駐車場会社に有利な条件でまとまっていることが多いように思います。専門家に依頼してしまった方が楽な場合がほとんどです。

2.5. 契約案件(中途解約の条件や違約金)を選択する

続いて契約案件です。見積もりには、必ず次のような文言が含まれています。

オーナーから  3カ月前に書面により告知をお願いします。
駐車場会社から 3カ月前に書面により告知を致します。
※2カ月前予告の場合は賃料1カ月分、1カ月前予告の場合は賃料2カ月分の違約金

中途解約は3カ月前に書面で告知することが一般的です。

ただし、時間貸し駐車場(コインパーキング)の場合にはすぐに辞めることは可能ですが、月極駐車場の場合は、駐車場の借主に一定期間の予告の猶予がなければ、オーナー(あなた)へ返還することが難しいことは容易に想像できます。

これが思わぬトラブルになるときもありますので、条件をしっかり確認しておきましょう。今後、よくあるトラブルについてまとめたものを公開しますので、そこから学んでみてください。

違約金については、3年~5年未満の解約の場合に違約金が発生することが多いです。次のように書かれます。

ご契約日より5年未満の解約(お客様都合)の場合は、残契約期間に〇〇〇〇円(税別)を乗じた金額を申し受けます。

違約金の設定については、賃料の3カ月分程度から残存期間×〇〇円といったものまであります。

2.6. 契約終了時の項目

契約終了時には、原状回復の規定が問題になる場合が多いです。次のように書かれています。

契約終了時には10日以内に駐車場に設置した設備及び看板類を撤去してオーナーへ明け渡しを致します。但し、撤去期間中の賃料は無償とさせて頂きます。また、駐車場内のアスファルト、フェンス、白黄ラインは現状有姿のままとさせて頂きます。

原状回復規定は、初期契約時にしっかりと話し合いをしておく必要があります。たとえば、オーナーにてアスファルト舗装を行った場合は、賃料が増額されることが多いので、根気強く、根拠をもって賃料交渉に取り組みましょう。

また、原状回復の状態が問題になるので、「現状」を証明できるように写真を撮ったり、現状状態について共通理解をしておく必要があります。これがなければ、契約終了時に、思わぬ費用が発生してしまうこともあるでしょう。

2.7. その他

これら以外にも、契約書の備考に次のように付記されている項目があります。

  • トラブル・事故については駐車場会社にて対応、処理します。
  • 場内に駐車機器のほか、飲料用自販機等を設置致します。
  • カーシェアリング事業の運営、販促、広告媒体などの設置の可能性があります。
  • 地上権、営業権等の発生は一切ございません。

これらも、駐車場経営の成否を左右するものです。個別にお話しすると、長くなるので、近いうちに駐車場経営の経費についてまとめた記事の中で説明します。

まとめ:契約の定期的な見直しを

繰り返しですが、私自身、現在3社の駐車場会社と契約して駐車場経営をしています。私は業界の先輩からノウハウを教わり、最初の契約時において駐車場会社と念入りに打ち合わせを行った上で契約をしました。

駐車場経営は、初期投資を行うかどうかによって借上げの賃料水準が変わるだけでなく、運営開始後に経営が順調であれば、賃料を上げることも交渉可能です。つまり、駐車場経営は定期的に見直しを行うことが大切です。

不動産オーナー自身も駐車場会社の経営状況を把握し、その会社の売上状況が悪ければ募集賃料などを共に見直すなどするとよいでしょう。結果、不動産オーナーと駐車場会社との信頼関係をしっかり結ぶことで、厳しい状況であっても互いに続けることができます。

ぜひみなさまも駐車場経営に挑戦してください。私も微力ながらサポートします。

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横山篤司

横山篤司

不動産オーナー経営学院代表理事兼学長。 宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。父の代で相続争い、不動産売却が続き、10年前より残された数名の従業員と共に築40年を超えたビルや空き家の再生に取り組む。ニューヨーク留学帰国後、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産経営を学び、家業再生に活かしたことで本社建替え、借金も数年で完済することに成功。現在は東京・名古屋でビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

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