駐車場経営を土地購入から始める時の土地の探し方や購入の注意点

なかには、土地を購入するところから駐車場経営を始めたいと考えている方もいらっしゃると思います。

結論から言うと、土地購入から始めても、そこからしっかりと利益をあげられるケースは存在します。

しかし、当然、経験が必要ですし、リスクも小さくありません。そのため、基本的には、土地を購入してまでの駐車場経営は、一個人には、おすすめできるものではありませんが、どういう点に気をつけるべきかを解説していきたいと思います。

執筆者
横山篤司

横山篤司

不動産オーナー経営学院代表理事兼学長。 宅地建物取引士、事業承継マネージャー、マンション管理業務主任者の資格を保有。 創業80年名古屋の三代目地主の家系に生まれる。父の代で相続争い、不動産売却が続き、10年前より残された数名の従業員と共に築40年を超えたビルや空き家の再生に取り組む。ニューヨーク留学帰国後、東京で外資系投資銀行のモルガンスタンレーに勤め、プロの不動産経営を学び、家業再生に活かしたことで本社建替え、借金も数年で完済することに成功。現在は東京・名古屋でビルやマンション、商業施設、駐車場等を経営。

1. 駐車場経営に適した土地とは

一般的には、「良い土地」と言うと、資産価値が高い土地、人気がある場所などを思い浮かべるかもしれません。しかし、少しお待ちください。もし、あなたがそのような土地を購入して、駐車場として経営しようとしているなら、立ち止まるべきです。

あらためて、駐車場経営に適した土地の特徴について振り返ってみましょう。

1.1. 時間貸し駐車場に適した土地の特徴

時間貸し駐車場(コインパーキング)の場合は、次のような土地です。

時間貸し駐車場に適した土地
・交通量が多い
・周辺に駅やバス停などの公共交通機関がある
・商業地で店舗、物販、飲食店などが近くにある
・目立つ場所である(大通りに面しているなど)
・見晴らしの良い場所である(角地などで看板が見やすい)
・集客施設などがあり短時間利用する人向け
・特定のターゲット向け(車高や車幅が広い大型車や特定車両対象)

1.2. 月極駐車場に適した土地の特徴

月極駐車場の場合は、次のような土地です。

月極め駐車場に適した土地
特定の企業の工場がありそこで勤務している人たちが利用する
交通量が少ない
・目立たない場所である
・見晴らしの悪い場所である(車上荒らしを防止する必要がある)
・来店型店舗(美容室、塾、ショールーム)などがあり長時間利用する人向け

・特定のターゲット向け(
高級車向けシャッター付車庫など)

1.3. 購入からの場合の駐車場の土地の条件

もし、持て余している土地が、以上のような特徴に当てはまるのであれば、駐車場経営は有効な選択肢の一つかもしれません。しかし、土地購入からの駐車場経営を考えている場合は、この特徴だけでは足りません。さらに、以下のような条件も満たしている必要があります。

購入から駐車場経営をする場合に適した土地
狭小地、変形地、傾斜地など
・用途制限がある(建物が建てられないなど)
・周辺に特定の集客施設がある(スタジアム、観光地、神社など)
・高速道路や国道の幹線道路沿い(倉庫、物流、荷物置き場用)
・大通り沿いのロードサイド店舗(コンビニ、家具店、飲食店など)

つまり、物理的に問題があって、駐車場以外に利用方法がない(車が1台2台は入る)土地です。

こうした土地は、売買価格が固定資産税評価額よりも安くなっていることがあります。そのような激安な土地を購入できれば、駐車場運用での賃料が多少安くても、利益を確保することは可能です。ですから、土地から購入しても十分な駐車場ビジネスができる可能性はあります。

2. 駐車場経営のための土地の探し方

それでは、そのような土地は、どのように見つけるのでしょうか。私は、投資不動産を見るときは、次の3つの方法を使っています。

  • GoogleMap
  • 現地の管理会社等への電話調査
  • 現地に行く

それぞれ解説していきます。

なお、土地の購入には、次のようなリスクがありますので、検討の際には「駐車場経営の3大リスクと対処法まとめ」ぜひご確認ください。

土地の権利関係のリスク
・その土地に関する権利義務関係が異常に複雑になっている。
・その土地が第三者の権利を侵害していて係争中になっている(境界線やフェンスの位置など)。
・その土地が行政法規等により制限を受けている。
土地の状態に関するリスク
過去、ガソリンスタンドであったため土壌汚染の可能性がある。
・過去は埋め立て地であったため地割れの可能性がある。
・傾斜地や崖地のため整地・土壌改良するのにお金がかかる。

マーケットリスク
マーケット調査が不十分だったために、駐車場経営を始めたものの、赤字を垂れ流すか、よくてもトントンの状態になってしまうリスク。

それでは、土地の探し方を説明していきます。

2.1. GoogleMap

一番手っ取り早いのが、住所を調べて、GoogleMAPのストリートビューで確認する方法です。ここで把握しておくべきことは、

  • 土地の現状(再舗装などが必要かどうか)
  • 道幅(車が入りやすいか)
  • 近隣の集客施設(駐車場利用者の想定)
  • 幹線道路や最寄り駅までの道

などです。つまり、検討候補の土地と、その周辺の環境を把握します。

例えば、その土地が住宅街にあり、その土地に辿り着くまでの道幅が狭い場合と分かったら、これは現地に行くまでもなくNOですね。同じく、土地が住宅街にあり、一本道を挟んで大通りに面しているときは、住宅地としては騒音や防犯上の理由で問題となる可能性がありますが、駐車場用地としては魅力的かもしれません。

このように、GoogleMapで、その土地が、駐車場として向いていそうかいなさそうかは、大まかにチェックすることができます。

2.2. 現地の管理会社等への電話調査

次に、その土地に詳しい仲介会社や管理会社に事前にヒアリングします。ここで把握しておくべきことは、

  • 過去どんな土地の利用があったか(土壌汚染等)
  • 近隣と揉めている等があるか(越境・境界問題)
  • 将来管理をお願いできるか

などです。

特購入後のトラブルの多くが、過去の利用状況に関するものか、近隣住民との関係に関するものです。

これらを確認するための究極の方法は、管理会社に「将来管理をお願いできるか」と聞くことです。今まで肯定的な意見を述べていた管理会社が、急に手のひらを返したように管理受託を否定した場合は何か問題があるかもしれません。私の経験では、実際に、「隣地で過去揉めていたので管理が難しい」、「工場が過去建っていたので土壌汚染が進んでいるから難しい」と、この時点で、本当の理由が出てきて、管理を断られることもありました。

一人ですべての情報を集め判断するのではなく、第三者の意見を参考にすることをおすすめします。

2.3. 現地に行く

上記の方法で購入を検討している土地を絞り込んでいったら、最後は、できれば現地に行きましょう。実は、現地を見に行って分かることは、

  • 駐車場の看板を立てた時の見やすさ
  • 境界の確定鋲があるか(なければ隣地と揉めていることがある)
  • 土地の形状(車路が確保できるか)
  • 近隣に嫌悪施設がないか

ぐらいしかありません。

よく不動産投資は現場には絶対に行けという話がありますが、経験を積んで、要諦が分かると、その必要性は低くなります。ただし、私も、初心者は必ず一度は行くことをおすすめします。現地に行くまえに「何を見るべきか」をしっかり決めてから現地に行きましょう。

3. 駐車場経営のための土地の購入

続いて、駐車場用の土地の購入について見てみましょう。

3.1. 購入を決める前に利回り計算を自分で行う

土地の購入契約について話す前に、その土地の利回り計算は、ちゃんと自分で行ったでしょうか。業者の計算利回りを鵜呑みにしたりしていませんか?ウェブサイトなどで物件情報を検索すると、このような土地の売買情報をすぐに見ることができます。

しかし、実際に不動産を購入する時は、イメージ写真や利回りを鵜呑みにするのではなく、必ず、自分で利回りを計算しましょう。

私は、全国の土地の価格を調べる方法として、「路線価図」を使います。「路線価」とは、全国の路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格のことです。全国の路線価図は、国税庁の『財産評価基準書』で無料でダウンロードすることができます。

路線価図を使うメリットは次の通りです。

  • 土地の原価が計算できる
  • 最寄り駅からその土地までの道路の値付けが分かる
  • 全国の土地の公的な価値(金融機関の担保力)が分かる

など。

最近は不動産会社が嘘の利回りを出したり、架空(過去)の賃料を参考にして利回りを出したりということも起きていますので、気をつけましょう。必ず自分で計算してください。

3.2. 自己資金か借り入れか

結論から言うと、土地購入から駐車場経営を始める場合、全額借り入れにすると、収支が赤字になる場合がほとんどです。駐車場収入から、運営費用、固定資産税、都市計画税、借入返済額を引いて、プラスのキャッシュフローが生まれるなら良いのですが、そうそううまくはいきません。そのため、借り入れを利用するにしても、借り入れ割合を極端に少なくすることになります。

また、計算によって黒字になるとしても、それだけでは十分ではありません。初期投資額を何年で回収できるかという投資利回りの観点からも考えなければなりません。

土地購入から駐車場経営を始める場合は、その土地を駐車場にするための初期費用も必要です(参考「駐車場経営の初期費用の項目と相場目安の一覧とまとめ」)。例えば、土地購入費と初期費用で300万かかり、その駐車場から毎月1万円の利益が出ることが分かったとしましょう。この場合、初期投資額の300万円を回収するには25年もかかってしまいます。これは年間利回りにすると4%です。この利回りでは、とても魅力的とは言えませんね。

このように、全額自己資金にすると年間利回りは低くなり、全額借入にすると黒字になりにくくなります。これらのバランスを考えて、十分にメリットのある経営計画ができた場合のみ、購入を検討しましょう。

逆に言うと、それ以外の場合には、駐車場経営のための土地購入は行うべきではありません。

3.3. 土地購入の契約

ここまで見て、それでも十分に事業性があるという場合のみ、土地購入からの駐車場経営を始めることができます。しかし、土地購入の契約時にも、次のようなリスクがあります。

土地の売買(賃借)契約リスク
・土地の所有者が変わったら、急に土地の利用契約を反故にされた。
・前所有者と契約している駐車場会社からいきなり訴えられた。
・現在の駐車場利用者が利用を止めてくれなかった。

こうしたことを防ぐために、契約書では、次の3つに注意する必要があります。

  • 現在の契約者情報
  • 売買成立までの質問履歴
  • 不動産引渡時の特記事項

詳しくは、「駐車場経営の3大リスクと対処法まとめ」で解説していますので、ご確認ください。

4. まとめ

繰り返しになりますが、総合的に考えると、初心者の方が、土地購入をしてまで駐車場経営に挑戦するのは、決してオススメではありません。不動産事業には、他にも選択肢がありますので、それらを比較検討してみてください。

土地購入からの駐車場経営でも明確な勝算があるという場合には、検討してみても良いと思います。その場合でも、土地購入等のリスクはしっかり把握して、トラブルを防止するように心がけてください。また、土地購入の後は、その土地を駐車場にするために、また初期費用がかかります。そうした費用も忘れずに計算に含めた上で終始判断を行いましょう。

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