FXで利益を上げるには、チャート分析をする必要があります。
そして、チャートの中には、トレンドが終了する時によく見られるチャートパターンがあります。それを知っているのと知らないのでは、大きな違いあります。
この記事でお伝えする次の4つのチャートパターンは、まさにトレンド終了時に見られる形です。
- ダブルトップ
- ダブルボトム
- トリプルトップ
- トリプルボトム
例えば、あなたが今、上昇トレンドの中で順張りポジションを持っているとします。その時、「どこまで上がるだろうか」という期待感もあれば、「どこで反落するのだろうか」という恐怖感もありますよね。
そのような時に、トレンドの終了を示唆するチャートパターンを知ってれば、「あっ、このチャートパターンが出たから、トレンドが終了した可能性が高い。」と判断でき、今までよりもはるかに安心してトレードできます。
この記事を読んで、しっかり押さえましょう。
執筆者
ぶせな
FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。
1.ダブルトップとは|上昇トレンド終了のサイン①
まず最初に、上昇トレンドの終了を示唆する、3つのチャートパターンを見てみましょう。

左からダブルトップ、トリプルトップ、シングルトップです。これらは全て、上昇トレンドの終了時によく現れます。
そして、一番左が、今回注目する、ダブルトップです。相場の値動きを線で表すと、アルファベットのWに似ていることから、ダブルと言われます(下図参照)。
ダブルトップは、主に上昇トレンドの天井で見られるチャートパターンで、これが出た時は、上昇トレンドの終わりを示唆します。
実際に、上のチャートでも、ダブルトップが出た後に相場が下落していることが分かりますね。そして、このダブルトップには、次の3つの形があります。

いずれも、天井となる高値が2つあることは共通しています。そして、2つの高値は、同じ価格帯で水平になることもあれば、左側や右側のどちらかが高くなって斜めのラインになるなどの細かい違いはありますが、これら3つのパターン全てを、ダブルトップといいます。
実際の相場では、2回目の高値をつけるとき、①から③のどれかになります。いつも同じパターンになることはなく、必ずバラバラになると考えておいて下さい。
そして、ダブルトップが形成されると、サポートラインになった線がネックラインとなります。その後、価格がネックラインを下抜けてブレイクした時がダブルトップが完成する時で、上昇トレンド終了のサインになります。
まずは、この基本形を覚えましょう。
2.ダブルボトムとは|下降トレンド終了のサイン①
ダブルボトムは、主に下降トレンドの底で見られるチャートパターンで、これが出た時は、下降トレンドの終了を示唆します。チャートの形は、ダブルトップと反対になります。
このダブルボトムには、次の3つの形があります。

ダブルトップと同様、2つの安値を結んだラインが水平なこともあれば、どちらかに傾いていることもあります。いずれにせよ、価格がネックラインを上抜けてブレイクした時がダブルボトムが完成する時で、下降トレンド終了のサインになります。
ダブルボトムを、実際のチャートで確認してみましょう。

少し分かりにくいかもしれませんが、ずっと下降トレンドだった相場が、最後にダブルボトムが出ているのがお分かりいただけますか?チャートの右下のオレンジ色で囲んだ箇所です。
ダブルボトムが出現したら、下降トレンドが終了した可能性を考えます。そして、次のトレード戦略を立てます。なお、この局面でのチャート解説は、『相場の波を徹底的に理解するためのエリオット波動理論の全て』を参考にして下さい。
3.トリプルトップとは|上昇トレンド終了のサイン②
トリプルトップは、主に上昇トレンドの天井で見られるチャートパターンで、これが出た時は、上昇トレンドの終わりを示唆します。
ダブルトップは山が2つでしたが、トリプルトップは、山が3つのパターンです。

見方はダブルトップと同じで、価格がネックラインを下抜けてブレイクした時がトリプルトップが完成する時で、上昇トレンド終了のサインになります。
ヘッドアンドショルダーと似ているので迷う方もいるかもしれませんが、違いは、”山の形”にあります。ヘッドアンドショルダーは、真ん中の山が最高値になりますが、トリプルトップは、3つの山のうち、どれが最高値でも成り立ちます。

つまり、形が少し変形しただけで、ヘッドアンドショルダーは、トリプルトップの一部なのです。覚えておきましょう。
実際の相場では、どこがトップになるか、見極めが必要です。また、きれいな高値が3つ表れるとは限りませんので、ある程度の慣れが必要になります。
4.トリプルボトムとは|下降トレンド終了のサイン②
トリプルボトムは、主に下降トレンドの底で見られるチャートパターンで、これが出た時は、下降トレンドの終わりを示唆します。
ダブルボトムは谷が2つでしたが、トリプルボトムは、谷が3つのパターンです。

見方はダブルボトムと同じで、価格がネックラインを上抜けてブレイクした時がトリプルボトムが完成する時で、下降トレンド終了のサインになります。
参考:ネックラインを作りながら進む
ここからは、ダブルボトムやダブルトップに限らず、チャート分析する上で非常に重要なことをお伝えします。
相場は、「レンジ」→「ブレイク」→「トレンド発生」を繰り返して推移します。その過程で、相場は、常にネックラインを作りながら進んでいきます。
言葉だけではわかりにくいと思いますでの、次のチャートをご覧下さい。

上昇トレンドの途中以外の場所でも、ダブルトップの形ができています。また、下降トレンドの途中以外の場所でも、ダブルボトムの形ができています。お分かりでしょうか?
ここで知っておいてほしいのは、相場に関係なく、常にネックラインは引くことができるということです。小さなダブルトップや、大きなダブルボトムなど形は様々ですが、ネックラインを引けるということは、そこをブレイクするかどうか着眼点を持てるということです。
ポイントを絞ってチャートを分析し、確信を得られたらトレードを繰り返して、少しずつ利益を重ねていくことが重要です。
ただし、ネックラインを見つけたからといって、それだけを頼りにトレードに参入するようでは勝てません。次の記事を参考にして、ネックラインの重要性の理解を深めましょう。
≫ サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ
≫ トレンドラインの役割と正しい引き方を初心者にもわかりやすく解説
≫ チャネルラインでトレンドの値幅を知り利益を伸ばすための知識と方法
ちなみに、ネックラインを活用したトレード戦略で最も強力で信頼できるチャートパターンは、ヘッドアンドショルダーです。
次の記事を読んで、ヘッドアンドショルダーを確実にマスターしましょう。
≫ ヘッドアンドショルダーの正しい見方とトレード戦略
まとめ
ダブルトップやトリプルトップが上昇トレンドの途中に現れると、そこで上昇トレンドが終わる可能性を示唆します。ポイントは、両方とも、ネックラインを下抜けた時点で完成するということです。ちなみに、ダブルボトムとトリプルボトムは、その反対です。
しかし、トレンドが終了したら必ず反転する、と考えるのは危険です。ある上昇トレンドが終了したとして、その時に考えるべき可能性は、次の3つです。
- 再度上昇トレンドが発生する
- レンジ相場になる
- 下降トレンドに転換する
このうち、どれになるのかの見極めが大切です。
また、ダブルトップやトリプルトップ形の一種として、ヘッドアンドショルダーという強力なチャートパターンがあります。
私は、ダブルトップやトリプルトップはトレードの根拠として弱いと思っているので、それだけを根拠にしてトレードすることはありません。しかし、ヘッドアンドショルダーが現れると、大きなトレードチャンスとして注目します。
その理由は、ヘッドアンドショルダーは、ネックラインを活用してエントリーすべきポイントや利益確定するポイントを読むことができるからです。そのため、ヘッドアンドショルダーを見極めてトレードすれば、狙える利幅をも大きくなります。
いずれにせよ、ダブルトップもトリプルトップもヘッドアンドショルダーも、ネックラインがカギとなります。チャートパーンを見つけたらネックラインを引いて、試行錯誤してみて下さい。