SQとは|株式投資をする上で知っておきたい基礎知識

SQ(特別清算指数)とは、Special Quotationの略で、日経225先物取引やオプション取引などで最終的な決済期日で決済するための特別な価格のことです。

そして、SQ値は、毎月第2金曜日に日経225採用銘柄の全ての始値を用いて決定され、株式投資の一種のイベントになっています。

この記事では、SQの基本から、SQが株式市場に与える影響についてお伝えします。

株式投資しかしていない人も参考になりますので、ぜひお役立て下さい。

執筆者
近藤 章仁

近藤 章仁

証券会社で株式ディーラーを7年間経験。現在は「投資の教科書」を運営し、株式投資をはじめ、投資信託や米国ETFの積立投資をする兼業トレーダー。「モノクロ ザ マネーvol.3」にも登場。実戦で得た経験から、皆様に役に立つノウハウをお伝えします。ファイナンシャルプランナーと証券外務員資格一種保有。

1.SQは未決済ポジションを自動的に決済する指数

冒頭でもお伝えした通り、SQとは、Special Quotationの頭文字を取ったもので、日本語では「特別清算指数」と言います。

それでは、いったい何を清算するのでしょうか?

本来、例えば日経平均先物取引の2019年12月限(ぎり)の期日は12月12日の木曜日なので、この日の先物取引が終わる15時15分までに手動で決済する必要があります。しかし、様々な思惑で、あえて決済しない機関投資家や個人投資家がたくさんいます。

このような、先物取引オプション取引において、取引最終日に未決済となったポジションを、最終的にはみんなと同じ価格で特別に清算(決済)するための指数(価格)が、SQ値です。

もっと具体的に解説していきます。

2.SQ日とは毎月第二金曜日のこと

SQ値が決まる日のことを「SQ日」といい、毎月第2金曜日がSQ日となります。

なぜ第2金曜日なのかというと、先物取引やオプション取引の限月の最終取引日が第2木曜日と決まっているからです。この日に決済されなかったポジションが、翌日のSQ値で清算されるという流れです。

しかし、単にSQ日といっても、役割によって4つの意味合いがあります。次で解説します。

3.SQ日の四つの意味

それでは、先物とオプションのSQについて、初心者が必ず知っておきたい4つの意味について、分かりやすく解説します。

3.1.先物のSQ日

先物取引は、取引限月が3月・6月・9月・12月の年4回あります。そのため、3月・6月・9月・12月の第2金曜日が先物のSQ日となります。

3.2.オプションのSQ日

一方、オプション取引は毎月取引限月があります。そのため、オプション取引の場合はSQ日が年に12回あることになります。そして、毎月第2金曜日がオプションのSQ日となります。

3.3.メジャーSQ

先物のSQとオプションのSQが重なるSQ日のことを、「メジャーSQ」と言います。

先ほどもお伝えしたように、オプションのSQ日は毎月あるので、先物のSQ日の3月・6月・9月・12月の第2金曜日がメジャーSQとなります。

「3の倍数の月の第2金曜日がメジャーSQ」と覚えておけば大丈夫です。ちなみに、2019年のメジャーSQは、次の4日間です。

  • 3月8日(金)
  • 6月14日(金)
  • 9月13日(金)
  • 12月13日(金)

3.4.マイナーSQ

メジャーSQに対して、残りの1月・2月・4月・5月・7月・8月・10月・11月のオプションだけのSQ日のことを、「マイナーSQ」と言います。

「メジャーSQ以外のSQはマイナーSQ」と覚えておきましょう。ちなみに、2019年のマイナーSQは、次の8日間です。

  • 1月11日(金)
  • 2月8日(金)
  • 4月12日(金)
  • 5月10日(金)
  • 7月12日(金)
  • 8月9日(金)
  • 10月11日(金)
  • 11月8日(金)

4.SQ値の決まり方を学ぼう

SQ値は、毎月第2金曜日のSQ日の日経平均株価を構成している日経225採用銘柄の全ての始値を基に算出されます。

なお、SQ値の速報は証券会社の取引ツールのニュースなどでリアルタイムで確認でき、大引け後に取引所から正式に発表されます。

ここで注意が必要なのは、SQ値は、日経平均株価の始値とほぼ同じ価格になりますが、厳密には違うということです。なぜなら、日経平均株価とSQ値は算出のタイミングがずれる場合があるからです。

詳しく説明します。

日経平均株価は5秒ごとに算出されるため、9時00分5秒の時点の日経平均構成銘柄の225銘柄の始値を基に、日経平均株価の始値が決まります。

しかし、その時点で225銘柄の全ての売買が成立するとは限りません。例えば、何らかの悪材料で売り注文が殺到して、日経平均構成銘柄の1つが売買が成立しない場合もあります。

そのため、SQ値は、日経平均株価の構成銘柄が全て寄り付いた(売買が成立した)後に算出されます。つまり、全ての銘柄が寄り付くまではSQ値は確定しません。稀に、ある日経平均構成銘柄が前場に寄らず、後場になってSQ値が確定する場合もあります。

参考までに、2019年の9月までのSQ値を載せておきます。

1月限 2月限 3月限 4月限 5月限 6月限
20,029.67円 20,481.02円 21,348.40円 21,870.84円 21,451.91円 21,060.56円
7月限 8月限 9月限 10月限 11月限 12月限
21,742.57円 20,855.99円 21,981.09円 10/12 11/8 12/13
1月限 2月限 3月限 4月限 5月限 6月限
20,029.67円 20,481.02円 21,348.40円 21,870.84円 21,451.91円 21,060.56円
7月限 8月限 9月限 10月限 11月限 12月限
21,742.57円 20,855.99円 21,981.09円 10/12 11/8 12/13

5.SQについて株式取引をする人が知っておきたいこと

SQは、先物やオプションに関わりが深いイベントですが、株式取引の現物株に影響を及ぼします。そのため、普段は株式取引しかしない人も、SQ日はちょっと意識してみると良いでしょう。

ここでは、株式取引をする上で最低限押さえておきたいSQの影響と、SQ値を用いて今後の相場の動向を探るヒントをお伝えします。

5.1.裁定取引の解消

裁定取引とは、本来同じはずの2つの価格に乖離が生じている場合に、その乖離が解消される特性を利用して利益を狙う取引です。証券会社や投資銀行などの機関投資家は、日経平均先物と日経平均構成銘柄の現物株の株価のゆがみを狙い、この裁定取引を行うことがあります。

少し難しく感じるかもしれませんので、もう少し詳しく説明していきますね。

例えば、日経平均先物と日経平均構成銘柄の現物株を同じ比率で買った場合、投資対象が同じなので、本来は同じ価格になるはずです。しかし、日経平均先物はその時々の需給で価格が決まるため、現物との価格に乖離が生まれることがあります。

その乖離を利用し、先物を売って現物買いを同時に行う取引が裁定取引です。そして、先物には期日があるので、どこかのタイミングで反対売買を行い、裁定取引を解消する必要があります。

次が重要なのですが、SQ日には、この裁定取引の解消に伴う大口の売りや買いが出ることがあり、日経平均構成銘柄に異常な価格が付くことがあります。

なぜなら、日経平均株価は、「値がさ株(株価が高い銘柄)」の影響で大きく動く傾向があるからです。つまり、日経平均株価は時価総額ではなく225銘柄の株価(正確には「みなし株価」)を合計して平均を出すので、株価が高い値がさ株の影響を大きく受けてしまいます。

例えば、ユニクロを展開しているファーストリテイリング(9983)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)の3銘柄はみなし株価が高く、日経平均株価に与える影響が大きいことで有名です。

そのため、SQ当日はこのような値がさ株に注目することによって、どのくらいの裁定取引の解消が出そうか予測することも可能です。その際は、『日経平均株価寄与度ランキング』をヒントにして、注目してみると良いでしょう。

5.2.幻のSQ

「幻のSQ」とは、SQ日の日経平均株価が、SQ値に一度もタッチせずに取引を終えた場合のSQ値のことをいいます。

そして、この幻のSQが「節目」となって、現物株の取引に影響を与えることがあります。

例えば、下落トレンドの場合は幻のSQ値がレジスタンスラインになったり、上昇トレンドの場合は幻のSQ値がサポートラインになったりします。この幻のSQになるケースは年に1回あるかないかですが、知っておいて損はない情報なので、余裕がある方は意識してみて下さい。

その際のポイントは、幻のSQ値とSQ当日の日経平均株価の高値(もしくは安値)の位置関係に注目することです。次の2通りが考えられるので、参考にして下さい。

《幻のSQ値を利用した相場の判定方法》

 

・SQ値>SQ日の日経平均株価の高値

→ 幻のSQ値がレジスタンスラインになって、その後の相場は弱い傾向がある

 

・SQ値<SQ日の日経平均株価の安値

→ 幻のSQ値がサポートラインになって、その後の相場は強い傾向がある

《幻のSQを利用した相場の判定方法》

・SQ値>SQ日の日経平均株価の高値

→ 幻のSQ値がレジスタンスラインになって、その後の相場は弱い傾向がある

・SQ値<SQ日の日経平均株価の安値

→ 幻のSQ値がサポートラインになって、その後の相場は強い傾向がある

まとめ

この記事では、SQの基本と株式取引への影響について解説しました。

まとめると、SQは基本的には先物取引やオプション取引に関する概念ですが、株式取引にも影響を与える月に1回のイベントなので、知っておかないと戸惑うケースも出てきます。

具体的には、毎月第2金曜日の取引開始前は、決済に関わる様々な注文が錯綜し、8時59分59秒までは個別銘柄の注文状況が売りか買いのどちらかに殺到し、ストップ安やストップ高の気配値をつけます(9時直前に正常な気配値になります)。

この状況を見て、今日がSQだと知らずに慌てて下手な注文を出さないようにしましょう。

ぜひ、SQの理解を深めて、先物取引やオプション取引をしている人も、そして、株式投資をしている人も、トレードに活かして下さい。

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