外国人投資家とは|なぜ彼らは相場を大きく動かすのか
(更新 ) · 投資の教科書 株式事務局

この記事は2015年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。記事内には広告(アフィリエイト)のリンクを含みます。
よくニュースで「外人が売ってきた!」という言葉を聞いたことがある投資家はたくさんいますが、それが具体的にどのようなことを指しているのかまで把握して投資を行っている人は少ないです。
じつは外国人投資家の動向は、市場全体の方向を決定付けるほどの力を持っています。
そんな外国人投資家の細かいことまでしっかりと把握して投資をおこなっていくことで、その他大勢の負ける投資家から少数派の勝てる投資家へと移行することが可能となります。
このページに目を通すことで一通りの外国人投資家についての知識が身につきます。海外投資家をまったく知らない初心者は投資の玄人へ一歩近づくことになりますので、基本知識を頭に入れておきましょう。
目次
1.多大な影響力を持つ外国人投資家とは?
外国人投資家とは、広くいうと海外から日本市場に流入するマネーのことをいいます。市場では外人が買ってくるなどとも言われます。外国人投資家の売買代金は、市場の6割を占めその動向が市場の大勢を左右するほどのちからを持っています。そのため外国人投資家と逆方向のポジションをもっていると勝てませんし、逆に言えば同じ方向へとポジションを持てるなら、投資でも大きな利益を得ることができます。
つまり、外国人投資家の動向を知らずして、投資をするべからず、ということなのです。大げさな言い方かもしれませんが、実際にそうなのです。
また外国人投資家は「海外の投資家」という名のもとで一括りにされてしまいがちです。しかし、その実態は多くの種類があり、ひとつずつ把握をしておく必要があります。
2.絶対に知っておくべき6つの外国人投資家の種類
外国人投資家には、大きく分けて次の6つの種類があります。数年単位で株を保有する投資家から
ミリ秒単位で株の売買を繰り返す投機家までその種類は様々です。
- ヘッジファンド
- CTA
- HFT
- 政府系ファンド
- ファンド
- 年金基金
最低でもこの6つはおさえておきましょう。投資期間の長短で区別した上でご紹介いたします。
短期的・投機的な運用を繰り返す外国人投資家3種
1 ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、大きな資金力を利用してトレーディングをして利ざやを得ようとする企業のことです。投資をするのではなく、投機をして利益を得ようとします。そのため、リスクをとって短期的な値動きを利用しるとともに、多くの個人投資家をはめ込んで利益を得ようとします。
マクロ経済やイベント等のアノマリーを重視する側面もあります。よく言われるのはヘッジファンドの仕掛ける時期です。「sell in may(五月に売れ)」はヘッジファンドが原因となっていることが多いのはあまりにも有名です。ヘッジファンドにはソロスファンドマネージメントなどが有名です。
2 CTA
金融工学を駆使した取引を高スピードで繰り返す団体のことです。実はヘッジファンドの一種であり短期的な利益を狙うことで有名。扱う商品は先物が多く、アベノミクス相場の流れを作ったとも言われています。CTAには一般にマンフィナンシャルグループ、ジョンヘンリーアンドチャピタルなどがあります。
3 HFT
デイトレーダー潰しの原因となったことで有名です。1,000分の1秒単位で売買注文を何度も繰り返し、超短期での狭い利ざやを根こそぎ取ろうとする高性能コンピューターを利用して利益を上げようとする団体です。
そのため、これまで買って上がったらすぐに利食う取引をしていたデイトレーダーなどは、このような構成ぬコンピューター取引には勝てず、撤退を余儀なくされることが多くなりました。1日で取引を完結させる証券ディーラーなどもいわゆる1買い2売りの取引ではなく、値幅を取る取引への移行を余儀なくさせられています。
長期的・堅実な運用をする傾向のある外国人投資家3種
4 政府系ファンド
政府系ファンドとは、国レベルの大きさで資金を動かす主体のことをいいます。具体的には、アブダビ投資庁やノルウェイの年金基金などの事を指します。おもに中長期投資が基本で、株式為替以外にも不動産などにも投資をします。いわゆるオイルマネー(石油がらみの資金)なんかもここに含まれます。
5 ファンド
ファンドとは、投資家からお金を預かり運用するものたちのことをいいます。投資信託をしたことがある人ならいくつか外資系ファンドの名前は聞いたことがあるかもしれませんね。こちらも中長期投資が基本スタイルでおもに企業のファンダメンタル分析や割安性に着目をして投資をするスタイルをとっています。主な外資系ファンドに、JPモルガンアセット、フィディティなどがあります。
6 年金基金
日本でもGPIFなどが有名ですが、海外でも年金基金は大きな投資主体として注目されています。
年金運用が目的なので、彼らの運用スタイルは基本的には超長期投資です。目線が厳しく、ファンダメンタル分析に基づきと投資を行っていきますが、ただ単に割安性や成長性に着目するだけでなく、企業の株主還元がしっかりと出来ているかなどにも着目しています。
年金基金には、カルパース、ABPなどが存在しています。
3.外国人投資家動向を確認するための3つの方法
いろいろな外国人投資家が相場を動かしていることはこれまでの解説でわかったかもしれませんが、「じゃあ、その動向をどう確認すればいいのか」と思われることでしょう。
大きく分けて外国人投資家の動向を探る方法は次の2種類があります。
- 毎週発表される投資部門別売買動向
- 毎日発表される外国人売買動向
- 有価証券報告書
両方とも投資を行っていく上では避けては通れないものです。以下解説していきます。
1 毎週発表される投資部門別売買動向
投資部門別の株の売り買いの動向が発表されます。発表日はおもに毎週木曜日です。確認方法ですが、様々なホームページでとりあげられているほか、東証のサイトでも確認することができます。
投資部門別売買動向(リンク)

外国人投資家の動向以外にも、信託や個人投資家、機関投資家などの動向も知ることができますので、毎週欠かさずに目を通すことをお勧めします。
上記の東証のサイトでは、株式の株数での比較、金額での比較をすることが可能です。またバックナンバーで10年前までさかのぼってデータを取得することができます。
2 毎日発表される外国人売買動向
実は株式市場が始まる前に、その日の外国人の売買動向を知ることができます。
売りなのか、買いなのか、売買代金は多いのか少ないのか、などにしっかりと注目をしておく必要があります。確認方法は以下のサイトにて可能です。
外資系動向 (リンク)

寄り前の外資系動向をチェックすることで、その日1日のスタンス(買い目線か、売り目線か)が決まってくることがあります。特にデイトレードをする人は絶対に目を通すようにしてください。
3 有価証券報告書
ある銘柄を5%以上取得した場合には、有価証券報告書を提出することが義務付けられています。海外の大手のアセット(運用会社)などの動向を追ってみると、どの銘柄がどういう目的で買われているのかを確認することができます。
EDINET (リンク)

上記サイトで銘柄コードを打ち込み、書類種別を有価証券報告書と大量保有報告書にチェックを入れて検索します。期間も指定することができます。
5%を超えた保有割合になると、その後1%以上の増減があるたびに報告する義務が生じます。ここまで確認しておくクセをつけておくと玄人投資家への道が少しずつ開かれていきます。
大変なように思えるかもしれませんが、大多数の投資家がしていない苦労をすることも勝てる投資家に一歩近づくためには必要です。
まとめ
最近の株式市場の動向を決定づける存在として海外投資家の動向があることはすでに知られていることですが、個別株の取引をしているといつの間にかその存在を忘れがちになります。
しかし、相場全体が海外投資家の売買に影響される以上、その動向を見守ることこそが、投資において勝つための1要素であることは明白です。
これまで海外投資家の動向を見てこなかった人や初めて海外投資家の存在を知った方もこれからはしっかりとチェックすることをお勧めします。
この記事を書いた人
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