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今週のマーケット(10月12日〜16日)。日経平均は5%安、社長が見ておく数字は3つだけ

· 投資の教科書 編集部

今週のマーケット(10月12日〜16日)。日経平均は5%安、社長が見ておく数字は3つだけ

この記事で手に入るもの

  • 今週(10月12日〜16日)の株・為替・金利の終値と、1週間の変化がひと目でわかる表
  • 相場を動かした3つの出来事(米国の物価、AI関連株の売り、日米の中央銀行)
  • 円相場・金利・株価が、自社の仕入れ・借入・取引先にどう効くか
  • 来週(10月19日〜23日)と月末に見ておく日程

結論

  1. 10月12日〜16日の日経平均は1週間で3706円(5.37%)下がりましたが、TOPIXは0.95%の下げにとどまり、下げは半導体・AI関連に集中しました
  2. ドル円は158円前後でほぼ横ばい、日本の長期金利は3%を割り込んで16日は2.930%と、社長の経営に直接効く数字はそれほど動いていません
  3. 借入では11月2日の短期プライムレートの改定のほうが直接効くので、株価に振り回されず「円」「金利」「取引先」の3つだけ確かめれば十分です

今週は日経平均が1週間で5%あまり下がり、ニュースでも「過去3番目の下げ幅」という言葉が目立ちました。

ただ、表にして並べてみると、社長の経営に直接効く数字はそれほど動いていません。 ドル円はほぼ横ばいで、日本の長期金利はむしろ少し下がりました。

忙しい社長は、この記事の表と最後の「自社にどう効くか」だけ読めば、今週の相場は押さえられます。

今週の数字(10月9日終値→10月16日終値)

12日(月)はスポーツの日で東京市場は休みでした。日本の取引は13日(火)〜16日(金)の4日間です。

指標 10月16日の終値 前週末(10月9日)からの変化
日経平均株価 6万5324円29銭 3706円63銭安(−5.37%)
TOPIX(東証株価指数) 4066.00 38.81ポイント安(−0.95%)
ドル円(NY市場の終値) 1ドル=157円99銭 158円15銭から、わずかに円高
S&P500(米国の代表的な株価指数) 7659.44 152.10ポイント安(約−1.9%)
ナスダック総合(米国のハイテク株が多い指数) 2万6140.03 1226.14ポイント安(約−4.5%)
日本の長期金利(新発10年国債の利回り) 2.930% 前週末の3%台から低下
米国の長期金利(10年国債の利回り) 5.07%前後 5.24%から低下

※ 米国株と米国金利は、現地時間10月16日の終値です。米国株の週間の変化は、9日と16日の終値から編集部が計算しました。

ポイントは、日経平均とTOPIXの差です。 日経平均は5%以上下がったのに、東証に上場する全体の動きに近いTOPIXは1%弱の下げでした。値がさの半導体株が大きく下がり、日経平均を押し下げた形です。株探の週末コメントも、TOPIXは中期の平均線を上回っており、全体として崩れている状況ではないとの見方を示しています。

今週、相場を動かした3つのこと

1. 米国の物価が予想より高かった(14日)

米国で14日に発表された9月の消費者物価指数(CPI。モノやサービスの値段の動き)は、前年同月比3.7%の上昇でした。市場の予想(3.6%)を上回り、8月の3.4%から伸びが強まりました。ガソリン価格の上昇が大きく効いています。

物価が強いと、米国の中央銀行(FRB)が金利をさらに上げるのでは、という見方が強まります。米国はすでに9月16日に政策金利を0.25%上げ、3.75〜4.00%にしています。15日に発表された9月の生産者物価指数(PPI。企業どうしの取引の値段)も予想を上回りました。

2. AI関連株に売りが集まった(15日・16日)

15日の東京市場で、日経平均は前日比3318円34銭安(−4.90%)の6万4425円95銭まで下がりました。日本経済新聞によると、下げ幅は過去3番目です。

日経新聞は、米国の物価に加えて、米国のAI向けクラウド企業コアウィーブの社債の価格が急落し、投資家の気持ちが冷えたことを要因に挙げています。AIへの大きな投資に見合うもうけが出るのか、という不安です。東京では半導体関連株が売られ、アドバンテスト1社だけで日経平均を1300円超押し下げました。

16日の東京市場は反発し、日経平均は898円高の6万5324円で終わりました。7営業日ぶりの上昇です。ただし同じ16日の米国では、AI関連株が再び売られ、ナスダック総合は2.15%下がりました。ナスダックは週間でも4%を超える下げです。

→ AIへの投資がどれだけ大きいかを数字で見るなら:AIの市場はどこまで大きくなる?(社長のAIの教科書)

3. 日米の中央銀行トップの発言(16日)

16日は、タイ・バンコクで開かれた国際会議に合わせて、日米の中央銀行のトップが発言しました。

  • ウォーシュFRB議長:米国経済の力強さに楽観的な見方を示しつつ、金融政策は「予断を持たない」と述べるにとどめました。追加の利上げの手がかりを示さなかったため、10月の米国の利上げ観測は後退しました
  • 植田日銀総裁:一時的な動きを除いた物価の伸び(基調的な物価上昇率)は、目標の2%に「かなり接近している」と述べました。2%に届いたかどうかは、29日からの金融政策決定会合で議論して結論を出すとしています

この発言を受けて、米国の長期金利は下がり、円相場は158円前後で落ち着きました。

もう1つ、中東情勢を背景に原油高が続いています。16日には北海ブレント原油(12月限)が1バレル109.86ドルと、5月19日以来の高値をつけました。

為替と金利のくわしい動き

ドル円:159円手前まで行って戻った

ドル円は1週間、158円をはさんだ動きでした。14日に米国の物価が予想を上回ると、ドルが買われて159円の手前(158円95銭前後)まで円安が進みました。その後は米国の金利が下がり、15日には157円55銭前後まで戻しています。

週を通すと、9日の158円15銭から16日の157円99銭へ、ほとんど変わっていません。

日本の長期金利:3%を割り込んだ

日本の長期金利(新発10年国債の利回り)は、前週末まで3%台でした。15日には株が急落して国債が買われ、2.89%まで下がる場面がありました。16日の終値は2.930%です。

参考までに、財務省が10月に発行する10年国債の利率は年3.1%で、30年2か月ぶりの高い水準です。長期の金利が高い状態であることに変わりはありません。

政策金利の見通し

いまの政策金利 次の会合 市場の見方
日本(日銀) 1.25%程度(9月18日に引き上げ) 10月29日〜30日 東短リサーチの16日午後の推計で、10月の利上げ確率は5%、12月は77%
米国(FRB) 3.75〜4.00%(9月16日に引き上げ) 10月27日〜28日 16日のウォーシュ議長の発言で、10月の利上げ観測は後退

中小企業の社長にとって何が効くか

相場のニュースは大きく見えますが、自社に効く道すじは3つに分けると整理しやすくなります。

動いたもの 自社に効くところ 今週の動き 確かめること
円相場(ドル円) 輸入品・原材料の仕入れ値、輸出の売上 158円前後でほぼ横ばい 仕入れ値の前提を、158円前後で置いたままでよいか
金利 借入の利息、これからの借入の条件 日本の長期金利は3%を割り込み、政策金利は1.25%のまま 変動金利の借入の見直し時期と、次の短期プライムレートの改定日
株価 上場している取引先の業績、景気の空気 半導体・AI関連が大きく下げ、全体(TOPIX)は小幅安 半導体関連の取引先があるなら、受注の見通しを聞いておく

円相場 → 仕入れ・輸出

ドル円は1週間でほとんど動いていません。今週の株の下げで、仕入れの値段の前提を変える必要はありません。 一方で、原油が高い状態は続いています。燃料や運賃、樹脂など、原油の値段が効く仕入れがある会社は、次の値上げの連絡が来る前に、仕入先に見通しを聞いておくと交渉がしやすくなります。

金利 → 借入

日本の政策金利は9月に1.25%程度まで上がりました。これを受けて、三菱UFJ銀行は短期プライムレート(銀行が優良企業に短期で貸すときの基準の金利)を、11月2日から2.375%→2.625%に0.25%上げると発表しています。

変動金利で借りている会社は、利息が上がるのはこれからです。借入が1億円あれば、0.25%の上昇で年25万円の利息が増える計算です。いまのうちに、自社の借入が「いつ」「どの基準で」見直されるのかを確かめておくと、資金繰りの表を先に直せます。

株価 → 取引先・景気

今週の下げは、半導体やAIに関係する会社に集中しました。全体の動きに近いTOPIXの下げは1%未満です。景気全体が急に悪くなったというより、一部の業種に売りが集まった週と読むのが自然です。

半導体の装置や部材に関わる取引先がある会社は、来週から続く大手企業の決算で、受注の見通しが変わっていないかを確かめておくと安心です。

AIに「自社への影響」を聞いてみる

この記事の表をコピーして、そのままAIに渡すと、自社向けの読み替えが数分でできます。

次の表は、今週の株価・為替・金利の動きです。
【ここに表を貼り付ける】

当社は【業種・事業の説明を1〜2行】の会社です。
主な仕入れは【例:海外からの部品/国内の原材料】、
借入は【例:変動金利で約〇億円】です。

この動きが当社の
1. 仕入れの値段
2. 借入の利息
3. 取引先の注文
にどう効きそうか、それぞれ2行で教えてください。
表に書いていない数字は使わず、わからないことは「わからない」としてください。

来週見ておく予定

来週(10月19日〜23日)と、月末の予定です。いずれも報道などで日程を確認できたものだけを載せています。

日付 予定 見ておく理由
10月19日(月) 中国の7〜9月期GDP(国内総生産) 中国向けの輸出や、アジアの景気の手がかり
10月20日(火) 米国の9月住宅着工件数 米国の景気と金利の手がかり
10月21日(水) 日本の9月貿易統計 輸出・輸入の動き
10月23日(金) 日本の9月全国消費者物価指数(CPI) 日銀の利上げの判断材料。予想は前年同月比2.2%の上昇
10月23日(金) 米国の10月PMI(購買担当者景気指数、景気の体感を表す数字)速報値 米国の景気の勢い
10月27日〜28日 米国FOMC(金利を決める会合) 米国の追加利上げがあるか
10月29日〜30日 日銀の金融政策決定会合 植田総裁が「2%に届いたか」の結論を出すと話した会合
11月2日(月) 三菱UFJ銀行の短期プライムレート改定 変動金利の借入の利息に効く

来週は、米国の大手企業の決算発表も本格的に始まります。AI関連の会社の決算が、今週売られた半導体株の流れを変えるかどうかが注目点です。

なお、大阪取引所の日経平均先物(12月限)は、17日午前6時に終わった夜間取引で、前日比1890円安の6万3630円でした。週明けの東京市場は、下げて始まる可能性があります。

よくある質問

今週(10月12日〜16日)日経平均が下がった理由は何ですか?

きっかけは、14日に発表された米国の9月の消費者物価指数が前年同月比3.7%の上昇と、予想(3.6%)を上回ったことと、AI関連企業への不安です。日経新聞は、米国のAI向けクラウド企業コアウィーブの社債の価格が急落し、投資家の気持ちが冷えたことも要因に挙げています。15日の日経平均は前日比3318円34銭安で、下げ幅は過去3番目でした。

日経平均とTOPIXの下げ幅はなぜ違ったのですか?

日経平均は1週間で5%以上下がったのに、東証に上場する全体の動きに近いTOPIXは1%弱の下げでした。値がさの半導体株が大きく下がり、日経平均を押し下げたためです。15日には、アドバンテスト1社だけで日経平均を1300円超押し下げました。

日銀の次の金融政策決定会合はいつですか?

10月29日〜30日です。植田総裁は16日、基調的な物価上昇率が目標の2%に「かなり接近している」と述べ、2%に届いたかどうかはこの会合で議論して結論を出すとしています。いまの政策金利は1.25%程度(9月18日に引き上げ)です。

今週の相場は会社の借入にどう影響しますか?

日本の長期金利は3%を割り込み、16日は2.930%でしたが、借入により直接効くのは短期プライムレートの改定です。三菱UFJ銀行は、11月2日から短期プライムレートを2.375%から2.625%に0.25%上げると発表しています。借入が1億円あれば、0.25%の上昇で年25万円の利息が増える計算です。

まとめ

  1. 日経平均は1週間で3706円(5.37%)下がったが、TOPIXは0.95%の下げにとどまった。下げは半導体・AI関連に集中した
  2. きっかけは、14日の米国の物価(前年比3.7%)が予想を上回ったことと、AI関連企業への不安
  3. ドル円は158円前後でほぼ横ばい。仕入れ値の前提を変えるほどの動きではない
  4. 日本の長期金利は3%を割り込み、16日は2.930%。借入では、11月2日の短期プライムレートの改定のほうが直接効く
  5. 来週は23日の全国CPI、月末は27〜28日のFOMCと29〜30日の日銀の会合

株価の上げ下げに振り回されず、「円」「金利」「取引先」の3つだけ確かめれば、相場のニュースを自社の次の一手に変えられます。

※ この記事は、相場の動きと経営への影響を説明するもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。

参考

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