先物取引とは|仕組みと特徴を初心者にもわかりやすく解説
(更新 ) · 投資の教科書 デリバティブ事務局

この記事は2017年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
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先物取引とは、特定の商品について、あらかじめ決められた期日に決められた価格で売買することを約束する取引をいいます。
価格や期日などの売買の条件を事前に決めておくことができるので、価格が変動する商品を取引する際の価格変動リスクを抑えることができます。
この記事では、先物取引の基本的な知識について、初心者にもわかりやすくお伝えします。
目次
1.先物取引とは
先物取引を簡単にいうと、次の3つを約束している取引のことをいいます。
- 将来のあらかじめ決められた期日に
- 特定の商品(原資産)を
- 現時点で取り決められた価格で売買する
これだけではわからないと思うので、詳しく解説していきます。
1.1.先物取引の仕組み
先物取引の仕組みをわかりやすくお伝えするために、オレンジジュースを作って販売しているAジュース店を例にしてみましょう。
オレンジジュースの価格は100円ですが、原料のオレンジの価格は日々変動しています。ジュース1杯を作るのに1個のオレンジを使うのですが、オレンジ1個の価格は50円~120円の幅で変動してしまうと、オレンジの価格が100円以上になると原料だけで赤字になってしまいますよね。
一方、Aジュース店に原料のオレンジを作って納品しているD農園は、オレンジの価格が50円以下だとコスト的に赤字になってしまいます。
そこで、両社の間で、「D農園はAジュース店に1年後にオレンジ1個あたり必ず70円で販売する」という契約をしました。
この契約によって、Aジュース店はオレンジを1個70円で買うことができ、オレンジの価格が高くなっても赤字になるリスクを避けることができます。また、D農園も70円で確実に売れるのであれば、利益を十分確保できます。
このように、先物取引を使うことで、商品の価格変動のリスクを抑えることができるのです。
1.2.先物取引の3つの要素
先物取引の3つの要素「期日」「原資産」「価格」について、順番に解説します。
1.2.1.期日
期日は、「決済期日」「満期日」「限月(げんげつ)」などとも呼ばれます。先物取引は将来の取引を約束するものなので、それがいつの時点なのかを確定する期限のことをいいます。
この期日は、原資産(次で解説)によって複数の期日が定められています。例えば、日経平均株価指数先物取引の場合は、13の期日の先物を取引できます。
1.2.2.原資産
先物取引の対象となる商品のことを原資産といい、次のようなものがあります。
①日経平均株価指数
国内で最もメジャーな先物取引といえば、日経平均株価を原資産とした「日経平均株価指数先物取引」です。他にも、TOPIX先物などがあり、日本取引所グループで取引されています。
なお、次の画像は、楽天証券のマーケットスピードでの日経225先物取引の板画面で、通常の株式と同じように売買できます。

また、アメリカの株価指数を対象とした先物取引には、「S&P500先物」「ダウ先物」などがあります。
②商品先物
金、プラチナなどの貴金属、ガソリンなどのエネルギー、とうもろこしや大豆などの農産物は、東京商品取引所で先物取引が行われています。
1.2.3.価格
先物は限月ごとに取引され、価格も限月ごとに決まります。通常、先物は期先、つまり期日が先になるほど価格が高くなっていきます(=「コンタンゴ」)。
期先になるほど価格が高くなる理由の1つに、期先は期間が長い分、金利や保管コストなどが高くなることが挙げれます。しかし、先物価格は様々な要因で決まるので、期先になるほど安くなる場合もあります(=「バックワーデーション」)。
2.先物取引の3つのメリット
次に、先物取引の大きなメリットを3つ紹介します。
2.1.価格変動リスクをヘッジできる
価格変動のリスクをヘッジできるメリットは、先ほどのジュース店と農園との契約の話でもお伝えしましたね。
おさらいすると、Aジュース店は、原料のオレンジが値上がりしても赤字にならないように先物取引でオレンジを買っています(=買いヘッジ)。一方、D農園は、作っているオレンジが値下がりして元が取れなくリスクを避けるために先物取引でオレンジを売っています(=売りヘッジ)。
このように、先物取引を使うことで、価格変動によって損失が生じることをヘッジ(=回避)することができるのです。
2.2.売りからも取引ができる
通常の取引では、まず商品を仕入れてから売る必要があります。しかし、先物取引は、売りから取引を始めることができます。先物取引はあくまでも「売買することを約束する取引」なので、手元に商品がなくても先に売ることができるのです。
この場合、期日までに調達した商品を渡すことで決済したり、期日に売った価格と当日の価格で差額決済することで約束を果たすことになります。
このように、先物取引は売りからも取引ができるので、取引対象の商品の価格が下落することを予測している場合に、手元に商品がなくても利益を狙うことができます。
2.3.レバレッジが効くので資金効率が良い
レバレッジとは、少ない資金で大きな金額の取引をする仕組みのことをいい、「てこの原理」によく例えられます。
本来、日経225先物(2万円と仮定)を1枚買うとしたら約2,000万円がかかるのですが、先物取引を使うとレバレッジが効いているので、100万円で済みます。
このように、先物取引は少ない資金で効率良く取引ができるのが特徴です。ただし、レバレッジをかけ過ぎると、相場が思惑と反対に動いた時には損失が大きく膨らむ場合があるので、注意が必要です。
まとめ
この記事では、先物取引の本質をお伝えしました。
「期日」や「期先」などの専門用語があって難しそうに見えますが、個人投資家は、日経225先物を取引所を通じて株式と同じように売買する機会が圧倒的に多いでしょう。
先物取引は、現物取引のヘッジに利用したり、下げ相場でも利益を狙えたりするなど、上手く活用することで、投資の幅を広げることができます。
100分の1の取引単位で取引できる日経225ミニもあるので、しっかり勉強して、少しずつ試していただければと思います。
この記事を書いた人
投資の教科書 デリバティブ事務局
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