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ドラッケンミラーが持つAI銘柄は? 13Fと発言でわかる、伝説の投資家の売り買い

· 投資の教科書 編集部

ドラッケンミラーが持つAI銘柄は? 13Fと発言でわかる、伝説の投資家の売り買い

この記事で手に入るもの

  • ドラッケンミラー氏のファンドが、2026年6月末時点の13Fで持っていたAI関連の銘柄
  • 前の期(3月末)と比べて、増やした銘柄・新しく買った銘柄・無くなった銘柄
  • エヌビディア株を「売って後悔した」と語った発言の流れ
  • 13Fを自分で読むときに、気をつけたい点

結論

  1. ドラッケンミラー氏のデュケーヌ・ファミリー・オフィスの13F(基準日2026年6月30日、提出2026年8月14日)では、TSMC・アマゾン・シーゲイトが増え、アルファベット・AMD・ラムリサーチが新しく出てきた。アームは大きく減った(保有を公表)
  2. 同じ13Fでは、前の期(基準日2026年3月31日)にあったブロードコム・マイクロン・インテルが無くなった(慎重・否定的)
  3. エヌビディアは2024年3月下旬に減らしたと2024年5月7日に話し、2024年10月16日には全部売ったのは「大きな間違い」と認めた。最新の13Fにもエヌビディアの名前はない

世界的に有名な投資家が、AIの銘柄をどう売り買いしているか。米国では、その一部を誰でも無料で確かめられます。

この記事では、スタンレー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)氏について、米国の開示資料「13F」と、本人がテレビや対談で話した内容を、日付と出典つきで整理します。

どんな人か

ドラッケンミラー氏は、ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを運用し、1992年の英ポンドへの大きな賭けで名を知られた投資家です。自分の運用会社デュケーヌ・キャピタルは2010年に閉じ、いまは**自分と家族の資産を運用する「デュケーヌ・ファミリー・オフィス(Duquesne Family Office)」**を率いています(CNBC、2024年5月7日)。

つまり、この記事で扱う銘柄は、本人が自分のお金で実際に売り買いしてきた銘柄です。発言には、自分の持ち株についての考えが含まれている点を踏まえて読んでください。

13Fとは

13F(フォーム13F)は、米国で一定以上の株を運用する機関投資家が、四半期ごとに米国の証券取引委員会(SEC)へ出す保有報告です。SECのサイト「EDGAR」で誰でも読めます。

ただし、次の点に注意が必要です。

  • 13Fは四半期末時点の米国上場株の一部の保有で、現在の保有とは違う可能性がある
  • 提出は、四半期末から最大45日あと。読めるころには、もう売っているかもしれない
  • 空売りや、日本・韓国など米国以外の株は載らない
  • コール・プット(あらかじめ決めた値段で買う・売る権利)は、元になる株の金額で書かれる。値上がりの賭けか、値下がりへの備えかは、開示からはわからない

この記事で使った最新の13Fは、報告の基準日が2026年6月30日、提出日が2026年8月14日のものです。比べる前の期は、基準日2026年3月31日、提出日2026年5月15日のものです。

挙げた銘柄の一覧

会社名 ティッカー 区分 日付 ひとこと
エヌビディア NVDA 慎重・否定的 2024-05-07 3月下旬に減らした。AIは短期では期待が先行気味
エヌビディア NVDA 注目と発言 2024-10-16 全部売ったのは「大きな間違い」
TSMC TSM 保有を公表 2026-08-14 13Fで約59万株。前の期から増
アマゾン・ドット・コム AMZN 保有を公表 2026-08-14 約54万株。前の期の10倍以上
アルファベット GOOGL 保有を公表 2026-08-14 約34万株。この期に新しく出てきた
AMD AMD 保有を公表 2026-08-14 約7.3万株。新しく出てきた
シーゲイト・テクノロジー STX 保有を公表 2026-08-14 約12万株。前の期の2倍以上
ラムリサーチ LRCX 保有を公表 2026-08-14 約4.4万株。新しく出てきた
アーム・ホールディングス ARM 保有を公表 2026-08-14 約2.8万株。前の期から大きく減
ブロードコム AVGO 慎重・否定的 2026-08-14 前の期の約19.6万株が無くなった
マイクロン・テクノロジー MU 慎重・否定的 2026-08-14 前の期の約2.3万株が無くなった
インテル INTC 慎重・否定的 2026-08-14 前の期の約41万株が無くなった

※ 13Fの行は、提出日(2026年8月14日)で並べています。中身は2026年6月30日時点の保有です。

エヌビディア:買って、売って、後悔した

2022年秋に買い、ChatGPTを見て買い増した

2024年5月7日、CNBCの番組「Squawk Box」で、本人がエヌビディアとの関わりを話しました。2022年の秋、若いパートナーに「これからはAIだ」と教わって買い、その1か月後にChatGPTが登場したのを見て、大きく買い増したといいます。

2024年3月下旬に減らした

同じ番組で、エヌビディアなどの持ち株を3月下旬に減らしたと明かしました。株価が150ドルから900ドルまで上がり、「市場が気づいたことが多くなった」という理由です。

そのうえで、AIについては「短期では期待が先行気味("AI might be a little overhyped now")だが、長期ではまだ過小評価」と話しました。大きな見返りは4〜5年先かもしれない、という見方です。

2024年10月:「売ったのは大きな間違い」

2024年10月16日のブルームバーグの取材では、その年にエヌビディア株をすべて売ったことを**「大きな間違い」**だったと認めました。売った値段は分割前で800〜950ドルくらいだったとし、「悪い売りの傷をなめている("licking my wounds from a bad sale")」と話しています。株価が下がれば、また買う可能性にも触れました(CNBCの報道)。

2026年2月:対談で振り返る

モルガン・スタンレーが2026年2月27日に公開した対談では、この売買を改めて振り返りました。「この株は少なくとも2〜3年は上がる」と自分で言っていたのに、800ドルで売ってしまい、その後さらに上がった、という話です。

同じ対談で、2025年の夏から秋にかけて、AIの取引が「不安なほど過熱してきた」と感じ、ほかの分野を探し始めたとも話しています。そして「この3年はポートフォリオがAI中心だったが、今はAIが運用の主役ではない」という趣旨を述べました。

なお、最新の13F(2026年6月末時点)にも、エヌビディアの名前はありません。

2026年6月末の13F:何を持ち、何が無くなったか

前の期(3月末)と比べると、AIに関わる銘柄の顔ぶれがかなり入れ替わっています。

増えた・新しく出てきた銘柄

  • TSMC(TSM):約50万株→約59万株。AI向け半導体の製造を受け持つ会社。保有額で、全体の2番目に大きい銘柄
  • アマゾン(AMZN):約4.6万株→約54万株。株に加えて、コール(値上がりで利益が出る権利)も増えた
  • アルファベット(GOOGL):約34万株が新しく出てきた
  • AMD:約7.3万株が新しく出てきた
  • シーゲイト(STX):データを保存する装置の会社。約5万株→約12万株
  • ラムリサーチ(LRCX):半導体を作る装置の会社。約4.4万株が新しく出てきた

減った・無くなった銘柄

  • アーム(ARM):約10.7万株→約2.8万株
  • ブロードコム(AVGO):約19.6万株→0
  • マイクロン(MU):約2.3万株→0
  • インテル(INTC):約41万株→0

このほか、光通信部品のコヒレントやルメンタム、電子機器の受託製造のセレスティカなども、6月末の13Fからは消えています。

「無くなった」は、3月末と6月末の2つの時点を比べた結果です。 いつ、なぜ売ったのかは、13Fからはわかりません。

全体の中でAIはどのくらいか

6月末の13Fで最も大きいのは、遺伝子検査の会社ナテラで、全体の約17%を占めます。AI関連の銘柄は、TSMCでも約5%、アマゾンやアルファベットは2%台です。AI銘柄に集中した持ち方ではありません。

その後の発言:AIの「利益のバブル」に注意

英フィナンシャル・タイムズ(FT)は2026年9月、ドラッケンミラー氏が9月10日にニューヨークの非公開の会合で話した内容を報じました。報道によると、氏は次のように話したとされます。

  • 米国株は「利益のバブル」の中にあるかもしれない。AIの建設ブームで膨らんだ利益が、ずっと続くとは限らない
  • デュケーヌのAI関連の投資は、6か月前の約20%の規模まで減らした

これは非公開の場での発言を報道が伝えたもので、本人が公に発表したものではありません。銘柄名は報じられていません。

この人の見方の特徴(編集部の整理)

ここからは、投資の教科書編集部の整理です。事実と推測を分けて書きます。

事実として確かめられること

  • AIそのものには、長期で大きな変化をもたらすと前向きな発言を続けている(2024年5月、2026年2月)
  • 一方で、株価が上がりすぎたと感じると、短い期間でも大きく売っている(2024年のエヌビディア)
  • 2026年6月末の13Fでは、半導体の部品・メモリー系(ブロードコム、マイクロン、インテル)が消え、TSMC、アマゾン、アルファベットなどが増えた

推測(確かめられていないこと)

  • 半導体の個別の部品より、AIを使って稼ぐ大手や、製造の中心になる会社へ重心を移した、とも読めます。ただし本人がそう説明したわけではありません
  • 13Fに載らない日本や韓国の株、空売り、6月末より後の売買はわかりません

本人も対談で「3週間ごとに考えを変える」と話しています。13Fは「その日の写真」で、次の日にはもう違うかもしれないと考えるのが安全です。

→ AIへの投資額がどこまで大きくなるかなら:AIの市場はどこまで大きくなる?(社長のAIの教科書)

13Fを自分で確かめる手順

  1. SECの「EDGAR」で、会社名(例:Duquesne Family Office)を検索する
  2. 書類の種類が「13F-HR」のものを開く。「Period of Report」が基準日
  3. 「INFORMATION TABLE」に銘柄と株数が並んでいる
  4. 1つ前の期の13Fも開き、株数を比べる

比べるときは、AIに表を渡すと楽です。

添付した2つの表は、同じ投資家の13F(四半期末の米国株の保有報告)です。
1つ目が新しい期、2つ目が前の期です。

1. 新しく出てきた銘柄
2. 株数が増えた銘柄(増えた割合も)
3. 株数が減った銘柄、無くなった銘柄

を表にしてください。コール・プットは株と分けて書いてください。
表に書いていないことは推測せず「記載なし」としてください。

よくある質問

ドラッケンミラーが持っているAI銘柄は?

最新の13F(基準日2026年6月30日、提出2026年8月14日)では、TSMC(約59万株)、アマゾン(約54万株)、アルファベット(約34万株)、AMD(約7.3万株)、シーゲイト(約12万株)、ラムリサーチ(約4.4万株)、アーム(約2.8万株)が開示されています。全体で最も大きいのは遺伝子検査のナテラで、AI銘柄に集中した持ち方ではありません。

ドラッケンミラーはエヌビディア株を売ったのですか?

2024年5月7日のCNBCの番組で、エヌビディアなどの持ち株を3月下旬に減らしたと明かしました。2024年10月16日のブルームバーグの取材では、その年にエヌビディア株をすべて売ったことを「大きな間違い」だったと認めています。2026年6月末時点の13Fにもエヌビディアの名前はありません。

ドラッケンミラーが13Fで手放したAI銘柄は?

基準日2026年3月31日と6月30日の13Fを比べると、ブロードコム(約19.6万株)、マイクロン(約2.3万株)、インテル(約41万株)が無くなりました。コヒレント、ルメンタム、セレスティカなども消えています。いつ、なぜ売ったのかは13Fからはわかりません。

ドラッケンミラーはAIバブルだと言っているのですか?

2026年2月27日公開の対談では、2025年の夏から秋にかけてAIの取引が「不安なほど過熱してきた」と感じ、ほかの分野を探し始めたと話しました。英FTは2026年9月、本人が9月10日の非公開の会合で、米国株は「利益のバブル」の中にあるかもしれないと話したと報じています。一方で、AIそのものについては長期で大きな変化をもたらすと前向きな発言も続けています。

まとめ

  1. ドラッケンミラー氏は、自分の資産を運用する立場で、AI銘柄を実際に売り買いしてきた
  2. エヌビディアは2024年に売り、本人が「大きな間違い」と認めている。最新の13Fにも無い
  3. 2026年6月末の13Fでは、TSMC・アマゾン・アルファベットなどが増え、ブロードコム・マイクロン・インテルが消えた
  4. 2026年に入ってからは、AIの過熱や「利益のバブル」に注意する発言が目立つ
  5. 13Fは四半期末時点の米国上場株の一部の保有で、現在の保有とは違う可能性がある

次の13F(基準日2026年9月30日)は、11月中旬までに出る予定です。出たら、AI関連の銘柄がさらに減ったのか、また増えたのかを確かめてみてください。

※ この記事は、スタンレー・ドラッケンミラー氏が公の場で語った内容と、公的な開示を記録したもので、投資の教科書が特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。発言は当時のもので、現在の考えや保有とは違う可能性があります。

参考

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