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孫正義が賭けるAI銘柄は? 決算資料と株主総会でわかる、ソフトバンクの売り買い

· 投資の教科書 編集部

孫正義が賭けるAI銘柄は? 決算資料と株主総会でわかる、ソフトバンクの売り買い

この記事で手に入るもの

  • ソフトバンクグループが公表しているAI関連の主な投資と売却(2025年1月〜2026年10月)
  • エヌビディア株を全部売ったときの開示と、孫氏本人の説明
  • 2026年6月の株主総会で、孫氏がアーム・インテル・エヌビディアについて話したこと
  • 自社の投資先を語る経営者の発言を、どう読めばよいか

結論

  1. ソフトバンクグループは、OpenAI(2026年10月1日時点で累計646億ドル、持ち分約13%)、アーム(90%弱、2026年6月24日の株主総会で説明)、インテル(2025年8月19日に20億ドルの出資契約)、デジタルブリッジ(2026年9月30日に買収完了)などへの投資を公表している(保有を公表)
  2. 2025年11月11日の決算資料で、2025年10月にエヌビディア株の全部(3,210万株)を約58億ドルで売ったと開示した(慎重・否定的)。孫氏は12月1日、本当は1株も売りたくなかった、OpenAIへの資金が必要だったと説明した
  3. 2026年6月24日の株主総会では、アームは「まだ10倍以上伸びる」、エヌビディアはAIの第一段階で圧倒的な1位、インテルへの投資の価値は6倍ほどになったと話した(注目と発言)

日本でいちばん大きな金額をAIに投じている経営者の一人が、孫正義(Masayoshi Son)氏です。

ソフトバンクグループは上場企業なので、何を買い、何を売ったかの多くを、決算資料・プレスリリース・株主総会の書き起こしとして誰でも読めます。この記事では、それらを日付と出典つきで整理します。

どんな人か

孫氏は、ソフトバンクグループの代表取締役 会長兼社長執行役員です。同社は自らを「戦略的投資持株会社」と呼び、多くの事業会社や投資先を持っています。

大事な前提として、孫氏はこの記事に出てくる投資を決める立場の当事者です。 ソフトバンクグループは半導体設計のアームの株の90%弱を持ち、OpenAIには累計646億ドルを出資しています。孫氏の発言は、自社の投資先への期待を含むものとして読んでください。

→ 孫正義のAI発言録なら:孫正義のAI予測(社長のAIの教科書)

挙げた銘柄の一覧

会社名 ティッカー 区分 日付 ひとこと
スターゲート 非上場 保有を公表 2025-01-21 OpenAIらと4年で5,000億ドルの計画。孫氏が会長
インテル INTC 保有を公表 2025-08-19 20億ドルの出資契約
エヌビディア NVDA 慎重・否定的 2025-11-11 10月に全株(3,210万株)を約58億ドルで売却
エヌビディア NVDA 注目と発言 2025-12-01 本当は1株も売りたくなかった
OpenAI 非上場 保有を公表 2026-02-27 300億ドルの追加出資を契約
アーム ARM 保有を公表 2026-06-24 90%弱を保有、持ち分は約55兆円
アーム ARM 注目と発言 2026-06-24 まだ10倍以上伸びる
エヌビディア NVDA 注目と発言 2026-06-24 AIの第一段階では圧倒的な1位
インテル INTC 注目と発言 2026-06-24 投資の価値は6倍ほどに
OpenAI 非上場 注目と発言 2026-06-24 モデルを進化させるパートナー
TSMC TSM 保有を公表 2026-08-14 13Fで56.5万株。前の期から大きく減
テンパスAI TEM 保有を公表 2026-08-14 13Fで約541万株
デジタルブリッジ DBRG 保有を公表 2026-09-30 約31億ドルで買収を完了
OpenAI 非上場 保有を公表 2026-10-01 追加出資の3回目を実行。累計646億ドル

エヌビディア:全部売って、「泣く泣く」と語った

2025年11月11日:決算資料で全株売却を開示

ソフトバンクグループは2025年11月11日の決算説明会の資料で、2025年10月に、保有していたエヌビディア株の全部(3,210万株)を合計約58億ドルで売ったと開示しました。同じ資料では、Tモバイル株の一部やドイツテレコム株の売却も並べ、手元の資産を使った資金づくりとして説明しています。

ソフトバンクグループが米国に出した13Fでも、2025年9月30日時点にあった約3,211万株のエヌビディア株が、12月31日時点の報告では無くなっています。

2025年12月1日:「1株も売りたくなかった」

孫氏は2025年12月1日、東京で開かれた国際会議で、この売却について話しました。ビジネス・インサイダーの報道によると、**エヌビディアとジェンスン・フアンCEOを尊敬しており、本当は1株も売りたくなかった("I don't want to sell a single share")**と述べ、OpenAIへの投資にもっとお金が必要だったと説明しています。

つまり、**「エヌビディアが危ないから売った」という説明ではなく、「OpenAIに入れるお金を作るために売った」**という説明です。

2026年6月24日:「第一段階の1位」

2026年6月24日の第46回定時株主総会では、AIの進化を野球の回にたとえました。会話や画像、動画を作るAIの第一段階では、エヌビディアが圧倒的な1位だったという見方です。

そのうえで、AIが自分で考えて動く「エージェントAI」の第二段階では、CPU(コンピューターの頭脳にあたる半導体)がより大事になると話しています。

アーム:「まだ10倍以上伸びる」

同じ株主総会で、孫氏が最も力を込めて語ったのがアームです。

  • ソフトバンクグループはアームの株の90%弱を持ち、その持ち分の価値は約55兆円
  • アームは設計図を貸す会社から、2026年3月に自社のチップを出す会社へ広がった
  • CPUの設計では世界一で、電力あたりの計算能力が高いので、データセンターの電力不足の中で勝つ
  • 「Arm はまだまだこれから 10 倍以上伸びると思っています」と述べた

アームはソフトバンクグループの子会社です。この発言は、自社が9割近くを持つ会社についての、経営者自身の見通しです。

OpenAIとスターゲート:最大の賭け

出資の積み上げ

  • 2025年1月21日:OpenAI、オラクル、MGXとともに、米国でOpenAI向けのAIインフラに4年間で5,000億ドルを投じる「スターゲート」を発表。孫氏が会長に就く
  • 2026年2月27日:OpenAIに300億ドルを追加で出資する契約を結んだと発表。完了すると累計646億ドル、持ち分は約13%になる見込み
  • 2026年10月1日:追加出資の3回目(100億ドル)を実行。累計646億ドル、持ち分は約13%になった

株主総会での発言

2026年6月の株主総会で孫氏は、OpenAIをAIのモデルを世界一にするためのパートナーと位置づけました。株主からスターゲートの規模の拡大を問われると、「あります」と答え、予定どおりかそれ以上に前倒しで、より大きく建設中だと話しています。

OpenAIとスターゲートは、どちらも上場していません。株として売り買いできる銘柄ではない点に注意してください。

インテル:「批判の嵐」から6倍に

ソフトバンクグループは2025年8月19日、インテルに20億ドルを出資し、1株23ドルで普通株を取得する契約を結んだと発表しました。13F(基準日2026年6月30日、提出2026年8月14日)でも、インテル株を約8,696万株持っていることが確かめられます。

孫氏は2026年6月の株主総会で、出資した直後は専門家から批判を受けたが、投資の価値は6倍ぐらいになったと説明しました。半導体の製造では台湾のTSMCが圧倒的な1位で、米国としてはインテルを強くせざるを得ない、というのが出資の理由です。

そのほかの公表された投資

  • デジタルブリッジ(DBRG):データセンターなどのデジタルインフラに投資する運用会社。2026年9月30日に約31億ドルで買収を完了した
  • 13Fに載っている米国株(基準日2026年6月30日、提出2026年8月14日):インテルのほか、TSMC(56.5万株。3月末の198.5万株から減った)、AIで医療データを分析するテンパスAI(約541万株)など

13Fは四半期末時点の米国上場株の一部の保有で、現在の保有とは違う可能性があります。アームやOpenAIのように、13Fに載らない大きな持ち分もあります。

この人の見方の特徴(編集部の整理)

ここからは、投資の教科書編集部の整理です。事実と推測を分けて書きます。

事実として確かめられること

  • 2026年6月の株主総会では「AIバブルだ」という声に反論し、AI革命は始まったばかりだと述べた
  • AIを「モデル」「チップ」「インフラ」「ロボット」の4つに分け、それぞれで世界一を目指すと話した
  • お金を集中させる先を決めると、ほかの大きな持ち株を売ってでも資金を作る(エヌビディアの全株売却)

推測(確かめられていないこと)

  • 「売った=見放した」ではない、という点は、エヌビディアの例で本人の説明から読み取れます。ただ、ほかの銘柄の売却について同じことが言えるかは、確かめられていません
  • 発言の多くは自社の投資先の話です。期待が強く語られるのは、立場からして自然だと考えて、数字は決算資料で確かめるのが安全です

自分で確かめるときの頼み方

ソフトバンクグループの決算資料は、同社のホームページの「説明会資料・動画」で読めます。PDFをAIに渡すと、投資と売却の動きを短時間でつかめます。

添付したのは、ソフトバンクグループの決算説明会の資料です。

1. この期に売った・資金化した資産と、その金額
2. この期に新しく出資した・出資を約束した先と、その金額
3. 「AI」に関係する投資先の一覧

を表にしてください。
資料に書いていない数字は推測せず「記載なし」とし、
それぞれ資料の何ページに書いてあったかも添えてください。

よくある質問

孫正義はエヌビディア株を売ったのですか?

ソフトバンクグループは2025年11月11日の決算資料で、2025年10月に保有していたエヌビディア株の全部(3,210万株)を合計約58億ドルで売ったと開示しました。孫氏は2025年12月1日、本当は1株も売りたくなかったと述べ、OpenAIへの投資にもっとお金が必要だったと説明しています。

ソフトバンクグループのAI関連の主な投資先は?

OpenAI(2026年10月1日に追加出資の3回目を実行し、累計646億ドル・持ち分約13%)、アーム(株の90%弱を保有)、インテル(2025年8月19日に20億ドルの出資契約)、デジタルブリッジ(2026年9月30日に約31億ドルで買収完了)などが公表されています。13F(基準日2026年6月30日)ではTSMCやテンパスAIの保有も確かめられます。

孫正義はアームについて何と言っていますか?

2026年6月24日の第46回定時株主総会で、「Arm はまだまだこれから 10 倍以上伸びると思っています」と述べました。CPUの設計で世界一で、電力あたりの計算能力が高いので、データセンターの電力不足の中で勝つと説明しています。アームはソフトバンクグループが90%弱を持つ子会社です。

孫正義はインテルへの出資をどう説明していますか?

2026年6月24日の株主総会で、出資した直後は専門家から批判を受けたが、投資の価値は6倍ぐらいになったと話しました。半導体の製造では台湾のTSMCが圧倒的な1位で、米国としてはインテルを強くせざるを得ない、というのが出資の理由です。

OpenAIやスターゲートの株は買えますか?

OpenAIとスターゲートは、どちらも上場していません。株として売り買いできる銘柄ではありません。

まとめ

  1. 孫氏はソフトバンクグループの経営者で、発言は自社の投資先への期待を含む
  2. エヌビディア株は2025年10月に全部売った。本人は「1株も売りたくなかった」と、OpenAIへの資金づくりだったと説明した
  3. 最大の賭けはOpenAI(累計646億ドル、約13%)と、9割近くを持つアーム
  4. インテルには20億ドルを出資し、本人は価値が6倍ほどになったと説明した
  5. 13Fは四半期末時点の米国上場株の一部の保有で、現在の保有とは違う可能性がある

次の1か月で確かめるなら、ソフトバンクグループの次の決算発表です(日程は同社の「IRカレンダー」で確かめられます)。OpenAIへの出資の評価や、新たな売却・出資が出ていないかを、決算資料で見てみてください。

※ この記事は、孫正義氏が公の場で語った内容と、公的な開示を記録したもので、投資の教科書が特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。発言は当時のもので、現在の考えや保有とは違う可能性があります。

参考

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