高配当銘柄とは|見つけ方のポイントと注意点
(更新 ) · 投資の教科書 株式事務局

この記事は2014年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
上場企業は株を保有してくれている株主に対する見返りとして、配当金や株主優待などを配ります。
この配当金の金額や株主優待の内容は企業ごとによって様々ですし、また企業によっては配当金も株主優待もない場合もあります。
株価に対して、高い配当を出している企業はやはりそれなりに評価されますし、資金も集まりやすくなります。特にアメリカなどでは配当を出さないような企業は株主還元がしっかりなっていない企業として、ダメな企業の烙印を押されます。
配当というものはそれぐらい株主が注目しているものなのです。そのため、配当確定までの一定期間のあいだに配当欲しさに株を買いたいという特殊需要が発生することがあります。
このページでは、配当に関する基本事項、高配当銘柄の株価の動きの特性を利用した投資手法、銘柄の選び方から実際にその投資手法を実践する際の注意点などをお伝えしていきます。
目次
1.配当に関する基礎知識
配当は原則的には利益から支払いますので、赤字の企業は配当を出すことができません。また、企業によっては成長のために配当を出さずに利益を蓄積するため無配(配当を出さないこと)をあえて選択する企業もあります。
しかし、多くの企業は多かれ少なかれ配当をだし、株主へその利益を還元する姿勢を見せています。
配当は基本的には年2回の配当が有り、本決算の時に1回、その半年前の中間決算で1回あります。なお業績が非常にいい場合など、特別配当として通常の配当に上乗せされることもあります。
それでは配当を具体的に考えてみましょう。トヨタ自動車(7203)を例にとります。
具体例としては、トヨタ自動車は年間株式を保有していると1株あたり220円の配当を受け取ることができます(2018年10月30日現在 予想)。トヨタは100株から購入可能なため22,000円分の金額がもらえます(税引き前)
次に、配当利回りです。配当利回りとは株式の価格(株価)に対して、配当がどれくらいの割合なのかを示したものです。
例えば、先ほど例に出したトヨタ自動車が年間配当220円でいまの株価が6,500円だったとします。
この場合配当利回りは、220/6,500×100=3.3 となり、配当利回りが3.3%となります。
簡単ですが配当の解説と配当利回りの計算方法です。難しくはないので覚えてしまいましょう。
2.配当利回りを使用する際の注意点
この配当利回りを考える際に気をつけてほしいことが2点あります。
- 配当利回りが高い企業が必ずしもいい会社だとは限らない
- 配当利回りは相場環境やほかの企業等と比較して考える必要がある
以下順に説明します。2点とも重要な点なので確実に覚えておくといいですよ。
2.1.配当利回りが高い企業がよい企業とは一概には言えない
配当利回りがよく、業績も良い会社、そのような企業はチャートの形状も自然によくなるはずです。
逆に言えば配当利回りが高いのに、右肩下がりで株価が放置されている銘柄があるとします。そんな銘柄を持っていると、ある日粉飾決算のニュースが出てストップ安を食らうなんてことがおきるのです。また業績の悪化が発表されて、株価はさらに下落その後、無配当や減配などが発表され結果的に適正な利回りに落ち着くなんてことも起きてきます。
先ほどのトヨタの例では220円の配当、6,500円の株価で利回り3.3%でした。
しかし、もしトヨタの株価が5,000円になったらどうでしょう?
220÷5,000×100=4.4% となります。
つまり配当利回りは企業に利益が出て配当が増えたときだけでなく、株価が下がった時にも上昇するのです。株価が下がるというのは何かしら理由があり下げているはずです。それを無視して配当利回りだけで考慮してしまうと業績下方修正など、業績悪化をまともに受け、減配などになってしまいます。
配当利回りを使う際には以上チャートの形状などにも必ず考慮すべきなのです(※銘柄選びの項目でも改めて解説します)
2.2.配当利回りは相場環境やほかの企業等と比較して考える必要がある
配当利回りは相場環境やほかの企業と比較して考える必要があります。
これはあたりまえかもしれませんが、そもそも相場がよくて全体がおおきく上昇している時には株価も値上がりますので、配当利回りも下がります。
またある銘柄の配当利回りを考えるときには、ほかの銘柄や相場環境など考慮して相対的に利回りが高いかどうかを考えて投資をするべきです。
ある銘柄が3%の配当利回りだとしてそれが高いか安いかはほかの銘柄と比較することで初めて可能になります。銘柄ごとの配当利回りの比較は配当利回りランキングなどを利用して、配当利回りの高い順にスクリーニングをしてチャートと業績を確認した上で投資していくのいいかもしれません。
3.高配当銘柄の値動きを逆手にとった手法と実例
企業によって配当を出す時期は異なります。
多くの企業が3月決算のため、配当を3月と9月に出しています。ちなみに優待の権利取得時期も配当と同じ時期です。3月や9月の配当権利確定日までは、ある銘柄の配当権利を取得したい人がその銘柄を買いに来きます。
つまり権利確定までにその株が買われる、つまり特別な買い需要が発生するということになります。
配当取りを逆手にとった手法は、この特別な需要に着目し、配当をもらうことを目的にするのではなく特別な需要によりその株価が値上がりすることを期待して買いにいくという手法です。では実例で見てみることにしましょう。5015のBPカストロルという石油メーカーのチャートです。

この銘柄の配当確定は6月と12月ですが、同社は特別配当がのった非常に高配当利回り状態となっていました。上記のチャート上では半年間の株価の上昇は40%以上に及びます。7月以降の株価上昇が大きすぎて、白枠の中の上昇はたいしたことないように見えますが、これは高配当を意識した買いが少しずつ入っている動きです。
7月以降の動きは、大幅に上昇しすぎて手を出しにくく放っていますが、6月までのあいだにこの銘柄をしっかりと仕込んでおけば、一時株価も3倍になっているのです。
ではこのような銘柄を具体的にどのように探せばいいのかをご説明しますね。
4.高配当利回りの銘柄探しの3つのステップ
以下3ステップを確認してください。
- 配当利回りランキングでスクリーニングをかける
- 四季報で業績をチェック(特に1株利益が1株配当より多いかどうか)
- チャート形状が右肩上がりかどうか
高配当銘柄をカンタンに探す方法としてはヤフーファイナンスの配当利回りランキングが使いやすいと思いますので、実勢に活用してみてください。

次に業績のチェックをします。
下記画像は楽天証券のマーケットスピードの四季報欄におけるの業績推移です。上記のランキング上位のベリテ(9904)になりますが、1株利益が1株配当よりもおおきく業績もあまりブレない安定的なものとなっています。
配当利回りを利用して投資をしようとする場合は、利益が出ているかどうか確認しましょう。

最後に右肩上がりのチャートになっているかどうかです。
そもそもしっかりと利益を出して好業績を伴った企業であればチャートの形はよくなるはずです。また配当も業績に合わせて増えたりしますので、たとえ株価が上昇したとしても利回りはそれほど下がらなかったりします。
問題は、チャートが右肩下がりの銘柄です。そのような銘柄は株価が安くなったために配当利回りが一時的に高くなっていたりしますので要注意です。
以上上記の点を気にしながら投資をしてみると成功率も高くなることでしょう。
下記の記事もぜひ参考にしてください。
- 絶対おすすめ!株主優待を使ったイベント投資の具体的手法
- 株主優待のお得銘柄82選と優待をタダで手に入れる裏技
これらの手法はすべて、いずれ来るかもしれない不況に備えて優待取りと同時に覚えておいて損はないです。
最後に、不況時だとなぜこのような配当利回りを利用した投資が活躍するのか解説します。
5.不況時に高配当銘柄が買われるワケ
では何故不況時に高配当銘柄が買われるのでしょうか?
実は3つが存在します。
- 不況時は投資家がどこに資金を向けていいのかわからなくなる
- 不況時は株式市場が閑散とするせいかイベント(四季報、配当、優待)に影響されやすい銘柄の動きが目立つから、何も知らない個人投資家が買いに来る
- 利益を簡単に得ることのできるモメンタム株(勢いよく上昇する株)が生まれにくい
などの理由があります。
特に3の不況時では勢いよく上昇して行く株がないというのが、もっとも大きな原因ではないかと考えています。
そのため短期資金が行き場を失い、配当優待四季報などいったイベント投資に傾倒していく傾向があるのではないかと考えています。
まとめ
配当の権利確定日までに値上がりをする手法では、あくまで優良な企業が本来する値動きを利用した投資手法です。
そのため投資をしていてこの企業は配当利回りが高いけど、なんか今後伸びなさそうだなと考えたなら手放すのもありですし、逆にこの企業は今後も継続して伸びそうだと考えたならずっと持ち続けるのもありです。
その辺は臨機応変がいいです。注意点は投資はやはり業績がおおきく絡みます。しっかりと業績をチェックして投資をして資産増加に今回の知識を役立ててみてください。
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