投資の教科書

オプションに興味があるならオプションではなく数学的な原理を学ぶこと

· 増田 丞美

オプションに興味があるならオプションではなく数学的な原理を学ぶこと

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

私のグループが行った取引のポートフォリオの資産では、こちらのことを述べました。

「数学的オペレーションに徹することです。

いわゆるマーケットは見ていません。数学的原理に基づき日々変化する“数”をいじっているのです。それが「特殊証券」を利用する方法です。完全に数学のオペレーションです。上記のABCとXYZの対称性を利用するなら数学的に関連づけてうまくオペレーションができそうな気がしませんか?ええ、相場とは関係なく数学として扱うことができます。」

数学によって収入を生み出すことのできる世界

私は元々オプションの専門家ですが、一般の人たちには、「オプションを学ぶより、数学的な仕組みを知ることの方が大事である。」と述べます。投資や金融について疎くでも数学によって収益を生み出すことができる世界があります。

「数学」というと日本では高校で習うような難解な数学の問題をイメージされるかもしれませんが、数学は小学校で習う算数の積み重ねです。日本の高校の数学の教科書に出てくる「微分」(英語では”differential”と言います。)や「積分」(英語では”integration”と言います。) も算数の積み重ねなのです。 

「数学」は英語では”mathematics”(略して”math”)と言います。日本語の「数学」がその訳語であるなら興味深い訳語であろうと思います。「数学」をその言葉通り「“数”について学ぶこと」と解釈するならまさにその通りです。数学の教科書には様々公式(“formula”)が出てきます。例えば、日本の高校の数学の教科書(ひと昔前の教科書で現在ではどうか分かりませんが)には三角関数(英語”trigonometric function”)の公式が非常に多く出ています。公式を暗記しようとすればますますわからなくなります。それは論理を無視して結果だけ知ろうとするのと同じです。“数”は論理の積み重ねによって様々な形に化けます。これはシャレですが、数学=化学(“化け学”)といえます。一つのことから多くを導き出せます。公式を暗記する必要はないのです。

“数”について学び続けることが大きな成果につながります。

この世には数学によって収入を生み出すことのできる世界があります。

「オプション」を「数学」として学ぶ

“オプション”は細かいことを覚えようとすると嫌になり多くの人は断念してしまうだろうと思います。それは金融商品としてのオプションをそのまま「オプション」として学ぼうとするからです。オプションの本質は数学です。例えば、「株式オプション」を「株式オプション」としてそのまま習おうとすると本当の意味で習得できません。オプションの数学的な仕組みよりも株価変動すなわち相場に振り回されることになるでしょう。

「オプション」を「オプション」としてではなく「数学」として学ぶといいでしょう。

そうすることで相場に振り回されることなくごく相場や金融にあまり詳しくない人でも利益を得ることができます。オプションを数学の仕組みや原理としてみるといいでしょう。

前述した「特殊証券」とはオプションが株式化されたものですが、その本質は“オプション”です。しかし、繰り返しますが、“オプション”の本質は数学です。改めてオプションを学習する必要はありません。「特殊証券」ではなく「上場オプション」を取引する上でもオプションを学習する必要はありません。代わりに、数学を学ぶことです。

数学は算数の積み重ねですから、小学校で習った算数で多くは足ります。計算上は「負の数」(ゼロより小さい数)を扱うので中学校で習う数学の領域の知識が必要ですが、多くは算数の知識で十分です。

誰でもできる簡単な方法

オプションの取引について誰でもできる簡単な方法を一つ紹介します。

前回掲げた XYZのグラフをご覧ください。

XYZの株価は現在110ドルとします。

この時に、25P−1(権利行使価格25ドルのプット1単位の売り)を実行したとします。

25P−1 @ 2.00

これ↑は25P−1(権利行使価25ドルのプット1単位の売り)を実行し200ドル (2.00は1単位あたりのプットの価値、プット1単位は100株を対象にしているので、2.00は200ドル)を受け取ったことを示しています。

プットを売ることでお金を手に入れることができます。上記の200ドルはそのまま儲け(稼ぎ)にます。信じられないかも知れませんがオプションは売ることでお金がもらえるのです。

問題は200ドルの対価として何か必要なのかということです。

すでに実行しています。それは25P(権利行使価格25ドルのプット)を売ったことです。その後何かすることがあるのか。ある条件の下にXYZの株を100株買う義務が生じます。ある条件とは期日(プットの満期日:オプションには期限があります。)においてXYZの株価が25ドルより低い場合に、XYZの株式を100株買うことです。25Pの買い手がXYZの株式100株売りますのでそれを引き受けることになります。その時、受け取った200ドルを返す必要はありません。200ドルは株を引き受けることの対価なのです。株式を買うことについては別途購入代金(上記例では2500ドル)必要です。

ただし、期日においてXYZの株価が25ドル以上なら上記の義務は生じません。そして、500

ドルも返済義務はありません。

うまい話に聞こえるでしょうか。

「プット売り」はやり方を工夫すればとても魅力的で大きな効果があります。

上記のオペレーション(取引)を実行するのにオプションの知識はほとんど要りません。取引のルールを知れば十分です。上述の内容はオプションそのものの説明ではありません。取引ルールを掲げたに過ぎません。そして、そこには数学の原理が働いています。

株価変動などみる必要もありません。

上記の例はXYZの株価がどうなるかなど全く考えていません。その必要もありません。単に数学の原理を利用しているだけなのです。そして、それによってお金を稼ぐことができます。

オプションに興味があるならオプションではなく数学的な原理を学ぶことです。初めての人には

“P−”を勧めたいと思います。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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