投資の教科書

暴落はチャンスだ

(更新 ) · 増田 丞美

この記事は2022年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

米国の証券を取引するのに、当然ながら、証券会社に口座を開設する必要があります。どの証券会社で取引すべきか?・・・これについて述べたいと思います。

本稿は証券会社の宣伝が目的ではありませんので基本的には特定の証券会社についてメリットやデメリットを述べる意図はありません。また、本稿の目的ではありません。

暴落はチャンス

最近では米国の証券を扱っている日本の証券(「ネット証券」)が多くあります。これまで述べてきた米国証券の取引はショート(「空売り」に相当)やロング(株式買い)とショートの組み合わせによる「カバードコール型」を実行するには米国の証券会社に口座を開設せざるを得ません。日本の証券会社では米国株式やETFのショートができないからです。

日本国の居住者が口座開設できる証券会社は限られています。
そのうちの一つに、Firstrade (Firstrade.com)があります。(同証券会社と利害関係はありませんのでご理解ください。)ここでは日本の居住者が口座を開設できる利便性の高い米国証券の一つとして紹介させていただきます。米国と直接やりとりをしなければなりませんがインターネットを介してできますので特に問題はないと思います。

Firstradeを紹介するのは選択肢が限られているからですが、同証券会社プラットフォームは分かり易く米国の商品(株式やETF)を扱うのに適していると思います。
既に米国証券会社に口座を持っていて新たにもう一つ口座を開設する場合にもお勧めできます。

次に、本論です。
「暴落はチャンスだ。」と述べました。
株式マーケットはとても複雑にできているように思います。そして、その複雑性ゆえにとても興味深い(おもしろい)です。ここでいう“株式マーケット“とは米国のマーケットを指しています。米国ではさまざまな興味深い商品が開発されています。その一つが過去「特殊証券」として紹介したものです。それは長期的には必ず収益をもたらすように作られていると言わざるを得ないほど非常によくできています。

「特殊証券」を「カバードコール型」と呼んで紹介した仕組みに応用し収益を得るために利用できます。オプションの知識は要りません。それが「特殊証券」の最大のメリットです。仕組みの本質はオプションですが、株式と同じように扱うことができます。

「暴落はチャンスだ。」というのは、単に株価や引きなって株式を買うのに手が出せる魅力的な水準に達しているというありふれた理由からだけではありません。
長期的にリスクがゼロに近づくからです。ーーーこれは分かりにくいと思います。収益を上げるのに特に大きなリスクを取る必要はない、それどころか、長くやっているとリスクは限りなくゼロに近づきます。そのようなプロダクトと原理がこの世に存在するのです。

株式暴落後にやっているのは「カバードコール」または「カバードコール型」と呼び、カバードコールの原理を活かした方法です。長期的に現金収入を得る方法です。

投資期間は「長期がいいか。」、「短期がいいか。」については私たち個人には選択の余地がありません。長期一択です。それが万人にとってリスクがほとんどなく最終的に資産を残す唯一の方法と信じられるからです。

ベアマーケットはいつ終わるか?
これについて考えるのはあまり役に立ちません。誰にも分かりません。わかっているのは現在の状況は長期的にチャンスだということです。

特殊証券を売ることで稼ぐ方法

「米国の証券会社に口座を開設せざるを得ません。日本の証券会社では米国株式やETFのショートができないからです。」と述べました。この問題は解決されつつあります。一部の日本の証券会社では米国株の信用取引が7月からできるようになるそうです。ただし、扱うシンボル(銘柄)の数が限られているのを理解しておく必要があります。

信用取引とはマージン(証拠金=保証金)で取引ができる制度ですが、信用取引の最大のメリットは私がこれまで紹介してきた「カバードコール型」(コールオプションを用いて行う「カバードコール」ではなく、「カバードコール型」と私の呼んでいる株価指数連動型のETFの買いとそれに関連する「特殊証券」の売りの組み合わせによってキャッシュフローを得る手法です。)の戦略を実行することができることです。

「特殊証券」をショートするには米国の取引会社(証券会社)ではマージン口座を利用してできます。一方、日本の証券会社では米国株の信用口座が必要です。それがあれば銘柄数などの制約があるものの日本の証券会社を通じて「カバードコール型」の取引を実行することが可能です。

米国証券会社の「マージン口座」と日本の証券会社の「信用口座」には恐らく制度上の違いがあると思われます。それについて7月に確認できた後にお話しします。

改めて「カバードコール型」についてお話しします。
実のところ、これは「プットを売る」戦略に類似しています。米国の株価暴落後に私が特に力を入れているのが「プットの売り」でそれは「カバードコール型」に近いと言えます。

ここで「プット売り」に簡単に触れます。
「プットの売り」とは「株式を売る権利」を持ちたい人にその権利を売ることでその権利と交換に現金収入を得ることができるオペレーション(取引)です。
その代わりに相手が株式を売りたい時に当該株式を決められた条件で買わなければなりません。ただし、株価が上昇すればその権利は行使されることなく獲得した現金は丸々収入(利益)として残ります。
株式を買って(買わされて保有したくないなら)権利行使されなくて済むように上昇する株式のプットを売ればいいという理屈になります。既に見たように株式マーケットは時に大きく下落するので売ったプットがいつでも権利行使されずに現金収入だけが残るといった状況にいつも恵まれるとは限りません。それが「プット売り」の最大の難しさでもあります。

そこで、今度は「カバードコール」に簡単に触れます。
カバードコールは株式を買って同時にコールオプションを売ることによりコール売りからの現金収入を得ることを目的にします。「コール売り」とは「株式を買う権利」を持ちたい人にその権利を売ることでその権利と交換に現金収入を得ることができるオペレーション(取引)です。その代わりに相手が株式を買いたい時に当該株式を決められた条件で売らなければなりません。当該株式を保有していなければ借りてでも売らなければなりません。
ただし、株価が下落すればその権利は行使されることなく獲得した現金は丸々収入(利益)として残ります。あるいは、予め株式を買っていればコールの買い手に権利行使されても株式を相手に渡すだけで現金収入は手元に利益として残ります。それが「カバードコール」です。株式を保有しているのでコール売りにはリスクがなく現金が確実に手元に残ります。ただし、株価が下がれば、コール売りから得た収入以上に株価の下落による損失が大きくなる恐れがあります。それが一般に「カバードコール」は役に立たないとプロにさえ思われている理由でもあります。しかし、「果たしてそうか?」・・・これについては既に述べました。

今度は「カバードコール型」について簡単に述べます。本稿で最も述べたいのがこれです。
「カバードコール型」には2つあります。
一つは株価指数連動型のETFを買って同時にそれに連動する「特殊証券」を売る(信用口座で売る)方法です。この場合に、それぞれの比率を調整することで確実に収入を得ることができます。オプションを用いた「カバードコール」の仕組みに近いのですが、オプションを利用しないのでオプションを知らない人でも実行できます。
もう一つは「特殊証券」を利用し、それを売る(信用口座で売る)ことで収入を稼ぐ方法です。この場合の「特殊証券」は「カバードコール型」で利用するのと同じものではなく、株価指数に対して逆連動型のものです。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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