投資の教科書

なぜ「プット」の「売り」なのか?

· 増田 丞美

なぜ「プット」の「売り」なのか?

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

オプションが初めての一般の方々にお勧めできるのはPUT(=「プット」)です。

オプションにはCALL(=「コール」)とPUT(=「プット」)の2つがあるのですが、そのうちのPUTはオプションについての知識が十分でない初めての人に最適だと思います。

なぜ「売り」なのか?

オプション取引にも「買い」と「売り」があるのですが、PUT(プット)については一択です。「売り」です。

なぜ「売り」なのか?
まず、この疑問から始めます。
理由は一つです。
それによって収入(現金収入)が入るからです。
それが「利益」になります。
それは低金利の現在ではとてつもなく魅力的です。
オプションは買うこともできるし売ることもできます。
しかし、確実な収入を求めてオプションを利用するなら「売り」の一択です。

なぜ、CALL(コール)ではなくPUT(プット)なのか?

そして、次の疑問。
なぜ、CALL(コール)ではなくPUT(プット)なのか?

理由はいくつかありますが、最も重要な理由はそれがあらゆるオプションの取引(CALLの買い、CALLの売り、PUTの買い、PUTの売り)の中で最も”安全”と信じられるからです。安易に「安全」という言葉を用いると大きな誤解と混乱をもたらす恐れがあるので説明しなければなりません。それは最悪でも破綻を持たすものではないという意味で「安全」という言葉を用いています。言葉のトリックではありません。それに続く以下のことがより重要です。長期的に取り組むと「株式投資」よりずっと安全でさらに確実で魅力的な収入をもたらすことがわかります。

以上の2点をまとめます。

私たちが利用すべきオプションはPUT(プット)で、取引手法は「売り」です。
すなわち、「PUT売り」で、それを「”P−“(=「ピーマイナス」)ストラテジー」と呼びます。

“P−”についてもう少し踏み込んで説明します。
それがなぜ収入をもたらすのか、その“からくり”を表しているのが以下の図です。

下図において、

Aは「PUTの売り手」、Bは「PUTの買い手」です。
AはBから「現金」を得る代わりにBの「条件」をのみます。

「条件」とはある一定の条件を満たす時に株式を購入することです。結果的に株式投資に繋がりますが、通常の株式投資よりずっと素晴らしいというよりすごい好条件になります。

一例を掲げます。

NYSY(ニューヨーク証券取引所)に上場しているある銘柄があります。
直近の株価は37.60ドルです。

今年(2021年)初めに16ドルだった株価は一時60ドルを超え、それをピークに大幅に下落しました。

世界的に上場基準が最も厳しいと言われているNYSE(ニューヨーク証券取引所)で取引されている銘柄にしては随分と変動が激しいようです。このような銘柄の株式を売り買いするのはとても難しいと思われます。

しかし、“P−”ならとても魅力的な取引ができます。

P−の一例

17.5の権利行使価格のプットを”17.5P”と表示します。
17.5P−1は同プット1単位の売りです。1単位とは100株を意味します。

17.5P−1 @10.00

これは「17.5Pを1単位得ることで1000ドルの現金収入を取得した」ということを意味します。

1000ドルを得た代わりに以下の条件を受け入れました:

期限までに株価が17.5ドルを下回ったとき、同銘柄の株式100株を1株17.50ドルで購入する。(プットには期限があります。上記の例では期限は2022年12月16日です。期限は長いほど“P−“ではより多くの現金収入が得られます。)

17.50ドルを下回らなければ上記の条件は消滅します。

条件が行使されることになっても先に1000ドルを手にしているので、実質的に株式を1株あたり7.5ドルで購入することができるのです。

そして、上記の取引は口座に750ドル残っていればできるのです。

上記の例は一例に過ぎません。
多くの銘柄を扱いP−を実行することでリスクを分散できそして素晴らしい収入を手に入れることができます。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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