PUT売りは安全か?
· 増田 丞美

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
オプションを「お金を生む資源」のように見るととても興味深いと思います。
「オプション」というと一般の人たちにとって複雑で難解というイメージがあるかもしれません。
確かに、オプションの理論には複雑で難解な数学理論が利用されています。しかし、オプションを実際に取引するのにそのような難解な理論の理解は必要としません。簡単な仕組みや制度を理解するだけで十分です。
私がオプションを勧めるのはそれが収入を生み出すように作られているからです。それを利用しないのはもったいないと思います。
PUT売りの事例
「少ない資金で実行できるオプション取引の例」では、PUT(プット)について述べました。
私がオプションに詳しくない人にオプションを勧めるとしたら「PUT売り」です。それが最も安全で確実に現金を獲得できる方法だと信じられるからです。
そこで、引き続きもう一つの魅力的な方法を紹介します。
以下のグラフは私のグループが手がけている銘柄の一つの今年年初から最近までの株価変動の推移を描いたものです。

直近の株価は49ドルです。
権利行使価格(=PUT[プット]の買い手が権利を行使した場合に株式を買う場合の1株あたりの株価)が25ドルのPUTを1単位(100株に相当)売ると800ドルを受け取れる取引が現実に存在します。
これに要する資金は 実質1700ドル(=2500ドル−800ドル)です。
マージン口座を利用すると実質450(=2500ドル/2−800ドル)が必要です。
PUT売りは安全か?
さて、このような取引は安全でしょうか?
つまり、「PUT売りは安全か?」ということです。
「安全」という言葉はミスリーディングな(誤解を導くような)印象を与えかねませんが、あえてこの言葉を使いました。
PUTの対象となる銘柄(米国ではアルファベットのシンボルで表記されます。)によります。
一般的に知られる常識では魅力的な投資や事業ほど大きなリスクが伴うものです。それはこのようなオプションの取引についてもいえます。
しかし、上述の例は案外そうではないのです。
まず、倒産して株価がゼロになるようなことのない指数をもとにしています。変動が大きい局面がありますが、取引した後のポジションを長く保有すればそのような変動はむしろ大きなチャンスになり長期的には米国の制度に守られて回復します。
上記の例に戻ります。
どうして800ドルものお金が生まれるのでしょうか。
PUTの取引の本質は以下の図が示すスワップ取引になります。

上図のAがPUTの売り手でBはPUTの買い手です。
AとBの間で“現金”と“条件”の交換が交わされます。
AはBから現金を受け取る代わりにBからの条件を履行しなければなりません。それは、Bが権利を行使したときに、Aは(上記の例に基づいて)株式を1株25ドルで100株買うということです。
この条件はAにとってとても魅力的に見えないでしょうか。
このような仕組みや制度は日本には存在しません。
世界中の国々を見ても米国以外にこのような素晴らしい条件の取引が存在するには米国だけであろうと思います。
上述の例は実例で机上の理論ではありません。
また、このような取引を実際に行うのにオプションの理論について詳しく知る必要はありません。
オプションが初めての人でも実行できます。
興味のある方は、上述の内容から読み取れることを整理してみましょう。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。




