投資の教科書

株式投資に代わる魅力的な手法:「プット売り」と「カバードコール」

· 増田 丞美

株式投資に代わる魅力的な手法:「プット売り」と「カバードコール」

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

これまで紹介してきたオプションを利用した方法はいわゆる“相場”(「キャピタル」をと得ることを目的に売り、買いの行為を行うこと)とは違います。

しかし、一度過去に“相場”を経験した人から見れば“相場”との区別はつきにくいかもしれません。

オプションから時間が生み出す価値を得る方法は株式投資というより長期の利息収入を得るようなものです。現在の低金利の時代でもオプションを利用することで非常に大きな「現金収入」を得ることができます。

長い時間を味方につけた息の長い事業

「時間が生み出す価値」を”オプションの仕組みや原理を利用したり、オプションと株式を組み合わせたりして長い時間をかけ蓄積していく根気のいる事業です。

オプションには限られた期間がありますが永遠に継続することができます。10年続ければリスクはほとんどないと言い切れます。それどころか大きな資産を築けます。

今日オペレーションを実行し明日には利益を得るといったものではありません。長い時間を味方につけた息の長い事業です。

インカムゲインを長期にわたって蓄積していくこと

オプションの仕組みや原理を利用したり、オプションと株式を組み合わせたりする方法の最大のポイントはキャピタルゲイン(売り買いの差額によってあげる利益)を取ることではなくインカムゲイン(時間が生み出す価値から得られる現金収入)を長期にわたって蓄積していくことです。

もし何かしらの資産運用を継続するならインカムゲイン(配当や家賃、利息などの現金収入やオプションの時間価値が生み出す現金収入)をとる方法を実行したらどうかと思います。その中でオプションによって時間の生み出す価値を拾って蓄積して行く方法は控えめにいっても非常に素晴らし方法です。

LEAPS(長期株式オプション)のプット売り

オプションの中でもとりわけLEAPS(長期株式オプション)のプットを売る方法はリスク限定で限られた資金で実行でき十分に高い利回りが得られます。

2つの例を紹介します。

現在株価が39ドルのある銘柄があります。

以下の取引をしました。

[2023/1/20]39P−1 @14.00

これは権利行使価格が39ドルのプットを1単位(100株に相当)1400ドルの現金収入を得たことを示しています。

この取引に要する資金は2500ドルです。

保有期間は470日(2021/10/7現在)ですから年率換算の利回りは40%を超えます。

株価が暴落したらどうでしょうか。

現在39ドルの株を実質25ドルで買うことになります。そうしたら、今度はその保有株を対してコールを売ることで現金収入が得られます。

これを繰り返すとリスクは限りなくゼロに近づき最終的に大きな収入を手にすることができます。あるいは、さらに、25Pを売ることもできます。

ところで、上記の例の対象銘柄は株価が暴落しても絶対に倒産しない指数をベースにしたものです。さらに、長期的にその指数は増加します。従って、プットの権利が行使されて株式を買うことになってもずっと保有していればいいと言えます。

「プット売り」と「カバードコール」

さて、プットだけおぼえれば十分なのですが、オプションには「プット」の他に「コール」があるので、ついでにコールの話をします。

「プットの売り」は「現金」と「株式を買う条件」の交換だと述べました。

「コールの売り」はどうでしょうか。
これは「現金」と「株式を売る条件」の交換です。

初めにプットを売り、現金を取得しました。

その後、株式を買う条件が満たされ、株式を買わなければならなくなったとします。そして、株式を買いました。その株式を保有したままコールを売れば、保有株を売る条件をもった上にさら現金を取得できます。

「コールの売り」も「プットの売り」も仕組みや原理は同じです。

 

Aは「コールの売り手」
Bは「コールの買い手」です。

両者の間で「現金」と「株式を売る条件」が交換されます。

このように「プット売り」と「株式を保有してのコール売り」を交互に続けるとお金は最終的に増えていきます。

上記の「株式を保有してのコール売り」を「カバードコール」と言います。

まとめると、「プット売り」と「カバードコール」を交互に続けるとリスクは限りなくゼロに近づきお金は次第に増えていく。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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