投資の教科書

「魔法の箱」からお金を拾うゲーム(仕事)

· 増田 丞美

「魔法の箱」からお金を拾うゲーム(仕事)

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

下の表は米国の株式銘柄のオプションの価格表で「オプションチェーン」と呼ばれています。

私のグループではこれを「魔法の箱」あるいは英語で「マジックボックス」(”Magic Box)と呼んでいます。「オプションチェーン」と呼べば何となく難しく感じられ敬遠したくなるかもしれません。

しかし、「魔法の箱」と呼べばどうでしょうか。好奇心が掻き立てられる響きがあると思います。難しく考えないで楽しく好奇心を持って接してほしいとので「魔法の箱」と呼ぶことにしています。

「魔法の箱」からお金を拾うゲーム

どうして魔法の箱かというとここからお金が生み出されるからです。

「オプション取引」というとほとんどの投資家は「自分には関係のない世界だ。」と思うかもしれません。

実のところ、オプション取引とはこのような「魔法の箱」からお金を拾うゲーム(仕事)で誰でもできます。数字を扱うゲームとして親しんでほしいと思います。

根気強く取り組めば誰でもうまく行きます。

「魔法の箱」を使いこなすようになるには少し根気が入りますが、数字が嫌いでないなら誰でもできます。

魔法の箱の作り

さて、上に掲げた「魔法の箱」の対象としている株式銘柄の株価は18ドル50セント(18.50ドル)です。これを「基準値」と呼びます。

上の箱の作りから説明します。

Cは「コール」(=“CALL”=「コールオプション」)です。また、Pは「プット」(=“PUT”=「プットオプション」)です。そして、Sは「ストライク」(=”STRIKE PRICE”=「権利行使価格」)です。

Cの下に縦に掲げられた数字は全てコールの価値です。一方、Pの下に縦に掲げられた数字は全てプットの価値です。

コールとプットのそれぞれの価値は日々変化しています。また、時間が経過し期日(オプションには期限があります。その期限の最終日を「期日」と言います。)が近づくとコール及びプットの多くはその価値がゼロに近づいていきます。さらに、そのいくつかは最終日(期日)に価値を全て失います(価値がゼロになります)。

コールまたはプットの価値と基準値の関係

次に、コールの価値と基準値の関係、プットの価値と基準値の関係を知る必要があります。基準値とはコール及びプットが対象とする銘柄の株価を言います。

コールの価値は株価が上がると増加し、反対に株価が下がるとコールの価値は減少します。

下のグラフがそれを表しています。

 

プットの価値は株価が上がると減少し、反対に株価が下がるとプットの価値は増加します。

下のグラフがそれを表しています。

コールとプットは反対の関係にあります。

下のグラフがそれを示しています。

「魔法の箱」をどのように利用するのか?

下の表(「魔法の箱」)をもう一度ご覧ください。

基準値は18.50です。
そこで、S(ストライク)の値が18と19のC(コール)とP(プット)の値をまずご覧ください。

簡単な取引を一つ紹介します。

Sの値が18のC(コール)を1単位売ります。
18Cの価値は1.25とあります。
それは125ドルを意味します。

期日(オプションの期限の最終日)に基準値が18以下であれば125ドルは完全に自分のものになります。

次に、Sの値が19のC(コール)を1単位売ります。
19Pの価値は1.50とあります。
それは150ドルを意味します。

期日(オプションの期限の最終日)に基準値が19以上であれば150ドルは完全に自分のものになります。

上記の例の18C(ストライクプライスが18のコール)と19P(ストライクプライスが19のプット)の両方を売ることもできます。

すると取引直後に275ドル(=125ドル+150ドル)を受け取ることができます。

単純ながら魅力的な例を紹介しました。「魔法の箱」が現金を生み出す魅力的なツールであることが分かったと思います。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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