投資の教科書

“ベアマーケット“からでも利益を得られます

(更新 ) · 増田 丞美

“ベアマーケット“からでも利益を得られます

この記事は2022年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

次のSQは2026年11月13日、取引最終日は2026年11月12日です。SQ日カレンダーを見る →

昨年(2021年)の状況とは今年(2022年5月)に入って一変して株式マーケットは低迷しています。
米国株式マーケットを代表するS&P500は一時高値から20%近く下落し“ベアマーケット”入り直前まできました。“ベアマーケット”とは定義的には過去1年の最高値から20%下落した状況を指します。

“ベアマーケット“の特徴は平均株価の日々のアップダウンが激しいことです。上がったと思ったら急落し、急落しては戻す、といった変動が繰り返される傾向が見られます。そのような特徴から言えば、米国株式マーケットはすでに実質的に“ベアマーケット“に入っているといえるかもしれません。

“ベアマーケット“に入ったからといって臆することはありません。そのようなマーケットからでも利益を得られます。

“ベアマーケット“からでも利益を得られます

私は一貫して“強気”です。
近く株式マーケット(平均株価)が上昇に転じると予測しているわけではありません。仮に、株式マーケットが今年いっぱい低迷したとしても私の姿勢は変わりません。

この“強気“の意味は少し違います。
オプションの仕組みを利用してこのような状況を利用できるという意味で強気だということです。最適な条件が整っているのです。“オプションの仕組み“を利用するとは、実際にオプションを利用しなくともその原理を利用して現在の状況を利用することができます。

カバードコールの話をしました。
その原理をベアマーケットにも利用することができます。
「実際にオプションを利用しなくともその原理を利用して現在の状況を利用することができます。」と述べましたが、オプションの経験と知識があるならそれを利用した方がいいでしょう。ベアマーケットで確実な収入を得ることができます。

「カバードコール」の仕組みを実際にコールオプションを使って実行する方法と、その原理だけを利用し株式だけの組み合わせで実行する方法があります。後者は実際にオプションを利用しない方法で「カバードコール型」と呼んでいます。一方、前者は「カバードコール」そのものです。

カバードコールのような素人じみたストラテジーで本当に儲かるのかと思われるかもしれません。オプションに詳しい人ほど、あるいは、プロほど、そう思うに違いありません。

答えはイエスです。
ベアマーケットの間はそれら2つ(「カバードコール」及び「カバードコール型」)を利用します。銘柄は、以前紹介した「特殊証券」です。オプションが株式化された証券です。私はそれをTIER1とTIER2にグループ分けしています。TIER1とTIER2の組み合わせを利用します。それが「カバードコール型」です。

もう一つは完全な「カバードコール」です。
「カバードコール」や「カバードコール型」のポイントは“ロール“によって時間の速度を利用することになります。

以上によってベアマーケットを乗り切れるどころかしっかり収益を出せます。

カバードコールで成功する秘訣

「カバードコール」は株式またはETFを購入し(買い)同時に同銘柄のコールオプション(単に「コール」と呼びます。)を売ることでコールから収入を得ることができます。株式を保有している限り「コール売り」のポジション自体にはリスクがありません。コールのリスクが保有する株式によって完全にカバーされているので「カバードコール」と呼ばれています。

「カバードコール」は保有している株式の価格(株価)がコールのプレミアム以上に下落した場合損失が生じます。そのため、オプションの知識がある投資家ほど「カバードコール」を素人の戦略としてバカにする傾向にあるようです。

果たしてそうでしょうか?
私はオプションの専門家/実践家として長くオプションの実践に携わってきましたが「カバードコール」は非常に奥の深い戦略だと思っています。そして、誰でも長く継続して実行すれば成功できると思います。「カバードコール」で成功する秘訣はオプションの期日ごとにロールを繰り返し継続することです。長く続ければ負けません。

個人投資家の多くにとって「カバードコール」の最大の欠点は資金がかかることです。SPY(S&P500連動型ETF)のカバードコールには最少単位のポジションで約4万ドルの資金が必要です。マージン口座を利用しても2万ドルを必要とします。

一方、「カバードコール型」では同じSPYを用いたポジションで最少単位で数百ドルしかかかりません。「カバードコール型」では、「SPY(S&P500に連動しているETF)とそれに連動しているレバレッジETF」をコールとして利用します。それを”L”と表記します。”L”は実質的にSPYのコールです。

これ↓が「カバードコール型」です:

SPY+(買い)/L -(売り)

これの優れている点は少額の資金でできることです。

上記ポジションについてSPYが上がっても下がっても利益が得られると言えば信じられるでしょうか。また、長期的には確実に利益を上げることができます。
これは長く続けるほどその威力がわかります。期間は1週間、2週間、3週間、4週間と自分で選び、自分で決めた期日ごとにリバランス(比率を整えること)を行います。それによって
事実上の“ロール“を行うことになります。上述の比率と長く継続することがポイントです。

「カバードコール型」はオプションを用いた「カバードコール」に比べて色々な利点があります。

1)オプションの知識が要らない
2)少額(数百ドル)で実行できる
3)自分で“期日“を決めることができる
4) 長期的に利益が得られる

米国の株式マーケットは年初の高値から一時20%の下落を見せました。
「カバードコール型」を始めるには悪くないタイミングだろうと思われます。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

「オプション」の関連記事