ベアマーケットは案外魅力的です
(更新 ) · 増田 丞美

この記事は2022年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
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「ベアマーケット」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。
英語の”Bear Market”で日本語では「弱気相場」と言われています。
定義としては主要株価指数が過去12ヶ月の最高値から20%下落した後のマーケット環境を指してそのように呼びます。
米国の代表的な株価指数S&P500は今年年初に到達した史上最高値から既に20%以上の下落を見せベアマーケットに入っています。また、同ナスダック総合指数で見ると同30%を越える下落を見せました。
ベアマーケットの魅力
いずれにせよ私たちはベアマーケットの中にいます。
ベアマーケットに入ったからと言って平均株価が毎日のように下落し続けるわけではありません。さらに、ここから平均株価が下げ続けるとは限らないのです。ベアマーケットは高値から大幅に(定義的には20%以上)下落した後の環境と特徴的なマーケット変動を指していると思われます。
ベアマーケットにおける“特徴的な“マーケット変動とは変動率が高い、すなわち株価変動の振れ幅が上下に大きい状態が続くことです。平均株価に照らしていうと、例えば、前日比2%以上下落した後に2%の上昇を見せ、上昇相場に転じたように見せかけてはまた大幅に下落する、といったことが繰り返される傾向にあります。
私がこのようなベアマーケット、すなわち、「“弱気“相場」に対して“強気“なのは変動率が高いという事に加え株価が総じて魅力的な水準に達しているからです。ベアマーケット(「弱気相場」)では既に十分株価水準が低く魅力的なのです。だからと言ってすぐに株価が上昇に転じるとは限りません。上述の通りしばらく株価が大幅に上昇しては大幅に下落し、大幅に下落してまた大幅に上昇すると言ったことが繰り返される傾向にあります。それがしばらく続いた後に落ち着き再びブルマーケット(強気相場)に転じます。ブルマーケットの方が変動、すなわち株価の振れ幅が総じて小さくなる傾向にあります。
ブルマーケットに転じる前にしばらく続くベアマーケットは、それに慣れないとフラストレーションを抱える事になるでしょう。しかし、一度それに慣れると、この局面は案外魅力的です。
前回紹介した「カバードコール型」(コールオプションを利用せずにETFの組み合わせによって類似の形のオペレーションを実行することができます。)はこのような局面においては特に魅力があります。例えば、平均株価が高値からだいぶ下落したのでそれを買います。買って長く保有するにはベアマーケットの環境下では不安の材料が充満しています。そこで、それと同時にもう一つのブル型のETFを売る(ショートする)のです。
例えば、S&P500に練度しているETFを売り、それと連動しているもう一つのETFを売ることで安心してS&P500連動型の株式を保有することができ下落してもショートポジションがあるのでそれから利益を上げることができます。ベアマーケットが続いている間はそのような「カバードコール型」のオペレーションを繰り返し実行します。
ベアマーケットでは買いも売りも単独でやるのはとても難しいですが、組み合わせを利用して実行するオペレーションは魅力的で不安なくマーケットに入れます。
私が“弱気“相場の中で“強気“な理由
ベアマーケット(英語で”Bear Market”; 日本語では「弱気相場」と言われています。本稿ではカタカナで「ベアマーケット」と表記します。)について述べました。
これは米国では主要株価指数が過去12ヶ月間の最高値から20%以上下落した時に“定義的“にそのように呼ばれそれまでのブルマーケット(英語で”Bull Market”; 日本語では「強気相場」と言われています。本稿ではカナカナで「ブルマーケット」と表記します。)と区別されています。
ベアマーケットでは株価変動率が一段と高まり売りにせよ買いにせよ動きについていきにくいと感じられる展開が続きます。変動率が高まると株価変動そのものが速くなり通常時との違いが鮮明に出ます。定義的な“ベアマーケット“に入る前からそのような様相を帯びていました。
このような環境では不安材料が満載です。誰もが不安に包まれるように思われます。米国のプロトレーダーの間でさえ一時「ドル以外はすべて手放せ!」という言葉が飛び交っていたそうです。
さて、私は“弱気相場“(←「ベアマーケット」をここではあえて「弱気相場」と呼びます。)に対して“強気“だと述べました。その理由はこれまで価格(株価)が高過ぎて手が出なかった銘柄が安くなって手が出しやすくなったからです。
もう一つの理由は前回紹介した「カバードコール」や「カバードコール型」がやり易くなったからです。このような時に“愚直に“それらの戦略を実行しています。この「ど素人のストラテジー(戦略)」とプロに揶揄される方法がこのような“不安材料満載“のベアマーケットでは確実に収入を得る心強い武器になっています。
「カバードコール」も「カバードコール型」も“買い“ポジションと“売りポジション“の2つを同時に持ってマーケットに参加するやり方です。2つを持っていると一方から確実に収入を得られます。プロが「ど素人の戦略」と言っているようにオプションに詳しくない素人でもできます。しかし、プロが言うほどバカにできない奥の深い戦略です。
“確実な収入“は高配当銘柄の株式を買って配当を確実に得るようなことに似ています。しかし、「カバードコール」から得られる収入はそれを配当と呼ぶにはあまりにも大きな率のキャッシュ(現金)です。しかも、定期的に得ることができます。
「マーケットはどこまで下がるのだろう?」という情報が米国の新聞やメディアで目につくようになりました。平均株価が高値から相当下げたので誰もが同様のことを考えているだろうと思います。
私が耳/目にする限り、まだまだ弱気の人(米国の新聞やメディアに掲載されているような著名なプロのアナリストたち)が多いようです。その中で強気の人も(プロの著名なアナリスト)おり少数派なので目立ちます。
いずれにしても言えることは今年年初の高値を抜く日が遠からず来るだろうということです。アメリカはそうやって数多くの株価暴落を経験し現在までやってきたのです。これも私が“弱気“相場の中で“強気“な理由でもあります。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。





