暴落はチャンス!
· 増田 丞美

この記事は2022年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
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今年に入って株式マーケットが荒れ始めました。
様々なニュースが耳に 入ってくると思います。
「米国の平均株価 の急落(暴落)」、「インフレ懸念」、 「利上げ」・・「ニュースは気にするな!」といっても耳・目を塞いでも入ってくるものは入ってきます。その時に心が揺 り動かされるかもしれません。
暴落はチャンス!
「暴落はチャンス!」は、実際にマーケットに参加している者としての実感で無責任に評論をしているのではありません。
落ち着いてマーケットを見れるように以下のメッセージが役に立つだろうと思います。
・米国は過去48年間に33回の景気後退を 経験した。その1つさえ予測した経済学者 はほとんどゼロだった。
・米国史上、株式マーケット(平均株価) がその時の最高値から10%以上下落した のは102回あった。
・米国の平均株価が3分の1の価値を失っ たのは少なくとも12回あった。
インフレが年7%を超えたのは過去 20回(20年)あった。
・「経済的悲観論」が新聞の文面に載った のは、Googleによると、少なくとも 29,000回あった。
以上にもかかわらず、米国のGDPは1850年以来ずっと成長し続けています。最も歴史のある株価指数ダウジョンズは1800年台から数々の暴落を経験しながらもずっと右肩上がりを見せています。
私はオプションが専門ですが、ここでは株式取引(株式投資)に触れてみたいと思います。株式に詳しくなくともアップル(AAPL)やネットフリックス(NFLX)の)を耳にしたことがあると思います。
これらは昨年までは株価が高く株を買いたくとも高嶺の花で買うのが躊躇われたと思います。株価が急落あるいは暴落(急落より暴落の方が激しい下落というニュアンスですが言葉を明確に定義しているわけではありません。)すると、まるでブランド品のバーゲンセールのように手が届き易くなります。
素人的な説明ですが、決して株式投資のせんもんかではない私でもこのような説明で納得しています。
さて、オプションの話に触れます。
オプションも暴落はチャンスです。株式投資とは別の意味でチャンスになります。株の“バーゲンセール”とは別の意味で、オプションでは“モノ”が高く売れるのです。株価の暴落はオプションの“バブル”を招くのです。
暴落相場でお金を儲ける方法はバブル化したオプションを探して売ることです。
単に売るだけではありません。買いと組み合わせて価値の差額を拾います。
そのためのツール(道具)が以下の表です。Cはコール、Sはストライク、Pはプットです。数字はブランクにしてあります。
この表のSに上記のAAPLやNFLXの株価を入れてみましょう。そして、それらのCとPの価値をかき入れます。オプションの“バブル“からお金を得る方法が見えてきます。
オプションを勉強するより表の仕組みを知ることが最も大事でここにノウハウがあります。同様に数字はブランクです。
価格変動は関係ない?!
オプションの話をします。
オプションのエッセンスは「時間」にあります。
実は長くおオプションを継続すると株価変動よりオプションの時間から
得られる収入の蓄積が大きく上回ります。
「“暴落“はチャンス。」と述べましたが、それは株式を安く買えるからというより
オプションでは時間から得られる単位当たりの収入が増えるからです。
この“時間から得られる収入自体“は株価変動の影響を受けません。そして、それは
足し算で蓄積され増え続けます。
そのような時間から得られる収入を得るのに特別な技術は必要ありません。
収入を分ける会計を利用することです。キャピタルゲインとインカムゲインを
分けます。
簡単な一般化した例を掲げます。
XYZというシンボルの株式があります。
(実在する銘柄なのですが、ここではXYZとします。)
株価は現在40ドルちょうどです。(これも実際の水準です。)
1ヶ月(正確には満期まで28日です。)のプットオプションのプレミアム
を売ると5ポイント(500ドル)の収入が得られます。
仮に毎月500ドルの収入が得られるとすると12ヶ月で6000ドル(株価にして
60ドルに相当します。)つまり、もともと40ドルだったXYZの価値をプットの
プレミアムで抜いてしまうのです。
もっと現実的に株価が下がることを想定します。
プットからプレミアム収入も株価が下がると減ります。次の12ヶ月の間、
1ヶ月あたり3ポイント(300ドルだったとします。)12ヶ月で3600ドルもの
収入が得られる。当初の株式の価値とほとんど同じです。
冒頭に述べたことの意味がなんとなく見えてきたでしょうか。
繰り返し述べます:
「オプションのエッセンスは「時間」にあります。
実は長くおオプションを継続すると株価変動よりオプションの時間から
得られる収入の蓄積が大きく上回ります。」
上述の例は机上の理論ではありません。
とても現実的です。
オプションを知っている方は権利行使されたらどうするか・・と思われるでしょう。
決済して株式を持たずにプットを乗り換えて売り続けます。
株式の評価損益は一切気に留めません。
なぜなら、株価よりオプションのプレミアムの蓄積の方が多くなるからです。
上述のオペレーションはいつからでも開始できます。
「暴落はチャンス!」と言うなら、それを始めるのにベストな時期は暴落直後だからです。
オプションの本当の凄さ
オプションのプレミアム(オプションの価値)には時間から生み出された価値が含まれています。それをタイムバリュー(以下、”TV”と表記する。)と言います。
オプションを知っている人ならそのような“当たり前“のこととしてあまり気にも留めないと思います。
これの本当の凄さをご存知でしょうか。
コールにせよ、プットにせよ、オプション価値の中に含まれたTVはオプションの期日において必ずゼロになります。それは確実な収益の源泉になります。そのような“確実な収益”を確実に手にするには長い時間を利用することです。時間を利用するためには株価変動を無視し続けること、そして、“確実な収益“を得るための会計を管理すること、さらに、長い時間をかけることです。長い時間とは“一生“です。
誰もが早く金持ちになりたいと思います。しかし、一生ほどの長い時間をかけると早く金持ちになった人たちを抜きます。
ちょっとした例を掲げます。
現在、株価が38ドルのある銘柄があります。
I カ月(30日)の1単位のプットから入る収入は150ドルです。このようなプットを売り続けることで次の12か月間毎月150ドル得られると仮定します。
12か月間(=1年間)で1800ドルにもなります。
10年間で18,000ドルにもなるのです。
これは実際にあった実例を未来にあてはめたもので決して机上の論理で語っているのではありません。
技術的に触れると、株価変動を一切無視し、株価が下落してプットの権利が行使された場合プットは株式の買いに変わりますが、その度にそれを決済してプットを売り続けます。プットから得られる収入(=TV)の蓄積は株価変動を大きく上回ります。
収入の蓄積とは、すなわち、時間の蓄積であり、それは時間から得られる収入の貯蓄なのです。
理論はとても簡単です。
そして、誰でもやろうと思えばできます。
しかし、案外、やる人はほとんどいません。
その理由はいくつか考えられます。
1)米国のマーケットを利用しなければならない。日本の外のことは分かりにくい。
2)早く金持ちになりたい:時間をかけたくない。
3)管理が面倒:面倒なことをしたくない。
4) オプションの仕組みがわかりにくい。
5) リスクが大きそう。
以上の理由はおそらく誤解、誤った認識やイメージからくるものだろうと思います。
オプションは「時間と共に価値のなくなる貨幣」を含んでいます。
それから得られる収入は非常に大きいのです。知らないのは勿体無いし、知っていてやらないのは尚勿体無い、と言えます。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。





