PTS市場とは|私設取引を活用して株式投資で利益をあげる方法

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PTSという株式市場があることをご存知ですか?

PTS(Proprietary Trading System)は、私設取引システムといい、証券会社が独自で運営する取引所です。

証券取引所が運営する9時から15時までの株式市場が一般的で、PTSは意外と知られていませんが、PTSを活用することで売買チャンスが広がります。

この記事では、下記のノウハウをお伝えします。

  • PTS取引に役立つ情報の取得方法
  • PTSと取引所取引の価格差を利用した投資方法

これをヒントにして、ぜひ、皆さまの株式投資にお役立て下さい。

1.PTSの特徴

株式取引は、東京証券取引所や名古屋証券取引所などの取引所を通じて売買されることが一般的です。しかし、一部の証券会社が独自に取引を請け負っている市場があります。それが、PTS市場です。

2.1.取引できるのは2社のみ

一部の証券会社というのは、SBI証券松井証券の2社です。SBI証券の顧客どうし、松井証券の顧客どうしで取引を行い、その証券会社で注文を出した株の売買しかできませんが、注文の仕方などは通常取引とほとんど変わりません。

次の画像は、SBI証券(左)と松井証券(右)のPTSの取引画面です。

PTS

この2社の取引画面は、2018年5月11日の14時44分頃の東洋炭素(5310)のもので、この時間はまだ通常取引が行われている時間帯なので、ほとんどの人は9時~15時の通常取引で売買しています。

そのため、PTSでは9時~15時の取引時間中は注文数が圧倒的に少なく、売買が成立しない銘柄もあります。

それなら、PTSで売買するのは意味がないのでは?と思われた方もいる思いますが、PTSが威力を発揮するのは、15時の通常取引が終わった後になります。

これについては、後ほど詳しくお伝えさせていただきます。

2.2.PTSはその証券会社の顧客どうしの取引

繰り返しになりますが、PTSは、SBI証券と松井証券の2社のみが行っている特別な市場です。「私設」市場なので、その証券会社の顧客どうしでの取引になります。

では、2社のうち、どちらのPTSのほうが取引が多いのかというと、口座数を比較するとわかります。

2018年5月時点では、SBI証券が400万口座なのに対して松井証券は115万口座となっており、SBI証券のPTSのほうが参加者も多く、賑わっているといえます。

しかし、ここで注意していただきたいことがあります。

それは、証券取引所の通常取引は個人投資家だけではなく、証券ディーラーや機関投資家、ファンドマネージャーなどの大口の参加者もいますが、PTSは個人投資家だけの市場だということです。そのため、先ほども少し触れましたが、PTSで必ず売買できるとは限りません。

ただし、それでもPTSを活用するメリットがありますので、後ほど説明させていただきます。

2.3.PTSの取引時間

東京証券取引所での株式取引は、次の2つの取引時間に分けられます。

  • 前場:9時00分~11時30分
  • 後場:12時30分~15時00分

一方、PTSでの株式取引は、

  • デイタイムセッション(日中取引)
  • ナイトタイムセッション(夜間取引)

の2つです。同じPTSでも、SBI証券と松井証券のPTSはデイタイムセッションの終了時間が異なり、それぞれの取引時間は、以下のようになります。

証券会社  デイタイムセッション ナイトタイムセッション
SBI証券 8:20~16:00 17:00~23:59 
松井証券 8:20~15:30 17:30~23:59 

ご覧のように、PTSのデイタイムセッションは8時20分に始まり、東京証券取引所の9時より早く始まります。また、取引終了時間も東京証券取引所よりも遅いのが特徴です。

そして、ナイトセッションはPTSだけの取引になり、こちらは両社同じで17時~23時59分までの取引になります。

2.3.日中の通常取引とPTS取引の価格はほぼ同じ

下の画像は、2018年5月11日のフォーサイド(2330)という銘柄の取引画面です。

左が、通常取引の15時のSBI証券の画面で、終値は367円です。そして、右が、同日のPTSのデイタイムセッション終了間際の15時47分の取引画面で、株価は368円です。

forside

同社は、通常取引では値幅上限であるストップ高の368円(前日比+80円)まで一時値上がりし、終値は367円(前日比+79円)でした。この時、PTSでもほぼ同じ株価の368円をつけていることがおわかりいただけると思います。

このように、通常取引の9時~15時の時間帯は、どちらの市場でもほとんど同じ株価をつけます。

2.4.小数点以下の株価で細かい売買ができる

取引所取引では、みずほフィナンシャルグループ(8411)などのごく一部の限られた銘柄だけは、小数点以下の株価で売買ができます。しかし、PTSでは、全ての銘柄が小数点以下で売買できるのが特徴です。

そのため、より細かな株価で売買することができ、取引所取引より安く買えたり、高く売れたりすることがあります。

下の画像は、先ほどのフォーサイド(2330)のPTSでの取引画面です。売り注文の一番上に、「384.9円」と出ているのがわかりますよね。

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どういう意図で384.9円で売り注文を出しているのかはわかりません。しかし、385円はキリがいい株価で多くの人が売りたいと思う株価なので、それより0.1円安い価格で売ってしまいたいという思惑なのかもしれません。

このように、通常取引では1円刻みの銘柄でも、PTSだと0.1円刻みで細かく売買できて、有利な株価で売買できることもあります。

2.5.PTSの売買手数料

次に、PTSの売買手数料を見てみましょう。下の表は、SBI証券での手数料を比較したものです。

一取引の約定代金  PTSの取引手数料  取引所取引の手数料
5万円まで 47円(税込50円)  50円(税込54円)
10万円 まで 86円(税込92円)  90円(税込97円)
20万円 まで 100円(税込108円)  105円(税込113円)
50万円 まで 238円(税込257円)  250円(税込270円)
100万円 まで 462円(税込498円)  487円(税込525円)
150万円 まで 553円(税込597円)  582円(税込628円)
3,000万円 まで 876円(税込946円)  921円(税込994円)
3,000万円超  924円(税込997円)  973円(税込1,050円)

ご覧のように、PTSの手数料は、取引所取引の手数料よりも少し安く設定されているのが特徴です。約定代金20万円までの手数料はそこまで大きな差はありませんが、100万円、150万円と高くなるにつれて、数十円の差が出てきます。

手数料のコストを削減したい場合はPTSだけで取引するのも一つの手段です。しかし、先ほどもお伝えしたように、PTSでは売買が成立しない場合もあるので、少しの手数料の違いならあまり気にしなくてよいかもしれません。

2.6.取引所取引とPTS間で売買できる

先ほどのフォーサイド(2330)の例のように、証券取引所で15時までに買えなかった銘柄を、PTSのデイタイムセッションで買うこともできます。また、次がポイントなのですが、PTSのナイトセッション(17時~23時59分)に買った銘柄を、翌日の証券取引所の通常取引で売ることもできます。

この仕組みを上手く利用して、15時以降に上方修正などのいいニュースが発表された後に、翌日の株価の値上がりを見込んで、PTSのナイトセッションで買っておくこともできます。

これを利用して利益をあげる方法は、3章で詳しくお伝えします。

2.7.PTSの最大のメリット

ここまで、PTSの特徴についてお伝えしてきましたが、利益に直結する最大のメリットは、「PTSは通常取引より有利な価格で売買できることがある」ということです。

最初にお伝えしたように、PTSはその証券会社の顧客どうしの取引で参加者が少ないため、通常取引では形成しない株価をつける場合があります。そして、この現象は、参加者が少ないナイトセッションで起こることがあります。

例えば、15時以降の悪いニュースに反応して、PTSのナイトセッションで株価が大きく下落することがあります。しかし、それは一部の個人投資家が過剰に反応してPTSで投げ売りしただけであって、翌日の取引所取引ではそれほど下げないで取引が始まることがあります。

このように、PTSのナイトセッションで異常に安い売り注文が出ている銘柄を見つけたら、拾うような感覚で買ってみるのもいいかもしれません。

2.PTS取引に役立つ情報源

1章では、PTSの特徴について説明してきましたが、全銘柄のPTSの株価をいちいちチェックするのは大変ですよね。ここでは、PTS取引に役立つ情報の取得方法として、次の2つのサイトをご紹介します。

  1. モーニングスター社のPTSランキング
  2. 東証適時開示情報

どのような情報が得られるのか、それぞれお伝えします。

2.1.モーニングスター社のPTSランキング

モーニングスター社は、投資信託を評価するサイトで有名です。それに加えて、PTSの様々なランキング情報も充実しており、おすすめです。具体的には、値上がり率、値下がり率、出来高、売買代金などのランキングをチェックすることができます。

●モーニングスター社のPTSの株式ランキング画面

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特にチェックしていただきたいランキングは、値上がり率と値下がり率です。なぜなら、値上がり率上位の銘柄は翌日も高く始まり、値下がり率上位の銘柄や翌日も安く始まることが多く、翌日の値動きの参考になるからです。

でも、なぜその銘柄がPTSの値上がり率上位や値下がり率上位にランクインしているのか気になりますよね。それは、次に紹介する東証適時開示情報にヒントが載っていることが多いです。

2.2.東証適時開示情報

東証適時開示情報は、上場企業が、投資家に開示しなければならない情報をリアルタイムで掲載するサイトです。決算発表や業績の進捗状況、株主優待や配当などの株主還元策、他社との業務提携など、様々な情報が常に発信されています。

●適時開示情報画面

8活用方法は、モーニングスター社のランキングを見て、どういうニュースでその銘柄が上がったり下がったりしているのかを確認するために使ったりします。また、最初から適時開示情報を見て、PTSのナイトセッションに影響が出そうな銘柄を探して売買する方法もあります。

ただ、決算が集中する時期は1,000件を超える情報が公開される日もあり、とても全部はチェックできません。その場合は、表題から業績に関連する情報だけに絞って閲覧することで、PTSの株価に影響を与えそうな銘柄を効率良く探すことができます。

3.PTSの実践的な活用方法

3章では、これまでの内容を踏まえて、PTSの実践的な活用方法を2つの事例を使ってお伝えします。

3.1.PTSを活用した事例①

下の画像は、田中化研(4080)という会社が、2018年5月11日の16時に東証適時開示情報で発表した時のものです。

9こちらがそのニュースで、2018年3月期の決算の数字があまりいいものではないという内容でした。

取引所取引の終値は1,844円だったのですが、この結果を受けて、17時から始まったSBI証券のPTSのナイトセッションでは1,500円を割り込むほど急落しました。下の画像が、その時のものです。

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繰り返しになりますが、PTSは参加者が限られるため、一部の個人投資家が適時開示情報に過剰に反応して、とんでもない株価をつけることがあります。もし、田中化研(4080)は売られ過ぎだと判断すれば、PTSで例えば1,500円で買ってみることもできます。

実際、翌日の取引所取引での同社の始値は1,604円で、前日のPTSの株価ほど下げていないことがわかります。下の表で、ニュースの発表当日と翌日の取引所取引での株価をご確認下さい。

日付 始値 高値 安値 終値 出来高
2018年5月11日 1,830 1,855 1,787 1,844 288,400
2018年5月14日 1,604 1,720 1,590 1,677 511,100

このように、PTSを活用して利益を得ることもできます。

3.2.PTSを活用した事例②

もう1つ事例をご紹介します。

下の画像は、藤商事(6257)という会社が、2018年5月11日15時に東証適時開示情報で発表した時のものです。

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こちらがそのニュースで、先ほどの事例と同様、2018年3月期の決算の数字があまりいいものではないという内容でした。

取引所取引の終値は1,282円だったのですが、この結果を受けて、PTSのナイトセッションでは1,000円を割り込むほど急落しました。下の画像が、その時のものです。

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次に、ニュース発表当日と翌日の通常取引での株価を見て、PTSとの株価を比較してみて下さい。

日付 始値 高値 安値 終値 出来高
2018年5月11日 1,302 1,307 1,272 1,282 32,800
2018年5月14日 1,231 1,260 1,223 1,250 56,900

いかがでしょうか?

PTSで1,000円以下まで売られたにも関わらず、翌日は1,231円で始まっています。先ほどの事例と同様、決算のニュースに過剰に反応した一部の個人投資家が、慌てて売り注文を出したと推測できます。

もし、PTSで983.2円で100株買っていたら、翌日の取引所取引の始値1,231円で売ったとしても、約25,000円の利益が得られたことになります。

PTSで利益をあげる方法として、田中化研と藤商事の2つの事例をご紹介しました。実はこの2銘柄は、先ほどご紹介した、モーニングスター社の値下がり率ランキングから見つけたものです。

下の画像がその時のもので、値下がり率の1位と4位にランクインしていることがわかりますよね。

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このように、東証適時開示情報とモーニングスター社の情報を活用することで、PTSで有り得ない株価をつけた銘柄を探し、翌日の取引所取引で売るといった手法が可能になります。

まとめ

今回の記事では、PTSの特徴と活用方法についてお伝えしました。

決算が集中する時期には、記事の中で紹介したような行き過ぎた株価がPTSでつくことがありますので、そのような銘柄を見つけたら売買のチャンスになります。また、取引所取引でストップ高になった銘柄をPTSで買って、さらに続伸することを狙う売買もできます。

PTSを活用することで、通常の取引以上にトレード機会を多くすることができます。検証して、皆さまの株式投資にぜひ活かしてみて下さい。

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柳橋義昭

柳橋義昭

株式投資を中心に投資をする兼業トレーダー。 主な投資手法はIPO投資とイベント投資、IPO投資については証券会社にてIPOの業務に携わっていた経験や証券ディーラーだった経験を活かして、独自の手法を構築する。IPO獲得の収益よりもセカンダリーの収益の方が大きい。 趣味はドライブと旅行。

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