信用倍率とは?|買いと売りの需給から株価の方向を予測する方法

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信用倍率とは、簡単に言うと、「信用取引の買いと売りの需給(バランス)を見る数字」のことです。信用取引をしない方も、知っておくことで保有銘柄の今後の株価の予測に役立ちますので、ぜひ当記事をしっかり読んで理解して下さい。

1.信用倍率とは

信用倍率は、信用取引に関わる用語です。信用取引についてあまりご存知でない方は、「信用取引とは?|初心者が知っておくべき3つの注意点」を読んでから当記事をお読みいただくと理解が早まります。

1.1.信用取引の計算方法

信用取引の計算式を解説する前に、2つの用語を理解しておく必要があります。

  • 信用買い残…信用取引で買った人でまだ反対売買(売り)をしていない株数
  • 信用売り残…信用取引で空売りをした人でまだ反対売買(買い戻し)をしていない株数

簡単にいうと、「信用取引でまだ決済されていない株数」のことです。そして、信用倍率は、

信用倍率(倍)=信用買い残÷信用売り残

の計算式で表されます。

例えば、信用買い残が100万株で信用売り残が50万株の場合、信用倍率は、買い残100万株÷売り残50万株=2倍 となります。

1.2.信用倍率の数字が表す意味

信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があり、制度信用取引の場合は6ヶ月以内に決済をする必要があります。また、一般信用取引には返済期限はありませんが、いずれは決済する必要があります。

信用買い残は、将来どこかで売って決済する必要がある株数でもあるので、信用買い残が多過ぎると将来の売り要因となります。

また、信用売り残は、将来どこかで買い戻して決済する必要がある株数でもあるので、信用売り残が多過ぎると将来の買い要因となります。

まとめると、次のようになります。

  • 信用買い残 > 信用売り残 で信用倍率が1.0以上
    →将来の売り需要のほうが多いので、信用倍率が大きいほど、株価が上がりにくい傾向にあります
  • 信用買い残 < 信用売り残 で信用倍率が1.0未満
    →将来の買い需要のほうが多いので、信用倍率が小さいほど、株価が上がりやすい傾向にあります

ただし、これは一般論で、株価の変動には様々な要因が絡んできますので、一つの目安にして下さい。

1.3.信用倍率の調べ方

信用倍率の数字は証券会社のツールでも見ることができますが、ここでは、ログインする必要がない無料で確認できるサイトを2つご紹介します。(その他の活用方法は、『投資歴15年の私が教える株の初心者が絶対に押さえておくべきサイト7つ』をお読み下さい。)

1.3.1.数字を確認するなら「Yahoo!ファイナンス」

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ご覧のように、Yahoo!ファイナンスに銘柄コードを入力して出したページの下のほうに「信用取引情報」があり、その中の「貸借倍率」が信用倍率のことです。拡大しますと、次のようになります。

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ちなみに、信用倍率は毎日更新されるものではなく、前週の月曜日から金曜日までの信用取引を集計したものが、翌週の第2営業日(通常は火曜日)の夕方から夜にかけて最新のものが更新されます。

1.3.2.過去の推移を視覚的に見るなら「ケンミレ」

私は、ケンミレという無料の株式総合サイトをよく利用しています。ケンミレで信用倍率を見る時に大変便利なのが、株価チャートの出来高のところに信用買い残は赤色で、信用売り残は青色で時系列で表示してくれるので、「変化」を読み取れる点にあります。

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2.信用倍率の活用方法

次に、信用倍率をどのように株価予測に役立てるのか、ケンミレのチャートを使って見ていきます。

2.1. 実例① 買い残が多くて株価上昇の重しとなっている場合

下図はPCデポ(7618)のチャートです。真相は不明ですが、サービスの解約トラブルが続出したことから、2016年8月に株価が急落しました。

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株価が急落したタイミングで、そろそろ反発するだろうと判断した多くの投資家が信用取引の買いで同社の株に買い向かったのですが思うように反発しませんでした。そして、諦めて売ってしまう人も多くいたため、株価上昇を妨げていたと想像することができます。

その後、信用買い残も徐々に減少して需給が改善していき、逆に信用売り残のほうが多くなったタイミングで、株価はようやく上昇に転じています。(右側の赤マルで囲んだところ) 

2.2. 実例② 売り残が多くて買い戻しで株価が上昇する場合

下図は、大東建託(1878)のチャートです。ずっと売り残のほうが多い状態が続いていて、下がると思って空売りをしていた人が多かったことがわかります。しかし、思うように下落しなかったことで諦めて買い戻しを行い、新規の買い注文も加わって、ジワジワと上昇していったと想像することができます。

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ちなみに、空売りの買い戻しの力で株価が上昇する相場を、「踏み上げ相場」といいます。空売りをしていた投資家にとっては、早く買い戻しをしないと含み損が膨らんでしまう恐れがあるので、損失覚悟で買い戻すことになります。

まとめ

信用倍率は、目先の株価の変動には影響はほとんどなく、1日のうちに売買を繰り返すデイトレーダーや数日間だけ保有する短期投資家にとってはあまり意識する必要はないかもしれません。

しかし、中長期投資家にとっては信用倍率をチェックすることは重要な意味を持ちます。なぜなら、他の投資家が今、利益が出ていてハッピーな状態なのか、損失を抱えていて苦しい状態なのか、そして今後どのような売買をしてくるかを想像することは、今後の株価の値動きの予測に役立つからです。

当然、信用倍率だけで株価の動きを全て予測することはできません。信用倍率が大きくても、人気化する銘柄は新規の買い注文を伴ってどんどん株価が上昇していくこともあります。

株価の方向を予測するヒントの一つとして知っておくと、他の投資家の一歩先をいくことができます。

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近藤章仁

近藤章仁

証券会社で株式ディーラーを7年間経験。現在は、「投資の教科書」の運営を担当し、FXと日本株の中長期投資を行う兼業トレーダー。現場で培った経験から、皆さまに役に立つノウハウをお伝えします。「モノクロ ザ マネーvol.3」にも登場。趣味は、プロ野球観戦とフィールサイクル。

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専業投資家、ふりーパパ氏は「成長株投資」を実践し、これまで4億円もの利益を株式投資で得ています。ふりーパパ氏の手法の魅力はきわめてシンプルな銘柄選別法にあります。それは業績の上方修正をして新高値をとってきた銘柄を出来高とボックス抜けの指標でチェックして投資をするというものです。


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コメント

  1. 山本腆彦 より:

    宜しくお願い致します

    1. 投資の教科書事務局 投資の教科書事務局 より:

      投資の教科書をご活用いただき、ありがとうございます。
      皆さまに役に立つノウハウをお届けしますので、今後とも宜しくお願い致します。

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