今週のマーケット(11月2日〜6日)。日経平均は9%安、社長が見ておく数字は3つだけ
· 投資の教科書 編集部


今週は日経平均が1週間で9%あまり下がり、6日には6万円を割り込みました。
大きく動いたのは株です。表にして並べると、仕入れに効くドル円の動きは1円未満で、日本の長期金利はむしろ下がりました。 株と、為替・金利を分けて見ると、自社で確かめることが整理できます。
忙しい社長は、この記事の表と「中小企業の社長にとって何が効くか」だけ読めば、今週の相場を押さえられます。
この記事で手に入るもの
- 今週(11月2日〜6日)の株・為替・金利の終値と、1週間の変化がひと目でわかる表
- 相場を動かした3つの出来事(米国の中間選挙、AI関連株の売り、米国の雇用統計)
- 円相場・金利・株価が、自社の仕入れ・借入・取引先にどう効くか
- 来週(11月9日〜13日)に見ておく日程
結論
- 11月2日〜6日の日経平均は1週間で5855円(9.25%)下がり、TOPIXも6.48%下がりました。6日は東証の33業種すべてが下がっています
- 一方でドル円は158円台で、1週間の動きは1円未満です。日本の長期金利は下がり、6日は2.635%でした
- 借入に直接効くのは11月2日に上がった短期プライムレートです。「円」「金利」「取引先」の3つを順に確かめれば、次の手を決めやすくなります
今週の数字(10月30日終値→11月6日終値)
3日(火)は文化の日で東京市場は休みでした。日本の取引は2日(月)と4日(水)〜6日(金)の4日間です。
| 指標 | 11月6日の終値 | 前週末(10月30日)からの変化 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 5万7434円77銭 | 5855円34銭安(−9.25%) |
| TOPIX(東証株価指数) | 3707.99 | 257.08ポイント安(−6.48%) |
| ドル円(NY市場) | 1ドル=158円49銭 | 157円53銭から、96銭の円安 |
| S&P500(米国の代表的な株価指数) | 7376.86 | 203.21ポイント安(約−2.7%) |
| ナスダック総合(米国のハイテク株が多い指数) | 2万4579.42 | 857.57ポイント安(約−3.4%) |
| 日本の長期金利(新発10年国債の利回り) | 2.635% | 2.770%から0.135%低下 |
| 米国の長期金利(10年国債の利回り) | 4.86% | 4.94%から0.08%低下 |
※ 米国株と米国金利は、現地時間11月6日の終値です。米国金利は米財務省の公表値です。ドル円は、10月30日がロイターのNY終値、11月6日がロイターのNY午後3時の値です。TOPIXの週間の変化と、日米の金利・ドル円の変化は、2つの日の数字から編集部が計算しました。
ポイントは、今週の下げが広い範囲に及んだことです。 日経平均だけでなく、東証に上場する全体の動きに近いTOPIXも6%あまり下がりました。6日は東証の33業種すべてが下がり、東証プライムでは値上がり21銘柄に対して値下がりが1523銘柄でした。
今週、相場を動かした3つのこと
1. 米国の中間選挙とAI規制への警戒(3日〜5日)
3日に投票があった米国の中間選挙で、民主党が上下両院の過半数を獲得しました。これを受けて、AI向けデータセンター(AIを動かす計算設備を集めた施設)の規制が強まり、AIへの投資が遅くなるのではという警戒が広がりました。
CNBCによると、テキサス州知事に当選した民主党のヒノホサ氏は5日、保護策ができるまでデータセンターの建設を止めるべきだと述べました。一方でトランプ大統領は6日、AIへの投資を全面的に支持すると表明しています。具体的な規制の中身は、今週読んだ報道では確かめられていません。
2. AI関連株に売りが集まった(5日・6日)
5日の米国市場では、ナスダック総合が5.52%、S&P500が4.4%下がりました。半導体株の指数(SOX指数)は約12%の下げです。CNBCによると、3つの主要な指数はいずれも2025年4月以来の大きな下げ幅でした。
この流れを受けて、6日の東京市場で日経平均は前日比3643円13銭安(−5.96%)の5万7434円77銭で終わりました。共同通信によると、下げ幅は過去3番目で、6万円を割るのは約半年ぶりです。
同じ6日の米国では買い戻しが入り、ナスダック総合は1.09%上がりました。シカゴの日経平均先物は5万8370円で、6日の大阪の終値より960円高い水準です。
→ AIへの投資がどれだけ大きいかを数字で見るなら:AIの市場はどこまで大きくなる?(社長のAIの教科書)
3. 米国の雇用統計が予想を上回った(6日)
6日に発表された米国の10月の雇用統計では、働く人の数が16万5000人増えました。ロイターの伝えた予想(6万5000人増)を大きく上回っています。失業率も9月の4.2%から4.1%に下がりました。
景気が強いと、米国の中央銀行(FRB)が金利を上げるのでは、という見方につながります。ロイターによると、12月の利上げの確率は市場の計算でほぼ80%まで上がりました。
為替と金利のくわしい動き
ドル円:158円台に戻って週を終えた
ドル円は5日のNY市場の終わりで157円70銭でした。6日は雇用統計を受けて158円58銭までドルが買われています。
週を通すと、157円53銭から158円49銭へ、96銭の円安です。 株が大きく動いたわりに、為替の動きは小さい週でした。
日本の長期金利:株が下がって国債が買われた
日本の長期金利(新発10年国債の利回り)は、6日に前日より0.120%低い2.635%で終わりました。共同通信は、株の下落で投資家が慎重になり、比較的安全とされる国債が買われたと伝えています。
政策金利の見通し
| いまの政策金利 | 直近の会合 | 市場の見方 | |
|---|---|---|---|
| 日本(日銀) | 1.25%程度 | 10月30日に据え置き(賛成8、反対1) | 12月の利上げ観測が残る |
| 米国(FRB) | 3.75〜4.00% | 10月28日に据え置き(2人が利上げを主張) | 12月の利上げ確率はほぼ80% |
日銀は10月30日、基調的な物価上昇率(一時的な動きを除いた物価の伸び)が、目標の2%と「概ね整合的な水準」になったと判断しました。植田総裁は11月6日にも、2%付近で推移するとの見方を示したうえで、上振れのリスクに触れています。
中小企業の社長にとって何が効くか
相場のニュースは大きく見えますが、自社に効く道すじは3つに分けると整理しやすくなります。
| 動いたもの | 自社に効くところ | 今週の動き | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 円相場(ドル円) | 輸入品・原材料の仕入れ値、輸出の売上 | 158円台で、1週間の動きは1円未満 | 仕入れ値の前提を、158円前後で置いたままでよいか |
| 金利 | 借入の利息、これからの借入の条件 | 長期金利は低下。短期プライムレートは2日に上昇 | 変動金利の借入が、いつ・どの基準で見直されるか |
| 株価 | 上場している取引先の業績、景気の空気 | 全業種が下げ、特にAI・半導体関連に売り | 半導体関連の取引先があるなら、受注の見通しを聞いておく |
円相場 → 仕入れ・輸出
ドル円の1週間の動きは1円未満です。今週の株の下げを理由に、仕入れ値の前提を変える必要はありません。 原油は6日にWTI(米国産の代表的な原油)が1バレル90.83ドルで、10月29日の102ドル台より下がっています。燃料や運賃が効く会社は、次の見積もりの前に仕入先へ見通しを聞いておくと、交渉がしやすくなります。
金利 → 借入
三菱UFJ銀行の短期プライムレート(銀行が優良企業に短期で貸すときの基準の金利)は、11月2日に2.375%から2.625%へ0.25%上がりました。 長期金利が下がっても、この基準で決まる借入の利息は下がりません。
変動金利で借りている会社は、借入が1億円あれば、0.25%の上昇で年25万円の利息が増える計算です。自社の見直し時期を確かめて、資金繰りの表を先に直しておくと安心です。
株価 → 取引先・景気
今週の下げは、AI規制への警戒から始まり、全業種に広がりました。ただ、きっかけは景気の悪化ではなく、6日の米国の雇用統計はむしろ強い結果でした。景気全体が悪くなったと決めつけず、取引先の注文の動きで確かめるのが自然です。
半導体の装置や部材に関わる取引先がある会社は、来週の決算も手がかりに、受注の見通しを聞いておくと判断しやすくなります。
AIに「自社への影響」を聞いてみる
この記事の表をコピーして、そのままAIに渡すと、自社向けの読み替えが数分でできます。
次の表は、今週の株価・為替・金利の動きです。
【ここに表を貼り付ける】
当社は【業種・事業の説明を1〜2行】の会社です。
主な仕入れは【例:海外からの部品/国内の原材料】、
借入は【例:変動金利で約〇億円】です。
この動きが当社の
1. 仕入れの値段
2. 借入の利息
3. 取引先の注文
にどう効きそうか、それぞれ2行で教えてください。
表に書いていない数字は使わず、わからないことは「わからない」としてください。
来週見ておく予定
来週(11月9日〜13日)の予定です。いずれも報道などで日程を確認できたものだけを載せています。
| 日付 | 予定 | 見ておく理由 |
|---|---|---|
| 11月9日(月) | 中国の10月消費者物価指数・生産者物価指数 | 中国の景気の手がかり |
| 11月10日(火) | 日銀の金融政策決定会合の「主な意見」(10月開催分) | 12月の利上げの手がかり |
| 11月10日(火) | 米国の10月消費者物価指数(CPI) | 米国の利上げの判断材料。ドル円にも効く |
| 11月10日(火) | ソフトバンクグループの決算。米国時間では米コアウィーブの決算も | AIへの投資の様子を確かめる材料 |
| 11月12日(木) | 日本の10月国内企業物価指数。米アプライドマテリアルズとシスコの決算 | 企業どうしの値段の動きと、半導体・通信機器の需要 |
| 11月13日(金) | 米国の10月生産者物価指数(PPI)、オプションSQ(株価指数オプションの清算) | 米国の物価と、東京市場の売買の手がかり |
ダイヤモンド・ザイの記事は、来週の日経平均を5万4000〜6万円と予想しています。外為どっとコムの記事は、ドル円を156円40銭〜159円20銭と見ています。いずれも予想で、この範囲に収まるとは限りません。
よくある質問
今週(11月2日〜6日)日経平均が下がった理由は何ですか?
米国の中間選挙で民主党が上下両院の過半数を獲得し、AI向けデータセンターの規制が強まるとの警戒が広がったことがきっかけです。5日の米国市場ではナスダック総合が5.52%下がり、6日の日経平均は前日比3643円13銭安でした。共同通信によると、この下げ幅は過去3番目です。
TOPIXも大きく下がったのはなぜですか?
今週の売りはAI・半導体関連から広い範囲に及びました。6日は東証の33業種すべてが下がり、東証プライムでは値上がり21銘柄に対して値下がりが1523銘柄でした。1週間でTOPIXは6.48%下がっています。
日銀と米国の次の利上げはどう見られていますか?
日銀は10月30日に政策金利を1.25%程度で据え置き、12月の利上げ観測が残っています。米国は10月28日に3.75〜4.00%で据え置きましたが、ロイターによると、6日の雇用統計を受けて12月の利上げの確率はほぼ80%まで上がりました。
今週の相場は会社の借入にどう影響しますか?
日本の長期金利は6日に2.635%まで下がりましたが、変動金利の借入により直接効くのは短期プライムレートです。三菱UFJ銀行は11月2日に2.375%から2.625%へ上げました。借入が1億円あれば、0.25%の上昇で年25万円の利息が増える計算です。
まとめ
- 日経平均は1週間で5855円(9.25%)下がり、TOPIXも6.48%下がった。6日は33業種すべてが下げた
- きっかけは、米国の中間選挙を受けたAI規制への警戒と、AI関連株の売り
- ドル円は158円台で、1週間の動きは1円未満。仕入れ値の前提を変えるほどの動きではない
- 日本の長期金利は6日に2.635%へ低下。借入には、11月2日の短期プライムレートの上昇のほうが直接効く
- 来週は10日の米国のCPIと、AI関連企業の決算に注目
株価の大きな動きに振り回されず、「円」「金利」「取引先」の3つを順に確かめれば、相場のニュースを自社の次の一手に変えられます。
※ この記事は、相場の動きと経営への影響を説明するもので、特定の銘柄の売買をおすすめするものではありません。
参考
- ダイヤモンド・ザイ「来週(11/9~11/13)の日経平均株価の予想レンジ」(2026年11月6日)
- 世界一やさしい投資の学校「日経3643円安の6万円割れ、33業種すべて下落|日経平均の概況【11月6日】」
- 世界一やさしい投資の学校 日経平均の概況(2026年10月30日)
- 共同通信(Yahoo!ニュース)「東証終値3643円安、下げ幅過去3番目」(2026年11月6日)
- 秋田魁新報(共同通信)「東証急落、終値は3643円安」(2026年11月6日)
- 財経新聞(フィスコ)東京市場の概況(2026年11月6日)
- La Nacion(AP配信)「How major US stock indexes fared Friday 11/6/2026」
- La Nacion(AP配信)「How major US stock indexes fared Friday 10/30/2026」
- CNBC「Stock market news for Nov. 6, 2026」
- ニューズウィーク日本版(ロイター配信)NY市場の概況(2026年11月7日)
- ロイター(Yahoo!ニュース)「NY市場サマリー(30日)」
- 財経新聞(フィスコ)米雇用統計とドル円の動き(2026年11月6日)
- ザイFX!(フィスコ)「11月6日のNY為替・原油概況」
- みんかぶFX「ダウ平均は続落 データセンター関連に買い戻し 米雇用統計への反応鈍い=米国株概況」(2026年11月7日)
- 中日新聞(共同通信)「長期金利低下2.635%」(2026年11月6日)
- 中日新聞(共同通信)「長期金利低下、2.770%」(2026年10月30日)
- 米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates(2026年11月)」
- 米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates(2026年10月)」
- 第一生命経済研究所「日銀金融政策決定会合(2026年10月)」
- 財経新聞(フィスコ)「10月30日のNY為替概況」
- 外為どっとコム「来週の日経平均見通し(11/9~11/13)」(2026年11月6日)
- 外為どっとコム「来週の為替予想(米ドル/円)」(2026年11月7日)
- 外為どっとコム「S&P500見通し(11/6〜11/13)」(2026年11月6日)
- OANDA(共同通信)「NY原油続伸、終値90ドル台」(2026年11月7日)
- 三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」(2026年9月18日)
- 日経平均株価 リアルタイムチャート「スケジュール」
「今月のマーケット」の関連記事

· 今月のマーケット
米中間選挙で株価はどう動いた? 過去9回の日経平均を数字で確かめる。予想ではなく記録として

· 今月のマーケット
今週のマーケット(10月12日〜16日)。日経平均は5%安、社長が見ておく数字は3つだけ

· 今月のマーケット
植田総裁「2%にかなり接近」。日銀会合の前に、社長が借入で先に確かめる3つのこと

· AIと産業・お金の流れ
今週のAIとお金のニュース5本。AI企業の好決算から規制への警戒まで、社長向けに読み解く

· NISAと証券口座
こどもNISAは2027年1月から。0〜17歳が年60万円まで使える仕組みと、親が知っておく4つの決まり

· お金の置き場