投資の教科書

オプションの“トリセツ”

· 増田 丞美

オプションの“トリセツ”

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

前回「デリバティブとしてのETF/ETN」について述べました。

デリバティブとは本質的には「数学的原理によって価値を生み出す技術」をいいます。

オプションはその代表的なものです。

近年では米国における応用数学や工学の発達によりオプションの仕組み(デリバティブ)を組み入れて株式の形にしたETFやETNが開発されました。そのため、オプションの知識やオプション取引の経験がなくとも株式と同じように「実質的なオプション」(オプションが株式の形態に変わった商品)を取引できるようになりました。

オプションは学習する必要がない。

私はオプションを特に勧めるつもりはありません。

しかし、オプションを知っておくと得をするという側面があるのでオプションについて一通り説明します。「得をする。」というのはオプションが生み出す現金収入を確実に手に入れる方法が存在するということです。それについては追って述べます。

以前「オプションは学習する必要がない。」と述べました。それと矛盾するわけではありません。あらためて学習する必要はありません。ある「組み合わせ」を真似て取引して金収入が確実に取れることを知るときっとそれの虜になるだろうと思います。一方で、その摩訶不思議なオプションとは何かという思いと知らないことから来る不安あるいは心地悪さからそれが何であるかを知りたいと思うかもしれません。

そこで一通りオプションの説明を掲げます。

ここで掲げる内容はオプションの“トリセツ”(=「取扱説明書」)程度に捉えてください。そして、それらのほとんどを読み流して結構です。”トリセツ“の内容を理解しなくともオプションを扱ってちゃんと収益を上げることができます。何かの道具を購入した時についてくる「取扱説明書」のつもりで読み流していただいて結構です。

コールオプション

これは自著の一部を抜粋したものです。(古いので記号などは変えています。)長いので残りは次回に回します。

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オプションとは何かといえば、以下に記すことだと理解してほしい。

オプションには「コール」(CALL)と「プット」(PUT)がある。まず、「コール」について述べる。

例: 「ABC2021年8月限50コール @2.00」

ちょっと長いが、これ↑が株式投資でいう「銘柄」に相当する。ABCが株式銘柄のシンボル(日本では証券コードに相当)だが、オプションでは「ABC2021年8月限50コール @2.00」で一つの銘柄という扱いである。

上記の表記のようにオプションの銘柄は株式銘柄より長い。上記の例では、「ABC2021年8月限50コール」を1単位(=オプションは1単位あたり100株に相当する。)2.00ドルで買う。2.00は実際のドル金額ではその100倍(1単位=100株) で200ドルに相当する。

「ABC2021年8月限50コール @2.00」の中身をさらに分けて説明する。

1)「ABC」―銘柄(株式の銘柄:株式オプションの場合は同オプションと関連する株式銘柄)

原資産(英語で”Underlying Asset”という。)日本では証券コードに当たるがアメリカではアルファベットで表記される。

2)「2021年8月」―限月

オプションには期限がありその期日がある月を「限月」という。(英語では”Delivery Month”という。)米国では通常同月の第3金曜日である。

3)「50」―権利行使価格

コールの場合、期日までに「コール」の買い手は権利を行使することができる。その場合に行使できる株価のことをいう。上記の例では、2021年の8月第3水曜日までに権利を行使すると、ABCを1株50ドルで買うことができる。その”50ドル”が「権利行使価格」である。

4)「コール」ー買う権利

オプションには「コール」と「プット」の2種類がある。「コール」は買う権利で、一方、「プット」は売る権利である。(「プット」については後述。)

5)「@2.00」ープレミアム

「ABC2021年8月限50コール」を一つの銘柄とするとそれが取引される値段がある。それを「プレミアム」といい、上記例ではそれは2.00である。ドル金額にして1単位あたり200ドルである。

以上が「ABC2021年8月限50コール @2.00」の内容の説明ですが、オプションは「売り手」と「買い手」の間で取引されます。「買い手」は「ABC2021年8月限50コール」という“権利”を買い1単位あたり200ドルの現金を「売り手」に支払い、もう一方の「売り手」は「ABC2021年8月限50コール」という“権利”を「買い手」に売ることで1単位あたり200ドルの現金を受け取ります。

そのような取引の構図を表したのが下図です。

オプションの本質は上記の図が表しています。その図は単純なようで奥が深いです。AとBの間で買わされる条件の交換(契約)によって現金が生まれます。それは単なる売りと買いではないのです。AとBは現金の「受け手」と「払いて」です。

以上の内容は「コール」についての説明です。

次回は「プット」について説明します。

オプションを組み合わせることで私たちは確実に現金収入を手に入れることができます。

どうやって私たちは収入や収益を手に入れるのか・・・・それに向かっていきます。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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