『プットオプション』と株式の組み合わせ
(更新 ) · 増田 丞美

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
前回「『コール』と株式の組み合わせ」の例を紹介しました。
今回は「『プット』と株式の組み合わせ」を紹介します。
これは前回紹介した「『コール』と株式の組み合わせ」とは異なり、ある意味特殊な組み合わせです。
オプションの本質
オプションの本質はキャッシュフローの交換です。
それは前回の掲げたように、A⇄Bで表すことができます。

『「プット」と株式の組み合わせ』の例
具体的に、『「プット」と株式の組み合わせ』の例を掲げます。
「ある意味特殊な組み合わせです。」と述べましたが、それはプットの売りと株式の売り(空売り)の組み合わせだからです。「売り」と「売り」の組み合わせです。
これによって確実に収益を上げることができるでしょうか?
例:
ABC −100 @10.00 /ABC10P−1 @1.00
↑はABCという銘柄の株式について100株を1株あたり10ドルで“売る”(=「空売り」を行う)と同時に同銘柄の10ドルの権利行使価格のプット(P=プット)を1単位(=100株に相当)“売る”ことによって100ドルの収入を得るというものです。投資金(というより「空売り」の場合は保証金)を1000ドルとします。それに対して100ドル(10%)の、いわば、配当を先取りできるのです。
100ドルの現金収入はどうやって生み出されたのかは、上記の図(A⇄B)が示しています。すなわち、「ある条件(株式交換の条件)と現金を交換することで現金収入を手に入れることができるという仕組み」です。
上記の取引については
「株式の空売り」と組み合わせることでプット自体のリスクはなくなります。一方、「空売り」対象の銘柄はリスクから免れているわけではありません。この場合、「株式の買い」以上に銘柄を限定して選択する必要があります。つまり、株価が下落することが分かっているものを選択する必要があります。
そうすることで確実に「プットの売り」から生み出される現金収入を手に入れることができます。それは、まるで、配当金の先取りです。
さて、前回紹介した「株式の買いとコール売りの組み合わせ」と同様に、
上記の10%が月利だとしたらどうでしょうか?つまり、オプションの保有期間が1ヶ月で投資額(空売りの場合は「保証金」に対して10%もの収入が入るような仕組みが存在するのが信じられるでしょうか。
答えを先に述べておくと一般に信じられないことが実際にこの世に存在するのです。
株価が下落することが分かっていると言えるもの
「確実に収益を生む“からくり”」について、
- 株式買いとコール売り
- 株式売り(空売り)とプット売り
の2つの例を紹介しました。
それらの“からくり”を理解するには、コール及びプットの関する「権利行使」という仕組みを理解する必要があります。
また、上記の「(2)株式の売り(空売り)とプット売り」の仕組みについて株式の空売りの仕組みを理解する必要があります。さらに、それについて「株価が下落することが分かっているものを選択する必要があります。」と述べましたが、「株価が下落することが分かっている。」と言えるものが存在するのでしょうか。
上記の疑問は前回述べた以下のことと関係があります。
「オプションというと難解に感じられるかもしれませんが、難解な理論を知らなくとも誰でもオプションを扱うことができます。また、現在ではテクノロジーの発達によりオプションを株式取引のように扱えるように形を変えたものがあります。」
「テクノロジーの発達によりオプションを株式取引のように扱えるように形を変えたもの」は「株価が下落することが分かっていると言えるもの」の存在と関係しています。
以下のグラフはある銘柄の株価の変化の推移を表したものです。

それは“株価が下落することが分かっていると言えるもの」が実際に存在することを示唆しています。
以上述べた内容に引き続き、「“確実な収益”を生み出すからくり 」についてさらに踏み込んでお話ししたいと思います。
次号に続きます。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。




