ショートセリング時の株価暴騰に対する対処
· 増田 丞美

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
ABCの株式に投資した場合に、株価が暴落したどうしようというのが株式投資家が抱える大きな不安です。
一方、XYZの売りを実行した場合の不安は、価値(株価)が暴騰したらどうしようというものです。
これに対する対処について説明します。
長期的に楽な、株式を先に売る方法
2つのグラフをご覧ください。
ABCの株価変動とXYZの価値の変化の推移を示したものです。

上記のグラフのうちABCのグラフを取り除き、
XYZの価値の過去1年間の推移を示したのが以下のグラフです。

株式投資とは、例えば、上記グラフに掲げたABC の株式を買い、株価が上がったところで株式を売却し値上がり益を得ることを言います。
上述の株式投資とは反対にXYZの株式を先に売り、株価が下がったところで株式を買い戻して利益を得る方法があります。どちらがいいかとは一概に言えないのですが、私はXYZの株式を先に売ることを好みます。どのような銘柄の株式に対してもそのようなことをするわけではありません。
上記のXYZはその価値がABCの株価に逆連動するように設計された特殊な商品です。
株式投資に比べて難しそうに見えるかもしれませんが慣れるとこちらの方が長期的には楽に感じます。売ることで現金が増えるので長くやっていると現金が増えるのが楽しみになります。やり方にはちょっとしたコツと手法がありますが、誰でもやる気になればできます。
ショートセリングを実行した際の暴騰に対する対処法
上に掲げたABCの株式に投資した場合に、株価が暴落したどうしようというのが株式投資家が抱える大きな不安です。一方、XYZの売り(「ショートセリング」と言います。先に株式を売ることです。)を実行した場合の不安は、ABCの株価が暴落した時に、それに逆連動しているXYZの価値(株価)が暴騰したらどうしようというものです。これに対する対処はいくつか(というより結構多く)あります。
1.一度に売らず少しずつ時間をかけて売っていく
第一に、多くの株数を一度に売らずに少しずつゆっくり時間をかけて売っていくというものです。
XYZの価値は長期的にゼロに向かっていくのがわかっているので時間さえかければ誰でもできます。アメリカでは1株からできます。
XYZの価値が10ドルの時、1株売れば10ドル取得できます。ABCの株価が暴落(急落)して、10ドルの価値が20ドルまで増加したとします。価値が2倍になりこの時点で評価損が10ドルになっています。そこで、さらに1株を20ドルで売ります。平均の売値は15ドルです。XYZが15ドルを切れば評価益に変わります。
2.逆連動するものを売る
第二、ABCを売り(「ショートセリング」)、同時に、XYZを売ります(同じく「ショートセリング」)です。
この場合の比率はドル金額でおおよそ等しくなるかややABCの金額の方が多くなるようにします。比率としてはABC:XYZ =1:1 〜3:1です。3:1にすると利益が出なくなってしまいますが、ABCの株価が大幅に下がりXVZの価値が急騰した場合に、不安からのがれ様子を見て状況落ち着くまで3:1を保っておくといいでしょう。落ち着けば、ABC売り/VXZ売りを1:1で加えます。XYZの方がABCに比べ変動が大きいので1:1で長期的に利益が出ます。
3.オプションを使って保険をかける
第三の例は、少し複雑ですが、オプションを使うやり方です。
XYZを売り(ショートセリング)、同時に、XYZのコールオプションを買うというやり方です。これによって潜在的損失が限定されるのでABCの価値が暴落するのに伴いXYZの価値が急騰してもリスクは限定されます。このケースのコールオプションとはXYZの売り(ショートセリング)に対する保険です。保険にはややコストがかかりますが安心してXYZの売りを実行できます。
まとめ
他にもありますが、代表的なものを3つ掲げました。
どれが最もいいか・・・これには正解がありません。
全部実行してもいいと思います。
最後に、ABCの株価に逆連動するXYZの株式を売るのは、価値が長期的にゼロになる通貨を売るのに似ています。XYZを売ることで現金収入を得ることができます。それを長期にわたって継続します。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。




