株式化されたオプションを使ったヘッジの具体例
· 増田 丞美

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
前回「株式化されたオプション」に触れました。
ETFやETNの仕組みを利用して作られたレバレッジの効いた株式があります。
ダウジョーンズに連動しているETFの値動き
下のグラフは米国を代表する株価指数ダウジョーンズ(通称「ダウ」)に連動しているETFの
2010年2月11から2021年5月24日までの株価の変動の推移を示したものです。
ABCもETFで上に掲げた「ダウ連動型ETF」に連動しています。ただし、変動率は上のETFの3倍です。下のグラフをご覧ください。期間は同じです。

「ダウ連動型ETF」は2010/2/11 – 2021/5/24において株価が3.5倍に上昇しました。
一方、ABCは同期間において価値が約22倍になりました。
ABCはとても魅力的に見える一方で、ダウジョーンズの暴落に伴い、ABCの価値は最大値から5分の1になるなど不安を誘う要素があります。
ABCの価値(株価に相当)の変動は非常にコールオプションの価値の変動に似ています。しかし、これの魅力はオプションを知らなくても株式と同じように取引できることです。
逆連動するETF
そして、ABCと逆連動するもう一つのETFがあります。
下のグラフをご覧ください。期間は同じです。

ABCとXYZは価値が反対に変動するように作られています。
ABCの価値が22倍になった一方でXYZの価値はほとんどにゼロに近づいています。
長期で見るとABCとXYZが全くの逆に連動しているかわかりません。そこで短い期間で両者の価値の変動をみてみましょう。
逆連動するETFの価値の変化
下図は2021年1月4日から5/24日までのABCとXYZの価値の変化の推移を描いたものです。両者は全くの逆連動であることが分かります。

株価の急落の不安に対処する手段
ABCに興味があるものの短期的な大きな変動、株価の急落の不安に対処する手段があります。それはXYZをヘッジとして利用することです。XYZの価値はABCの価値が下落すると反対に増加します。
そこで、ABCとXYZの両方を買ったらどうでしょうか。
ABCとXYZをオプションのコールとプットの関係とみなすとわかりやすいです。
具体的な方法についてはまたお話しします。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。




