投資の教科書

CallとPutの時間と共に価値が減少する仕組みを利用して収入を得る

· 増田 丞美

CallとPutの時間と共に価値が減少する仕組みを利用して収入を得る

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。

次のSQは2026年11月13日、取引最終日は2026年11月12日です。SQ日カレンダーを見る →

“オプション”というと日本人の多くにとってあまり馴染みがないと思われます。

日本には一般の人たちが気軽に利用できるオプションマーケットが存在しないと言っていいと思います。

米国には株式銘柄と同じくらい多くのオプションが利用でき活発に取引されています。米国社会にオプションは広く浸透しています。

上場オプション

米国では株式銘柄のほとんどがオプションとセットで上場しています。

日本のほとんどの人たちにとってオプションは馴染みがないわけですが、オプションを知らないのはもったいないと思われます。なぜなら、オプションを利用することでそこから収入を得ることができるからです。オプションはキャッシュ(現金)を生み出す能力を持っています。

「オプションは難しい。」という印象を持っている人は多いかもしれません。

しかし、それは単に知らない、馴染みがないからだと思われます。

「特殊証券」として「株式化されたオプション」を紹介しました。

それは別にオプションとして上場している「上場オプション」について述べます。「上場オプション」とは株式銘柄と同じように取引所に上場しているオプションをいいます。英語では”listed options” (「リスティッド・オプション」)といいます。

リスティッド・オプションは米国が最も発達しています。

日本人も取引することができます。

それを利用しない手はありません。

Call(コールオプション)のポイント

以下にオプションについて簡単に説明します。

オプションには”Call”(「コール」)と“Put”(「プット」)の二種類があります。

オプションをおぼえる最もはやい方法は実際にやってみることですが、知識としておぼえる(学習する)場合、オプションについての詳細な説明より数学としてアプローチすることです。

ABCというシンボル(銘柄)の価値(株価)が20ドルであるとします。

20C はABCの株価を基にしたCall (コールオプション)です。CはCallを表しています。

20はストライクプライス(「権利行使価格」)と呼ばれています。

“20C”はABCに関係のあるCall(コールオプション)でそのオプションにはABCの株価とは別に値段があります。その値段は「プレミアム」と呼ばれているCallの価値です。

Call(コールオプション)について実践上(実際に利用する上で)大事なポイントは以下のことです。

1)Callの価値はABCの株価が上がると増加します。一方、ABCの株価が下がるとCallの価値は下がります。つまり、Callの価値は株価に連動します。

2)ABCの株価が上にも下にも動かなかったらどうでしょうか。Callの価値はゼロになります。これはとても大事なポイントなので覚えておくといいでしょう。Callの価値はゼロになりやすいのです。

3)Callには期限があります。それは通常各月の第三金曜日です。それを「期日」(英語では”expiry date”)といいます。その期日を過ぎるとCallは消滅します。どの月を選ぶかは自分で決めることができます。上記の20Cの場合、期日までに、ABCの株価が20を超えていないとCallの価値はゼロになります。

Put(プットオプション)のポイント

次にPut(プットオプション)について述べます。

ABCというシンボル(銘柄)の価値(株価)が20ドルであるとします。

20P はABCの株価を基にしたPut(プットオプション)です。PはPutを表しています。

20はストライクプライス(「権利行使価格」)と呼ばれています。

“20P”はABCに関係のあるPut(プットオプション)でそのオプションにはABCの株価とは別に値段があります。その値段は「プレミアム」と呼ばれているPutの価値です。

Put(プットオプション)について実践上(実際に利用する上で)大事なポイントは以下のことです。

1)Putの価値はABCの株価が下がると増加します。一方、ABCの株価が上がるとPutの価値は下がります。つまり、Putの価値は株価の逆に変動します。

2)ABCの株価が上にも下にも動かなかったらどうでしょうか。Putの価値はゼロになります。これはとても大事なポイントなので覚えておくといいでしょう。Putの価値はゼロになりやすいのです。

3)Putには期限があります。それは通常各月の第三金曜日です。それを「期日」(英語では”expiry date”)といいます。その期日を過ぎるとPutは消滅します。どの月を選ぶかは自分で決めることができます。上記の20Pの場合、期日までに、ABCの株価が20以下に下落していないとPutの価値はゼロになります。

CallもPutも時間と共に価値が減少する

以上から、CallとPutは逆の関係になっているのが分かると思います。

Callの価値が増加するときPutの価値は減少し、反対に、Callの価値が減少するとPutの価値は増加します。また、ABCの株価(CallやPutが対象とする銘柄の株価)が変動しないか限られた変動しか見せない場合に、CallとPutの価値は共に減少します。

以下のことを掲げました。

Callの価値はゼロになりやすいのです。

Putの価値はゼロになりやすいのです。

CallもPutも時間と共に価値が減少する要素を持っています。

それを利用して収入を得ることができます。

CallもPutも売ると収入を得ることができます。

一方、それらを買えば現金を支払うことになります。

「オプションを利用することでそこから収入を得ることができるからです。オプションはキャッシュ(現金)を生み出す能力を持っています。」と述べたのは以上のことをさしています。

「オプションをおぼえる最もはやい方法は実際にやってみることですが、知識としておぼえる(学習する)場合、オプションについての詳細な説明より数学としてアプローチすることです。」と述べました。

コールオプションの売りで現金を得る事例

簡単な例を掲げます。

ABCの株価が20ドルの時に、

21C−1 @150/26C+1@50

の取引をしました。この取引の期日までの期間は40日です。

“21C−1 @150”はストライクプライス(権利行使価格)21ドルのCall(コール)を1単位売り150ドルの現金を得たことを示しています。一方、“26C+1 @50”はストライクプライス(権利行使価格)26ドルのCall(コール)を1単位買い50ドルの現金を支払ったことを示しています。

差し引き100ドルの収入が手に入りました。

これに要する資金は500ドル(=[26−21]*100ドル*1単位)です。

500ドルの資金を投下して100ドルの収入を得ました。利率にして年率(365日換算) 182.5%です。すごい利率ですが、これは無リスクではありません。実際には十分な資金を用意して少しずつ分割でオペレーション(取引)を実行する必要があります。しかし、それでも、オプションが収入を生み出す凄い力があることが分かると思います。

次回は、Putの例を取り上げます。

この記事を書いた人

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。

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