マーケットのメカニズムや構造が生み出す仕組みを利用して資産の増大を図ること

前回の「”安く買って高く売る”の反対」では、一般に広く理解されている「投資」の概念とは異なるので「投資」についてこのように定義し直しました。

「資産を増やすことを目的にマーケットに資本を投じる行為」

その中には「”安く買って高く売る”の反対」、すなわち、「先に売って後から買い戻す。」ことが含まれます。それは一見して危険なお為でよく言えば「投機」(英語では”スペキュレーション“と言います。)、悪く言えば、ギャンブル(”gambling”)と受け取られかねません。

そこで、さらに、このように定義づけしました。

「偶然性に委ねて短期的な価格変動を利用して利鞘を稼ぐこと」でなく「マーケットのメカニズムや構造が生み出す仕組みを利用して資産の増大を図ること」

言葉で遊んでいるように受け取られかねませんが、「投資」(上記の定義に基づく“投資”)の世界には一般に広く理解され“常識”とされている経済や金融よりも数学で成り立っている世界が存在します。信じられないかもしれませんが、数学で価値(マネー=お金)を生み出される世界です。

執筆者
増田 丞美

増田 丞美

現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。 「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。 米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。 現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。 オプションに関する著書・訳著多数。

Short Selling

これから踏み込んでお話ししていく予定ですが、「”安く買って高く売る”の反対」が中心の話になります。勘の言い方は、それがすぐに「株式の空売り」のことだろうとピンときたと思います。確かに、そのことなのですが、一般に理解されている「空売り」とは違います。

興味を持っていただきたいので先に以下のポイントを掲げておきます。

1)日本語の「空売り」という言葉を用いると一般に理解されている「株式の空売り」を連想されてしまうので英語の”Short Selling”(「ショートセリング」)、略して、”SS”(エス・エス)と呼ぶことにします。

2) “SS”は日本の株式まえーケットの制度を用いません。米国の制度を利用します。これには理由があります。(いずれお話ししますが、米国の方が“儲かる”制度になっていると言えば興味を持っていただけると思います。)

3) 企業の株式を利用しません。つまり、企業が発行した株式を空売りするわけではないということです。

4) 仕組み上数学の原理が働いています。

”安く買って高く売る”の反対」で紹介したオプションの仕組みを利用します。

オプションは学習する必要がありません。

5) 一般に「空売り」に伴うリスキーなイメージを払拭します。

そのイメージほどリスキーではありません。

以上について話しを進める前に、「売り」のビジネスの仕組みについてお話しします。

なぜなら、ここの述べる「投資」は「”安く買って高く売る”の反対」なので「売る」ことについて知ってえおく必要があります。

「売り」のビジネスの仕組み

一般に「モノ売り」の世界では、「仕入れ値」あるいは「生産価格」にマージン(売る側の利益)を上乗せしてから一般消費者に提供しています。この仕組みがあるからこそ、売り手は利益を上げることができます。

売れ残りの処分や供給過剰、あるいは需要減退など価格を下げざるを得ない状況を除けば、相場変動の影響をそのまま被ることなく「マージン」によって利益を上げることが構造上できる仕組みになっています。それにより、景気の影響はあるものの、モノを売れば利益をあげられるビジネスとして成り立つのです。

しかし、一般に、 株式投資の世界では、株式を売れば「必ず儲かる」という構造になっていません。(手数料を利益の源泉とするブローカーは別です。)投資が「モノ売り」のビジネスのように成立しない理由がそこに見られます。

なかでも最大の理由は、「買った株式銘柄の株価が必ずしも値上がりするとは限らない。」ということです。投資家が利益を手にするためには、株価が買った後に上昇しなければなりません。投資家は、狙っている銘柄の株価が上がるだろうと予測しかつ将来の値上がりする銘柄や値上がりするタイミングを的確に「選択」しなければなりません。

そうした「予測」と「選択」によってより効率的に利益を上げようとファンダメンタルズ(株価などに影響を与えると考えられる経済やマーケット、あるいは企業業績など)を調査・分析したり、チャート(株価変動をグラフ化したもの)を分析したりと様々な工夫や努力がなされています。

特に、難しいのが、将来の株価変動を予測することであろうと思います。毎年1月の初めに、著名な経済学者やアナリストあるいは財界人などがその年の経済動向や平均株価の高値・安値やそれらの時期を新聞・雑誌に掲載しています。そして、同年実際に起きたことと比べてみると、以下に予測が難しいかが分かります。

株式投資家や株式トレーダーの多くは明日の相場の動きを当てることに多くのエネルギーを使っているように見えます。

「現金製造機」

そこでそんな努力をしなくても稼げる方法を模索してみたいと思います。

結論的なことを先に述べると、「マーケットのメカニズムや構造が生み出す仕組みを利用して資産の増大を図ること」がそれです。

本稿「投資の教科書」のテーマはオプションではありません。しかし、オプションの仕組みを簡単に(要約程度に)知っておくと、

「マーケットのメカニズムや構造が生み出す仕組みを利用して資産の増大を図ること」や「”安く買って高く売る”の反対」の数学的な原理が見えてきます。

「初めから儲けることができる仕組みがある。」などと言えばきっと驚かれるに違いありません。あるいは、信じてもらえないかもしれません。しかし、事実として、それが存在するのです。

オプションの基本的原理は現金との交換です。

オプションについては踏み込んだ説明はしません。本稿を読まれている皆さんもオプションを改めて学習する必要はありません。オプションについてお金を生み出す数学的な仕組みと理解すれば十分です。

オプションの基本原理は以下の図が示しています。

 

それはAとBの間におけるお金(現金)と株式のスワップ(=「交換」)を表しています。交換の条件がオプションでありそのような仕組み全体を表しています。

上記の取引によって下図の”Asset”(「資産」)の欄に「現金」が載ります。

上記の図をB/S(バランスシート)と言います。

これはいわば「現金製造機」です。

以上と「”安く買って高く売る”の反対」すなわち”SS”とどのような関係があるのでしょうか。

あるいは、それは「「初めから儲けることができる仕組み」なのでしょうか。さらに、「マーケットのメカニズムや構造が生み出す仕組みを利用して資産の増大を図ること」と関係があるのでしょうか。

以上の疑問に答えるためには、米国の制度に触れる必要があります。

次号でそれについて述べます。

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