オプションに習熟するとPLをコントロールできます
(更新 ) · 増田 丞美

この記事は2021年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
次のSQは2026年11月13日、取引最終日は2026年11月12日です。SQ日カレンダーを見る →
米国で一般の人たちに広く普及して知られているオプションは日本では多くの人たちにとって馴染みがないものです。
毎回の記事には日本人の多くにオプションを通じて一般の日本人には馴染みのない世界を知り役立ててほしいという思いが込められています。
表を覚えることが大事
前回は
「ここまでできれば第1関門はクリアです。」で終わりました。
オプションに対して数学的アプローチ(←「数学」を難しくとらないでください。ほとんどが算数レベルの知識でカバーできます。:四則演算ができれば十分です。)をすれば誰でもオプションを使えるようになります。オプションは道具に過ぎません。
第一関門をレビューします。
前回掲げた表をもう一度掲げます。
表を覚えることが大事です。これがオプション習得への近道です。繰り返しますが、数学(算数)として覚えることです。
記号と数字の関係を知ることが大事です。
Cはコール、Pはプットです。
時間価値
Cの下に書かれた数字はCの価値で「プレミアム」と呼ばれるものです。その多くはオプションの期日(オプションには満期があります。)が来るとゼロになります。
Pの下に書かれた数字はPの価値で「プレミアム」と呼ばれるものです。その多くはオプションの期日(オプションには満期があります。)が来るとゼロになります。
「その多くはゼロになる。」というのが興味深いと思います。
それはオプションのプレミアムには「時間価値」(英語で“タイムバリュー”[=”Time Value”]といいます。)が含まれているからです。TV(「時間価値」を“TV”と表記します。)は時間の経過と共に減少し最後はゼロになります。
上の表をご覧ください。
現在の株価は18ドルです。
そこで、18C(S[=権利行使価格]が18のコールを“18C”と表記します。)と18P(Sが18のプットを“18P”と表記します。)に着目します。
18Cのプレミアムは1.32で、これは1単位あたり132ドルを意味します。
18Pのプレミアムは1.40で、これは1単位あたり140ドルを意味します。
前回「オプションチェーン」の表を4つにくわけしました。
おぼえているでしょうか。
1) C:S≧18
2) C:S<18
3) P:S>18
4) P:S≦18
上記エリア1)と4)のCとPのプレミアムにはTV(「時間価値」)しか含まれていません。
ここで、オプションが初めての人にとってはいきなり高度なオペレーション(取引を「オペレーション」と呼びます。)をあえて紹介します。いずれ誰でもできるようになれます。
18C-1 @1.32 (18コールの1単位の売り)
と
18P-1 @1.40 (18プットの1単位の売り)
を同時に実行したとします。
あわせて272ドルを先に受け取れます。
オプションの期日(満期)時点で株価がどの範囲にあれば最終的にどれだけの収入(利益)が残るかがあらかじめわかります。
キャッシュフロープロジェクション
下表は「キャッシュフロープロジェクション」と呼んでいるものです。
オプションがどのように収益を生み出すのかをそのからくりを理解するのに役立ちます。
オプションに習熟すると上記のPLをコントロールすることができます。誰でもオプションをモノにできます。表の使い方をおぼえるのが近道です。表には利益をもたらすからくりが含まれています。それについては来年お話しします。
よいお年をお迎えください。
この記事を書いた人
増田 丞美
現在、WBP,LLC/Wish & Brains Partners代表(CEO)兼社長。
「オプション・キャッシュフロークラブ」主宰。
米国コロンビア大学を卒業後、野村証券(東京・ロンドン)、米国投資銀行モルガンスタンレー(ロンドン)などを経験。
現在、国内外の事業会社の経営の傍ら、日本において幅広い個人層にオプションの実践を指導している。
オプションに関する著書・訳著多数。





