投資初心者のための損益計算書の見方
(更新 ) · 投資の教科書 株式事務局

この記事は2015年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
「成績悪いから親に通知表みせるのいやだなー」
子供の頃、上記のように思ったことはないでしょうか。じつは、企業にも通信簿と似たようなものがあります。
それが損益計算書です。
この損益計算書は年3回の通知表とは違い年4回株主に成績を見せなければなりません。
そのため、企業もこの成績表をできる限り見栄えの良いものにしようと必死になります。成績表が悪いと企業の株主は人間の親と違い、見放してしまう(株を売る)からです。
つまり、損益計算書は企業の株価にも影響を与える投資家が知るべき成績表なのです。
このページでは損益計算書の見方をお伝えします。
1.企業の成績表「損益計算書」とは
損益計算書とは企業の成績表とお伝えしましたが、正確には企業の利益を段階的に提示したものです。具体的には以下の4種類の利益を提示します。
- 売上高
- 営業利益
- 経常利益
- 純利益
以上4つの利益となります。売上高から決められた項目を加えたり、引いたりしてそれぞれの利益にしていきます。それぞれ重要な意味がありますが、結論からいうと2番目の「営業利益」がもっとも重要な利益です。以下1つずつ解説していきます。
1.1.売上高とは
売上高とは、企業活動を通じてものやサービスを顧客に提供して得た総利益のことです。
年商とも言います。
よく年商1億の社長!なんてテレビや本で取り上げたりしていますが、ここからは企業活動にかかるさまざまな金額を足したり、引いたりして最終的な利益を求めていきます。
その最初の土台になる数値のことです。もちろんこの売上高が大きいことは良いことですが、最終的に赤字では意味がありません。
そのため売上高は企業の力をみる一応の目安になります。
1.2.営業利益とは
営業利益とは、本業の利益のことで売上高から売上原価、販売費と一般管理費(いわゆる販管費)を差っ引いたものです。
販管費とは、企業活動に関わる費用であり、それは広告費や手数料、人件費や福利厚生費用、経費などのことです。
この営業利益こそが本業のもうけであり、投資において最も重視したい利益です。その理由は後ほどご説明します。
1.3.経常利益
経常利益とは、営業利益から営業外収益と営業外費用を加えたものです。
具体的には、営業外収益が受け取り利息や配当など、営業外費用が支払い利息などをさします。など時価総額から目標株価を計算するためにこの経常利益を使用したりしますので、日本においてはこの経常利益が重要視されることが多いです。
1.4.当期純利益
企業が提示する最終的な利益です。
この利益を出すためには、特別損益を経常利益にプラスし、最後に法人税などの税金を引く必要が生じます。特別損益とは、たとえば不動産を売って利益を計上したり、災害による損失が出たり、その特別事情を考慮して最終的な利益を出します。
この利益は、やろうと思えば故意に増やすことができるということです。そのため、当期利益がどのように増えたか減ったかしっかりと把握しておく必要があります。
2.気をつけたい米国会計基準とは
下記の図を見ていただきましょう。トヨタの利益の推移です。

売上高、営業利益、当期純利益とROEのここ数年の推移が並んでいます。特にここ2年の業績の伸びに目が行きますが、ほかにも重要なこととして経常利益がないことに気づきましたか。
トヨタは米国会計基準を採用しているためにじつは経常利益がありません。その代わりといってはなんですがROEがはいっていますね。ROEは海外の投資家が投資をする基準として重要視するものです。
ここではなにがいいたいのかというと、今後は上記のように日本の会計基準ではなく、世界的な会計基準を採用する日本企業が多くなって行くだろうということです。
そのため、日本版の損益計算書の仕組みだけでなく、米国会計基準に基づいた損益計算書をおさえておく必要もあると思われます。
まとめ
損益計算書自体は読み解くのはそれほど難しくはありません。
ただし、気をつけていただきたいのは、損益計算書の数値はあくまで利益が注目されているのだということです。そのため、利益だけでなく会社の資産(つまり貸借対照表)が安定し、健全かどうかも同時にチェックする必要があります。
貸借対照表に関してはまた別の記事でお伝えいたします。
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