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皆さまは、株式を買う時、何を基準にしていますか?
PER(株価収益率)を基準にしている投資家も多いと思います。
PERは、もっともポピュラーな指標の1つなので、株式投資をする上で、意味や使い方を理解しておく必要があります。
この記事では、PERで知っておきたい内容から、活用方法まで丁寧に解説しています。是非、最後までお読みください。
目次
PER(Price Earnings Ratio=株価収益率)は、現在の株価が、企業の利益水準に対して割安か割高かを判断するための指標で、単位は「倍」を使います。
PERは、以下の計算式で求めることができます。
PER(倍)= 株価 ÷ 1株当りの純利益(EPS)
例えば、株価が1,000円で、1株利益が100円だと、
PER = 1,000円 ÷ 100円 = 10倍
となります。
これは、現在の株価が、1株利益の10倍の水準だということを表しています。
基本的には、
と判断します。
また、長期的な統計によると、PERが低い銘柄の方が、高い銘柄よりもパフォーマンスがいいとされています。
(参考:林則行箸「伝説のファンドマネージャーが教える株の公式」)。
例えば、時価総額上位の500銘柄を、PERが高い銘柄と低い銘柄で250ずつ分けて長期的なパフォーマンスを計測したところ、PERが低い銘柄群の方が、株価の上昇率が高いとされています。
それでは、PERはどのように調べればいいのでしょうか。
今期の会社予想に基づく、PERについては、ヤフーファイナンスの個別銘柄のページに「参考指標」という欄があり、そこに掲載されています。
下の画像をご覧下さい。これはヤフーファイナンスのソニー(6758)の参考指標です。
赤枠で囲んだ部分の「14.26倍」が、今期の会社予想に基づくPERです(2018年8月20日時点)。
また、四季報オンラインでは、四季報予想に基づく、PERを見ることができます。
下の画像をご覧下さい。これは、四季報オンラインのソニー(6758)の情報画面です(2018年8月20日時点)。
赤枠で囲んだ部分の「14.26倍」が、四季報予想に基づくPERです。
同じ銘柄でも、先ほどのヤフーファイナンスで見た会社予想に基づくPER「15.21倍」と若干数値が異なりますよね。
このように、会社予想に基づくPERと、四季報予想に基づくPERの数字が異なる場合、私は、後者の四季報予想に基づくPERを使うようにしています。
なぜなら、四季報予想のほうが市場参加者のコンセンサス(平均的な見解)に近いことが多く、実際に見ている人も多いからです。
一見、PERが低い株ばかり買えば儲かりそうですが、現実にはそんなに簡単にはいきません。
ここでは、PERを株式投資に活かす方法を3つご紹介します。
「カタリスト」とは、本来、「触媒」という意味で、相場では、株価上昇や下落のきっかけとなる材料を指します。
例えば、次のようなことです。
先ほど、PERが低い株は割安だと説明しました。しかし、そのような株は、成長性が低く、市場で人気がないことが多いです。
株式投資は人気投票という側面もありますので、PERが低い株を割安だからと買っても、ずっとPERが低いままで全然株価は上がらない、ということがよくあります。
ちなみに、このような状況を「バリュートラップ」といいます。
このバリュートラップを避ける対策として、株価が上昇するためのカタリストに注目する方法があります。
つまり、単にPERが低い株を買うのではなく、PERが低く、かつ、カタリストが発生しそうな株を買うという方法です。
まずは、何が株価上昇のカタリストになるのかという視点で相場を観察してみることをおすすめします。
私自身も、四季報オンラインの業績予想の修正や、四季報の発売がカタリストになりそうな、PERが低い銘柄を買うという方法を、10年以上続けています。
「PERが15倍よりも低いと割安」という解説を見かけます。
しかし、業種全体の傾向として、PERが低いものもあれば、高いものもあるので、一概にPERが15倍以下だと割安とは言い切れません。
例えば、同じPER15倍であっても、マンション販売の株であれば割高と判断され、ネットセキュリティの株であれば割安と判断されるということが生じます。
そのため、単独の銘柄のPERを見ても、割安なのか割高なのかということは判断しにくいです。
そこで、同業他社の銘柄のPERと横の比較をすることで、そのPERが本当に割安かどうかの判断がより適切にできるようになります。
なお、四季報オンラインの場合、「ライバル比較」という項目があるので、この中で、同業他社の銘柄のPERとの比較が可能です。
下の表をご覧下さい。これは、ソフトバンク(9984)の「ライバル比較」です。
赤枠で囲んだ部分をご覧いただくと、
のPERが掲載されており、ソフトバンクのPERは、この中では高めであることがわかります。
また、証券取引所では、毎月、業種別のPERを発表しています。そこに記載されている数値と個別銘柄の数値を比較して、割高か割安かを判断する方法もあります。
もっとも、同業他社と比べてPERが低ければ、ただちに割安とは言い切れない面もあります。
なぜなら、成長率が高い銘柄ほどPERは高くなり、成長率が低い銘柄ほどPERは低くなるからです。
そこで、同業他社と比較する際には、単純にPERだけで比較するのではなく、成長率とPERを見て割安かどうかを判断したほうがよいです。
例えば、A社がB社と比べて割安かどうか判断したい時に、
の場合、B社よりもA社のほうが成長率が高く、PERは低いので、割と簡単にA社の方が割安と判断できます。一方、
の場合、B社よりもA社のほが成長率が低く、PERも低いので、A社の方が割安とは判断できません。
このように、同業他社のPERと比較する際には、PERの数字だけで比べず、成長率とPERをセットにして見るようにしましょう。
株式投資では、PERが高い間は株価が上昇して、その後、成長が鈍化し、PERが低くなると株価が下落するということがよくあります。
そのため、PERが低くなったタイミングで割安だと思って株式を買うと、株価が下落して損することがあります。
こうした事態を避けるためには、その企業の成長ステージとPERの関係をイメージしておくことが重要です。
下の図をご覧ください。
企業の成長期の初期は、成長率は高いものの利益水準は低く、PERは高く評価されます。
その後、成熟期に入ると、成長率が鈍化するものの利益水準が高く、PERは低くなります。
この段階でのPERの低下は、一見すると魅力的に見えます。
しかし、ここで割安と判断して買ってしまうと、やがて、衰退期に入り、利益水準が低下するようになります。その結果、株価は下落してしまいます。
このように、単純にPERが下がったから割安になったと判断するのではなく、企業の成長ステージのどの段階にあるのかをイメージして、PERの数字を見るようにしてください。
私も、PERが下がったという理由だけで成長が止まった株を買って損したことがあります。それ以降、この点には気を付けるようにしています。
この記事では、PERを株式投資を活用する方法として、
という3つの方法をご紹介しました。
是非、PERを株式投資に取り入れていただければ幸いです。
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