長期投資とは|バフェット流の投資方法で儲けられるか?
(更新 ) · 投資の教科書 株式事務局

この記事は2015年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
株式投資の神様といえば「ウォーレン・バフェット」と応える投資家がほとんどだと思われます。
もし株の長期投資で成功したいのであれば、投資家としてもビジネスマンとしても長期投資で超一流の実績を残したバフェットの方法をすこしでも取り入れたうえで投資を行っていきたい投資家がたくさんいるのも事実です。
ただ、日本の株式市場でバフェット流を貫いて儲けられることはほとんどありません。
実は、アメリカの株式市場の動きと日本の株式市場の動きは根本的に異なっているため、バフェットのやり方を真似てみても投資できる確率は低いのです。
このページでは、バフェットの人物像と投資スタイルを解説したのち、なぜその投資法が日本の株式市場で通用しないのかを解説していくことにします。
目次
1.投資の神様 ウォーレン・バフェットとは

ウォーレン・バフェットは、アメリカ合衆国のオマハ在住の世界的に有名な大投資家で、世界有数の持株会社であるバークシャーハサウェイの会長を務めています。彼には幼いころから投資にかんする才能があったのか、6本25セントで仕入れたコーラを、1本5セントで売り歩いていたなどという逸話も残っています。
今では世界長者番付にも名を連ねる大金持ちですが彼はどのように資産を増やしていったのでしょうか。
彼の投資法はファンダメンタル投資と呼ばれるものですが、バフェット流投資の凄さはその「銘柄探し」の力にあります。彼の選別眼が優れているために保有する株式が長期的に上がり続けることになるのです。
特に一時的なファンダメンタル悪化に伴い人々のパニック的な売りにより大きく売り込まれた優良株を買い付けて、売り込まれた分が回復するまで長い間保有する割安株投資が彼のスタイルです。
つまり、ほとんどの一般投資家が売り込むような最悪の場面で逆に株を買い付ける「逆張り投資」が資産を増加させるきっかけになったようです。もちろん悪材料がでた銘柄を適当に買い漁っていたわけではなく、厳格な選定基準を通して銘柄を保有し資産ポートフォリオを構築していました。
「最高のタイミングで買えた株式は、一生手放す必要は無い」
これ彼の有名な言葉です。それでは次にバフェットがどのように銘柄選定をしているのかを見ていきましょう。
2.バフェットの銘柄選定 3つのキーワード
バフェットの銘柄選定に関してのキーワードには3つの特徴があります。
- 悪材料のでた銘柄をとにかく安く仕込む
- 消費者独占型企業の株を選ぶ
- インターネット系企業などの人気株は手がけない
細かく解説するとまだまだたくさんありますが、上記3つはバフェットの銘柄選定をする上で大きなキーワードになります。
まず1ですが、通常の投資家は好材料や好業績の企業を買う傾向になるが、バフェットは逆に悪材料出大きく売り込まれた優良株を仕込みます。
短期的に取引をする投資家がパニック的な売りを起こし必要より売り込まれることが往々にしてありますが、そのような時にバフェットは下値その株を拾うのです。
つぎに2ですが、消費者独占型の企業への投資を行うところに特徴があります。
文字通り消費者を独占するような巨大なネットワークを世界中に持つ企業に投資をするのです。例えばバフェットが好きな銘柄の一つにコカコーラ社がありますが、コカコーラは世界中どこへ行っても購入することができます。それはすなはち消費者を独占しているといえます。
バフェットがこの消費者独占企業を選ぶ基準としては、他にEPSが増加している、多額の負債を抱えていない、ROEは高いかなどといった選定基準があります。
最後に3つ目ですが、ネット系企業などのような人気株には手を出さないということです。
最近でいえばアプリなどを開発する企業だったり、クラウド系ビジネスを手がける企業ということでしょう。確かに、現在話題となっている企業は実際にそのサービスが良いものかどうかにわかにはわかりにくい面があります。バフェットはいわゆるそのような人気株は手がけないということです。
ここまで3つのキーワードをざっくりとお伝えしましたが、より深くバフェットの投資法を知りたい方は下記の文献を参考にすると良いでしょう。
参考:「バフェットの銘柄選択術」メアリーバフェット・デビットクラーク著
3.日本市場ではバフェット流が通用しない理由とは
ここまでバフェットがどんな人かその投資法がどういうものかはなんとなくわかっていただけたかと思います。より詳しく知りたい人は、「ベフェットの銘柄選定術」などを読んでみるといいかもしれません。
さて、ここまでバフェット流の投資スタイルをお伝えしましたがそれが日本の市場であまり役に立たないことを伝えていきます。
様々な書籍が、様々なアナリストが、バフェット流の投資スタイルを推し進めてきましたが日本の市場で同じことをすると、よりアクティブに収益を求める投資スタイルを取るよりもはるかに利益率は低くなります。その理由は3つあります。
- アメリカ市場のように日本市場は右肩上がりではない
- 日本市場では大型銘柄より小型銘柄に優位性がある
- アメリカの企業のように株主還元策を重要視している企業が少ない
上記3点の違いを知れば日本の株式市場ではバフェット式の投資法で大きなパフォーマンスを残すことは難しいということがわかります。
3.1.アメリカ市場のように日本市場は右肩上がりではない
下記のチャートをごらんください。
このチャートは米国市場の代表的な株価指数であるニュークダウの30年分の値動きを表しています。
ここまで一貫して右肩上がりの上昇トレンドを描いていることがわかります。これまで確かにITバブル崩壊やリーマン破綻など様々な株価暴落を経ているにもかかわらず長年高値を更新し続けているのです。
一方で日本市場を見てみることにしましょう。下記は同じ30年間の日経225のチャートです。
最近でこそ日本市場はアベノミクスで株価が盛り返してきたとはいえようやく日経平均が20,000円を超えたところです。
これはまだITバブルのころと変わらない株価水準であり過去の高値37,000円までの道のりははるか先です。つまり日本市場は長い目でみると下落トレンドとは言わないまでも長期的にはレンジ相場に近い動きをしていると言えるでしょう。中長期目線で株を買ったり売ったりするのには向いていますが、超長期で株を保有するバフェット式には向いていません。
これから人口がどんどん減っていく日本ではアメリカのような消費大国には当然なれませんし、株価がこのまま右肩上がりで過去の37,000円を超えて上昇していくとは思えません。
3.2.日本市場では大型銘柄より小型銘柄に優位性がある
海外の大型株は長期にわたり上値を更新し続ける銘柄が多いです。これは上記のニューヨーク市場が全体的に上値を更新し続けていることと深い関係がありますが、個別の大企業の力もアメリカと日本では大きな差があります。日本の大型株は時価総額ばかり膨れ上がり、これから長期的に株価を何倍にもしていく状況は考え難いといえます。
一方で、小型株には大型株にはない優位性があります。機関投資家が手掛けない分、日本市場を動かす外国人投資家やヘッジファンドなどの動きに左右されずに独自に株価を上昇させていく銘柄が多くあるのです。
日本市場で株式として資産を運用するのであれば、間違いなく大型株よりは中小型株を狙うほうが効率的に資産を増やすことができるでしょう。アベノミクスにより大きく上昇した現在の相場から株式投資を始めるならなおさらです。
3.3.アメリカの企業のように株主還元策を重要視している企業が少ない
アメリカの投資家は出資している企業に対して株主に対する還元をしっかりと考えるように促す姿勢をもっています。
株主を軽視する企業は叩き売られるのが米国投資業界での常識です。アメリカの企業はその影響もあってか大企業でも毎年増配をしている企業が多く見られます。実に半世紀以上増配をし続けている企業すらあるのです。
一方で、日本の大企業は増配をし続けている企業はまれです。花王とミニストップがかろうじて20年以上の連続増配を成し遂げている状況ですが、利益の伸びを考慮するとこれが後30年続くかどうかは疑問ですね。株主還元策の強化はいま日本の企業に求められている最大の課題だといえるでしょう。
まとめ
日本市場においてはバフェットのような投資スタイルで投資をし続けても「それなり」の投資成果しか得ることができません。
経済大国となった今でも人口が増え続けているアメリカとは違い、日本は超長期的には右肩で株価が上がり続けるとはにわかに考え難いものがあります。日本市場で資産を増やそうとするならそれに見合った投資手法が存在するのです。
くれぐれも書店やネットに転がる大量のバフェット手法勧誘にはご注意を!
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